越境

  • 文藝春秋 (2024年7月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784163918761

作品紹介・あらすじ

自衛官出身、『小隊』の砂川文次が圧倒的なリアリティーで描くノンストップ・ミリタリーアクション巨編!
ロシア軍の侵攻から10年が過ぎた北海道東北部は、ロシア軍や自衛隊の残党、民兵、マフィア、ヤクザなどが群雄割拠している。日本政府「支援飛行隊」のイリキは、ヘリコプター墜落から九死に一生を得る。救ってくれたヤマガタ、アンナと共に、血なまぐさい「無法地帯」を奥へ奥へと進んだイリキの前に、ついに究極の兵器が現れる!

みんなの感想まとめ

圧倒的なリアリティで描かれたノンストップ・ミリタリーアクションが展開される本作は、北海道東北部を舞台に、ロシア軍の侵攻後の混沌とした状況を描いています。自衛官出身の主人公が、ヘリコプターの墜落を経て無...

感想・レビュー・書評

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  • 凄いボリューム・・・・・!
    ページの右上から左下までビッシリ・・・と、改行なく埋め尽くされています。
    内容は全然悪くありませんが、
    一旦休憩。
    近々、戻って参ります。

  • <推>
    この本 字はちっこいし 1ページに字がめちゃ一杯詰まってるし 改行もほとんど無くて読むのにはかなりの胆力を必要とする。僕はなんでこんな本を読み始めたのだろうか と途中から思い始めた。出路はきっと『本の雑誌』に違いないと思ってそのバックナンバーを読み返す。すぐに分かった。2025年01月号特集の『本の雑誌が選ぶ2024年度ベスト10』で堂々一位を獲った作品なのだった。しかも浜本ちゃんのイチ推し作品らしい。うーむ僕の記憶力は衰えていまって 読み始めた動機を簡単に忘れる,というオチでした。すまぬ。

    しかしこの本 結構分厚い。値段も2800円もする。で 面白いかと云うと 何にせよジュンブンだからなぁ…。うーむ。結果,読むのにはかなりの時間を要しているし,懸命に集中しないとなかなか情景やストーリーが頭に入って来ない。同じ個所を何度も読み返す事が多かった。しかし一旦ストーリーに入り込むと 流石 年間ベスト1 獲得作品なのである。こういう本は時間を見つけて再読するのがきっといいんだろうなぁ。多分 無いけど 笑う

    『文學界』という いかにも うちは純文学系の作品しか載せないんだからね!という雰囲気の漂う雑誌に連載されていた作品。2024年4月に連載終了して同7月には単行本として上梓されている。文藝春秋社仕事の割には結構早いね。最近は文藝春秋社も少しは悔い改めたのだろうかなぁ 笑う。

    「闖入」という言葉を見つけた。何気にいつも使っているような気もするがこういう字を書くのだとはあまり知らなかった。「陳入」ではないのか。で 調べる。“『闖入』突然、無断ではいり込むこと。” ふむふむ すると「陳入」という字は正しい日本語ではないらしい! また一つ僕はジュンブンのおかげでかしこくなった…様な気がするw。しかしなぜ門構えに馬が入ると闖入なんだ。そこは納得ゆかんぞ。

    本書作者砂川文次は塵芥賞の受賞作家。先に読んだ『バリ山行』の松永K三蔵も塵芥賞作家。なぜだかここのところ塵芥純文学を漣の波紋の如く連続して読んでいる。僕の方に特別な事情や思い入れは無いけど まあ純文学も面白いかもなぁ という気分には少しなってきたぞ!

    さてこの物語には3つほどの敵対している と思しき武装集団がいるのだが,一体どの集団とどの集団が何を理由に戦っているのかが とうとう最後まで僕にはキチンと分からなかった。そうしてほぼ終盤に差し掛かって「核」が話の中心に躍り出た頃に もう一度「なぁんだ所詮 核なんぞを戦いの一番の脅威としてとらえるようなありきたりの作品だったのか」と強く思った。が,それでも年間ベスト1 作品なのだなぁ。本読みの玄人はこういう本が好きなのだな。僕は我が道を行くが。当たりまえか。

  • 読み進めるのが苦痛になった作品。芥川賞を取った方の作品なので(勝手な思い込みだが)もっとこなれた文章を期待していたが、読んでいても情景が浮かんで来なかったのが残念。

  • 戦闘や壮絶な描写が延々と続き読んでると大変疲れます。これは北海道の騒乱というより、仮想近未来の日本人や極東を取り巻く思想の戦いを描きたかったのかなと。危機感と国民に対する誠実な政治がどこまでも重要である、と言うのが主題かもね。H県とか米とかホンマに大丈夫なん?

  • 北海道がロシアに侵攻される
    しかしロシアが侵攻部隊を反乱分子として切り捨てたことによって、応戦した自衛隊は不法入国者に対する違法な攻撃とされてしまう
    その後戦場となった北東部はロシア残存兵、あくまでも交戦した一部の自衛隊、取り残された市民、海外から密入国する者達からなる無法地帯に
    日本政府も国民もこれらの人と地を穢れたものと切り捨て、自分たちの正常性を保とうとする
    正常側にいた自衛隊員の主人公が操縦するヘリが作戦中に被弾し、無法地帯に取り残される
    そこでは生きること自体の見方が180°違うほど異なる論理で物事が動いている
    今まで見ていた世界は何だったのか?
    体制の都合で容易に切り捨てられる人々と、体制の都合に迎合して安寧を保つ人々
    国を守るために戦って切り捨てられた人々と戦闘した人を穢れたものとして切り捨てた人々
    フィクションでありながら現代のリアルを抉り出している作品です

  • 越境

    著者:砂川文次
    発行:2024年7月30日
    文藝春秋
    初出:「文學界」2023年1月号~2024年3月号

    砂川文次の小説を読んだのは、芥川賞作品(2021年下期)「ブラックボックス」以来の2作目。その前年に「小隊」という戦争小説を出していて、それは読んでないけれど、ロシア軍が北海道に上陸、小隊を率いて任務についた自衛隊3慰の話だそうなので、この「越境」は続編的な意味があるのかもしれない。なお、今回は主人公が2慰なので出世していることになる。

    文字のぎっしりつまった480ページ、長すぎる、無駄が多い、分かりにくい、正直言って描写がうまくない、という第一印象だった。芥川賞の選評でも、吉田修一にディテールの羅列は独りよがりで、くどい言い回しはサスペンス向きではない、と言われていた記憶がある。

    10年前にロシアが北海道に侵攻し、道北と道東が無政府状態になっているというのがシチュエーションであり、本の帯には「ノンストップ・ミリタリー アクション巨編!」と書いてあるけれど、読む方としては純文学的な作品だとの前提なので、そのようにあっさりと割り切ることは難しい。前半は叙事・叙景描写が多く、叙情が少ない。後半に近づくと、主人公イリキ(入力)の心の内や日本的社会の病理などに言い及び始め、主人公の実存主義的な不条理さと、社会の理不尽さの表現には向かっているとは感じる。しかし、なにかそれが中途半端というか、自信なさげに語られていて、純文学上での裏切りを感じてならない。

    なにより、描写がうまくない。おまけに、分かりにくい。単純に描写が分かりにくい面もある。軍事用語を解説抜きで頻発するので理解できないという面もあるが、それ以外でも分かりにくい文章が出てくる。例えば、前者は○○、後者は××、といった説明部分で、前者はどれをさすか分かるが、後者とは一体なにをさしているのか何度読み返しても分からない、といったようなこと。わかりにくさが一つの文体として成立していればいいが、全般的に文体としての特徴がないのも夢中になれない要素だと思った。

    設定としては、このような内容。

    約10年前、主人公イリキが高校生の頃、ロシアが北海道に侵攻、戦闘があった。最初にミサイル攻撃を受け、千歳の空自がダメージ、三沢がスタンバイ。それから、かなりたってから地上戦となり、道北の音威子府(おといねっぷ)と道東の釧路で最初の戦闘があり、日本側の大敗。空自は釧路で空爆と空中戦を繰り広げ、国際社会は制裁に動き出した。するとロシアは、指揮系統を逸脱した勢力によってなされたものだと宣言し、ロシア国内の反政府勢力を粛清した。つまり、ロシア政府がしたのではないと宣言したのだった。

    それを受けて侵攻軍司令官は「難民宣言」をし、道内における武力行使の停止を発表、ロシア本国を罵り、脱ロシアを呼びかけた。すると非武装の侵攻軍の親類、少数民族、ロシア反政府分子などが空路海路で大挙渡って来た。それに対して海自はただウロウロ、場当たり的な対応に終始。日本も難民受け入れを未認定のまま余儀なくされた。

    日本はこの一件を「戦争」といわなかった。アメリカの立場を危うくしないため、つまりはアメリカの意向だった。そして、根拠なき行動をとった北部方面対をはじめとする自衛隊関係者の処分し、任務に従事していた自衛官等を国内法で処罰した。侵攻軍は、人権上の懸念から武装解除に応じず、旭川に入市し、兵力を集中させた。旭川に駐屯する自衛隊第2師団は、大規模な市街戦に発展するのを避けるため、侵攻軍を含めた多数を難民として受け入れることを旭川市と共同で発表した。

    世論はこの無血開城事件を機に北方自衛隊批判に傾き、第6連隊が釧路市内に残留するロシア軍の戦端を開いたため、北方に駐屯する自衛隊は本州以南の自衛隊とは別ものとする認識が形成された。

    釧路は、ロシアンマフィア、ヤクザ、旧第5旅団の生き残りと義勇兵と善隆住民の一部で構成された独立5旅団という民族主義的日本人テロ集団、元からいた市民集団、アジアから流れ着いたアウトローや難民の小集団など、人種も目的も入り乱れたカオスを形成していた。

    そんな釧路の旧空港のところに、救援物資を運ぶ自衛隊ヘリコプターのCH。それを護衛する対戦車ヘリのAH-1S。そのAHを操縦していたのがイリキだったが、攻撃を受け、墜落する。なんとか助かるが、雪の中を進むと動物用の罠に足をはさまれ、激痛。気を失う。気が付くと、小さな小屋に寝かせられていた。そこにいたのは、元陸曹の山縣と、ロシア人(難民女性の)アンナだった。この時点で、山縣がいまどういう立場なのかよく分からない。命を救われたイリキは、暫く山縣について鹿狩りなどをするが、少しすると釧路に行くことになる。山縣やアンナにとって大切な人である森がいなくなったので、捜しにいくことになったのである。

    その釧路では、自衛隊、警察、アウトローたちが入り乱れ、とんでもない衝突が起きている。標茶や旭川にも行く。イリキは、自分が自衛隊員だという身分なのに、同じ国側の警察官を殺したり、また、アウトローにつかまってローマのコロッセオよろしくクマとの対決の見世物に放り込まれたりする。自分は命を落とすことを覚悟するも、足がガクガク震えるとか、死体を見て気分が悪くなるとか、そんな一貫性のない描写がよく出てくる。これがこの小説をつまらなくしている一つの要素にも感じた。

    終盤になると、自分が自衛隊だとの身分を使って原隊や東京に帰ることにする。ロシア軍と自衛隊が共存し、変に統率がとれた旭川。そこから札幌に移動していくが、途中ではぐれた山縣が核兵器を奪って使用しようとしていることがわかった。止めようとするイリキ。しかし、ついに札幌で使用されてしまう。断末魔を迎える者たちの描写・・・

  • 描写が映像のように迫ってくる

  • なかなか難渋な文体で、迫力ありつつダラダラと
    凄まじい場面が展開してゆく。
    あるかもしれない北海道を舞台に、自衛隊の内実に沿ながら、墜落後、帯広釧路標別旭川に辿りつき、
    最後落ち着くかと思いきや、札幌で、最終決戦へ。

    これも諦めず最後まで読んで満足。

  • 本の雑誌・年間ベスト。本作なんて、完全なエンタメ作だと思うんだけど、芥川賞作家なんですね。意外。とはいえ、特に導入部分の、改行や会話文が殆ど無い、びっしり埋め尽くされた字とか見ると、なるほど、文学だなって思えたりもする。舞台は、ロシアが進行し、無政府状態になった北海道。当然、ウクライナの被害が頭を掠めるんだけど、ひょっとしたらあり得たパラレルワールドを垣間見るみたいで、何とも不気味。最終、闘争の原因は核であることが判明し、なんと、その炸裂をもって物語が閉じられる。同部の描写は”はだしのゲン”そのもの。あな恐ろしや…。戦争反対。

  • どうやら北海道北部はロシア軍の侵攻を受けた後のようでらる。どうやら入木2尉は自衛隊員ではあるようである。どうやらそのイリキが属している隊はもはや日本政府の自衛隊指揮下にはなく、北方自衛隊として見捨てられているようである。どうやら北海道にとどまっている侵攻軍でさえもロシア国からは邪険にされているようでもある。てなことで、この前作の『小隊』を読まずしてはシチュエーションが珍紛漢紛であり、私の「どうやら」は最後まで「どうやら」のままである。すなわち、誰が味方で誰が敵であるのかさえわからずして虚しく読了となった。

  • p42 官品 自衛隊から隊員に支給される物品
    親も自衛隊である隊員のことを支給品になぞらえてそういう

    p243 闘いは自由意志を有する2者間の抗争である

    p385 反抗が許されるのは安全が担保されている時だけだ

    p391 ある人間の行動を完全にコントロールするなんて無理なの。でも、人間集団の中には共振性というやつがあって、言語、婚姻制度、慣習や成文法に対する信頼性とかそういうものに対する一体感の強い集団ほど、より強く共振するの。絆だとか伝統とかナントカといって、結束すればするほどに過激だったり異常な行動は目立つs地排斥される。排斥に対する反動はより強くでてきて、あとはこれが無限に続いていくんだよ

    p396 あらゆる人格はそれぞれ一つの牢獄である ニーチェ

    p396 占有は、その空間や対象を維持するコスト以上に高い収益が得られるときに発生し、共有はこれから得られるものがそう多くないからこそ広く利用者に開かれ、それ故維持管理のコストを徴収せずに運営されるのではないか?

    p399 人も街も、使っていないところは腐る

  • 『ブラックボックス』、『小隊』と作者の小説を読んできたがいつも通りの内省的な文章と独りよがりの社会分析が心地よかった。基本的に私も同じような思考回路なんだろう。
    今回の舞台は『小隊』の10年後。ロシア反乱勢力、自衛隊くずれ、分類不可能な反社などが入り乱れてのカオス状態になった北海道。カオスは最後までつづき救われない未来が現在の北海道のほんの少し先に待っている。
    ただ、死なないスーパーマンが主人公以外にもいるのが何でもありに思えて不満だった。

  • 同氏の「小隊」の続編と思い期待して読み始めたが、戦闘シーンの緊張感がずっと続くのもかえって単調に感じられ、改行なくびっしり詰まった構成にもやられて、あえなく途中離脱。

  • あー、これ続きものだったのか。

  • 何かの紹介をざっと読んで、ロシアが北海道に突然攻め込んで来るという話を元自衛隊員の作者が描いたものという事で、戦時の戦略やら国家間の攻防、戦場のリアルな描写とかを勝手に期待して読み始めたが、そうではなかった。
    舞台は、ロシアが攻め込んで10年程経過した北海道で、ロシア軍、自衛隊、機動隊、マフィア、民兵組織等が入り乱れたまさに混沌の世界。主人公イリキが副操縦士として乗る自衛隊ヘリが撃ち落とされてから、釧路、旭川、滝川、札幌と移動する中で関わる戦闘も、色々な立場によるものらしいが、どの立場がどの立場と何故戦っているのか、札幌での核爆破に至る背景、目的も分かり難く、480頁で改行少なく文字量絶大を読み終えての感動は得られなかった。

  • 良くも悪くも、こんなの書いてしまったら次書けるのかと感じた

  • 2024年11月3日図書館から借り出し

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著者プロフィール

1990年、大阪府生まれ。神奈川大学卒業。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。他の著書に『戦場のレビヤタン』『臆病な都市』『小隊』がある。

「2022年 『ブラックボックス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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