- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163918143
作品紹介・あらすじ
玄宗皇帝が政治を疎かにし国が乱れていた唐の時代、民を救うため安禄山と史思明が挙兵し、安史の乱が勃発する。だが戦は泥沼化し、国は疲弊する。絶大な人気を誇った力者の娘・呉笑星、史家の長男・史朝義、安家の次男・安慶緒は、命を賭して戦を終わらせようと誓うが――。胸熱の歴史エンターテインメント。
感想・レビュー・書評
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安史の乱をベースにした千葉ともこさんの3部作をついに読み切ってしまいました。
今回は安将軍側のストーリーでした。
女性の力士ってこの時代にもいたんですね。
主人公の笑星は最初は戦の過酷さ、ひどい環境でも生き抜く強さを全く知らない守られた存在でした。
そこから福との出会いやその先に起こる出来事を通して成長していく姿に思わず応援したくなりました。
朝儀の過去、そして笑星と出会ってからの日々、黒蛇への思いを考えてとても切なくなりました。
そして安慶緒の理想とそれを引き継ぐ朝儀の関係にも涙…。
戦争ってすべてを壊しますね。
3部作ともシリアスな展開の中に暖かい人同士のやり取りがあってとても読み応えがありました。 -
デビュー作の『震雷の人』、2作目の『戴天』と、安史の乱を背景にした“戦国時代を生きる人々”を描いてきた千葉さんの3作目。本作も前2作の流れを受け、燕の建国から安史の乱の終結までが描かれる。
主人公となるのは、角抵(すもう)の英雄を父に持つ呉笑星。女性でありながら父の率いる朱鳥団に席を置く力者(力士)だ。幼馴染みの史朝義と共に、唐を倒すための戦いに翻弄される。
この笑星のキャラが絶妙である。角抵の猛者たちに鍛えられた高度な戦闘技術と、男勝りの肉体を持ちながら、女性としての繊細さを併せ持つ。敵役である黒蛇もよかった。 -
久しぶりの千葉作品。中国舞台にした大河小説。読み応えある。安史の乱は教科書では安禄山は悪のイメージだったが…親殺し、子殺し。乱世とはいえ。日本に比べ、より残虐と感じるのは…。人の醜さ、優しさ、やりきれない。
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【期待の若手が描く圧巻、感動の中国歴史長編】唐を倒さんと始まった安史の乱は泥沼化し、国は疲弊した。叛乱軍を率いる史朝義と呉笑星は、命を賭して戦を終わらせようとする。
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今回も緻密に練られた、とても素晴らしい作品。伏線回収もとても良い。
己を犠牲にしてまで他者を守ろうとする姿には、涙を禁じ得ない。しかし、きちんと救いもある。
千葉さん、素敵っ! -
4月7日読了