K+ICO

  • 文藝春秋 (2024年2月9日発売)
3.09
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Amazon.co.jp ・本 (152ページ) / ISBN・EAN: 9784163918037

作品紹介・あらすじ

ウーバーイーツの配達員をしているK。TikTokerをしている女子大生のICO(イコ)。巨大な「システム」の中に生きる二人の人生が交錯する時、何かが動きはじめる。実力派作家がデビュー10周年に放つ、渾身作。
ラランド ニシダさん、金原ひとみさん、窪美澄さん絶賛!
「まだ見ぬ誰かとの数奇な巡り合わせはインターネットに操られる。ITは我々を孤独にさせてくれない」(ラランド ニシダさん)
「上田岳弘は、こんなにも抽象の世界から、具体の力を行使する」(金原ひとみさん)
「うんざりするような世界でも、私は誰かと繋がっていたい。そんな欲望を肯定してくれたこの小説は、限りなくせつなく、そしてやさしい」(窪美澄さん)

感想・レビュー・書評

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  • Uber eats使ってますか?TikTokやってますか?

    Uber配達員の彼は、TikTokerの彼女は、世界に何を見る。これは若者の苦悩を描いた、現代のプロレタリアート小説。

    三人称一元視点で語られ、文章は淡々として抑揚がない。

    大学生でありTikTokで自分を切り売りしてお金を稼ぐICO(イコ)。彼女は現代的価値観に侵されている。
    資本主義システムに組み込まれ、自分より恵まれた存在をねたみ、下位を見くだす。
    彼女はそんな自分を呪いつつ、世界を生きる。
    ICOは「アイコン」であり、つまりは現代人のメタファーか。

    大学生でありUber配達員をしているK(ケー)。

    ICOは配達に来たKを見下し、こう言い放つ。
    「資本主義社会の末端じゃないですか。搾取されるだけの存在。」

    しかし、心までシステムに組み込まれないKに、そんな言葉は届かない。
    彼にはイデア(理想)があり、自分と他人を比較しない。大切で必要なことだけにフォーカスしているから。

    そして——、彼らに何が起こるのか。

    あなたは「どんな人間」になりたいですか?

    われわれは孤独である。と同時に孤独ではない。
    なぜなら———。

  • 大学生のKは、ウーバーイーツの配達員のバイトをしている。
    女子大生であるICOは、Tik Tokerで稼いでいる。
    この2人の心のなかを覗いてみたら…

    最近だからこそのバイトだなと感じた。
    私の時代にはバイトに選択肢があまりなく…(田舎だからかもしれないが)
    だが考えていることにそう開きはないかもしれないと思った。

    ひとりで動くバイトだから孤独を感じて、いろいろな空想をしてしまいがち…だがひょんなことから誰かと繋がるきっかけが生まれる。
    それで新たな自分と向き合うのかもしれない。


  • 「とりあえず上田岳弘をもう何作か読んでみよう」

    第二弾に選んだのは『K+ICO』



    Kは孤独である。
    と同時に孤独ではない。
    なぜなら―――

    Kはシティバイクを漕いでいる。
    なぜなら―――
    なぜなら彼はウーバーイーツの配達員だから。いや正確に言えば、彼はウーバーイーツの配達員でもある、と言うべきか。
    あくまでそれは彼を説明するための一つの要素に過ぎないのだから。



    ICOは孤独である。
    と同時に孤独ではない。
    なぜなら―――

    ICOは iPhone12 の前で踊っている。
    なぜなら―――
    なぜなら彼女は TikToker だから。
    いや正確に言えば、彼女はTik Tokerでもある、
    と言うべきか。
    あくまでそれは彼女を説明するための一つの要素に過ぎないのだから。



    本作はウーバーイーツの配達員をしているKとTikTokerをしている女子大生のICO(イコ)の物語
    つまり、K+ICOの物語


    そこに、1Q84O1も加わり、K+ICO+1Q84O1の物語になろうとした



    1Q84O1は孤独である。
    と同時に孤独ではない。
    なぜなら―――

    1Q84O1は○○○○いる。
    なぜなら―――
    なぜなら彼は○○○○だから。
    いや正確に言えば、彼は○○○○でもある、と言うべきか。
    あくまでそれは彼を説明するための一つの要素に過ぎないのだから。



    しかし、K+ICO+1Q84O1の物語にはなれなかった。
    なぜなら―――

    これは苦行であるからだ。
    なぜなら―――
    本作がよくわからないからだ。
    上田岳弘さんがよくわからないからだ。

    「とりあえず上田岳弘をもう何作か読んでみよう」は、ここで終わろう。
    なぜなら―――
    面白くないからだ。

    • 1Q84O1さん
      ゆーきさん

      それも正解!(-ω☆)キラリ
      ゆーきさん

      それも正解!(-ω☆)キラリ
      2024/09/02
    • yukimisakeさん
      イケ和尚のストーカーとして有るまじき行為「見逃し」をしてしまっていた!!
      何故なら、眼球をオークションで落とせなかったから!!
      イケ和尚のストーカーとして有るまじき行為「見逃し」をしてしまっていた!!
      何故なら、眼球をオークションで落とせなかったから!!
      2024/09/11
    • 1Q84O1さん
      ユッキーさん

      見逃してくれると思ったのに!
      て言うか、見逃して!w
      眼球あげるから〜
      ユッキーさん

      見逃してくれると思ったのに!
      て言うか、見逃して!w
      眼球あげるから〜
      2024/09/11
  • 非常に面白かった。すごく現代的な仕事として、すっかり定着したウーバーイーツの配達員の主人公が、これまた現代的な人との距離感覚を持ち、なんかいい。
    分量も少なくページ数も150ってとこだが
    様々なテーマが詰め込まれている。マルクス、優勢思想、空白の30年。そして、著者の哲学が若干の暑苦しさを伴い、しかし個人的には適温くらいか?オーディオブックを聴きながら配達する主人公が聴いているのがカフカというのがまたよく似合う。
    カフカの審判には物語に入らない、余りが差し込まれているそうだ。(未読)
    そしてこのK+ICOにも、それはある。

  • “そういうこっちゃないんだよな。俺は使われているわけじゃない。使っているわけでもない。ただ、今あるようにあるだけなんだ。そして、昨日よりもよくなっている。例えばね、昨日の自分に比べて、この辺の道に詳しいし、空を見ればどう天気が変わっていくのかわかる。筋肉も随分ついた。きっと配達員をやめても俺は生きていける。その確率が昨日よりも少し上がっている。俺もどこかでこの仕事をやめる時がくるかもしれないけど、それは大きな問題じゃないんだ。この方向で積み重ねていけば、その内に俺は国がなくてもやっていける自分を得る。国がなくなっても、配達的なものは続くからね。だから、末端とか、システムとか、そういうこっちゃねぇんだよ”

  • 作者の作品は、芥川賞を受賞した「ニムロッド」から、何作か読んでいる。「ニムロッド」でもそう感じたのだが、癖のある(私は嫌いでは無い)、旧来の日本の純文学の流れとは少し異なるような印象の作品が多いように思う。また、その結末がいずれもどこか釈然としなかった(ような印象である)。

    今作の存在をどこで知ったのか?、自分の記憶でははっきりとはしないが、たぶんいつも目を通している日経新聞土曜版・読書欄からのつながりだろう(作者の氏は、ここ数週間、連載「私の読書術」をしていた)。

    読み始めて、う〜んやはり語り口調は変わっていないな…とも思ったのだが、私が読んだ何作かと比較して、「フィクションだけれど現実的だな」「ああ、こういう若者は、今の日本中、特に都会では、たくさんいるのだろうな」といった印象だった。

    実際、登場人物は数名なのであるが、それぞれの極めて現代的な、都会的な、経済社会的な、時代背景にのっとった(と私が感じる)個性が実にわかりやすく、また感情移入もしやすい。

    物語は決して不愉快でなく、また真っ当すぎる正義感を振りかざすようなものでもなく、かと言って不幸な結末を迎えるものでもなく、さまざまな起伏を経て進行していく(時に急展開もあるが…)。

    私ごとにはなるが、たまたまここ数日で、外部の情報から隔絶された環境で書物に向き合う機会があり、本作品を読破することができた。それ(本作品)は自分が置かれた環境と並べて俯瞰してみても、決して不愉快なものではなく、また必要以上の感情移入を強いる、重い物語でもなく、かと言って軽率な風俗全般を描いたものでもなかった。あくまで私個人の意見ではあるが、芥川賞受賞後の、安定した作者の秀作であると思う。

  • 令和の若者を知ることができる1冊としてネットで紹介されていた作品です。

    「負け組ランドセル」と揶揄されるウーバーイーツの配達員をしているKと、そこそこのフォロワーがいるTikTokerのICO。二人の視点から交互に描かれる物語ですが、全体的に文章や描写が淡泊すぎる印象を受けました。

    はたして、KとICOの世界が交わる必要はあったのでしょうか。男性主人公であるKの心情や行動には共感できるところがあった一方で、女性主人公のICOは彼女のバックグラウンドも、SNSでのあり様も、実生活での苦労も、すべてに奥行きを感じることができず、感情移入できないまま終わってしまいました。
    個人的には、Kだけに焦点を当てて物語を深堀してもらった方が、読みごたえがあったのではないか、と感じます。

  • 1つの事から何を学ぶか。そして、その先の延長線上に何を選ぶかを教えてくれる小説。

    ウーバーイーツ配達員のKがなぜ配達を選んだのか。
    その先に何を見据えてこの仕事を選んだのか。
    世間的に、仕事によっては、悲しいですが見下されたりする仕事もあります。
    その中でも先を見据えて仕事を選ぶことの大切さを教えてもらった気がします。

    今の仕事の延長線上にどのような選択肢があるのか。
    今一度考えるきっかけになりました。

  • ウーバーイーツ配達員K TikToker ICO
    私には今まで読んだ上田岳弘作品の中でいちばん読みやすかった
    カフカのオーディオブックがうまく使われていた

  • 上田岳弘のK+ICOを読みました。
    途中まで読んだのですが、私には合わなかったようです。^^;
    断念しました。


  • 世間の価値観や常識に囚われず、自分自身を確立してる人には本当の強さがあると思う。
    世界は相変わらず不安定だけど、自分自身だけは確固たるものでありたい。
    そんな人の何気ない一言や行動が誰かを救ったりする。私はめっちゃ好きな小説でした。

  • ウーバーイーツ配達員K、
    TikTokerのICO、
    子どものk。

    今の社会に対する鬱憤のようなものはあっても、
    それぞれが、たくましく生きようとしている姿。

    特にK+kの章が好き!
    kもKのように強く生きられますようにと願った。

  • よくわからん。

  • 数ページ読んでみて、ああ読みたかったことが言いたかったことがここにはあると思い、購入。さっそくカフェで読み始めるとすぐに読破。150ページくらい?ウーバーイーツを頼む方、ウーバードライバーをされてる方なら深く共感できる一冊。なんか読んでスカッとした。感情があんまり読み取れないところがシックでよかった。

  • 【孤独な男女が出会う時、何かが起きる】ウーバーイーツの配達員のK。TikTokerの女子大生・ICO。巨大な「システム」の中に生きる二人の人生が交錯する――。

  • 人が孤独を忘れるのは、誰かに求められ、その求めに対して行動できている時である。

    最後まで読んだが内容が理解できなかった。うーん、、難しかった、、

  • 孤独…ウーバー??

  • Uber Eatsの配達員の「K」とTikTokerの「ICO」。いかにも現代を象徴するような設定だ。

    資本主義の巨大なシステムの末端に組み込まれて、労働力として搾取されるUber Eats配達員。存在を見下されることもある。しかしKは、意に介さず、毎日の労働で身体を鍛え、配達エリアを熟知し、法律を学び、どんな世界でも生きていける自分を作り上げようとしている。

    一方、ICOも金銭的に恵まれない境遇にあっても、自分の才覚でフォロワーを増やし、TikTokerとしてそこそこ成功、さらに同級生と協力して「イデア」としてのICOを作りあげようとする。

    途中に出てくる小学生「k」の家庭で起きる事件だったり、ICOの同級生の事故など、残念ながら小説の展開として意図がわかりにくかったところもある。

    しかし、こんな日本にしてしまった高齢者世代への若者世代からの怨嗟と、若者の象徴として、来るべき時に備え、黙々と個々の能力を高めるUber Eats配達員たちの姿が目に浮かび、これが著者が感じている現代なのかもしれないと思った。

    耐えに耐えた彼らがいつか黙って世の中をひっくり返してしまうのでは、などと不気味さを覚えつつも、エールを送りたいような複雑な思いになった。

  •  ウーバーイーツの配達員であるKと、TikTokerの女子大生ICOが主人公。記号化された彼らが小銭を稼ぐ鬱々とした生活の合間に、現代社会を批判するような作者の本音らしきものが語られる。
     アルバイトとも個人事業主ともちょっと違う仕事の出現によって、見知らぬ他者とひっきりなしに間接的な接触をして、巨大な社会システムにぶらさがりながら小銭を稼いでいる、というわかりきった事象を延々とモノローグめいた説明調で語られるのがとにかく退屈だった。
     一部の人から見下されるような仕事をしているが、それが社会を支え自己の成長を形作っているという認識を起点にして、ぐんと話が展開するのかと思いきや、驚くほど表面的でご都合主義的な話に落ち着いて終わってしまった。他人が定義した差別や格差を気にせずに生きていけばいいという正論じみたことを伝えたかったのだろうか。
     ウーバーイーツ配達員やTikTokerというわかりやすい時代のキーワードを据えて書き始めてみたものの、作者の中で処理できないうちに幕を引いた感じで、久しぶりに読んだ時間を損した気分になった本だった。

  • ウーバーイーツ配達員Kと、TikTokerの女子大生ICOの物語。文學界に、2022年1、7、12月号、2023年4月号の4回に、1章づつ掲載された。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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