死刑囚になったヒットマン 「前橋スナック銃乱射事件」実行犯・獄中手記

  • 文藝春秋 (2024年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163917764

作品紹介・あらすじ

2003年、暴力団抗争により一般人3人の
尊い命が奪われた「前橋スナック銃乱射事件」。
前代未聞の凶悪事件はなぜ起きたのか? 
実行犯の死刑囚が綴る衝撃の手記!

みんなの感想まとめ

暴力団の指示に従う中で、命を奪う凶悪事件に関与した実行犯の獄中手記が描くのは、絶望的な状況に置かれた一人の男の葛藤です。彼は親分の無茶な命令に従うしかない立場にありながら、その中での反発心や苦悩を率直...

感想・レビュー・書評

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  • 【編集者のおすすめ】『死刑囚になったヒットマン』 贖罪の気持ちを込めた獄中手記 - 産経ニュース(2024/2/11)
    https://www.sankei.com/article/20240211-FIBQB4IEJZLGZC3BEWNJVAMR7M/

    「死刑囚になったヒットマン」書評 殺し屋っぽくない殺し屋の実感|好書好日(2024.03.02)
    https://book.asahi.com/article/15184643

    【書評】『死刑囚になったヒットマン 「前橋スナック銃乱射事件」実行犯・獄中手記』 : 書籍 : クリスチャントゥデイ(2024年4月5日)
    https://www.christiantoday.co.jp/articles/33485/20240405/masato-kohinata-hitman-on-death-row.htm

    『死刑囚になったヒットマン 「前橋スナック銃乱射事件」実行犯・獄中手記』小日向将人 山本浩輔 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163917764

  • 一般人3人が巻き添えとなった「前橋スナック銃乱射事件」(2003年)の実行犯による獄中手記。X(旧Twitter)の一部クラスタで話題沸騰の1冊である。

    本の性質上、「面白い」とは言いにくいが、犯罪ノンフィクション史上に残る貴重な一書であることは間違いない。一気読みしてしまった。

    便箋約250枚に及ぶ手記自体も、きわめて詳細で、素人が書いたにしてはわかりやすい。表現は稚拙でも、意味がつかみにくい箇所はない。
    (私はライターとしての仕事で素人の文章をリライトすることがよくあるが、その多くは本書の手記よりもずっとわかりにくく、「解読作業」を要するものだ)。

    それに加え、共著者で元『週刊文春』記者の山本浩輔が、各章(手記を7つの章に分割)に詳細な解説を付している。
    2つの相乗効果で、前代未聞の凶悪事件の全貌が鮮やかに描き出された。

    実行犯の小日向死刑囚以上に、襲撃を指示した所属組織の会長(矢野治/死刑執行を待たずに獄中自殺)が極悪人であることに驚かされる。
    『闇金ウシジマくん』や『殺し屋1』に出てきそうなサイコパス系ヤクザで、完全に狂っているのだ。小日向も、こんな親分につかなければ事件を起こさなかっただろうに……。

    「平成の殺人鬼」と呼ばれた矢野治のサイコパスぶりは、「デイリー新潮」のこの記事でよくわかる。

    https://www.dailyshincho.jp/article/2022/01290601/?all=1

    ここにあるエピソードの多くが『死刑囚になったヒットマン』にも出てくる。
    ただし、昔の矢野にはもっと人間味があったようで、10代のころの小日向将人は父親のように思っていたという。途中から狂っていったのだ。


  • 妙に呑気な語り口とやってる事のギャップに慄く。 

    前橋スナック銃乱射事件の実行犯の獄中手記。
    雑な親分の雑な指示。
    従うしかない、背けば粛清の関係性。

    サイコパス親分の下で無茶な指示を受ける小日向死刑囚の苦労話的な構成。

    上の指示には逆らえないとはいえ、一般人を巻き込み命を奪ったことは到底許さざるを得ないのは大前提として、小日向死刑囚は親分にだいぶ反論していたみたいで所々に「だから言ったのに」みたいな含みの言い回しが多い。

    親分をとっくに見限ってはいたが、離れれば妻子や自分の命までも危うい状況でどうすればよかったのかと読後考えてしまった。

  • 長年運転手をさせられ、将棋の駒のように使い捨てられた。オヤジの言っていることが間違っていても、意見出来ない(したとしても、相手にされない)。言われたことを信じて、散るしかないヤクザという世界のリアルが書かれていた。

  • 2024.4.30
    拙い文だけど彼の頭の中、心の中が、そのまま言葉になったようで、あっという間にひきこまれて読み終えた

    「男惚れ」したという矢野に便利な使い捨てのコマにされたことは、ショックだったろうし信じたくなかっただろう。その分反発心が大きくなるのは当然だよな

    なんとか止められれば良かった
    死刑囚になどなって欲しくなかった

    文からはユーモアも感じられ、人としての魅力もあったのではないかと想像させられる。

    ただ、最後に「あなたならどうしますか?」「私はどうすれば良かったのだろうか?」と、問いかけるところは理解できなかった。
    そもそも暴力団員にならなければよかった。難しい環境で育った人が皆、その道に進むわけではない以上、生い立ちを言い訳にしてはならない。
    それに、彼には抜けるタイミングもあったはず。
    家族に宛てた遺書に書いたあの気持ちがあったなら、やはり辞めるべきだったのだ。

    人は正しい道を歩き続けるのは難しい。
    正しい道はあっちだとわかっていても、今の不正な道をダラダラと歩いてしまう。

    自分の身に起こる出来事は全て自分に原因がある
    人のせいにしていては前進はない

  • 死刑囚となったヒットマン
    「前橋スナック乱射事件」実行犯・獄中手記

    著者:小日向将人(まさと)、山本浩介(解説、元週刊文春記者)
    発行:2024年1月30日
    文藝春秋

    2003年1月25日、前橋市内のスナックで暴力団員2人が押し入って拳銃を発砲、抗争相手のヤクザを狙ったのだが、関係ない一般人3人を殺してしまった。狙った相手は死なず、その配下の人間1人が死んだ。言われると記憶に残っている人が多い「前橋スナック乱射事件」。

    発砲した2人のうちの1人が、この本の著者である小日向将人という組員。彼が死刑確定後に書いた手記を文春オンラインで公開し、それが全てではなかったため、全貌を収録して本書が出版されたという。もう一人の著者でもある山本浩介氏が、報道などを引用しつつ各章の最後に解説を入れている。

    著者は逃亡先のフィリピンでインターポールにより身柄拘束され、帰国、2005年3月地裁で死刑判決、2009年7月に確定。早くから自白をし、法廷では知っていることの全てを話した(ことになっている)。もう一人の被告(山田健一郎、のちに死刑確定)は、最後まで誰に指示されたのか口を割らなかった。ヤクザの世界では、〝親〟を売るのはタブーであり、自分が死刑になるのは分かっていても口を割らない。そうでないと家族がやられてしまう。妻と3人の子供がいた著者は、獄中で離婚手続きを取った後、全てを話しはじめた。

    最初に言っておくが、この手の本(殺人犯が書いた本)には共通するものがある。それは、被害者には本当に申し訳ない、自分のしたことは間違っている、取り返しがつかないことだが何度でもお詫びしたい、としつつ、最低でもどこかに自分の正しさのようなものを主張するのである。例えば、全く同情の余地すらない神戸の連続殺人犯の「サカキバラ」ですら、自分はどう言われてもいいが、家族が悪く言われるのは許せない、などと安っぽいドラマの台詞みたいなことを書いている。

    この本の著者に関して言えば、自分はヤクザとしては筋を通してきたし、今回もそうだった、犯行もやりたくなかったし、そんなことしたら一般人を巻き込んでしまうと親分に何度も警告をした、しかし、親分はそれを無視してとにかくやれ、やらなければ分かってるな、と脅してきたので仕方なくやった、と繰り返す。反省しているように見せかけて、実は反省などしていない、結局は自分の親分のせいにしているだけである。でも、読む方は全員がそう感じるわけではないところが恐ろしくもある。この犯人に同情してしまう向きも少しはあるのだろう。

    住吉会系と稲川会系の抗争が基本。発端は2001年の「四ツ木斎場事件」。住吉会幹部の葬儀中に、稲川会・大前田一家の幹部2人が紛れ込み、参列していた住吉会の幹部2人を射殺した。ヤクザの世界では、葬儀のような義理場でのもめ事はタブーとされているため、いきり立った。結局、上層部で手打ちがなされたが、納得いかない組員が多くいた。

    納得いかない住吉会の中でも武闘派と言われる幸平一家(2次団体)。その下の五十嵐組(3次)の下に、著者が所属していた矢野睦会(4次)があった。そして、著者がいうには、この矢野治会長がアホで身勝手なやつなのだ。事件後に五十嵐の親分が住吉一家の養子になったため、矢野が池袋をもらうことになり、名前を売りたかったこともあるのだろうとしている。著者からすると、元来、殺された幹部との関係からすると、なんで俺たちが復讐をしなければいけないのか、他に直接関係がある、ヒットマンになるべきやつらがいるだろうに、との思いもあった。

    さらに、矢野から便利遣いされる著者。相手方の親分の家に火を着ける作戦の際にかり出された時も、その時の隊長がアホで失敗したのにそれは責められず、自分だけが次から次へと重責を押しつけられる。その理不尽さを訴える著者。

    それは俺のやるべき仕事ではない、そんなことをしたら失敗するぞ、でも鶴の一声で従わなければならない、殺しなんてしたくない・・・いろいろと自分の正しさを主張してはいるが、最後は家族が狙われる、指を詰めるぐらいではすまないから、やらざるを得ない、と言い訳している。

    著者の手記は、2022年11月から文春オンラインで公開されたという。約2年の歳月をかけて書いた手記だという。ということは、2020年のどこかの時点で書き始めたことになる。あるいは2021年初頭かもしれない。

    なぜ、死刑が確定してからこのような手記を書こうとしたのか?今更言ってもどうにもならないではないか?そう思える。内容は、矢野治に対する批判、ほぼオンリーである。ところで、その矢野治も死刑判決が確定し、2020年1月に収監先で自殺している。

    つまり、矢野が自殺してから手記を書き始めているのが濃厚ということになる。結局は、死人に口なし、自分を少しでもいい人にしておきたい、そういうことで書いたのではないかと思えた。死刑になるのに、今更いい人になりたい?そう、それこそ、残された3人の子供のためにカッコつけたかったのかもしれない。印税は遺族に全額渡せ、とも言っているようだ。

  • 【前代未聞の凶悪事件はなぜ起きたのか? 】2003年に起きた前橋スナック銃乱射事件。暴力団抗争により一般人3人の尊い命が奪われた。実行犯の死刑囚が綴る衝撃の手記。 

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