- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163917849
作品紹介・あらすじ
「日曜日の初耳学」「あさイチ」「報道ステーション」で紹介されました!
20か国・100都市で大喝采。
巨匠マエストロ、一流オーケストラからオファー殺到。
いま最も愛されるピアニストが、自ら綴った2年間の全記録。
2019年、弱冠20歳で世界3大ピアノコンクールのひとつ、チャイコフスキー国際コンクールで第2位受賞。
以降、世界のマエストロからラブコールを受け、数々の名門オーケストラとの共演を実現させてきた藤田真央さん。
現在はベルリンに拠点を移し、ヴェルビエ音楽祭、ルツェルン音楽祭といった欧州最高峰の舞台で活躍されています。
◉エッセイ&語り下ろしによる、2年間の全記録
NYカーネギーホールを熱狂させたソロ・リサイタル。
レジェンドたちと共演を果たしたアルプスの音楽祭。
亡き恩師・野島稔先生と交わした約束。
――真のスターだけが見ることを許された景色が、ここに。
◉写真もたっぷり収録
スカラ座、コンセルトヘボウから、フランスの森のピアノまで。
カラー写真で世界各地でのコンサートの様子をお届け!
オフショットも満載です。
================
【規格外の天才ピアニスト・藤田真央】
★世界中からラブコール! 20か国・100都市でコンサート
◦世界最高峰「ヴェルビエ音楽祭」で一躍スターに
◦巨匠マエストロ、一流オーケストラからオファー殺到
カーネギーホール、ウィグモアホールでのリサイタル
ポリーニ、アンドラーシュ・シフ、マルタ・アルゲリッチの代役も
★奇跡の音色と圧倒的実力
◦18歳で「クララ・ハスキル国際ピアノコンクール」優勝
◦20歳で「チャイコフスキー国際コンクール」2位
◦日本人初! 名門ソニークラシカルとワールドワイド契約
◦世界160か国でCDリリース
★もちろん、日本でも人気はダントツ!
◦リサイタルチケットは秒速で完売
◦映画「蜜蜂と遠雷」では奇才・風間塵役のピアノ演奏を担当
===============
プロフィール:藤田真央
1998年東京都生まれ。3歳からピアノを始める。
2017年、18歳で第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝。19年、第16回チャイコフスキー国際コンクールで第2位受賞。
21年11月、ソニークラシカル・インターナショナルと専属レコーディング契約を締結。22年10月に〈モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集〉をリリース、オーパス・クラシック賞2023にてYoung Artist of the Yearに選出される。
23年1月、カーネギー・ホールでホール主催のソロ・リサイタルを開催、同年7月、ウィグモア・ホールにて〈モーツァルト:ピアノ・ソナタ全曲ツィクルス〉を達成。
感想・レビュー・書評
-
テレビでたまたま聴いた藤田真央さんのモーツァルトの音があまりに綺麗で、「あー、モーツァルトはこんな風に弾いてもらいたかったんだ、と喜んでるだろうな、モーツァルトもこんな風に弾いていたんだろな」と初めて感じた。
それで、興味が生まれて本を手に取ってみた。表紙だけ見ても自ずとわかるけれど、本の作り、時々挟まれている写真など、所々からこのピアニストが本の制作に関わった人たちから愛されているのが伝わってくる。本を読んでこんなことを感じたのは初めてだった。
藤田真央さんは、(本から窺い知るに)音から想像する通り、天真爛漫で懐が大きく、世界をチョロチョロと難なく駆け抜けていく、天性のの才能と能力を持っているようだった。自分に自信があるのだなぁ、強いなぁと感じた。それだけの努力や経験を積んできて作られたものだろうけれど。
私は日本にいた時の大谷翔平さんがものすごく好きだったのだけれど、アメリカで活躍して変わってしまい、(もちろん、ご本人にとっても野球界にとって良いことなのだけれど)私はショックなのだが、海外で自信をつけてもまだ元の様子を残している方が、藤田真央さんなのかも…と、勝手に想像した。とても愛されキャラの方のようだ。
第一部はメモする事が多く、なかなか進まなかったが為になった。
第二部はご本人が綴った日記的なエッセイで、肩の力を抜いて楽しく読んだ。
今、日本人で一番注目されている、そして愛されているピアニストではないだろうか。私も、より藤田さんの演奏を生で聴きたくなった。コンサートに来て欲しいな。田舎だけど…
心に残った言葉が沢山あったので一部だけ
◯ピアニストが何かを選択する立場にいると勘違いしてはいけない。だから私はピアノと格闘するような真似も絶対にしたくない。どんなに盛り上がる場面でも、常にピアノに寄り添う姿勢を崩さないよう心がけている。ピアノをコントロールしきれず持て余し、挙句の果てに、対峙格闘するようなポーズを取る位なら、そんな難曲は最初から弾かなければいいし、弾いてはいけない。
◯私は、演奏そのものには、殊更にメッセージを込めないように注意しておりました。それは私自身の思いを乗せすぎることが、時として豊かな音楽を濁らせてしまうからです。
◯SNSなどで、演奏そのもの以外の情報が増えたせいか、クラシックの世界でも、目立つものが喜ばれる傾向が強まっていると感じられる。そんな時にいつも思い出すのが、野島先生のあのストイックな横顔なのです。
◯自分の信じる音楽を突き詰めれば、派手な勢いや強い押し出しなどに頼らずとも、伝えるべきことがちゃんと伝わるのだと思い知らされた
恩田陸さんとの対談で、恩田さんの言葉〜
◯今の時代に小手先のマーケティングをするのは無駄。数ヶ月で流行がガラッと変わる。世の中で、息の長い仕事をしようと思ったら、自分ができること、そして心からやりたいことをするしかない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛らしい表情のピアニスト、藤田真央くん。
若干25歳。
チャイコフスキー国際コンクールで2位になったのは20歳の時。
今では世界中から熱狂的な支持を得ています。
ゆっくり言葉を選びながら、話す時はいつも笑顔。
鍵盤に向かうと、あっという間に音の異世界へいざなわれます。
音に集中するため、演奏会では楽譜は使わないとのこと。
突然代役を務めることになり、ピアノコンチェルトを2日で覚えて弾いたこともあるそうです。
私はテレビで真央くんの演奏を観て聴いて、すっかりファンになってしまいました。
この本にあるのは、真央くん自身が綴った演奏記録。
共演した奏者、指揮者、時にはスタッフについてのあれこれ。
ピアノについての うんちく。
そして世界中の魅力的な演奏会場について。
それはヨーロッパの歴史あるコンサートホールだったり、教会だったり、私邸だったり。
専門的過ぎて理解の難しい記述もありますが、若者らしくほほえましい表現も。
例えば、「大谷翔平のような切れ味が必要」とか、「竈門炭治郎の『全集中』」など。
時には ペペロンチーノから演奏者としてのあるべき姿を学んだり、面白い視点が披露されるところも。
『蜜蜂と遠雷』の作者、恩田陸さんとの対談も興味深かったです。
映画では、天才少年・風間塵 役のピアノ演奏をしたのが真央くんでした。
また、わくわくしたのは、ふんだんに差し挟まれる写真の数々。
プロの写真家さんこだわりの美しい仕上がりが 目を楽しませてくれます。
ところで表紙の写真は、森の並木道にピアノを実際に運んで撮ったものだそうです。
優しい音色が響いてきそう。
最後に。
真央くんは大の本好きで、いつも何かしら手元に置いて読んでいるそうです。
「時間をかけて言葉を紡いでみたら、世界の見え方が変わりそうに思う」と真央くん。
恩田陸さんの返答が素敵でした。
「表現方法が広がると、頭の中に新しい回路が開かれそうですね」
真央くんのこれからの活躍、とてもとても楽しみです。 -
ピアニスト藤田真央さんの2022年2月から2023年11月に亘る連載。濃厚なエピソードが惜しみなく披露されていて、一流ピアニストの裏側を知ることができとても面白かった。
人一倍努力家でストイックな一方、お茶目な部分も持ち合わせる藤田真央さんは人間的にもとても魅力的で放って置けない人だと感じた。
私は『のだめカンタービレ』や『蜜蜂と遠雷』(ちなみに本書では恩田陸さんとの対談も収録されている)といった音楽をテーマにした話もとても好きだが、藤田真央さんはノンフィクションで天才ピアニストを地で行っており本当にすごい。錚々たる指揮者やピアニストの名前がいとも簡単に出てくるのだが、いかに藤田さんの実力がすごく、そしてまたそうした重鎮たちに共演したいと思わせる引力があることがわかる。文章もとても上手い。
ベルリンを拠点に海外と日本をコンサートで忙しく飛び回る様子が書かれているが、会場によってピアノのコンディションや響きが異なること、毎回異なる指揮者やオーケストラとの共演、さまざまなプレッシャーの中、臨機応変な対応が求められることは決して容易ではない。そんな中、常に真摯にピアノと向き合い、練習を重ねて結果を出す藤田さんをとても尊敬する。ご自身でも自分は運が良いと言っていたが、毎回、コンサートごとにポジティブな総括をしていることも、運を引き寄せているのだろうなと思った。
将来はピアノ界の重鎮になる予感がしており、これからの一層の活躍が楽しみ。南仏の森の中で撮った装丁も絵画のようで素敵だった。いつか生演奏を聴きに行きたい。 -
一度演奏を聞いてみたいと熱烈に想っている、若きピアニスト、藤田真央さんの自伝的エッセイ。
これまでの経験や音楽への向き合い方、考え方、数々の出会いなどなどがびっしりと記されている。
お気軽なエッセイではなく、かなり音楽的なことが詳細に書かれているので、知識の浅い私には付いていけない部分も多々あったが、でもきょうみをもって読むことができた。随所に挟まれている写真も美しい。海外での活動が多いようだが、ぜひ日本でもツアーをやってもらいたい。 -
音楽家、なんて素晴らしいお仕事なんでしょう。好きな音楽を奏でて人に感動を与える。音楽を通じて多く街へ旅をして、多くの人と出会う。
一流と認められれば、おのずから一流の人との出会いが増える。クリストフ・エッシェンバッハ、リッカルド・シャーイ、大野和士、野島稔、ミハイル・プレトニョフ、マレク・ヤノフスキ、前橋汀子、堤剛、小林研一郎、・・でも、この本読むまで、藤田真央さんって知らなかったんですよ。そのまま、名前だけ見たら女の子だと勘違いしていたんでは。
この頃、CD買うことも無いので、この近年の活躍はまるっきり知らず。
早速、モーツアルトの「ピアノソナタのNO17」とシューマンの「ピアノソナタ・NO2」はCD、引っ張り出して聴きながらこの本を読んでいたんですが、
藤田真央さんの「モーツアルトのピアノソナタ全集」あたりは聞いてみたいですな。 -
藤田真央さんと一緒にコンサート旅行をしている気分になる。彼の文章の巧みなこと。比喩表現が上手いので、思わずクスリと笑ってしまう。知ってる有名な演奏者がいっぱい出てきて、ヨーロッパのクラッシックの社交界を覗き見ている感じになる。なのに、真央さんはとても自然体で音楽性を共通言語にしてお友だちを広げている様子がわかる。あっさり書いているけれど、すごいことだと感じた。
-
良い本でした。今やショパンコンクール組に完全に差をつけてしまった感のある真央くん。モーツァルトも素晴らしかったけどそれだけではありませんでした。音楽に向き合う謙虚な姿勢に感動、そしてビッグネームの人々との交流が素晴らしい。まだ実演を聴いていないので今年はぜひにと思っています。そう言えば以前"指先から世界とつながる"という本を読んだことがあります。その著者の上原彩子さんも大好きです。
そして今、2月9日の真央くんのバイエルン放送交響楽団デビューのモーツァルトピアノ協奏曲20番を聴きました。アンコールは亡くなった小澤征爾さんを追悼してのリスト編曲のアヴェ・ヴェルム・コルプス。天に昇る響きと静寂。涙しかありませんでした。 -
演奏途中でのMC(で良いのか?)お話し時のように、時にはクスッと、ベイスターズの話は異様に熱く…という真央さんらしさが本にも溢れていた!
表紙の、マオの本が素晴らしいものになるなら、とわざわざピアノを移動して撮影した写真がまたステキ!ストックサの中にある優しさ見たいな、人柄が溢れる一冊
演奏そのものにメッセージを込めないように注意してある、私の思いを載せすぎる事が、豊かな音楽を濁らせてしまうから
空間のどこに届けるか、音の響きを考えながら演奏する、楽曲によっても変わり、ラヴェルやドビュッシーは、最も丁寧に空間を読む必要がある。ホールで鳴らすとうねりのようなものが生じる。ドビュッシーは、パレットの絵の具を幾重にも塗り重ねたような複雑なハーモニーの組み合わせで成立している p. 32
人の営みと、人が生み出すあらゆるものに対する好奇心は、わたしの中で尽きることがありませんね。その最良のもののひとつとして、音楽という存在があるのだと思っています。p. 65
プログラム作りにおいて、音の響きを大切にしている。+曲の背景や物語性を意識して構成
恩田陸との対談で、
コンクールの順位ばかりフィーチャーされがち
文学賞の選考も同じ、面白いプレイヤーがいる事をみんなに知らしめる通過点であって、目標になってしまうと歪みが出るのかもしれません。 p.120
緊張を背負ったときは、それにどう対処するかではなく、それ自体を受け入れ、極限まで音楽に集中することが大切、偉大なるピアニストにして指揮者のウラディーミル・アシュケナージの言葉 p. 148
パラード、バレエでは、エリックサティが作曲、コクトーが脚本、ピカソが衣装と美術を担う パリのラ・ロントというカフェにてp. 186
マイスキーのチェロ
教会愛好家は、ゴシック、ルネサンスからのロマネスク様式に。シルヴァカンヌ修道院@ 南仏
ラ ロック=ダンテロン -
時の人である黒岩里奈さんが編集されたとのことで紹介されてたので読んでみた。
この著者の藤田さんは初めて知ったんですが、なんとも音楽の豊かさをこれほど文章で表現できるのもすごいなと思った。
ピアニストとしても一流なのもわかって、俄然興味出た。
この本に出てくるプレトニョフさんも気になった。 -
藤田真央さん、若手のピアニストで、名前は聞いた事はあるが、演奏は聞いたことが無かった。しかし、彼の評価は、海外では非常に高く、夏の音楽祭は、引っ張りだこである。特に素敵だなあと思ったのが、スイスのヴェルビエ音楽祭。まるでアルプスの少女のような世界で、空気と景色が素晴らしい地域で開かれる音楽祭だ。バッハのゴールドベルク変奏曲を、ピアニストが一人づつ弾いたりユニークな演奏会もある。
いつか、この音楽祭に行ってみたいなぁ。そして、真央ちゃんのモーツァルト全曲集のCDも聴きたくなった。