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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784163918938
作品紹介・あらすじ
このミステリーがすごい!2025 第13位ランクイン!
ダ・ヴィンチ編集部が選ぶ「プラチナ本」選出!(2024年12月号)
TBS「王様のブランチ」、産経・毎日・読売・朝日など各メディアで紹介!
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STORY
「日本のバンクシー」と耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭・ブラックロータス。公共物を破壊しないスマートな手法で鮮やかにメッセージを伝えるこの人物の正体、そして真の思惑とは。うだつの上がらぬウェブライターは衝撃の事実に辿り着く。(第一部 オン・ザ・ストリート)
20年近くストリートに立っているグラフィティライター・TEEL(テエル)。ある晩、HEDと名乗る青年と出会う。彼はイカしたステッカーを街中にボムっていた。馬が合った二人はともに夜の街に出るようになる。しかし、HEDは驚愕の〝宣戦布告〟をTEELに突き付ける。(第二部 イッツ・ダ・ボム)
グラフィティは「俺はここにいるぞ」という叫びだ――。米澤穂信さんが「ささやかで切実な犯罪小説」と評したソリッドなデビュー作!
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
グラフィティというアートを題材にした本作は、ストリートアートの魅力とその背後にあるアーティストの心情を深く掘り下げています。特に「ブラックロータス」と呼ばれるグラフィティライターの作品や信念が、記者や...
感想・レビュー・書評
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青臭くも熱い想いと叫び… 表には出てこないグラフィティライターを描いた犯罪小説 #イッツ・ダ・ボム
■あらすじ
街にメッセージを残すグラフィティアート、日本のバンクシーと言われる新来ブラックロータスが人気になっていた。公共物を破壊しないというポリシーをもっており正体は不明。ブラックロータスの背景や謎に迫るため、売れないWebライターが取材を始めていく…
ストリートでグラフィティアートを書き続けるTEELは、彼を尊敬するという若い青年HEDに出会う。彼もまたステッカーを街中に張り続けるアーティスト、次第に二人は交流を深めていき…
■きっと読みたくなるレビュー
こんな芸術の世界があるんすね~。グラフィティアートって言葉は聞いたことがあるし、実際に見たこともある。でもこんなに深い芸術の世界とは知らなかったし、アーティストたちがどんな思いで描いているかなど、初めて聞くことばかりでしたね。よく考えれば犯罪者なんですよね、表だって人生観なんて知りうることもないんです。いやー勉強になりました。
本作は二部構成になっています。第一部はグラフィティアートのネタに在り付くWebライター目線で物語が進行。第二部はストリートで書き続けるベテランアーティストTEELが、新人の若い書き手HEDとの関係性を描いていく。
新人先生ですがバランスの取れた丁寧な書きっぷり。第一部で取材という筋道の中でグラフィティアートの説明しており、構成としても大変お上手。
第二部では、いよいよグラフィティライターの活動をとおして、芸術と社会問題の深淵に切り込んでいく。お金や復讐などではなく、犯行動機がその人の生き方や信条だけが存在するという切実な犯罪小説なんです。
これまで街で落書きを見つけると、何故こんな迷惑なことをするのか、さっぱり理解できませんでした。街の景観を損なうし、消す作業だってコストがかかる。しかし実行するだけの理由が分かった気がしましたね。
そしてアーティストたちが、犯罪と承認欲求の狭間で揺れる葛藤も熱かった。こんなにも青臭い、でも真剣な想いをもってるとは… ラストも明るい未来が開けていて大好きです。
■ぜっさん推しポイント
アンダーグラウンドな世界って広いですね。決して表舞台には出てこないキャラクターたちに光をあて、報われない社会からのはみ出し者を描いた作品だと思います。
日々の忙しさに喘ぎながら誰にも褒められない社会で生きてると、いつしか自分が幽霊になってしまったような錯覚におちいる。その叫びが歪みとなり、街の落書きとして表れ、時にはもっと大きな犯罪にもなってしまうんですよね。
グラフィティアート作品自体の価値は素晴らしいとは思うのですが、犯罪自体に芸術性は全く不要だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
グラフィティというアートを題材にしてる作品ということで気になって本作を手に取りました。アーティストの心情がとても面白く、楽しく読めた作品でした。
本作は街壁などで見かける文字やイラストを描くグラフィティライターのお話。有名どころですと、バンクシーなんかがこのグラフィティライターにあたります。本作は「ブラックロータス」と呼ばれる、有名なグラフィティライターの作品、信念、心情について、記者目線と同業者目線で語られるといった内容。
美術における価値観やポリシーが、いろいろなアーティストから語られるのが個人的にリアルだなぁと。それこそ商業的に美術を突き詰める人もいれば、自分の欲求のまま描く人もいる。その過程の中で、法律を重視するのか、それとも法律や倫理観に背いてでも、自分の描きたいものを描くのかなど、人の考えが語られるところが個人的には面白かったかなと思います。
今年の初めにニューヨークのストリートアートを見たこともあって、グラフィティは個人的に興味があったため、本作に出会えて良かったなと思いました。 -
ストリートアート、グラフィティに関するお話。
「バンクシー」という名前を聞きかじった程度の知識しか持ち合わせていなかったのですが、十分楽しめました。
アート、アートと持ち上げられてますが、言われてみれば、あくまで落書き⋯犯罪行為ですね。そりゃ、素性不明のアーティストにならざる得ないって、確かにそのとおりだなと思いました。
自分が触れたことがない世界を知ることが出来るのが小説の醍醐味。そんな体験を味わえる一冊だと思います。 -
街に残すグラフィティライターの新鋭「ブラックロータス」・・・
彼はアートを通しての世間へのメッセージは・・・
街にあるラクガキの見方が変わりました。
ただのラクガキがグラフィティアートと読んでおり、芸術の世界の一つだとは知らなかったです。
ただし、僕自身には少し話が入り込みにくくイメージがし難かったです。
読むのに苦労した感じでした。
また、少し時間をおいて読むと違った感じに感じるのだろうか。
次回に期待したいと思います。 -
第一部の『オン・ザ・ストリート』は、硬派なルポっぽい雰囲気で、グラフィティについての基礎知識を交えつつ登場人物を紹介している。
落書きとしか認識していなかったグラフィティ。
面白いけど、正直、アートと呼ぶことには少し鼻白む気持ちもあった…
けど!
第二部の『イッツ・ダ・ボム』で一転!
TEELの目から見るグラフィティの世界がカッコ良すぎ!!
他人の美意識さえも塗り替えていく、グラフィティの世界の貪欲さ。
描かれたグラフィティが作品なんじゃない、描く行為自体が作品なんだということがすっと腑に落ちる。
そして衝撃のバトル展開からのあの仕打ち…。
悔しいけど、完敗と言えるほどカッコよくて、痺れた…!
著者の井上先斗さん、読み方は「ぽんと」ではなく「さきと」さんだった〜
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評判が良かったので手に取った本。
内容は街で見かけるグラフィティアート。正直読む前も読んだ後も、街の壁で見かけるものに好意的な気持ちは全くない。本の前半は日本に突如現れたBLACK LOTUSというアーティストについて記事を書こうとするライターの立場から描かれ、後半は実際にボムしている立場から描かれている。
ボムしたい、という気持ちが湧き上がってくるのは本を読んで伝わってくるしわかるんだけど、やっぱり犯罪だよなぁと言う気持ちが拭えなくて、自分のうちとか近所にいくら上手くてもこういうアートが描かれたらやだな…と思いながら読んでしまった。
最後まで読んでBLACK LOTUSのしたかったことがわかり、なるほどというかふーん、というか。登場人物の気持ちに寄り添えなかった。 -
松本清張賞、いつも難しい。
とはいえ、平易な文体で書かれているのである。
が、ボム自体がよくわからず(目にはしているけど)、なかなか入り込めなかった。 -
日本のバンクシーことブラックロータス。いや、流石にダサ過ぎるやろ。という開幕、モヤる。
しかしバンクシー批判に、ドキュメント映画『イグジットスルーザギフト』への最適解な考察が、前述した"ダサい"にリンクして、小池都知事の理解してないバンクシー発言が再度蘇る。
ライターそれぞれが持つ価値観や美学。グラフィティーにも色々な形がある。読了後にニッチな世界観に憧れるのは待った無しではあるが、もし自分の家の壁にされたら間違いなくキレる。これにはボーイケンも同意見だろう。
傑作〜!
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バンクシーや映画についての説明が多かった。
後半は話が展開。グラフィティ好きな方が読んだら響くのだろうか、と思った。 -
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街で見かけるグラフィティ。
軽犯罪で迷惑なもの、というイメージだが、当事者たちの物語にはパッションがある。
バンクシーなど、実在の人物等も登場させ、没入感があった。
2章立てのこの小説、各章の最後の数行に驚いた。
ある分野では、匿名性って結構大事だなと。
失礼ながら、「ぽんと」さんと思いました。 -
帯に森見登美彦さんが「もはやズルい」と、米沢穂信さんが「圧倒的だった」とあったので気になって読み始めた。
グラフィティという名前すら知らなかった。そういったものが書いてあったら「治安が悪そう」と思っていた。正直、バンクシーの良さも理解できない(これは積極的に批判するのではなく興味がないという意味である)。
わー興味ない分野の話だったなぁ。あれ?小説じゃない?なんて思いながら読み進めていたが、知らず知らず引き込まれていった。
まるでドキュメンタリー映画を観ているようだった。この作家さん、この先楽しみだ。 -
著者のことは顔や名前も知らぬまま‥まったくの初めまして!数ヶ月の順番待ちの間に、リクエストしたきっかけをすっかり忘れていたけれど、待った甲斐有り。米澤穂信さんの激推しと“松本清張賞”にピンと来たらしい私‥ビンゴでした!1970年代後半まで渋谷界隈で育ち遊び場にしていた者には、大きく変わり続ける渋谷の街は誇らしいのと同時に空恐ろしくもあり‥なんとも言えないフクザツな感情を抱いてしまう。
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グラフティアートは、ストリートカルチャーでありながら軽犯罪だから、アートそのものはもちろん、夜中にフードをかぶりながらささっと書いて去るスタイルがなんだか格好いい!と思われる要因なのか?
そのへんの微妙な書き方が上手いなと思った。 -
松本清張賞受賞作ということで手に取る。
全体的に疾走感があって、カルチャーへの解像度が高まった。ただ、あえてと思うが、前半の説明文の多さにやや息切れする。
街中で今度グラフィティを見てみようと思える作品。
一点、ステッカーを貼るのって、スプレーで書くのと比べてそんなにアートなん?とは思った。 -
新しい言葉がふんだんに出て来て凄く学んだ。絵画が大好きで国内、海外にも足を運んでる私としたら、アートに対する気持はわかるが落書きをアートとして認めろ的なそれを大前提で書いてるのが少し違うなと思った。
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街中にカラースプレーなどを使ってレタリング文字を書く、これはストリートカルチャーの「グラフィティ」と呼ばれるらしい。特に街中にグラフィティを書いたりステッカーを貼ったりする違法行為は「ボム」と呼ばれ、犯罪行為であるがゆえに、「俺はここにいるぞ」という切実な自己主張の叫びだとか。知らない世界を知ることができたのは、楽しかった。
第1部は、突如現れたグラフィティ・アーチスト、ブラックロータスの実像に迫ろうとするウェブライターの「私」の物語。
第2部は、防犯カメラがあふれる現代でも違法なボムを続けるグラフィティライター、TEELが視点人物となる。若きライター、HEDとの出会いにかつての高揚感を取り戻したのもつかの間、突如正体を現したブラックロータスに勝負を申し込まれる。互いの名前をかけ、ストリートでグラフィティを上書きし合うバトル。 -
消化しきれない面白さ
知らない世界のことを知れたし、
気づきが多くあった
少年はいつか大人になるし、
時代は変化している
若い人向けの作品なのかなと思っていたが
実は年配に刺さる作品
最後の終わらせ方は
なるほど、
こう表現しますか
と
トリハダが立つ思いだった -
最高!
アートは世代交代していかなければならない。
古いものを切り捨てるんじゃなくて、取り込みながら。
さながらDNAのように。
そう常々思っているので面白かった。
HIPHOPカルチャー大好きなので読むのも楽しかった。
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第31回松本清張賞受賞作
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夜の光を放つ、
ささやかで切実な犯罪小説
グラフィティって
違法な落書き?
高尚なアート?
「日本のバンクシー」と耳目を集める新鋭〈ブラックロータス〉
彼の正体を熱心に追うウェブライター
ストリートにこだわり続けるグラフィティライター〈TEEL〉
そして「落書きなんて流行らない時代」に落書き(ボム)を始めた青年
「俺はここにいるぞ!」と叫ぶ声が響く、
新世代のクライム・ノヴェル!
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グラフィティについては何も知らず。
バンクシーという言葉だけは何となく知っていて。
二部構成の第一部は
ウェブライターが取材を進める形で物語が展開し、
グラフィティって、という説明から
後半は一気にミステリー要素があり。
ああ、こうやって終わるのか。
と思って、第二部へ。
一部でインタビューされたグラフィティライターがメインです。
外側から見た世界と、
内側から見た世界。
夜の中を疾走して、
誰にも見つからないようにボムする。
犯罪なのに、
なんか格好良くて、
独特の空気感が伝わってきました。
こちらも後半で事件のような展開があり、
どう決着をつけるのか気になって最後まで読み切りました。
ショートムービーを観てる気分でした!
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