われは熊楠

  • 文藝春秋 (2024年5月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784163918402

作品紹介・あらすじ

「知る」ことこそが「生きる」こと

研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。
博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。 


慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。
人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。
希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。
世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。
野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!

感想・レビュー・書評

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  • 南方熊楠(みなみかたくまぐす)。明治が始まった時に一歳だから、明治の年代を数えると、その歳がわかる。もっとも、昭和16年まで生きていたというのも意外な感がある。もうひとつ意外だったのは、南方熊楠が完全本名だったことである。武家の名でもなく一介の商人家の次男坊だ。小説でも、何故その名前になったのか明確な経緯は明かされなかった。一度聞いたら忘れない。世界で唯一無二の名前。

    初めての本格的な熊楠の小説である。様々な切り口が可能なのが熊楠である。岩井さんは、異能熊楠でもなく、奇人熊楠でもなく、人間熊楠を描いた。

    幼少から博覧強記、抜き書きの集中力、あらゆる言語を使う記憶力、粘菌から苔・地衣類まで陰性植物の第一人者で昭和天皇に進講をした唯一の在野の研究者、神社合祀反対運動の先頭に立った初のエコロジーの提唱者、男色研究、民俗研究、等々の博物学的学者という「異能人」。

    幼少から頭の中に数人の意見者を飼い、てんかんの持病があり時々爆発的な癇癪持ち、人に合わせることは自他ともに無理だと認める「奇人」。

    という面も当然描いてはいるが、小説として描かれたのは「家族」の関係だった。常に実家からの援助なしでは生活していけなかったひとりの発達障害気味の「人間」、父親には「南方」の名前を世間に広めるから学資を出せと説得し、弟・常楠の「兄は天狗」観をいいことに老年まで援助を請い続け、遂にはゴッホのテオのような関係になることなく勘当させられた生活破綻「人間」、親バカで変な期待を子供・熊弥にかけたばかりに、息子を精神病患者にしてしまったことを生涯悔いていた「父親」としての熊楠を描いている。

    まだまだ熊楠曼荼羅としての小説は作れそうだ、というのが最終的な感想である。私としては、この小説ではほとんど出てこなかった民俗学的な面からのアプローチも見てみたい。


    • 土瓶さん
      特異なコレクターてしての印象しかありませんでしたが、なかなか奥行きが深そうな人ですね。
      特異なコレクターてしての印象しかありませんでしたが、なかなか奥行きが深そうな人ですね。
      2024/06/23
    • kuma0504さん
      土瓶さん、
      その特異なコレクションが凄くて奥行きがあるのです。一度熊楠記念館に行ったのですが、ともかく「抜書き」の細かいこと!それプラス、標...
      土瓶さん、
      その特異なコレクションが凄くて奥行きがあるのです。一度熊楠記念館に行ったのですが、ともかく「抜書き」の細かいこと!それプラス、標本コレクション。それプラス膨大な書簡。
      いわゆるコレクションが積もって、奥が見えなくなるのが、普通の人間ならば、どうも熊楠は抜書きすれば全部頭に入るらしい。もしかしたら、書簡はそこから第一次原稿にしたもので、さまざまな論文はその上澄なのかもしれません。

      熊楠の知識のアーカイブ化はどのように行われていたのか?もしかして、それだけで一本の論文ができるかもしれない。
      2024/06/23
  • 生物学者であり民俗学者であった南方熊楠の生涯。

    南方熊楠と言う人物はこの本で初めて知りました。
    熊楠は1817年に和歌山県に生まれ1941年死去。

    熊楠は天狗(てんぎゃん)と皆から呼ばれ、中学の時羽山兄弟と交流を始めます。
    羽山兄弟は早逝するのですが、熊楠の頭の中にはいつも羽山兄弟の声が聞こえていました。

    そして、19歳サンフランシスコを経てロンドンに留学するも大英博物館の図書館で暴れてしまい閲覧室の利用を禁じられ、帰国します。

    熊楠はいいます。
    「我は我が何者か知りたい」
    「世界を知ることは、我を知ることになる」
    そして熊楠は粘菌の研究を始めますが…。



    『文身』『生者のポエトリー』などが非常に面白かった岩井圭也さんの作品で直木賞候補作でもあったので、期待して読みました。
    でも、南方熊楠という人物を全く知らなかったせいか、いまいち面白さが伝わってきませんでした。残念!

  • 12月29日は、南方熊楠文学忌。熊楠忌です。
    南方熊楠の「文学忌」(熊楠忌)を季語・文学忌として提唱した人は、
    「南方熊楠顕彰館(初代館長)・中瀬喜陽(なかせ きよう)氏とのこと。
    岩井圭也さんの参考文献にも何冊かお名前があります。博物学者で生物学者の文学忌は、とても珍しいと思います。
    そこに民俗学への功績と 多大な日記、書簡が認められているということなのかなと思います。

    さて、と書きつつ、南方熊楠という人物を、私は本当に知っていたのかというと心許ない。
    柳田國男との関係性の中で、その名を見聞きしていたかもしれない程度。
    民俗学の文脈で、「異才」といった認識だったように思う。

    岩井圭也さんが熊楠を書いた、という情報も以前から知ってはいました。
    奇人、天才、狂気。
    そうした言葉で語られがちな人物。
    けれど実際に読み始めてみると、
    そこに描かれていたのは「偉人」でも「怪物」でもなく、どうにも生きづらさを抱えた、ひとりの人間だったように思います。

    著者は、熊楠の残した研究成果以上に、
    彼の「人となり」に重心を置いて描いたのだと思う。
    もし今の時代であれば、
    熊楠自身の精神の不調も、息子の病も、
    何らかの病名が与えられ、治療の可能性も探れたのかもしれない。
    けれど彼が生きた時代は、知の巨人が戦う相手は、つねに自己の内側にあった。

    そして、その不安定さを抱える彼を支えねばならなかった家族の苦しさは、想像に難くない。

    読み終えてみると、
    熊楠の数々の業績が、思ったほど記憶に残っていないことに気づきます。
    もう少し熊楠を知ってから読んだ方が良かったかもしれません。

    • おびのりさん
      1Qさん
      今年は恐妻ネタに磨きがかかった一年でしたね。
      奥様には申し訳ないですけど
      本当は仲良しなんだろうなって
      ちゃんとわかりますから大丈...
      1Qさん
      今年は恐妻ネタに磨きがかかった一年でしたね。
      奥様には申し訳ないですけど
      本当は仲良しなんだろうなって
      ちゃんとわかりますから大丈夫。
      2025/12/31
    • おびのりさん
      土瓶さん
      今年は終わってしまいますが
      来年は ⭐︎4の小説に巡り合うといいですね。
      なんなら⭐︎1 コレクターとなっていただいていてもよろし...
      土瓶さん
      今年は終わってしまいますが
      来年は ⭐︎4の小説に巡り合うといいですね。
      なんなら⭐︎1 コレクターとなっていただいていてもよろしいかと。
      2025/12/31
    • おびのりさん
      ultraさん
      今年は闇仲間、角川ホラー文庫仲間として
      活動いただきありがとうございました。
      私は ホラー好きでもないんじゃないかと
      思って...
      ultraさん
      今年は闇仲間、角川ホラー文庫仲間として
      活動いただきありがとうございました。
      私は ホラー好きでもないんじゃないかと
      思っているんですけど
      なぜか そちら方面に惹かれていくんですよー
      2025/12/31
  • 「我は、この世界を知り尽くす」
    1867年生まれ、型破りの研究者である南方熊楠(みなかた・くまぐす)という実在の人物を描いた小説。

    読んでいる途中でも熊楠への好奇心スイッチが入りまくるので、ついググって調べたくなってしまう。

    例えば、熊楠は中学時代の後輩イケメンの繁太郎と、【露は二人の肌を隈無く湿らせ、汗や唾液と入り混じった…】と、何やらあやしげな夢を見る。
    「え!?そうなの!?」と調べると、熊楠は〈男色〉の文献研究を熱心に行ったことでも知られていたという。
    熊楠は男色の一体どんな研究を…とまた調べたくなり、早く続きが読みたいのに横道もすごくて、なかなか作品に戻れない(^_^;)

    今度は熊楠って一体どんな顔なんだろう…と気になり検索すると、若い頃はつぶらな瞳で俳優みたいだ。

    作品に戻って、岩井さんがこの作品で中心に描いていたのは、「家族」と「研究」かな。
    50歳を過ぎても1番下の弟にお金の援助を求め続け、それを当然のように思ってる熊楠。

    はい、出たー、兄弟問題。
    私自身が3人兄妹の1番下なので、弟の気持ちになってしまう。
    何で兄のために弟がそこまでやらなきゃいけないんだよ!弟には弟の人生があるんだよ!!と、熊楠に無性に腹が立つ。
    後に熊楠は息子のことで心身ともに疲弊することになる…。

    英米留学、異常な癇癪持ち、カメラ・アイの能力がありそうな記憶力、10数カ国の言語を操る、自然保護運動の先駆け、熊楠の脳のホルマリン漬けなど、どこを切り取っても面白い。

    気になって調べると、まだすごいエピソードが出てくる。とにかくエピソードが面白くて調べたくなる人物。
    読み終わった後も気になったことを検索してずっと楽しい。
    熊楠が気になり過ぎて、次の作品を読んでるのにずっと熊楠のことを考えてしまう。。。

    恥ずかしながらこの作品で初めて南方熊楠のことを知った。岩井さん、こんなに面白いすごい人を教えてくれてありがとう!
    岩井さんの作品は、テーマが興味深くて知的好奇心が刺激される。
    読めば読むほど岩井さんの作品がもっと読みたくなる。

    和歌山県にある〈南方熊楠記念館〉にいつか行ってみたいな。

    • Naotyさん
      あやたろさん!和歌山の記念館に行かれたなんて羨ましいです!!!
      この本を読んでなければ、私もきっと変わった名前だなーくらいだったと思います笑...
      あやたろさん!和歌山の記念館に行かれたなんて羨ましいです!!!
      この本を読んでなければ、私もきっと変わった名前だなーくらいだったと思います笑

      私は記念館公式HPとYouTubeを観て、妄想しながら記念館に行った気になって楽しんでます(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)
      熊楠の貴重な資料だけでなく、白浜の素晴らしい絶景も楽しめるようですね。
      良いなぁー。いつか行きたいなー。
      2025/04/15
    • あやたろさん
      そうそう。白浜です。
      でも実際に行っといて一番覚えてるのが、変わった名前だなーなので、おそらく期待していかれると、あれっ?と肩透かしになるか...
      そうそう。白浜です。
      でも実際に行っといて一番覚えてるのが、変わった名前だなーなので、おそらく期待していかれると、あれっ?と肩透かしになるかも。
      2025/04/15
    • Naotyさん
      あやたろさん

      ありがとうございます!
      期待値がかなり上がってました笑
      和歌山へ行ったついでに…くらいがちょうど良さそうですね(^_^;)
      あやたろさん

      ありがとうございます!
      期待値がかなり上がってました笑
      和歌山へ行ったついでに…くらいがちょうど良さそうですね(^_^;)
      2025/04/15
  • 初読みの作者が教えてくれた南方熊楠。
    幼いころから読書が好きで百科事典を書写してたとか。書いて覚えたものは忘れないとゆう特殊能力も持っていたようでその知識は膨大な量に達していたとか。商家を継がずに我儘聞いてもらて上京したのに、大学予備門を中退したり、私費でアメリカに6年、イギリスに8年遊学して35歳で帰国ってすごいとゆうかで、結局何をしたんだろうと思うと知識欲に取りつかれカテゴライズしにくいわけで何者であるかといえば俺はジャイアン的なタイトルがふさわしく感じました。
    美少年な羽山兄弟が、なにか重大なときの予兆で夢に出てくるとゆう因果関係は興味深いし夢についても研究してたようです。癲癇持ちで激高型で度々事件を起こし大英博物館を出禁になるとか、数多くの俺様逸話が残るなか熊楠の輪郭を辿ることができました。

    ※神社合祀反対運動に尽力し環境保護に貢献した実績は素晴らしいと思いました。原生林や伝承が後世に引継がれることの意義は学術的にも生態系を守ることにおいても大きかったと思います。
    妻の松枝の実家の鬪雞神社も合祀を免れたのですが今は、熊野三山神社の別宮的存在で世界遺産に登録されているようです。
    金銭面を支援した弟が継いだ南方酒造も社名を変え今も盛業中なのも嬉しく思います。
    なにかと迷惑かけ続けた学者バカにみえる熊楠も世間に名が知れ渡るにつれ相乗効果で共存できる環境が整っていったのかなって思いました。
    ただ、息子の熊弥は親の期待が大きすぎてかわいそうだったですね。

    • つくねさん
      かなさん、こんにちわ!
      こちらの作品のほうが早く届いたので読みました。
      家族は熊楠に振りまわされた感じですよね。
      生涯働かなくても家族...
      かなさん、こんにちわ!
      こちらの作品のほうが早く届いたので読みました。
      家族は熊楠に振りまわされた感じですよね。
      生涯働かなくても家族4人暮らしていけるってどんなんって
      思ってました。しかも女中さんもいたんですよね。
      暮らしぶりには余裕があった感じにみえたりです。
      ネットでみると住んでた家の間取図とかあるのですけど
      けっこう立派な家なんですよね。
      敷地内に借家も二つあるようだから家賃収入もあったのかな?

      デナリのは今日、借りれますよww
      2024/10/25
    • aoi-soraさん
      「俺はジャイアン的タイトルがふさわしく感じる」って、確かにそうですねwww
      納得しちゃいました
      熊野古道、いつか訪れたいな(⁠´⁠ε⁠`⁠ ...
      「俺はジャイアン的タイトルがふさわしく感じる」って、確かにそうですねwww
      納得しちゃいました
      熊野古道、いつか訪れたいな(⁠´⁠ε⁠`⁠ ⁠)

      2024/10/25
    • つくねさん
      酔っ払って都々逸とか
      唄っちゃってましたですよね!
      酔っ払って都々逸とか
      唄っちゃってましたですよね!
      2024/10/25
  • 南方熊楠

    博物学者、生物学者、民俗学者
    昭和天皇への進講を行った人物
    他言語を操り、数々の論文を学術誌に発表

    何やらものすごい人だ
    恥ずかしながら、今まで知らなかった…(・・;)

    そんな熊楠さんの、15歳から74歳で亡くなるまでの人生を描いた壮大な物語




    「我は我のことが知りたいのや」
    「我は、この世のすべてを知り尽くしたい」

    そんな熱い想いから、日々研究に没頭する熊楠。
    商家に生まれながら学問をやらせてもらい、アメリカ留学にも行かせてもらう。

    熊楠がずば抜けた能力を持っている事も確かだが、やはり金銭面でも恵まれた環境だったのかなと思う。
    父が亡くなってから、金銭面は弟に頼る。
    研究者というのは稼げないくせにお金はかかるようだ。
    当たり前のように生活費の面倒を弟に頼る熊楠に、なんだか腹が立つ。

    研究所設立のための出資を巡って弟と諍いになり、もうこれ以上は出せないと言われる。
    これまで何十年も金を工面してもらいながら、寄付金を約束通り出せ、月々の金はどうしたとか、偉そうに請求している熊楠が腹立たしい。

    弟に出してもらった生活費で酒を飲み、酔っ払って暴れるとか、本当に嫌だ。
    主人公の熊楠には全く寄り添えないと思っていたけど、ここから晩年の人生には胸がいっぱいになり、夢中で読み進めることになった。


    南方熊楠という人物はあまりにも大きすぎて、理解しきれない部分があった。
    しかし岩井さんの文章には、ものすごい力があって圧倒されるばかり。
    読み終えてもなお、この世界から抜け出せない。



    ──いずれ必ず訪れたい場所──
    熊楠が1903年から約一年半、隠花植物を採集する為に滞在した那智・熊野古道(世界遺産)



    ※追記
    上記はあくまでも私アオイの感想です。
    この本の中で熊楠さんは、自分の行動や発言について常に自問自答しています。
    家族のことも愛しています。
    実際に妻と娘は最後まで研究を手伝っているし、熊楠を支援している仲間もいます。

    皆さん、熊楠さんを嫌いにならないでね(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠

    • aoi-soraさん
      今、私もコメントしちゃいました!
      今、私もコメントしちゃいました!
      2024/10/06
    • shintak5555さん
      白銀はおいおい登らせて頂きます!
      山岳小説は大好物なので、今から★4つ以上を約束しときます!
      白銀はおいおい登らせて頂きます!
      山岳小説は大好物なので、今から★4つ以上を約束しときます!
      2024/10/06
    • aoi-soraさん
      お!星4つ確約!
      楽しみにしております^⁠_⁠^
      お!星4つ確約!
      楽しみにしております^⁠_⁠^
      2024/10/06
  •  無知ゆえ、私の中に「南方熊楠像」がなく、熊楠の「イメージを覆した」「想像以上」などの惹句も私には響かず‥。でも、真っさら状態で臨むのもいいかと思い手にしました。まぁ、直木賞候補で勢いづいて、個人的にも推してる岩井圭也さんなので‥。

     「知の巨人」と称された南方熊楠の評伝小説です。熊楠の辿った道、業績の概略を知るだけで、常人の域を軽々と超越していた事実に驚嘆します。
     学問対象は、博物・民俗・人類・植物・生態学‥と多分野。英国で9言語の書籍筆写、『ネイチャー』に51本の論文掲載、菌類研究で70種の菌や粘菌発見等、業績を数えれば枚挙にいとまがありません。
     反面、己の世界を深めることにしか関心を示さない生活は、人間関係に軋轢を生み、奇行のエピソードにも事欠かないようです。

     こんな熊楠は、いったい何者だったのか‥。岩井圭也さんは、膨大な資料や史実を基にしながら、創造の翼を広げ、人間・南方熊楠を描こうとしたのでしょう。人間の深淵にある魂を写し取るように‥。
     天才・南方熊楠に、『永遠についての証明』の天才数学者・瞭司を重ねてしまうのは無理があるでしょうか? 架空・実在人物の差異はあれど、同種の匂い(栄光と挫折)を感じてしまいます。

     このようにしか生きられなかったのだろうと納得しながら、業績をもっともっと再評価されるべきという思いと、身近な人との関わり方で、やるせなさ、切なさがどうしても付き纏ってしまいます。

     本書の装画は、池田学さんの「Mother Tree」という圧倒的な迫力の巨木の精密画です。帯を取ってみると‥、巨木の根元にしめ縄、祠、人影が描きこまれていて‥。えっ、これは熊楠? この世と神域の境に、結界として立つ御神木か! 熊楠の生き様の象徴として秀逸過ぎます。

    • かなさん
      本とコさん、こんばんは!
      この作品、直木賞候補作にノミネートされましたね。
      ちょっと、難しそう…とつい思っちゃうんです。
      私、恥ずかし...
      本とコさん、こんばんは!
      この作品、直木賞候補作にノミネートされましたね。
      ちょっと、難しそう…とつい思っちゃうんです。
      私、恥ずかしながら
      南方熊楠については全く知らないんです^^;
      2024/06/18
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      かなさん、私も同じですよー、予備知識ゼロ〜♪
      本作は、岩井圭也推しの方でも好みが分かれるかも、
      と思いました。私の本音もビミョーなところです...
      かなさん、私も同じですよー、予備知識ゼロ〜♪
      本作は、岩井圭也推しの方でも好みが分かれるかも、
      と思いました。私の本音もビミョーなところです(笑)
      偉人の評伝が基になっているのもネックかな‥。

      けれども、岩井圭也さんの人間の内面の描き方の
      素晴らしさは不変だなと思いました。
      2024/06/18
  • 博覧強記の研究者として知られている南方熊楠(1867-1941)の生涯に基づくフィクション。粘菌の研究を通じて、生命の輪廻に辿り着く。弟の常楠、妻の松枝、息子の熊弥など周りの人達との関係が丁寧に描かれている。読了感も良かった。直木賞候補(2024上半期)。
    ぼんやりと、破天荒な「知の巨人」としか知らなかったので、学問的な内容が主だったら困ると思っていましたが杞憂でした。面白かったです。熊楠の脳内の声(鬨の声)が、いい味を出しています。

  • 和歌山で生まれ育った南方熊楠の人生。

    山や海や野原は、熊楠にとっては天然の類書であると…彼には、学校の授業よりも商売の話よりも自然物を収集分類することで、世界の全てを知り尽くしたい気持ちが優っていた。

    頼りにしていた実弟から金銭的なことで見離されたことや最愛の息子の病気など家族との軋轢や苦悩もありながら、なかなか陽の目を見ることがない研究を諦めることがなかったのは強さなのか、承認欲求なのか…それとも己を知ることだったのか。

    天皇陛下への御進講をやり遂げたことで、今までやってきたことは、決して間違ってはなかったと。

    この本を読むまでは、深く知ることがなかったが、奇人なのか、天才なのか…独特で唯一無二な存在だと感じながらも妻子や友人達の気持ちを蔑ろにする人ではなく、不器用だが思いやりのある人だとも思えた。



  • 同じやん!
    熊楠と1Q84O1は同じやん!


    熊楠が「我は我が何者かを知りたい」と思うのと同じように、1Q84O1も我は我が何者かを知りたい
    熊楠と1Q84O1は同じやん!


    熊楠は博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた…
    1Q84O1は坊さんか、好青年か、助兵衛か、はたまた…
    熊楠と1Q84O1はほぼ同じやん!


    ちょっと違うところは、
    「世界を知ることは、我を知ることになる」と、この世のすべてを知り尽くしたいという好奇心と最後の瞬間まで学問を究めていたかったという想いだろう

    残念ながら1Q84O1にはその好奇心も想いもありません…(ーー;)


    なので、誰かかわりに教えてー!
    我は何者なんだ!?

    • ultraman719さん
      クズアベンジャーズの坊さん?
      まさしく、生臭坊主ですね!
      クズアベンジャーズの坊さん?
      まさしく、生臭坊主ですね!
      2025/02/03
    • 1Q84O1さん
      世の中、金じゃ!金!
      お布施をもっと持ってこーい!
      世の中、金じゃ!金!
      お布施をもっと持ってこーい!
      2025/02/03
    • ultraman719さん
      やはり、クズや…
      やはり、クズや…
      2025/02/04
  • 岩井圭也さんも既刊で読みたい本がまだまだあるので、さほど新刊にこだわっていないんだが、そりゃあれば借りるよ
    だって男の子だもん

    はい、生物学者であり民俗学者でもある「知の巨人」南方熊楠の生涯を描いた『われは熊楠』です

    うーん、面白かったんだけど、ちょっと消化不良
    だって南方熊楠よ?逸話が多すぎてそんなもん単行本300ページちょっとにまとめるなんて無理よ
    もちろん、無理は承知でそうとう端折ってるんよ

    で、端折ってるのはいいんだけど、そうなるとかなり明確に分かりやすく焦点を絞ってくれないと納得感がないんよね
    全体的にぼやっとしてて、わいにはちょっと何が言いたいのかよく分からんかったです

    熊楠の生涯のこことこことここを取り上げた意味ってのがよく読み取れなかったです

    岩井圭也さん×南方熊楠で相当な傑作を期待してたんやけどね



    では最後に南方熊楠仰天エピソード!(ドンドンパフー)

    〜現在、熊楠の脳が大阪大学解剖教室に保存されている。 驚異的な記銘力を自ら認識していた熊楠の遺言によって大阪帝国大学病理学の森上助教授が南方家の庭で解剖を行い、当時側頭葉の溝の発育が特に優れているとの報告がなされたという。〜(不二たん白質研究財団ホームページより)

    すっげーΣ(゚Д゚)
    わいの脳も保存しといたほうがいいかな?(何の役にも立たんわ!)

    • aoi-soraさん
      熊楠の脳って、本当に保存されてるの!?
      びっくり(・・;)
      熊楠の脳って、本当に保存されてるの!?
      びっくり(・・;)
      2024/08/31
    • ひまわりめろんさん
      大阪大学の医学部でホルマリン漬けになってますよん

      めちゃくちゃな記憶力を持っていたと言われる南方熊楠の脳がどうなっていたか?の研究を後世に...
      大阪大学の医学部でホルマリン漬けになってますよん

      めちゃくちゃな記憶力を持っていたと言われる南方熊楠の脳がどうなっていたか?の研究を後世に託したとも言われています
      現在、科学(医学?)の進歩によりその謎が解明できるところに来てるんじゃないか?と(ちょっぴり)再注目されてるみたい
      2024/08/31
    • aoi-soraさん
      熊楠さんをこの本で初めて知ったんだけど、信じられない程の知識がその脳みそに詰まってますね!
      これからの謎の解明に注目だわ
      熊楠さんをこの本で初めて知ったんだけど、信じられない程の知識がその脳みそに詰まってますね!
      これからの謎の解明に注目だわ
      2024/08/31
  •  この作品は、タイトルにもある南方熊楠という人物の生涯を描いたものです。この作品を手にするまで全く知りませんでしたが、なにやらスゴイ人のようです…。

     熊楠は1817年に和歌山で生を受け1941年に死去。自らの頭の中に常に響く鬨の声…貪欲に知識を得ようとしているときには鬨の声が聞こえなくなる…また、羽山兄弟との出逢いもその後の熊楠の人生を大きく左右するものになる…。アメリカ、ロンドンでの留学経験もあり、数多くの論文を残し、天皇陛下に進講をした経験も持つ。「知ることこそが生きること」「生きることは死ぬこと、死ぬことは生きること」、生物学者であり民俗学者でもある“知の巨人”…。

     業績は素晴らしいものだけれど、弟の常楠や妻の松枝、子どもの熊弥と文枝にとっては…?もし、熊楠のような人が身近にいたら?間違って家族になってたら??…イヤ、私なら耐えられないっ…!!だから、読後は熊楠より周囲の人たちがスゴイと感じました。内容もだけれど、ちょっと読みにくさもあって読書のスピードが落ちてしまったことことが残念でした。

    • かなさん
      ヒボさん、おはようございます!
      この作品読みたかったのですね!!
      私の評価なんか気にせずに、機会があったら
      読んでみてくださいな。
      ...
      ヒボさん、おはようございます!
      この作品読みたかったのですね!!
      私の評価なんか気にせずに、機会があったら
      読んでみてくださいな。
      岩井圭也さんの作品は、どれも読み応えはありますよ(*^^)v
      2024/08/17
    • かなさん
      本とコさん、おはようございます。
      そうなんです…スゴイことはわかりましたけど、
      どうしても、振り回された家族のこと思っちゃうんですよね^...
      本とコさん、おはようございます。
      そうなんです…スゴイことはわかりましたけど、
      どうしても、振り回された家族のこと思っちゃうんですよね^^;
      「文身」とか「楽園の犬」のような作品が私は好きです。
      2024/08/17
    • かなさん
      aoi-soraさん、おはようございます。
      もうすぐ順番が回ってきそうですか??
      楽しんでくださいね(*^^*)
      私も南方熊楠のこと、...
      aoi-soraさん、おはようございます。
      もうすぐ順番が回ってきそうですか??
      楽しんでくださいね(*^^*)
      私も南方熊楠のこと、知りませんでした。
      知ることができたことは、よかったと思ってます。
      2024/08/17
  • 学問研究に生涯を捧げた「知の巨人」南方熊楠を描く一代記。

    世の中のすべてのことを知りたいという知識欲、探究心、行動力。
    桁外れの天才か、奇人か。
    破天荒な生き方に圧倒されたというか、強烈なインパクトを受けました。
    ほぼ無収入で、長期間の海外留学も結婚後の生活もずっと実家頼りだったなんて!
    家が何軒も建つほどの送金を続けた弟(とその家族)があまりにも不憫だと思いました。息子の件も気の毒になりました。

    著者の熱量が素晴らしく、膨大な量の参考文献が載っていて、倍近く書いた中から枚数を削ったとのこと。
    世間に認められない苦悩、困窮、家族との軋轢と、波瀾万丈な人生を、熊楠の内面に分け入って描ききった作品でした。

    個人的に「宙わたる教室」を読んだばかりで、いわゆる優等生ではなくても好奇心いっぱいに突き進む純粋さが共通してるかなと思いました。

  • 南方熊楠、初めて知りました。昭和天皇にも進講した粘菌の学者。研究には、本当に色々な分野があるのだなあ

  • 実在の人物を描いた小説。和歌山で生まれた南方熊楠。彼の研究は多岐に渡りました。博物学、菌学を主とした生物学、人文科学、民俗学、そして地域の自然保護にも力を注いだようです。1867年から1941年の生涯ということは、明治、大正、昭和のはじめまで。そんな時代に14年間をアメリカとイギリスで過ごし、『ネイチャー』にも論文が掲載されたようです。また、死ぬ間際まで採集した標本は膨大な量に至り、その業績は天皇陛下の耳に届き、実際に博物学の御進講をする機会もあったとのこと。研究と行動のスケールの大きさにびっくりでした。南方熊楠については、ほとんど何も知りませんでしたから。

    患っていたてんかんの症状もあり、奇行の逸話には事欠かない人物のようです。この作品では、内から聞こえてくる声との葛藤シーンが多く描かれます。「我は、世界を知り、己を知るために学問を追求する」この文言が幾度も現れ、自分自身を叱咤激励。そんな内なる声は、夢として語られることもあります。夢って創作なのでは? と思って調べると、これまたびっくり! 南方熊楠は、十代のときから死ぬまでずっと、毎日日記を書いていたそうです。また、手紙もマメに書いていたようです。作品にたびたび登場する羽山兄弟の夢は実際によく見ていたのだとか。繁太郎が夢に出てきて「ここを探すといいよ」と言った話。そこに行ったら新種の生物を発見した、というエピソードも手紙に記されていたとのこと。

    ただ、時に狂気とも受け取れるそのひたむきさは、読んでいて心が苦しくなります。救いは彼の妻と娘。晩年の熊楠を支えた二人の存在は、彼の知的財産が散逸することを防ぎ、偉大な業績を後世に遺す一助となったとことでしょう。

    読みながらふと、ゴッホを思い起こしました。ひたむきに絵を描き続ける彼を守ったのは、弟のテオだったな、と。理解者が身近にいることで、天才たちはどんなに救われるでしょう。あるいは、彼らのひたむきさが周りの人間を変え、世界を変えていくのかもしれません。

  • この本が図書館に入って直ぐに予約、
    そのうち直木賞候補になって、あとに待っている人が徐々に増えてきました。

    岩井圭也さん、青崎有吾さん。
    好きな作家さんなので
    お2人、共に受賞してほしい!
    と切に願っています。

    生涯、研究に没頭し続けた熊楠の姿が、熊楠自身の視点から描かれていて、その研究の軌跡と心の内面を共にたどるような感覚で読み進めることができました。自然にある命そのものに向かい合う一生。
    「生きることは死ぬこと、死ぬことは生きること」
    「生命の旅に果てはない。命は絶えず流転し、新たな命を生み出す」

  • 読書備忘録862号。
    ★★★。

    曲亭馬琴に続いて、南方熊楠の伝記を読んでしまいました!偉人です。凄いんですよ。凄い人なんです。
    で、一応読後にwikiさんにも確認しましたが概ね事実に即して脚本されているという感じでした。

    結論としては、あまりに主人公熊楠の自己中の勝手さにほとほと呆れて全く読書を楽しめませんでした(-_-;)
    読後何日も経っているのに備忘録アップする気力が起きなかった・・・。当然詳しく粗筋を書く気力なんて毛頭ない。自分用備忘録だからどうでも良いや。

    彼は、この世の生き物についてすべてを知りたかった。
    その目的達成のためには、周りに係る者すべては自分に尽すべきだと信じて疑わなかった。
    南方家の家督は弟に引き継がせ、弟に自分の生活と研究に掛かる費用の全てを負担させた。
    東大入学、アメリカ留学、イギリス留学、日本に戻って研究研究研究。
    弟の事業が厳しい状況だろうが関係なく、仕送りをさせた。

    気に入らないことがあったり、思い通りにならないと癇癪を起し、キレまくり、暴力も振るう。
    弟にも妻にも子供にも。あげく長男は精神を患う。

    ただ、その功績の量は凄まじい。ネイチャーへの寄稿、昭和天皇へのご進講などなど。
    そりゃそうだ。全く働かず、研究だけに全ての時間を捧げたんだから。
    でも、その胆力は尋常ではないのも確か。飽くなき知への探求心。一般人にそれは出来ない。

    そして、物語としてのフィクション要素。
    熊楠本人は奇行や幻覚が絶えなかったことから頭に障害があったと言われている。
    それを、作者は、
    ①頭の中に3人の別人格(多重人格ではない)が住み、適当なことを常に喋りまくっている状態。
    ②男色とまでは言わないが恋心を抱いていた幼馴染で早世した美形兄弟の幻覚が頻繁に出てくる状態。
    を設定し、それが奇行に繋がっている構成とした。

    まあ、とにかく自分勝手。
    タイトル通り、われは熊楠! 文句あるか! と。
    作中表現からすれば、我(あが)は熊楠! と。

    ふう。伝記系は合わないな、私。
    主人公に1ミリグラムも感情移入できない。
    学習しましたわ。
    もう失敗せぇへんでぇ!

    • kuma0504さん
      shintak5555さん、はじめまして。フォローありがとうございます。

      わたし、熊楠好きなんですよ。
      彼が人格者だなんて、1ミリも思って...
      shintak5555さん、はじめまして。フォローありがとうございます。

      わたし、熊楠好きなんですよ。
      彼が人格者だなんて、1ミリも思っていなかったので、この伝記読んでもひとつも彼を嫌いにならなかったのですが、ちょっとやり過ぎな面はありましたね。

      彼の抜き書きの生を見たことがあるのですが、その字の細かいこと、その量の膨大なこと、ともかく善悪は超えて圧倒されて、「感動」するのです。彼の家族は、この父親を好きではなかったかもしれないけど憎んではなかったことは、そのことだけでもわかります。

      弟の酒屋さんも、えらい迷惑でした。最初はゴーギャンにおけるテオを見たいな兄弟になるのかな、と思って読んでいたら、やはりやりすぎたようです。でも、酒屋さんは潰れずに今も続いていて、「熊楠」という銘柄が今やこの酒屋の屋台骨を支えているのだから、その子孫も今や熊楠を憎んではないと思います。

      和歌山で書店を営んでいる(?)ブクログメンバーに、著者が調査に来て熊楠を調べているというエピソードを聞いたのですが、速書きの著者ですが、少なくとも2年は調査期間があったようです。今回「人間熊楠」が初めて小説に現れたのは、画期的だったような気がしています。若い頃熊楠全集の膨大さに怯んで、未だにほとんど手を出せていませんが、いつか手を出してみたい。
      2024/11/14
    • shintak5555さん
      クマさま
      フォローさせていただくのが遅れまして申し訳ございません!
      フォロー頂いている皆さまの一覧をふと確認したところフォロー漏れを発見した...
      クマさま
      フォローさせていただくのが遅れまして申し訳ございません!
      フォロー頂いている皆さまの一覧をふと確認したところフォロー漏れを発見した次第です!お恥ずかしい!

      熊楠大好きなんですね!
      良いですね!好みなんて人の数だけありますから!
      岩井さんの作品は大好きなので、主人公嫌いでも★3つです!作品としては素晴らしいと感じています!
      今、岩井さんの「完全なる白銀」を読んでる最中です。さてさてどうなるか!
      2024/11/14
    • おびのりさん
      kuma様重要
      kuma様重要
      2024/11/14
  • 最近よく読んでいる岩井圭也さん。
    期待値が上がりすぎていたのか、今回はそれほどハマらなかった。
    恐らく熊楠みたいな変人·天才型の人は、あまりにも自分とかけ離れていて、共感ポイントがほとんどないのも理由の一つかな。
    そう言いながらも、何年か前に和歌山の熊楠記念館にわざわざ行って、しっかり見学もしている自分が謎。その時に見た菌類の記録やキャラメルの箱などを思い出して、ちょっと懐かしくなった。

    • どんぐりさん
      わかります!めっちゃ期待値上がってました笑

      ちょっと落ち着かせて読みますね(`_´)ゞ
      まだ借りてもないけども。笑
      わかります!めっちゃ期待値上がってました笑

      ちょっと落ち着かせて読みますね(`_´)ゞ
      まだ借りてもないけども。笑
      2024/07/19
    • ねこさん
      どんぐりさん
      おはようございます♪
      宣言通りこちらの本を読み始めたけど、気持ちがのらなくて明らかに読むペースが遅かったです。
      エピソードには...
      どんぐりさん
      おはようございます♪
      宣言通りこちらの本を読み始めたけど、気持ちがのらなくて明らかに読むペースが遅かったです。
      エピソードには事欠かない方だから、それが面白いと言えば面白いんだろうけど、「結局、好き勝手やってる放蕩者じゃないか!」となってしまって…
      と、読む気が失せるようなコメント(汗)
      どんぐりさんの感想お待ちしてますよ〜(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠
      2024/07/19
  • 4歳の頃から頭の中で他の声が聞こえる熊楠。そしてその声は熊楠を煽ったり、不安にさせトラブルの原因になります。
    弟に生活費を出してもらって研究をつづけるも、やがて…

    ある程度南方熊楠のやらかし人生は知っていたけれど、めっちゃ面白くて一気読みしました。

    弟の「那智山から下山してほしくなかった」という、弟が思い描いた兄でいて欲しい気持ち…那智山は平安の時代から霊験あらたかな場所なので、余計に兄が現実離れしたイメージから一転して成り下がったと感じたのかも知れません。弟の痛烈な一言が悲しすぎました。

    そして息子の病気…辛すぎる。

    所々にでてくる和歌山弁「お休みよ(お昼以降に言うバイバイ)」「ふうわり(格好悪い)」「~しよら(~しよう)」など、和歌山県出身の私としては、懐かしくもあり、この方言をここに持ってくるのは絶妙!と思うところもありました。

    年を取って体も弱り、やがて悟っていく熊楠。家族や周囲の人あってこその濃い人生でした。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      ゆうこさん、こんばんは♪ 略称「本とコ」です。
      強烈な物語でしたよね(^^)
      熊楠は、学術的にはもっと評価されるべきなんで
      しょうが、や...
      ゆうこさん、こんばんは♪ 略称「本とコ」です。
      強烈な物語でしたよね(^^)
      熊楠は、学術的にはもっと評価されるべきなんで
      しょうが、やっぱり人の多面的要素ゆえ?
      〜は素晴らしいけど〜はなあ… みたいに、
      あまりマイナス評価に走りたくないものですね(^o^)
      2024/12/14
    • ゆうこさん
      本とコさん、こんばんは!コメントありがとうございます。
      私も特に粘菌の発見については特に評価が上がってもいいんじゃないかと思っています。
      で...
      本とコさん、こんばんは!コメントありがとうございます。
      私も特に粘菌の発見については特に評価が上がってもいいんじゃないかと思っています。
      でも…やっぱり…
      いやいや、やらかした偉人は歴史上いっぱいいます。やらかしても偉人は偉人ですよね!
      2024/12/14
  • レビューで、ゴッホと弟テオの関係に似ているという指摘をいくつか見かけ、確かにと思った。
    熊楠は家族や弟子に支えられてきたけど、特に弟の常楠の支えはとてつもなく大きい。
    知の巨人として知られる熊楠の奇才っぷりもすごいけど、私は兄を天狗(てんぎゃん)と尊敬し金銭的に支え続けた弟に驚いた。
    よくそこまで、と思うけど、周囲を顧みない天才だからこそ、その才能を確信している身近な人が支えていく構図になるんだなと感じた。
    昭和天皇に講義をする場面はじーんときたけど、常楠と喜びを分かち合えないことが悲しかった。
    何か恩を返せないものか、熊楠が所帯をもつのは間違えだったのかの二点がモヤるところ。
    でも家族を多少思いやるようになった人間味のある熊楠も悪くはないと私は思う。

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著者プロフィール

いわい・けいや 小説家。1987年生まれ。北海道大学大学院農学院修了。2018年『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞(KADOKAWAより刊行)。著書に『文身』(祥伝社)、『水よ踊れ』(新潮社)、『この夜が明ければ』(双葉社)などがある。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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