タクトは踊る 風雲児・小澤征爾の生涯

  • 文藝春秋 (2025年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784163919485

作品紹介・あらすじ

“世界のマエストロ“の訃報から一年。
長年取材し続けてきた著者が満を持して放つ本格評伝。

『N響事件』憧れのNHK交響楽団と何があったのか
『二つの恋』ピアニスト、モデルとの恋
『日本フィルの分裂』如何にして新日本フィル創立へ向かったのか
『ボストン交響楽団音楽監督』30年の長期政権
『サイトウ・キネン・オーケストラ』新たなライフワーク
『ウィーン歌劇場音楽監督』クラシック界最高のポストの一つに就任


<目次>
プロローグ
第1章 スクーターと貨物船で●北京の四合院/引き揚げ/贅沢と貧困/成城学園中学校へetc
第2章 N響事件●五ヶ月間の滞日中に/初レコード録音/N響のこと、よろしく頼みますetc
第3章 二つの恋●指揮者を指揮する男/恩師斎藤秀雄を排除してetc
第4章 日本フィル分裂事件●日本フィル首席指揮者/小澤体制での解雇etc
第5章 新日本フィルとボストン響●新日本フィルハーモニー交響楽団結成/嬉遊曲、鳴りやまずetc
第6章 サイトウ・キネン・フェスティバル●俺に反対できるのはあんたぐらいetc
第7章 世界の頂点へ●予想外の記者会見/屈指の歌劇場制覇/旅を住処とするetc
第8章 初心に戻る●降板/発病/二〇一〇年 復帰会見/七分間の本番etc
年表

感想・レビュー・書評

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  •  良く取材してあり、なかなか読み応えのある本で、読み終えるのに時間がかかった。
     小澤征爾というと、世界的な指揮者であり、いつもニコニコしていて人柄も良いというイメージだったが、この本を読んで、そんなイメージが一変した。人柄が良いのはその通りだが、野心家で、非常に政治力もあり、チャンスは、必ず手に入れるという貪欲な人物である。秀吉は信長の草履を懐に入れて暖めたというが、小澤さんはカラヤン、バーンスタインの草履を舐めたと書かれている。
     世界で活躍するには、実力だけではダメだという厳しい世界を感じた。
     それにしても、小澤さんが日本の音楽界に与えた功績は大きいと思う。

  • 小澤征爾の音楽以外の裏側をあからさまに書き記してある。音楽的業績だけではなく、いかに野心の塊で、周りの困惑など気にすることもなく、物怖じをせず自分の思いを突き進む、それは小澤征爾の生き様そのままで、それでいて目上の人へは愛嬌たっぷりににじり寄り愛される。計算ずくめなのか自然体なのかは分らないが、一流人、それも超がつく一流人になるには、その周りに吹く嵐は想像を絶するものであった。

    小澤征爾さんのCDを引っ張り出してきたが、1800枚あるCDの中でたった九枚。あまり好んでいなかったのが、丸わかり。
    そのなかでも、一番のお気に入りは、フランス国立ochのBizetと、ボストンとのFaureですか。

  • N響事件以外にも、数々のトラブルに巻き込まれていたとは知りませんでした。晩年の描写は痛々しい。

  • 小澤征爾氏の音楽人生が今まであまり語られていなかった面からも語られており、すべてが完璧人物ではなかったのだと感じた。NHKとのトラブルななるほどなと感じる部分も多々あった。 ただ、小澤征爾の人懐こさに人が集まり音楽が出来上がっていたのも事実。食道がんを患ってからは腰痛の悪化もあり、大変苦労され、完全燃焼とはいかなかったと思われえるところもあるがすごい人だった。一度は生で聴いておきたかったものです。

  • 豊臣秀吉が織田信長の草履を温めたことに準えて、「小澤はカラヤンやバーンスタインの草履を舐めるよう」とは言い得て妙。図らずともそうなるのが小澤という人であり、「世界のオザワ」と言われるまでに登り詰めた所以だろうと、若い時の様子から読み進めて腑に落ちた。政治力や人たらしぶりも相当なものであった感は否めないが、一方で、細かな指示を手の動きで表現するために全て暗譜するという相当な努力と、音楽に対する情熱はやはり常人とは一線を画している。

    戦後、「日本にクラシック音楽を」と熱い情熱をもって音楽に向き合った当時の人々の思いや当時の空気感を感じたし、N響事件や日本フィル分裂の経緯もとてもよく分かった。 一人の音楽家の生涯と当時の様子をここまで詳らかに表した著者にも敬服する。



  • 小澤さん指揮のウイーンフィルのニューイヤーコンサートのCDを購入致しました。
    頂点に立つ方は凄いですね。まさしく世界のオザワでした~皆さんにもお勧め致します!

  •  
    ── 中丸 美繪《タクトは踊る 風雲児・小澤 征爾の生涯 20250226 文藝春秋》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4163919481
     
    ♀Nakamaru, Mie 作家 19‥‥‥ 茨城 /籍=山村 隆の妻/中丸 三千繪の姉
    ── 中丸 美繪《嬉遊曲、鳴りやまず 斎藤 秀雄の生涯 20020828 新潮文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/1/4101354316
      
     小沢 征爾   指揮 19350901 満州 東京 20240206 88 /開作の三男/征良&正悦の父
    https://tx696ditjpdl.blog.fc2.com/blog-entry-2187.html
     小澤家の人々 ~ 金脈・名脈・血脈 ~ Awa Library Report
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19350901
     
    …… プロローグ
    第1章 スクーターと貨物船で●北京の四合院/引き揚げ/贅沢と貧困
    /成城学園中学校へetc
    第2章 N響事件●五ヶ月間の滞日中に/初レコード録音
    /N響のこと、よろしく頼みますetc
    第3章 二つの恋●指揮者を指揮する男/恩師斎藤 秀雄を排除してetc
    第4章 日本フィル分裂事件●日本フィル首席指揮者/小澤体制での解雇etc
    第5章 新日本フィルとボストン響●新日本フィルハーモニー交響楽団結成
    /嬉遊曲、鳴りやまずetc
    第6章 サイトウ・キネン・フェスティバル
    ●俺に反対できるのはあんたぐらいetc
    第7章 世界の頂点へ●予想外の記者会見/屈指の歌劇場制覇
    /旅を住処とするetc
    第8章 初心に戻る●降板/発病/二〇一〇年 復帰会見/七分間の本番etc
      
    ……“世界のマエストロ“の訃報から一年。長年取材し続けてきた著者
    が満を持して放つ本格評伝。
      
    『N響事件』憧れのNHK交響楽団と何があったのか
    『二つの恋』ピアニスト、モデルとの恋
    『日本フィルの分裂』如何にして新日本フィル創立へ向かったのか
    『ボストン交響楽団音楽監督』30年の長期政権
    『サイトウ・キネン・オーケストラ』新たなライフワーク
    『ウィーン歌劇場音楽監督』クラシック界最高のポストの一つに就任。

    …… 十本も指があるのに、なぜもう一本もつのか?
     指揮者は、ノーバトン、ノースコアが本命だ(adlib)。
     
    (20250515)

  • 昨年亡くなられた小澤征爾氏の本格的な評伝。小澤氏と言えば、日本人として(東洋人としても)初めて欧米で認められた指揮者、ちょっと型にはまらない指揮者というイメージです。本書は小澤氏が指揮者として生きることを決意し、そして単身ヨーロッパに乗り込んで、巨匠カラヤンやバーンスタインに認められてキャリアを形成する生涯を丁寧にたどっています。
    ギリギリの資金を調達し、貨物船にスクーター1台とともに渡欧、そこで指揮者コンクールに優勝してキャリアを積んでいく様子は、読んでいてワクワクします。コンクール課題曲を勘違いし、徹夜で課題曲を勉強しなおして優勝したとか、どんな長い大曲でも常に視線をオーケストラに飛ばすため暗譜しているなど、小澤氏のキャラクターを際立たせるエピソードがたくさんちりばめられています。
    一方、NHK交響楽団からのボイコット事件、日本フィルハーモニーの分裂事件などは、”良い音楽”を追求するのに妥協しない小澤氏の姿勢と、楽団員との軋轢が招いた結果とも言えますが、小澤氏の妥協を許さない姿勢を物語るエピソードと言えるかもしれません。
    欧米ではカラヤンやバーンスタインが認めたと言っても、耳の肥えた聴衆が無条件に受け入れる訳ではなく、特にオペラの指揮に関しては当初は酷評されたことも紹介されています。そこから猛勉強して、最終的にはその評価を逆転させてしまうのですから、才能だけではなく小澤氏の音楽に対する熱量は凄まじいと感じました。
    小澤氏の評伝として本書は完成度が高いと思います。小澤氏が得意とした楽曲などが数多く紹介されているので、これをきっかけにCDなどでクラシックを聴くのも良いのでは、と思います。
    本書では小澤氏が日本で最初に指揮の指導を浮けた斎藤秀夫氏という方が登場します。実はこの人がまさにとんでもない人で、日本のクラシックの礎を築いたと言っても過言ではないのですが、小澤氏の評伝でありながら、小澤氏に影響を与えた斎藤秀夫氏の凄さが伝わって来る本でもあります。

  • 【クラシック界に数々の金字塔を打ち立てた男】ウィーン国立歌劇場音楽監督に上り詰めた大指揮者は、敗戦後の日本から、どうやって世界へのし上がったか? その生涯に迫る。

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著者プロフィール

茨城県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本航空に5年ほど勤務し、東宝演劇部戯曲研究科を経て、1997年『嬉遊曲、鳴りやまず――斎藤秀雄の生涯』でエッセイスト・クラブ賞とミュージック・ペンクラブ賞、2009年『オーケストラ、それは我なり――朝比奈隆 四つの試練』で織田作之助賞大賞受賞。他の著書に『杉村春子 女優として女として』、『君に書かずにはいられない――ひとりの女性に届いた四〇〇通の恋文』『日本航空一期生』(令和2年度芸術祭参加作品・テレビ朝日「エアガール」原案、中公文庫)、『鍵盤の天皇――井口基成とその血族』など。

「2024年 『斎藤秀雄 レジェンドになった教育家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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