- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163918402
作品紹介・あらすじ
「知る」ことこそが「生きる」こと
研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。
博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。
慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。
人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。
希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。
世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。
野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!
感想・レビュー・書評
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南方熊楠(みなみかたくまぐす)。明治が始まった時に一歳だから、明治の年代を数えると、その歳がわかる。もっとも、昭和16年まで生きていたというのも意外な感がある。もうひとつ意外だったのは、南方熊楠が完全本名だったことである。武家の名でもなく一介の商人家の次男坊だ。小説でも、何故その名前になったのか明確な経緯は明かされなかった。一度聞いたら忘れない。世界で唯一無二の名前。
初めての本格的な熊楠の小説である。様々な切り口が可能なのが熊楠である。岩井さんは、異能熊楠でもなく、奇人熊楠でもなく、人間熊楠を描いた。
幼少から博覧強記、抜き書きの集中力、あらゆる言語を使う記憶力、粘菌から苔・地衣類まで陰性植物の第一人者で昭和天皇に進講をした唯一の在野の研究者、神社合祀反対運動の先頭に立った初のエコロジーの提唱者、男色研究、民俗研究、等々の博物学的学者という「異能人」。
幼少から頭の中に数人の意見者を飼い、てんかんの持病があり時々爆発的な癇癪持ち、人に合わせることは自他ともに無理だと認める「奇人」。
という面も当然描いてはいるが、小説として描かれたのは「家族」の関係だった。常に実家からの援助なしでは生活していけなかったひとりの発達障害気味の「人間」、父親には「南方」の名前を世間に広めるから学資を出せと説得し、弟・常楠の「兄は天狗」観をいいことに老年まで援助を請い続け、遂にはゴッホのテオのような関係になることなく勘当させられた生活破綻「人間」、親バカで変な期待を子供・熊弥にかけたばかりに、息子を精神病患者にしてしまったことを生涯悔いていた「父親」としての熊楠を描いている。
まだまだ熊楠曼荼羅としての小説は作れそうだ、というのが最終的な感想である。私としては、この小説ではほとんど出てこなかった民俗学的な面からのアプローチも見てみたい。
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生物学者であり民俗学者であった南方熊楠の生涯。
南方熊楠と言う人物はこの本で初めて知りました。
熊楠は1817年に和歌山県に生まれ1941年死去。
熊楠は天狗(てんぎゃん)と皆から呼ばれ、中学の時羽山兄弟と交流を始めます。
羽山兄弟は早逝するのですが、熊楠の頭の中にはいつも羽山兄弟の声が聞こえていました。
そして、19歳サンフランシスコを経てロンドンに留学するも大英博物館の図書館で暴れてしまい閲覧室の利用を禁じられ、帰国します。
熊楠はいいます。
「我は我が何者か知りたい」
「世界を知ることは、我を知ることになる」
そして熊楠は粘菌の研究を始めますが…。
『文身』『生者のポエトリー』などが非常に面白かった岩井圭也さんの作品で直木賞候補作でもあったので、期待して読みました。
でも、南方熊楠という人物を全く知らなかったせいか、いまいち面白さが伝わってきませんでした。残念! -
初読みの作者が教えてくれた南方熊楠。
幼いころから読書が好きで百科事典を書写してたとか。書いて覚えたものは忘れないとゆう特殊能力も持っていたようでその知識は膨大な量に達していたとか。商家を継がずに我儘聞いてもらて上京したのに、大学予備門を中退したり、私費でアメリカに6年、イギリスに8年遊学して35歳で帰国ってすごいとゆうかで、結局何をしたんだろうと思うと知識欲に取りつかれカテゴライズしにくいわけで何者であるかといえば俺はジャイアン的なタイトルがふさわしく感じました。
美少年な羽山兄弟が、なにか重大なときの予兆で夢に出てくるとゆう因果関係は興味深いし夢についても研究してたようです。癲癇持ちで激高型で度々事件を起こし大英博物館を出禁になるとか、数多くの俺様逸話が残るなか熊楠の輪郭を辿ることができました。
※神社合祀反対運動に尽力し環境保護に貢献した実績は素晴らしいと思いました。原生林や伝承が後世に引継がれることの意義は学術的にも生態系を守ることにおいても大きかったと思います。
妻の松枝の実家の鬪雞神社も合祀を免れたのですが今は、熊野三山神社の別宮的存在で世界遺産に登録されているようです。
金銭面を支援した弟が継いだ南方酒造も社名を変え今も盛業中なのも嬉しく思います。
なにかと迷惑かけ続けた学者バカにみえる熊楠も世間に名が知れ渡るにつれ相乗効果で共存できる環境が整っていったのかなって思いました。
ただ、息子の熊弥は親の期待が大きすぎてかわいそうだったですね。-
かなさん、こんにちわ!
こちらの作品のほうが早く届いたので読みました。
家族は熊楠に振りまわされた感じですよね。
生涯働かなくても家族...かなさん、こんにちわ!
こちらの作品のほうが早く届いたので読みました。
家族は熊楠に振りまわされた感じですよね。
生涯働かなくても家族4人暮らしていけるってどんなんって
思ってました。しかも女中さんもいたんですよね。
暮らしぶりには余裕があった感じにみえたりです。
ネットでみると住んでた家の間取図とかあるのですけど
けっこう立派な家なんですよね。
敷地内に借家も二つあるようだから家賃収入もあったのかな?
デナリのは今日、借りれますよww
2024/10/25 -
「俺はジャイアン的タイトルがふさわしく感じる」って、確かにそうですねwww
納得しちゃいました
熊野古道、いつか訪れたいな(´ε` ...「俺はジャイアン的タイトルがふさわしく感じる」って、確かにそうですねwww
納得しちゃいました
熊野古道、いつか訪れたいな(´ε` )
2024/10/25 -
2024/10/25
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南方熊楠
博物学者、生物学者、民俗学者
昭和天皇への進講を行った人物
他言語を操り、数々の論文を学術誌に発表
何やらものすごい人だ
恥ずかしながら、今まで知らなかった…(・・;)
そんな熊楠さんの、15歳から74歳で亡くなるまでの人生を描いた壮大な物語
「我は我のことが知りたいのや」
「我は、この世のすべてを知り尽くしたい」
そんな熱い想いから、日々研究に没頭する熊楠。
商家に生まれながら学問をやらせてもらい、アメリカ留学にも行かせてもらう。
熊楠がずば抜けた能力を持っている事も確かだが、やはり金銭面でも恵まれた環境だったのかなと思う。
父が亡くなってから、金銭面は弟に頼る。
研究者というのは稼げないくせにお金はかかるようだ。
当たり前のように生活費の面倒を弟に頼る熊楠に、なんだか腹が立つ。
研究所設立のための出資を巡って弟と諍いになり、もうこれ以上は出せないと言われる。
これまで何十年も金を工面してもらいながら、寄付金を約束通り出せ、月々の金はどうしたとか、偉そうに請求している熊楠が腹立たしい。
弟に出してもらった生活費で酒を飲み、酔っ払って暴れるとか、本当に嫌だ。
主人公の熊楠には全く寄り添えないと思っていたけど、ここから晩年の人生には胸がいっぱいになり、夢中で読み進めることになった。
南方熊楠という人物はあまりにも大きすぎて、理解しきれない部分があった。
しかし岩井さんの文章には、ものすごい力があって圧倒されるばかり。
読み終えてもなお、この世界から抜け出せない。
──いずれ必ず訪れたい場所──
熊楠が1903年から約一年半、隠花植物を採集する為に滞在した那智・熊野古道(世界遺産)
※追記
上記はあくまでも私アオイの感想です。
この本の中で熊楠さんは、自分の行動や発言について常に自問自答しています。
家族のことも愛しています。
実際に妻と娘は最後まで研究を手伝っているし、熊楠を支援している仲間もいます。
皆さん、熊楠さんを嫌いにならないでね( ◜‿◝ )-
2024/10/06
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白銀はおいおい登らせて頂きます!
山岳小説は大好物なので、今から★4つ以上を約束しときます!白銀はおいおい登らせて頂きます!
山岳小説は大好物なので、今から★4つ以上を約束しときます!2024/10/06 -
2024/10/06
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無知ゆえ、私の中に「南方熊楠像」がなく、熊楠の「イメージを覆した」「想像以上」などの惹句も私には響かず‥。でも、真っさら状態で臨むのもいいかと思い手にしました。まぁ、直木賞候補で勢いづいて、個人的にも推してる岩井圭也さんなので‥。
「知の巨人」と称された南方熊楠の評伝小説です。熊楠の辿った道、業績の概略を知るだけで、常人の域を軽々と超越していた事実に驚嘆します。
学問対象は、博物・民俗・人類・植物・生態学‥と多分野。英国で9言語の書籍筆写、『ネイチャー』に51本の論文掲載、菌類研究で70種の菌や粘菌発見等、業績を数えれば枚挙にいとまがありません。
反面、己の世界を深めることにしか関心を示さない生活は、人間関係に軋轢を生み、奇行のエピソードにも事欠かないようです。
こんな熊楠は、いったい何者だったのか‥。岩井圭也さんは、膨大な資料や史実を基にしながら、創造の翼を広げ、人間・南方熊楠を描こうとしたのでしょう。人間の深淵にある魂を写し取るように‥。
天才・南方熊楠に、『永遠についての証明』の天才数学者・瞭司を重ねてしまうのは無理があるでしょうか? 架空・実在人物の差異はあれど、同種の匂い(栄光と挫折)を感じてしまいます。
このようにしか生きられなかったのだろうと納得しながら、業績をもっともっと再評価されるべきという思いと、身近な人との関わり方で、やるせなさ、切なさがどうしても付き纏ってしまいます。
本書の装画は、池田学さんの「Mother Tree」という圧倒的な迫力の巨木の精密画です。帯を取ってみると‥、巨木の根元にしめ縄、祠、人影が描きこまれていて‥。えっ、これは熊楠? この世と神域の境に、結界として立つ御神木か! 熊楠の生き様の象徴として秀逸過ぎます。-
本とコさん、こんばんは!
この作品、直木賞候補作にノミネートされましたね。
ちょっと、難しそう…とつい思っちゃうんです。
私、恥ずかし...本とコさん、こんばんは!
この作品、直木賞候補作にノミネートされましたね。
ちょっと、難しそう…とつい思っちゃうんです。
私、恥ずかしながら
南方熊楠については全く知らないんです^^;2024/06/18 -
かなさん、私も同じですよー、予備知識ゼロ〜♪
本作は、岩井圭也推しの方でも好みが分かれるかも、
と思いました。私の本音もビミョーなところです...かなさん、私も同じですよー、予備知識ゼロ〜♪
本作は、岩井圭也推しの方でも好みが分かれるかも、
と思いました。私の本音もビミョーなところです(笑)
偉人の評伝が基になっているのもネックかな‥。
けれども、岩井圭也さんの人間の内面の描き方の
素晴らしさは不変だなと思いました。2024/06/18
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和歌山で生まれ育った南方熊楠の人生。
山や海や野原は、熊楠にとっては天然の類書であると…彼には、学校の授業よりも商売の話よりも自然物を収集分類することで、世界の全てを知り尽くしたい気持ちが優っていた。
頼りにしていた実弟から金銭的なことで見離されたことや最愛の息子の病気など家族との軋轢や苦悩もありながら、なかなか陽の目を見ることがない研究を諦めることがなかったのは強さなのか、承認欲求なのか…それとも己を知ることだったのか。
天皇陛下への御進講をやり遂げたことで、今までやってきたことは、決して間違ってはなかったと。
この本を読むまでは、深く知ることがなかったが、奇人なのか、天才なのか…独特で唯一無二な存在だと感じながらも妻子や友人達の気持ちを蔑ろにする人ではなく、不器用だが思いやりのある人だとも思えた。
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岩井圭也さんも既刊で読みたい本がまだまだあるので、さほど新刊にこだわっていないんだが、そりゃあれば借りるよ
だって男の子だもん
はい、生物学者であり民俗学者でもある「知の巨人」南方熊楠の生涯を描いた『われは熊楠』です
うーん、面白かったんだけど、ちょっと消化不良
だって南方熊楠よ?逸話が多すぎてそんなもん単行本300ページちょっとにまとめるなんて無理よ
もちろん、無理は承知でそうとう端折ってるんよ
で、端折ってるのはいいんだけど、そうなるとかなり明確に分かりやすく焦点を絞ってくれないと納得感がないんよね
全体的にぼやっとしてて、わいにはちょっと何が言いたいのかよく分からんかったです
熊楠の生涯のこことこことここを取り上げた意味ってのがよく読み取れなかったです
岩井圭也さん×南方熊楠で相当な傑作を期待してたんやけどね
では最後に南方熊楠仰天エピソード!(ドンドンパフー)
〜現在、熊楠の脳が大阪大学解剖教室に保存されている。 驚異的な記銘力を自ら認識していた熊楠の遺言によって大阪帝国大学病理学の森上助教授が南方家の庭で解剖を行い、当時側頭葉の溝の発育が特に優れているとの報告がなされたという。〜(不二たん白質研究財団ホームページより)
すっげーΣ(゚Д゚)
わいの脳も保存しといたほうがいいかな?(何の役にも立たんわ!)-
2024/08/31
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大阪大学の医学部でホルマリン漬けになってますよん
めちゃくちゃな記憶力を持っていたと言われる南方熊楠の脳がどうなっていたか?の研究を後世に...大阪大学の医学部でホルマリン漬けになってますよん
めちゃくちゃな記憶力を持っていたと言われる南方熊楠の脳がどうなっていたか?の研究を後世に託したとも言われています
現在、科学(医学?)の進歩によりその謎が解明できるところに来てるんじゃないか?と(ちょっぴり)再注目されてるみたい2024/08/31 -
熊楠さんをこの本で初めて知ったんだけど、信じられない程の知識がその脳みそに詰まってますね!
これからの謎の解明に注目だわ熊楠さんをこの本で初めて知ったんだけど、信じられない程の知識がその脳みそに詰まってますね!
これからの謎の解明に注目だわ2024/08/31
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この作品は、タイトルにもある南方熊楠という人物の生涯を描いたものです。この作品を手にするまで全く知りませんでしたが、なにやらスゴイ人のようです…。
熊楠は1817年に和歌山で生を受け1941年に死去。自らの頭の中に常に響く鬨の声…貪欲に知識を得ようとしているときには鬨の声が聞こえなくなる…また、羽山兄弟との出逢いもその後の熊楠の人生を大きく左右するものになる…。アメリカ、ロンドンでの留学経験もあり、数多くの論文を残し、天皇陛下に進講をした経験も持つ。「知ることこそが生きること」「生きることは死ぬこと、死ぬことは生きること」、生物学者であり民俗学者でもある“知の巨人”…。
業績は素晴らしいものだけれど、弟の常楠や妻の松枝、子どもの熊弥と文枝にとっては…?もし、熊楠のような人が身近にいたら?間違って家族になってたら??…イヤ、私なら耐えられないっ…!!だから、読後は熊楠より周囲の人たちがスゴイと感じました。内容もだけれど、ちょっと読みにくさもあって読書のスピードが落ちてしまったことことが残念でした。-
ヒボさん、おはようございます!
この作品読みたかったのですね!!
私の評価なんか気にせずに、機会があったら
読んでみてくださいな。
...ヒボさん、おはようございます!
この作品読みたかったのですね!!
私の評価なんか気にせずに、機会があったら
読んでみてくださいな。
岩井圭也さんの作品は、どれも読み応えはありますよ(*^^)v2024/08/17 -
本とコさん、おはようございます。
そうなんです…スゴイことはわかりましたけど、
どうしても、振り回された家族のこと思っちゃうんですよね^...本とコさん、おはようございます。
そうなんです…スゴイことはわかりましたけど、
どうしても、振り回された家族のこと思っちゃうんですよね^^;
「文身」とか「楽園の犬」のような作品が私は好きです。2024/08/17 -
aoi-soraさん、おはようございます。
もうすぐ順番が回ってきそうですか??
楽しんでくださいね(*^^*)
私も南方熊楠のこと、...aoi-soraさん、おはようございます。
もうすぐ順番が回ってきそうですか??
楽しんでくださいね(*^^*)
私も南方熊楠のこと、知りませんでした。
知ることができたことは、よかったと思ってます。2024/08/17
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南方熊楠、初めて知りました。昭和天皇にも進講した粘菌の学者。研究には、本当に色々な分野があるのだなあ
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この本が図書館に入って直ぐに予約、
そのうち直木賞候補になって、あとに待っている人が徐々に増えてきました。
岩井圭也さん、青崎有吾さん。
好きな作家さんなので
お2人、共に受賞してほしい!
と切に願っています。
生涯、研究に没頭し続けた熊楠の姿が、熊楠自身の視点から描かれていて、その研究の軌跡と心の内面を共にたどるような感覚で読み進めることができました。自然にある命そのものに向かい合う一生。
「生きることは死ぬこと、死ぬことは生きること」
「生命の旅に果てはない。命は絶えず流転し、新たな命を生み出す」
著者プロフィール
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その特異なコレクションが凄くて奥行きがあるのです。一度熊楠記念館に行ったのですが、ともかく「抜書き」の細かいこと!それプラス、標...
その特異なコレクションが凄くて奥行きがあるのです。一度熊楠記念館に行ったのですが、ともかく「抜書き」の細かいこと!それプラス、標本コレクション。それプラス膨大な書簡。
いわゆるコレクションが積もって、奥が見えなくなるのが、普通の人間ならば、どうも熊楠は抜書きすれば全部頭に入るらしい。もしかしたら、書簡はそこから第一次原稿にしたもので、さまざまな論文はその上澄なのかもしれません。
熊楠の知識のアーカイブ化はどのように行われていたのか?もしかして、それだけで一本の論文ができるかもしれない。