かわいないで

  • 文藝春秋 (2024年5月13日発売)
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本棚登録 : 350
感想 : 17
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163918419

作品紹介・あらすじ

柚木麻子さん絶賛!
「勇気を出して誰かの心にふれてみた時の手触り。心にさわられた時のかすかなざらつきと温度。どうしてこんなに思い出させてくれるんだろう。この本がどうしようもなく好きだ。」

人気お笑い芸人にして注目の著者の初の中編小説集。

「黄色いか黄色くないか」
高校生の頃からお笑いに魅せられて、お笑いライブハウスに就職した主人公・唯(ゆい)。ある年末年始、賞レースが集中して芸人の悲喜こもごもが色濃くあらわれる、その季節に繰り広げられる、華やかな「笑い」の舞台裏の人間ドラマに迫る。

「かわいないで」
高校の日本史の授業中、千尋は必死に耳を研ぎ澄ます。隣席の香奈美がひそひそ声で後ろの席のふたりに語る、昨日のデートの一部始終に。千尋がどうしても聞きたいのは、聞き手の透子から香奈美に放たれる「かわいないで(笑)」という絶妙な相槌の一語なのだ。誰もが覚えのある、教室内で織りなされる関係の機微を見事に浮かび上がらせる。

感想・レビュー・書評

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  • ゼスプリのキウイが好きという著者の加納さん。
    YouTubeを観てハマり、本を書かれているということで読んでみました。
    関西弁でツッコんだり、快活に笑うイメージが強いですが、周りをよく見ていたりかなり繊細な一面をもつ人なのかなという印象を受けました。
    『黄色いか黄色くないか』『かわいないで』の二作とも、新たな世界を発見したような新鮮さを感じました。これからも加納さんの世界観を覗きたいなと思える作品です!

  • お笑い芸人としてはほとんどみたことないのだけど、過去の著作は結構レビュー評価高いので、なんとなく気になっている加納さん。初めての中編小説なので相性いいか読んでみたい

    #かわいないで
    #加納愛子
    24/5/13出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3JZpvhp

  • 初読み作家。頭の中を覗き見しているそんな小説は大好きで主人公の考えている事、解決するに至る道筋、そして観察力、共感できる自分と同じぐらいのレベルなので理解もしやすい。漫才ぽい会話にはあまりついていけないと思ったら著者はお笑い芸人だった。名前も聞いた事がないのでプロフィール読んでびっくりと共に最初の話のライブハウスの詳しい描写と働く人、主人公の情熱に納得。体験したからこそ出せる世界観というのかな、描写に熱気が出ていると感じたし、途中で寝落ちした時に見た夢も今まで賑やかな夢を見た記憶がなかったのに今まで自分が出会った人が1度にたくさん出てきて部屋の中を埋め尽くしてるまるでライブハウスのような疲れる夢をみて読んでる時には伝わらなかった情熱が夢をみた事で一気に熱を帯びて後半は引き込まれて1日で読了。

  • 『黄色いか黄色くないか』がすごく好きだった。表題作はあんまりだった。

  • よいーー
    透子かっこよすぎる、なりたい

  • ◎黄色いか黄色くないか
    →不安の大きさが、灰皿の上の吸い終えたたばこの長さで表現されてるの秀逸だった
    「親友(名前忘れた)は死ななかったね」と言いたくなる気持ちすごくわかる。けど言えるのすごい。言えるだけの関係の相手だと思って言っていたのならいいな

    ◎かわいないで
    「遠いけど制服可愛い学校行く感覚」的確。周りの友だちこれにピンときてなかったってもったいない。千尋のおもしろさが宝の持ち腐れ。
    →途中まで読んでたところで書いてたのがこれで、今読み終えてからの気持ちが下!

    いいぞ〜千尋、友だちってそう言うことだよね、グループみたいな属性とかでなくてその人の立ち振る舞いとか喋り方とか使う言葉を見聞きして、この人すごくおもしろいこの人と仲良くなりたいってやることだよねって。そうやって仲良くなれたときがいっちばんうれしいんだからね、って。これ読んでるとき、透子のしゃべりがすらすら実奈に重ねて入ってきたのは、実奈が関西弁で話すからだけでは絶対になくて、光希が千尋だったときの透子が実奈だからだと思う。実奈に伝えたい!わーーめっちゃよかった。

    →星5個にしたのは、かわいないでが特によかったのを忘れないでいたいから。

  • 2作入っていて、共にお笑いが含まれる話です。『かわいないで』は女子高生の話で、タイムスリップした感じになりました。私が通っていた高校はバイト禁止だったし化粧もNGだったしここまでではないけれど、関西あるあるの懐かしいノリだなぁと思いました。

  • 「黄色いか黄色くないか」は加納さんがこんなど真ん中の題材で小説を書くのが意外でしたが、そこは流石の解像度の高さだし、芸人としての矜持が溢れまくっていた。それはもう一編の「かわいないで」も同様で、憧れや羨望の感情を小説に落とし込むのがめちゃくちゃ巧み。

  • 疲れすぎ返却期限に追われすぎで雑な読書にしてしまった
    お笑い芸人がお笑いに絡む小説書くのはちょっと意外ではあった
    でもひねくれの方向性があんまり私とは合わなかったかもな

  • かのうさんが好きやから呼んだ本
    二つの話が入ってる小説

    お笑い劇場で働く正社員女子の話
    女子高での女子高生の話

    結構読むのに時間はかかってしまったけど、言い回しや表現が好きやった
    女子高生の話に関しては、感情を事細かに読み取ってるなあという感じ

    透子という、絶対に勝てないキャラクター。
    そんな人間になりたいけど、きっとなれへんから、皆憧れてしまうんやろうなぁ…

    ゆっくりする土曜の午後に読んで、まどろむ前みたいな、非常に良い気持ちになりました
    ありがとうございました

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著者プロフィール

加納 愛子(かのう・あいこ):1989年、大阪生まれ。ワタナベエンターテインメント所属。2010年、お笑いコンビ「Aマッソ」を結成。MBSラジオ『Aマッソのヤングタウン』(毎週木曜22:00)、テレビ東京『正解の無いクイズ』(毎週月・火・水曜17:30)にレギュラー出演。4月からは新番組テレビ朝日『A LABBO』(4/2より毎週火曜25:56)が放送開始となる。また、中京テレビ『スナック女子にハイボールを』(4/4より毎週木曜25:04)では、初の連ドラ単独脚本を担当。著者に『イルカも泳ぐわい。』(筑摩書房)、『これはちゃうか』(河出書房新社)、『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)。新たに小説集『かわいないで』(文藝春秋)の発売も発表された。YouTube『Aマッソ公式チャンネル』も好評配信中。

「2024年 『イルカも泳ぐわい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加納愛子の作品

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