- 本 ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163918174
作品紹介・あらすじ
コロナ禍前から半分隠居状態、同居の猫とも少々ディスタンスあり気味な関係。たまに出かけることもあるが、基本的にひとりで過ごす。事件と呼べるほどのことは何も起きない極めて平穏な日々。そんな生活の中でふと見つけた「茶柱」のような、ささやかな発見や喜びを綴ったエッセイ集。
インスタグラムに現れる動物にほのぼのし、絶景に縮み上がる。ベランダ菜園で生まれてきた野菜たちを親父気分で歓迎する。気のおけない先輩たちとの「婦人会」で、暑苦しくなくお互いを応援し合う。幼なじみとのバスツアーで「おつまみこんぶ」とバスガイドの素晴らしさを噛みしめる。キャットタワーが捨てられなくてひとり途方に暮れる――。日常を面白がろうとする姿勢から生まれた、ユーモアあふれる着眼点に思わずクスッと笑ってしまうこと間違いなしの一冊です。
【プロフィール】
小林聡美(こばやしさとみ)
1982年、スクリーンデビュー。以降、映画、ドラマ、舞台で活動。主な著書に『ワタシは最高にツイている』『散歩』『読まされ図書室』『聡乃学習』『わたしの、本のある日々』など。
感想・レビュー・書評
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テレビや舞台で活躍の小林聡美さんの肩肘張らない自然体のエッセイ。
同世代なので共感するところも多い。
自分の雑さを、言い訳していたところなんか同じ気持ち。
何かが上手にできなくなることは、これからどんどん増えていくけれど、くじけず、いじけず、自分の暮らし方を確認してみるのも大切だと思う気持ちなど。
ピアノを習い、句会に参加し、仲間たちと集う婦人会も楽しんでいる。
そして猫好きなのがよくわかるほどいろんなところで猫に纏わる話もある。
自然体な感じでほっとさせるような人柄に好感がもてる。
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小林聡美さんの最新エッセイ集。2021年頃のコロナ禍から現在までの間に書かれたもの。小林さんと言えば、映画『かもめ食堂』主人公のサチエさん。役ではあるが、何となくご本人の落ち着いた雰囲気が被る。50代半ばからアラ還と呼べる年齢までの期間の日常生活が綴られているが、ピアノを始めた話や、色々な友人や猫や植物の話、仕事、趣味や旅の話など、彩り豊かな生活の様々な話が楽しめた。心に余裕のない時は普段の生活の中に数多ある感謝すべきことも忘れがちになる。それでもやはり日常に感謝しながら楽しく過ごすことが幸せなのだろうな、と小林さんの日常のあれこれの話を読んで実感した。
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肩の力が抜けていて、等身大の小林聡美さんといった感じ。
婦人部など、こういう暮らしぶりもいいなぁと参考になりました。 -
図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。
私が読む小林聡美さんのエッセイ7冊目。
今までに読んだエッセイで弟さんがいらっしゃることはなんとなく覚えていたが、本書ではお姉さんもいらしたのか!と初めて知った。
とにかく本書はすごく良かった。 -
好きな有名人、というのがほとんどいない私なのですが、そんな私がついエッセイを手に取ってしまうのが歌人の穂村弘さんと女優の小林聡美さんです。
以前読んだ小林さんの『聡乃学習』が面白く、もっと最近書かれたものを読みたいと思った矢先に出版されたのがこの『茶柱の立つところ』。久々に単行本を購入してしまいました。
私が小林聡美さんの演技を初めて拝見したのは、映画『かもめ食堂』でのこと。同じだという方も、きっと多いのではないでしょうか?
フィンランドで女一人食堂を営む「サチエさん」を演じていた小林さん。その自然体の姿が非常に印象的で、映画も何度となく見返しています。
エッセイを読んで驚くのは、まるで「サチエさん」がそのまま画面から出てきたようなお人柄であること。
五十代半ばを迎えられて、いろいろと制約も増えてくる中で(しかもコロナ禍真っ只中)、新しいことへのチャレンジは忘れないけれども、あくまで無理せずに変化を受け入れて流れていく。そんな生活が淡々と、それでいて可笑しみをもって綴られています。
これから先自分も年を重ねていくうえで、理想や目標としたい人、あるいは「この人のこの部分は真似したい」というところが、少しずつ見えてきました。
そんな理想の先輩方の中で、小林さんの生き方もそのうちの一つ。
折に触れ、また読み直したいエッセイでした。 -
小林聡美さん大好き❤
この自然な感じがいいのよねー。
お一人を楽しんでいらっしゃるのね。
でも、軽い感じの結婚会見もよく覚えているし。
同年代だし、なんか一緒に進んでる感じがすごくいい‼️ -
日常のなんでもないことがよく洞察されていて、ふっと笑ってしまうような場面があって、気軽に読めて、良い時間を過ごすことができた。
ピアノを習いたくなった。 -
まずは文章が好き。
何気ない日常生活がなんだか楽しそうに感じるので、自分の日常生活に置き換えてみると自分の生活に彩りが加えられそうな気がする。 -
読んでいると映像が浮かんでくる。キャットタワーの話は結末も含めてちょっとしたミニドラマだった。買ったのに処分できない物って!購入する時は処分することも考えて買わないとダメなのかもしれない。
著者プロフィール
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