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Amazon.co.jp ・本 (640ページ) / ISBN・EAN: 9784163918846
作品紹介・あらすじ
嫌な気分は何もかもノートにぶちまけて、言葉の部屋に閉じ込めなさい。
尊敬するセミ先生からそう教えられたのは、鬼村樹(イツキ)が小学五年生の時だった――
「架空日記」を書きはじめた当初は、自分が書きつけたことばの持つ不思議な力に戸惑うばかりの樹だったが、やがて生きにくい現実にぶち当たるたびに、日記に跳び移り、日記のなかで生き延び、カルト化していく現実にあらがう術を身に着けていく。
そう、無力なイツキが、架空日記のなかでは、イッツキーにもなり、ニッキにもなり、イスキにもなり、タスキにもなり、さまざまな生を生き得るのだ。
より一層と酷薄さを増していく現実世界こそを、著者ならではのマジカルな言葉の力を駆使して「架空」に封じ込めようとする、文学的到達点。
みんなの感想まとめ
テーマは、現実の厳しさと架空の日記を通じての自己探求であり、主人公は生きにくい社会の中で希望を見出そうと奮闘します。架空日記を通じて、彼はさまざまなキャラクターとしての自分を体験し、そこから逃避しなが...
感想・レビュー・書評
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新聞連載で読んだが、長期の連載にするには、架空日記の中のパラレルワールドが入り組み過ぎていたかも。
何度も、えっと、このイツキはどんなイツキだっけ、と再確認しなければならなかった。
作者の現代社会への悲嘆が滲み出ていて、イツキと共に泣いたり苦しんだりしてたのをひしひしと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ありえたかもしれない世界」。
それを、「社会」の視点で想像させてくれる小説だと感じた。
東畑開人さんの書評を読んで、読みたいと思っていた長編の小説。
オウムなど、私たちの世界で本当にあったことは、一貫して架空日記の中で記載される。
主人公の生きる世界が決して希望だらけのユートピアとして描かれている訳ではない。
それでも、その世界では、主人公は少しずつ息ができるようになっていることを実感し、その幸せを噛みしめるような場面もある。
一方で、架空日記の中の自分は、いつまでも自分を消えるべき存在として描かれる。
世界は昔と比べて生きやすくなったのかもしれない。それでもそこからこぼれ落ちる人もいる。そこから分断が生まれていってしまってもいる。
自分とは何か?普通とは何か?対話や相互理解とは何か?
どうすればこの社会は生きやすくなるのか?どうすれば誰も取り残さない社会を作れるのか?
人の遺伝子に刻まれた業とどう向き合えばいいのか?人類は前に進めるのか?
様々なことを考えさせられる小説だった。 -
昭和~令和にかけて世間を揺るがすような出来事を取り入れて、主人公が住む世界と主人公が書く架空日記なるパラレルワールドが進行していくお話。長かった。あまり内容は残っていない。
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1人の人生の話
小学生時代に出会ったセミ先生から勧められて架空日記を書き始めたイツキ
中学生になって同じ電車に乗っていた梢に誘われてサッカー部に入る
高校に入り大学社会人
それぞれのつながりや出会う人々
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章が進むにつれパラレルワールドの立ち位置が変化しているような印象を持った。
世界の現状を眺めてみると、ニッキやタツキの架空日記のシビアな苛烈さの方がリアルに近く、地の優しく穏やかな物語が嘘っぽく白々しく感じられて、むしろこちらの方が樹の逃げ場所の妄想に思えた。 -
1965年生まれの鬼村樹(イツキ)の1976年から2022年までの人生を、彼の別のありえた人生ともいえる「架空日記」も交えて、追っていく。
600ページを超える大作で、読み進めるのはたいへんだったが、一人称の悩みや性の悩みなど、自分にも重なる部分もあって、本当に生に苦悩するイツキの人生を追体験するような感じだった。
イツキ自身も認識しているが、イツキは人との出会いに本当に恵まれていると思う。イツキのような生きづらさを抱えた人が、それぞれの人生のタイミングでこんなに波長の合う人たちと出会うということは奇跡に近いと思う。そういう意味でも、この小説自体が壮大な「架空日記」ということでもあるのだろう。
本書を読んで、人生の分岐点、あり得たかもしれない人生といったことについて思いを馳せた。 -
序盤で全然好みじゃなくてダメだった。残念。
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小学校の担任の先生から、架空の日記を書くようにすすめられたイツキ。日記の中が現実なのか、今の自分は何者なのか、パラレルワールドが存在しているのか。悩みながら生きたイツキの半生。
新聞に掲載されていた小説。時々読んでいて気になっていた。 -
【作家人生の集大成】鬼村樹は「架空日記」を記す。苛烈な現から架空に逃れ、抗う術を磨くのだ。自伝的要素を鏤めた半世紀に及ぶ世界との闘いの物語。
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