まぼろしの女 蛇目の佐吉捕り物帖

  • 文藝春秋 (2024年8月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163918884

作品紹介・あらすじ

本格ミステリ×捕物帖!

時代も国も超えて、魅力的なミステリは存在する。
人の営みが謎を生むからこそ、解決もまた人に寄り添わねばならないのだと、この作品は教えてくれる。
――今村昌弘(作家)

「時代小説なのに」と「時代小説だからこそ」が驚愕の融合!
現代ミステリ作家・織守きょうやが時代小説に挑んだ理由がここにある。
――大矢博子(書評家)

本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。
「相生町の親分」と呼ばれた亡き父の人徳で、周囲の人々に顔を立ててもらってはいるが、いまだ自分の生業に自信が持てずにいる。
ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。
佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。
下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか?
町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とは――
新婚早々に殺された妻と消えた夫。
死体のそばに二十四文銭を残す辻斬り。
寿命が尽きる寸前に殺された男……

男たちの意地。女たちの覚悟。執念と因縁が渦を巻く。
江戸を舞台に仕掛ける大胆不敵なトリック。
著者渾身の時代物本格ミステリ連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 亡くなった父親の後を継いで岡っ引きとなった二十歳の佐吉と、同じく若い町医者の浅葉秋高(しゅうこう)コンビか解き明かす、五つの事件。

    顔のない死体や正当防衛や辻斬りを装った事件など、本格ミステリーにありそうな題材を捕物帖に取り込んでいるのが面白い。
    佐吉と秋高も良いコンビ。
    佐吉の未熟さを秋高の医者としての目が補い、下っ引きの仁造らの助けや佐吉の懸命さで謎解きに挑んでいる。

    個人的には『消えた花婿』が一番良かった。
    陰惨な事件ではあるが、どこか清々しさがあった。

    事件の真相も予想できた先にさらに一捻りあって楽しめた。
    時代物でありながら、現代的なテーマも盛り込んであって新鮮だった。

    物足りない点としては、仕えている同心・須永とのやりとりがほとんどなかったこと。
    岡っ引きと同心という関係性の捕物帖を多く読んできたので、同心がクローズアップされないのも新鮮かも知れない。

    読みやすい作品なので、時代物を読み慣れない方も挑戦しやすいと思われる。

  • 新人岡っ引きの不完全さと、頭脳明晰な医者のコンビがバランスよくて親しみもわく。
    気高い人たちの事件は、読後感が清々しい。

  • 堪能、の一冊。

    時代捕り物帖という名の本格ミステリ。

    主人公は年若い岡っ引きの佐吉。

    小料理屋の手伝いと岡っ引きでゆらゆら成長途中の彼の元に舞い込んだ5つの事件はどれも不可解なものばかり。

    その事件を町医者の秋高と紐解いていく過程は見事に面白い。

    一つ一つ重ね合わせていく佐吉たちの推理。
    と同時にまとわりつく座りの悪さ。

    それらを存分に堪能しながら真相へとじわじわ手招きされる時間は実に楽しかった。

    鮮やかな紐解きのその向こうに拡がる事情にちょっと鼻がツン。

    この時代だからこその苦しみから生まれる諸々の心情まで堪能の幕閉じ。

  • 江戸の若い岡っ引きの佐吉が主人公の人情ミステリー。面白かったっというのが第一印象。5篇からなる中篇集だが、1話1話のキレがたっていてまだ読みたいと思った。

  • 【収録作品】まぼろしの女/三つの早桶/消えた花婿/夜、歩く/弔いを終えて

    亡父の跡を継いだ駆け出しの岡っ引きと、友人の医師コンビの捕物帖。
    時代物に現代風アレンジが加えられているというか、ミステリを時代物風にした感じがする。
    なんで名前を佐吉にしたんだろう。

  • 本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。
    「相生町の親分」と呼ばれた亡き父の人徳で、周囲の人々に顔を立ててもらってはいるが、いまだ自分の生業に自信が持てずにいる。
    ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。
    佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。
    下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか?
    町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とは――織守きょうやさんの時代小説。面白かったです。続編もありそうなので、楽しみです。

  • 江戸の捕物帳ですが、現代ミステリーテイストも入っていて堅苦しくなくて読みやすかったです。
    折守さんらしく、ビターテイストでした。

    佐吉の父が岡っ引き親分だった為、後を引き継いで岡っ引き見習いだが、慧眼は見事でした。
    シリーズ化希望です。

  • 最近話題だった、ライアーハウスの殺人の著者さんの1冊。
    本格ミステリー×捕物帖、という触れ込みが気になって読んだが、5編の連作短編集で読みやすくすごく面白かった!
    岡っ引きの主人公は特に役に立ってる感じは無かったが、それを支える相棒や他の登場人物はしっかりとキャラがあって読み飽きなかったし、確かにジャンルとしては捕物帖なのに犯罪の動機が現代っぽかったり、逆に今だったら考えられない結末もあったりと新しい視点で書かれているのも面白い。

    特に5番目の「弔いを終えて」が良かったな〜
    これシリーズにならないかな
    もっと読みたい!

  • 予想より面白かった。
    物悲しい読後感なんだけど
    続編が出たら読むと思う江戸物連作ミステリ短編集、5話。

    まぼろしの女/
    三つの早桶/
    消えた花嫁/
    夜、歩く/
    弔いを終えて/

    急死した父親のあとを継いだ
    新米岡っ引きの佐吉が
    友人の町医者・浅葉秋高の助けで事件を解決。
    蛇目の親分と呼ばれるようになるまでを描いた
    現代的なテーマも盛り込んだ捕物帖。

    この秋高が優秀で、優秀で…
    で、自分の力不足を佐吉が自覚してて
    蛇の目が付いてるのも自覚してるし、
    いいコンビの2人だと思う。

    まぼろしの女/夜、歩く/弔いを終えてが印象に残った。

  • 父親の跡を継いで本所で岡っ引きとなった佐吉と、着道楽な町医者秋高。二人が解く町の事件たち。
    時代小説であり捕物帖であり本格ミステリでもある連作短編集。
    いやはや、まいったまいった。めちゃくちゃ面白いではないか。
    新米岡っ引きが秋高の「医者としての目」からの助言をもとに事件の隠された真実に迫っていく。
    事件の裏にある悲喜こもごも。ニヤリとしたり切なくなったり。
    表紙の美しさも含めて、これはずっと読み続けていきたい。ぜひともシリーズ化を!

  • 面白かったです。
    モヤモヤもあり…

  • 「まぼろしの女」「三つの早桶」「消えた花婿」「夜、歩く」「弔いを終えて」
    5つの事件に若い岡っ引き・佐吉が挑む。
    どの事件も凄惨だったり猟奇的だったり、犯人も犯行もきつかったです。
    捕り物帖というより現代のミステリ色が強い気がしました。
    佐吉が幼馴染の秋高の医者としての眼を借りて事件を解決しますが、武士社会ゆえにすっきりしないまま終わることもあって、その点もちょっとモヤモヤ。
    それでも面白かったので、佐吉が亡父を越える岡っ引きになるまで秋高との活躍をまた読みたいです。

  • 【本格ミステリ×捕物帖! 大胆トリックの意欲作】岡っ引きの佐吉は、髪を切られ殺された女の身元を明かそうと奔走するが……時代物ならではのトリックを仕掛ける連作ミステリ短編集。

  • 感想
    初めての作家さん。
    含みをもたせた結末が、とても新鮮。
    時代小説というよりも、推理小説に属する方がしっくりくる。どのお話も凝った展開でなかなか面白い。次は現代推理小説を読んでみたいな。

    余談
    装丁の花柄がかなりワタシ好み。どなたかのデザインか特に記載がないから分からないのが残念。。。

  • 時代小説のミステリ短編集。

    うーん。まあ・・・つまらないというわけでもないんだけど、現代のテイストを時代小説にあてはめてるなー感がなんとも。設定というか背景こそ江戸時代だけど・・みたいな。時代小説らしさというか、その楽しみがちょっと薄目。近代でも現代でもよくね?という。トリックも凡庸だったし・・
    ただ現代小説だったら罪を犯して見逃すみたいな展開はまあないだろうからそこだけは違いとして際立ったかなとは思った。

  • 【相生町の親分】と慕われた父親の後を継ぎ岡っ引きとなった佐吉が主人公の江戸の捕り物帖。5話収録。新米岡っ引き・佐吉の相談役で何かとサポートするのは友人で町医者の秋高。小料理屋を切り盛りする佐吉の姉・おふじ、佐吉達の友人で小間物屋の跡取り息子・直太郎など個性豊かなキャラクターたちが登場し物語を盛り上げる。『三つの早桶』と『夜、歩く』の2話が展開が見えず特に面白かった。どちらもお武家の話で侍ならではの終幕に町人の私は気持ち悪さを感じた。科学捜査のない時代に出来る捜査は聞き込み、そして人情。シリーズ化希望。

  • なかなかの短編集

  • 新人岡っ引きとお洒落医者の若先生のバディ捕物帖。全部でいつつの短編でできており、長さもちょうどよく読みやすさは抜群だった。そこまで難しい時代用語はほぼないため、すっと江戸時代の世界観に入れる。他の時代物ミステリとちょっと違うのは、性差別ゆえの悲劇だったり、自分のやりたいことを貫く話だったり、割と現代でも通じる話題が多かったこと。とても面白かった。

  • 何の前知識もなく全く知らない作家さんだったが時代物のミステリー短編連作集だったので手に取ってみた。

    回向院、相生町、本所深川といった時代物ではお馴染みの地名が出てきてとても読みやすい。

    が、動機やトリックが完全に現代風で(どうやらそれがウリだったようだが)ちょっと興醒めするのと登場人物、特に主人公である佐吉に特徴というか個性というか、魅力的な部分が全くといっていいほど見受けられないのが残念。本当に普通の平凡ないい人で、そういう人が事件を解決しながら成長するのがこの作品の良さなのかもしれないが。友人の秋高が唯一個性的ではあるがそれも着物の柄が奇抜なだけで、奇行に走る訳でなし、至って常識的だし。

    ちょっと自分には合わなかったかな。

  • 面白かった〜!
    シリーズ化してくださいm(_ _)m

    表題作のまぼろしの女の正体がびっくり…
    あれ以上の始末はなかったろうし、悪党ども死んでいいけど、遺された奥さんが辛いよなぁ

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著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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