- 本 ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163918426
作品紹介・あらすじ
日本を駄目にした政治家と官僚は誰だ?
前駐オーストラリア大使が40年間の外交官人生を懸けた覚悟の手記!
「本書は、外交官としての私の遺言である。
遺言である以上、かつての先輩、同僚、後輩との人間関係に遠慮して行儀よく丸く収めることは、とうにあきらめた。むしろ、今後の日本外交のために、歯に衣着せずに、敬称を略して語ることとした。劣化の深刻さは、待ったなしだからだ」
日本外交はなぜここまで劣化したのか?
●ロビイング力の決定的不足
●惨憺たる対外発信力
●歴史問題での事なかれ主義
●日の丸を背負う気概の弱さ
●永田町・霞が関での外務省の地盤沈下
●内向き志向といびつな人事
感想・レビュー・書評
-
日本の外交官の品質の低下には情け無いの一言に尽きる。ただ一般企業においても当てはまることはあるのではないかと。海外店のトップはどちらかと言うとあがりポジション、日本人同士でつるんで現地やそこにいる外国人と積極的に交流しようとしない。憤りを感じると共に自分は将来そうあらない様になろうと心に刻んだ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元在豪大使の苦言と提案。
政治家とかこういう方々の本に共通の、俺はそうじゃなかったんだ、俺は全てを見通しているんだ的なちょっと上からの感じが鼻につく部分は否めないのだけど、しょうがあるまい。
ロビイングができず発信ができず、内向き仲良しサークルでナワバリ意識と事なかれ主義の外務省。
安倍元首相のロシア対応を諌められんかったのかというのは同感するところはあるが、ハナから信用されてなかったのだろう。
内政の失敗は内閣を破壊するが、外政の失敗は国を滅ぼす。
この言葉を噛み締められない人間は、外務に関わるべきではない。
やはり、外務省だけは別採用の方がいいんじゃないかね。特に、大使とか在外公館に出れば、単に公務員ではなく、政治家に近い動きもせねばいかんだろうし。 -
OPACへのリンク:https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002350365【推薦コメント:元外交官が書いた、日本外交のリアルを知ることのできる本です!】
-
「劣化」とあるが、筆者も書くように、真珠湾攻撃の宣戦布告を遅延させた野村駐米大使を始め、外務省の不手際、国益意識の低さは以前からつとに指摘されてきた。
本書の第一部の指摘は尤もなものばかり。
第二部、第三部は筆者の思い入れの強さのあまり筆が滑っていると感じる箇所もあるが、外交を司るはずの外務省職員が、外交官ではなく単なる公務員となっているような印象を受ける。
日常業務や省内政治に精一杯で、国を代表し、他国と国益を巡ってのギリギリの交渉を行う余裕や覚悟を持てないということか。
基本的な語学力不足、自国や赴任先の社会・文化・歴史に対する理解不足、赴任先で有効な人脈を作れない、自国の利益に沿った主張・行動ができないなど、外交官としての基本的な資質・姿勢に欠ける人物も決して例外ではなさそうだ。
海外に赴任するビジネスマンは否応なく自国の文化を客観的に見つめ直し、赴任先との違いの根本について常に考えさせられる。
公的な立場で赴任する外交官が感じる圧力は何倍も強いはずなのだが。
筆者の批判がすべて的を射ていると言えないとしても、名指しされた面々の行状は確かに褒められたものではない。
四半世紀も前に書かれたテリー伊藤の「お笑い外務省機密情報」から何も変わっていない。
一方で在外公館を増やす動きもあるらしい。
外務省の立て直しは急務だが、病巣は外務省に限らない。
この国はエリート教育を根本から見直す必要があるのではないか。
-
外務省職員の能力も意識も劣化しているらしい
国益を優先せず、語学も今一つ、政治家に阿る、在外勤務しない奴が出世する、、、
激務、若い議員に叱られ、、、、若く優秀な職員がどんどん辞めていく
情報収集、分析のインテリジェンスが弱い
CIAみたいな組織も必要、対中国
ちょっと間違うと右翼本になる内容もある(歴史戦云々とか)が、日本の立場を説明発信していく必要性はその通り
真珠湾攻撃の宣戦布告が遅れた件は東條がわざと遅らせたのが真実と最近の研究で解っているので、野村大使の責とするのは改訂すべき
他にも著者の思い込みや偏った見方が散見されるが、外務省に発破をかける意図もあるのだろう
県警本部長経験から警察組織との違いが興味深いが、彼等も不祥事多い、、、
対策は人事、研修、指導、意識改革、在外勤務
結局は外務省を使う側の議員を選ぶのは国民なので、アホには投票したくない -
【「本書は外交官としての私の遺言だ」前駐豪大使 覚悟の手記】なし崩しの北方領土交渉、腰の引けた対中外交、慰安婦像乱立の大罪……。日本外交を劣化させてきた外務省幹部と政治家の責任を問う。
山上信吾の作品





