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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163918891
作品紹介・あらすじ
自分の本当の居場所はここじゃない。
自分にはもっとふさわしい世界がある。
そう思っている方は、転職、転校、移住もいいけど、
思い切って転生!
ある夜、横溝時雨が町中華で再会した中学時代の旧友・三浦杜子春は、自分を「子どもの国」バルナランドからの転生者だと語った。
半信半疑で杜子春に関わるうち、時雨は新橋の雑居ビルを拠点にひそかに活動する「転生者支援センター」にたどりつき、想像を絶する冒険が始まる——
ライトノベル的想像力の彼方へ読者を運ぶ本格S F長篇。
感想・レビュー・書評
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誇張無しで重鎮と呼べるベテラン作家が世に送り出した「パターン化したご都合主義ではないなろう系」としての純文学。つまらなくはないがそんなに面白くもない。痛烈な転生もの批評にはなっていないし、若い読者の分析としても平凡で、非常に肩透かしだった。全体的に象牙の塔の中でだけ盛り上がる内輪ネタって感じだ。
本格SFとあるけれど、ありがちな量子論という便利ワード一本で説明しておいてどこが本格SFなのか。それこそアニメや漫画が安直に使うネタでしょ、もはや。
そもそも『空想に逃げ込まないで現実に生きろ』みたいな凡庸な説教をこんな厚い小説一冊使って読まされても怠いし、およそ想定された『なろう系読者』に刺さるような説教を補強する物語はないんじゃないか。なろう系嫌いの人が読んで「なろう系って駄目だよねえ」って賢しげに笑う楽しさはあるかもしれないが、そんな狭い界隈の内輪ノリで小説読むなら別の本にお金使った方がいい。不景気だし。
現実がどうしようもないから異世界転生が流行る、という見飽きた分析には独自の角度もなく平凡で新鮮味がない。全体的にハルヒ以降のラノベブームとその後のWEB発小説の隆盛で散々聞いた批判ばかりで、あの島田雅彦が転生ものへ乗り込んできたというイベント感と賞賛する周囲の作家や批評家の群れから期待したものは全然ない。ネットでよくみるラノベ批判にネットでよくみる若者への説教が長々書かれているだけ。古臭い純文学に出がちな古い女性表象(可哀そうな主人公を支えるためにセックスしてくれるアレ)はあるし、急に資本主義批判革命闘士が異世界に現れるし、願望充足を批判するわりに“文学”なるものが脱臭する願望充足には無頓着。なろう系の持つ植民地主義的な側面には批判的なわりに、自分たちが無知無学なラノベを教化してやるぜという純文学の権威主義的な姿勢には無頓着。
老人とその取り巻きのための小説。 -
期待して読み始めたが、僕には少し難解だった。
頭の良い人が書いた感じが凄くして楽しめる感じがしなかった。 -
こんなに皆が皆転生してたら異世界もこの世界もめちゃくちゃになっちゃうよね!というお話。異世界転生ビジネス儲かりそうだもん。転生してもこっちに元の身体が残っちゃったら意味ないって人もいるだろし、意識が何重にもなるの嫌だろうなあ。
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異世界モノってのはさー、、、と言いたくなった。
別に一家言あるわけではないが、エルフ、ゴブリン、スライム、勇者、ギルド、ダンジョン、ドラゴンにチートどれもない。ケレン味がほしい。エンタメがほしい。などと思ってしまった。
異世界モノってジャンルがなければこの本をもっと違った形で読むことができただろう。しかしアニメやマンガで異世界モノを浴びてしまっている身にはどうにも口さみしい思いがした。
本書は違う土俵に立った本だった。 -
これをSFファンタジーと読むか生と死の深淵を読み解く哲学と読むかで評価が大きく変わると思う。面白いかどうかで判断すると星ふたつですな。
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ストーリー展開は上手いのでそれなりに面白く最後まで読めるがそれだけで何も残らない。
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巷にあふれる「転生モノ」
というか
「異世界転生モノ」
どれもなんか
転生が自分に都合がいい感じに
おこなわれてるな〜
と思っていたけど
今作ではちゃんと?SFな感じで
しくみもふわっとはしてなくて
転生がいいとこどりではないのがよかった
とはいえ
文系の頭にはちょっとついてけないところもあり
何週間もかかってしまった
しかし
マンガみたいに
前世の記憶が残ってることは
そう幸せでもないんだな〜
どころか
ずっと残ってたら多重人格じゃんか!
しかも同時進行で他の次元でも
まだ生きてるみたいなことになったら
もう自分てなに!?
生きてるけど生きてない
意識があるようでないのと同じ
マルチバースの全てに自分がいる
みたいな
それが全部把握できるかというと
そんなのはちゃめちゃに無理!
というわけで
人間は転生するかもしれないけど
まっさらでお願いします
著者プロフィール
島田雅彦の作品





