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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784163918723
作品紹介・あらすじ
藤本さんは私の釣友達で昔から羆のことは追いかけていた。そしてついにこんな本まで。これは読むべし。――夢枕獏(作家)
2019年夏、北海道東部で、牛を次々と襲う謎のヒグマが確認された。捕獲に乗り出したハンターたちの数年に及ぶ闘いを描く。
<目次>
プロローグ
第一章二〇一九年・夏 襲撃の始まり
第二章 二〇二一年・秋 追跡開始
第三章 二〇二二年・残雪期 知られざる襲撃
第四章 二〇二二年・夏 知恵比べ
第五章 二〇二二年秋 咆哮
第六章 二〇二三年・春 異変
第七章 二〇二三年・夏 「OSO18」の最期
「OSO18」とは何だったのか?
あとがき
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
この作品は、北海道で発生したヒグマOSO18の捕獲を巡る560日間の実録を描いたノンフィクションです。著者は対策チームのリーダーとして、熊の生態や捕獲の難しさを詳細に記録し、チームメンバーとの信頼関係...
感想・レビュー・書評
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熊すごい。(ぺらぺら感想)
郡上の猟師さんのキャンプでも、鹿や熊の増加に反比例して猟師の高齢化と減少に歯止めがきかないと聞かされました。
でもそれって「獣」の話だと聞いていたことを覚えています。
熊は知性を備えた天敵です。
お互い自然の中で生存競争してるんだもんな、と平野部にいては全く危機感のないお粗末な読者なんですが、もっとひどいのは誰かなんとかしてよ、とか思っている私がここにいることです。
熊被害に遭われている方本当にごめんなさい。
家の裏山も、下の田んぼも切り開かれて造成が進んでいます。
今私にできることは。
猟銃使用の規制緩和なんて、やっぱり危ないのかな。
そういえばキャンプでは50代主婦の方が猟師免許を取得されていて驚かされました。(また他人依存)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出版社の宣伝文句が「究極のクマ本 緊迫の実録ノンフィクション! 羆(ヤツ)は、必ず戻ってくる。」というゴシップ誌みたいな煽り文になっているが手に取ってみると「驚愕の手記」というよりは560日間、対策チームが地道にOSO18という羆(ヒグマ)を追うことになった経緯、事の顛末が連ねてある至極真面目なノンフィクションだった。
著者の藤本靖氏は対策チームのリーダーなのだが、書いてある内容如何だけではなく、文体から、「この人は様々な事に気を配っている人で、いつも皆から頼られる人なのだろうなぁ」と人物像が自然と想像できた。
例えば、対策チームは藤本靖氏が普段一緒に狩りをしているハンターたちで構成されるのだが、彼ら一人一人の強みや人となりについ書いてある部分はとても詳細に書かれていて、「なんて頼りになるメンバーたちを集めたんだろう」と読んでいる方は深く感心してしまった。
過熱するマスコミに対しての苦労話、OSO18というたった一頭の熊を北海道という広大な土地で探すという気の遠くなるような仕事について、そして熊の習性など少し固く専門的な話が書かれる中、著者は折に触れて対策チームが食事を楽しむ場面などを挟んでくれる。内容に緩急をつけて専門外の読者の事を気遣ってくれる。北海道中を車で探索する中、メンバーはセイコーマートという北海道にしかないコンビニでしょっちゅう食べ物を補給するのだが、「ホットシェフ」という店内調理による大きなおにぎりが特に美味しそうで、読んでいてぜひ食べてみたいと思った。
常に現場に出ている人が書くので、OSO18という熊が現れてしまった説明は「理論」じゃなくて「この場所が」という具体的な場所の描写で現れる。一冊の本として実に実直で、本当に面白い本だと思った。
ちょっと過激な宣伝文句で売り出そうとするのもある意味納得。広く読まれると良いのになぁ。 -
職場の同僚が貸してくれた本です。夏休みに読みました。牛を何匹も殺し、食べていた熊OSO18を捕獲するドキュメンタリー。特別チームが編成され数年にわたり、居場所を探索するのだが、なかなか見つけられません。探索する範囲が広大であることと、人間のニオイがあると近づかなくなる非常に慎重な熊の性格から、なかなか場所の特定ができません。マタギとクマの頭脳戦が展開されます。
結果は、ニュースにもなっているので、ご存じ方もいらっしゃるでしょう。結末を知らない人も、知っている人も熊の生態を知りたい人や、熊が生息している地域にお住まいの方は読んでみても良いかと思います。 -
なぜOSO18と名付けられたヒグマは牛やエゾシカを襲い食べるようになったのか
自然界での突然変異!なんてことはない
結局のところ動物が絶滅したり行き場を失ってしまったり、、何かしらで人間が関わっているのだと思うとやるせない
もちろん直接は関係ないんだけど、今後クマのニュースを見たときにOSO18が頭をよぎる気がする
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NHKの同ヒグマを扱った本を読もうとしたが、図書館で貸出中だったため本書を借りる。
猟師たちの職人魂とも言える追跡に一気読みした。
昔と違い、獣を捕獲してもお金にならないということが猟師の若手育成を阻んでいるように思われる。このままでは技術継承もままならないと思われ、現在の熊被害などを考えると、もっと公の組織で猟師を育成し、職業化を進めるべきなのではと思った。
OSO18の最期は予想しない展開だったが、このヒグマが生まれた背景は色々考えさせられる内容だった。
今一度、山と人間の住む世界の境界線を考える時が来ていると思う。
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OSOとの攻防ハラハラの連続。だが最終的に対策班が捕獲できなかったことを知ってるので、肉薄してるかのような描写は却って虚しく感じた。人間が生み出した怪物という表現は秀逸。
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専業の作家が書いたかのような筆致で、熊ハンターたちを率いるチームのリーダーが書いたヒグマとの闘いの記録。
人間の振る舞いがヒグマの肉食化を助長し、OSO18という化け物を(ある意味想像的に)創り上げる結果となったという考察は、北海道の僻地においてももはや人的な介入が自然を大きく変化させているのだということを読者に突きつける。
サスペンス的面白さもある名作ドキュメンタリーだった。 -
OSO18のことは、テレビや新聞でいろいろ情報は入っていたが、改めて、その捕獲駆除に従事していた方々の活動の記録。ドキュメンタリーだけれど、ドラマを見ているような高揚感があった。
命懸けのボランティア。その労力には頭が下がる。
最後が呆気なく、罠が左手に食い込んだまま歩き続けて最後を迎えるOSO18に、少し感傷的な気持ちになったり。
クマを駆除することに批判的なSNSの投稿が多数あったとも聞いているが、そういう人たちに是非読んでほしいわ。 -
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2019年から2023年にかけて道東で、ヒグマに家畜が連続して襲われる獣害事件が発生した。
最初の襲撃の場所オソベツと、足跡の直径18cmという情報から名付けられたのが”OSO18”。
通常のヒグマが好む木の実やフキには目もくれず、執拗に家畜の内臓を好んで食べる。
さらには通常のクマは”自分が狩った獲物に固執する”が、OSO18は獲物に対する固執はなく、人間の気配を感じると慌てて逃げていく臆病さを持つ。
OSO18が現れた2019年から、2023年夏にあっけなく捕殺された幕切れまでを、対策メンバーの中心者がOSO18を追った足跡を記す。
なぜ、肉食を好む習性が身に着いたのか。
そこにはハンターのモラルが守られていない人間起因の理由があった。
さらに恐ろしいことには、道東周辺のヒグマはOSO18に限らず肉食だという習性も分かってきた。
クマとの共生は「人間優勢でしかありえない」。
アイヌはクマを神としてあがめたが、人間に害をなすクマは悪い神として徹底的に駆除した。
人間と自然とのレッドラインを維持する対策が必要だ。 -
とても臨場感があり緊迫感を感じる手記であった。
牛を襲うようになったOSO18を生み出したのは結局人間だった。
北海道で登山をする人間として、万が一熊に襲われてもきっと自分に非(対応の間違い)があったのだろうと考えるようにしていたが、昨今の人を襲う熊も人間が作り出してしまった可能性をしっかり検証してもらう必要がある。
多くの人的被害が出てしまった2025年だったが、被害に遭われた方々のご冥福をお祈りしたい。
外国人観光客も含めて、正しい野生動物との距離の取り方や人の行動が野生動物に与える影響を広く伝える機会が欲しい。
私も勉強したい。 -
4月に都心から少し離れた場所に引っ越してきたのですが、先日、近くでクマの出没情報があり、興味を持ってこの本を読んでみました。
クマを狩ること、そしてクマと共存することの難しさがよく分かる一冊でした。
「OSO18」という名前が、ある意味で誤解を生み、またOSO18自身が人間の存在を少し理解してしまっていたことが、事件を大きくしていったのだと思います。最期はあっけないものでしたが、決してハッピーエンドとは言えないと感じました。
あとがきに書かれていた「共存とは、あくまで人間を優先とした考え方である」という言葉が印象に残っています。
OSO18の出現は人間が引き起こしたものでしたが、一度肉の味を覚えてしまったクマは駆除するしかなかったという現実も描かれています。
自分にできることはせいぜい、クマと鉢合わせしてしまった時の対処法を学ぶことくらいだと感じました。 -
Audibleにて読了。
喰らうために大量の牛を襲い続けたヒグマ。付けられたコードネームは「OSO18」。
殺戮を繰り返す様子に、得体のしれない怪物のような印象を持った人も少なくないだろう。
そんなOSO18を追うハンターたちの軌跡が描かれている。
そして、OSO18という怪物はなんだったのか?という問いに対する1つの答えが示されていた。
今年は特に、全国のクマ報道が多い。夏を超えたあたりから、クマがテレビに出ていない日はないんじゃないかというほど。
全国のクマたちが秘密裏に団結し、一揆でも起こしているんじゃないかとさえ思う。
OSO18と、それぞれ各地のクマ被害には共通するところもあるし全く別物というとらえ方もできる。
しかしOSO18がなぜ牛を襲うようになったのか――この原因について、私たちは深く考えなければならない。
クマと人間は共存できるのか? -
人間が捨てた鹿を食べた熊が人間の家畜を襲い、人間と敵対し人間に殺される。
全ては人間が蒔いた種。全て人間主軸の業。胸が苦しくなった。 -
《メモ程度の感想》
人間と動物の共存について考えさせられる
「昔、起きたこと」として終わらせない本 -
ドキュメンタリー日記、
ドロケイを読んでいるよう、
OSOが特別じゃない、人間のエゴが生態系を狂わせた。
冬眠しないクマ、
肉食だけのクマ、
ゴミ捨て場や猟の不法投棄。
今起きている事に当て嵌めて読む事が出来た。 -
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近年、野生のクマによる被害の報道を、よく見聞きするようになりました。
特に、北海道で発生したヒグマによる被害は、"OSO18"と呼ばれる特定の個体が繰り返し起こしていると、センセーショナルに報道されていました。
野生動物と人間との関わりについて、以前から興味を持っていたので、この事件について詳しく知りたいと思っていました。
報道がひと段落した後に書店巡りをしていたところ、題名に"OSO18"とあるこの本が置かれていたので、読むことにしました。
著者は、事件が起きた北海道東部で、ヒグマに関するNPO法人の理事長をされているとのこと(執筆当時)。
OSO18による被害は当初、担当外の近隣の町で起こっていましたが、協力の依頼を受けて関わるようになったそうです。
被害が続いたため、著者達は地域のハンターらを集め、特別対策班を編成します。
OSOを捕獲すべく、捜索を開始した対策班。
しかしその対象は、東京23区の3倍という広大な範囲に及びます。
過去にOSOが事件を起こした場所を中心に捜索しますが、少ないと言われていたこの地域に数多くのヒグマがいることもわかって・・・という始まり。
本書は、最初の被害から四年がかりとなった、著者と対策班の活動の日々が、時系列でまとめられています。
複数の牛を襲って怪我を負わせていながら、その中でも一部の牛のみを食べるOSO。
「普通のクマ」という想定で捜索を始めた著者たちですが、上記をはじめとする複数の謎が浮かび上がります。
その謎解きも、本書の読みどころの一つです。
そしてOSOの特徴として、繰り返し書かれているのが、並外れて「用心深い」ということ。
最初は半信半疑だったのですが、読み進めるにつれて、OSOが自らに迫る人間の動きを察知して行動しているということを、驚きをもって理解しました。
自分自身、不思議に思っていたのが、哺乳類の肉を食べることが少ない野生のヒグマがなぜ、自らの意思で牛を襲うようになったのかということ。
この点は本書のメインテーマの一つでもあるのですが、自分なりに以下のように理解しました。
(1) ヒグマがエゾシカの肉に容易にありつける環境が、人為的な理由により増えてきた
(2) エゾシカの個体数そのものが増え、牛がいる牧場の周囲にも出没するようになった(⇒牧場の近くに、ヒグマが来る場所が出来てしまう)
そして、マスコミの報道ではわからない部分が多かった、OSOの最期について。
著者の推測で補われた部分もありますが、おおよそこういうことだったのだろうと、納得しました。
今回の経験を踏まえて著者は、OSOのようなクマは再び、出現してしまうだろうと書いています。
エゾシカをめぐる問題については、改善に向けた取り組みも始められているようですが、地方の過疎化が進む今後は、危険性がさらに増すのではないかと、自分も心配になりました。
野生動物が減りすぎたり絶滅してしまうのはかわいそう、でも、自分たちに危害や被害が及ぶのは困る。
多くなりすぎた動物は間引きが必要、でも、その処理能力が足りない。
経験やノウハウを持った人が減っていく中で、野生動物とどう向き合っていくのか?
地方行政の一つの課題として全国で取り組み、良い事例を広めていくなど、工夫していく必要があるように思えました。
本書を読んで、この問題への理解が深まった部分がある反面、知らないことがまだたくさんあることも認識しました。
今後も関連書籍を読んで、自分なりに考えを整理していきたいと思います。
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> OSO18という怪物を生み出したのは人間だった
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