本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784163919522
作品紹介・あらすじ
直木賞受賞作『花まんま』から20年、映画から魂を吹き込まれた新たな感動作!
本書は2025年4月25日に公開予定の映画『花まんま』のサイドストーリー。登場人物の背景にある「もうひとつの物語」を、原作者ならではの視点で描き出し、映画のその先の世界へと、読者をいざないます。
~映画から生まれた4つの物語~
「花のたましい」
… 見えない明日を懸命に生きる駒子と智美。はかなくも美しい友情の行く末。
「百舌鳥乃宮十六夜詣」
… 幼少期の不思議な体験を昭和の世相に重ねて描くノスタルジック・ホラー。
「アネキ台風」
… こわれかけた家族をパワー全開で再生しようとする肝っ玉アネキの奮闘記。
「初恋忌」
… 人生の終わりを予感した男の身に起こる、小さな奇跡。感涙必至の好篇!
泣いて、笑って、幸せに。
みんなの感想まとめ
テーマは友情や家族愛、そして人の温かさが描かれた短編集で、映画『花まんま』のサイドストーリーとして新たな感動を提供しています。4つの物語はそれぞれ異なる視点から、登場人物たちの心の葛藤や成長を描き出し...
感想・レビュー・書評
-
映画「花まんま」のスピンオフと聞いて紐解いた。4篇の短編集。多分主人公以外の誰かにスポットが当てられるのだろう。読む前に予想を立てた。映画の中で個性豊かなのに、全然深められていないといえば、フミ子の婚約者で鳥の言っていることがわかる太郎くん(鈴鹿央士)か、彦根の家族の一員で何故か太郎くんのことを知っていた大学教授の人(六角精児)、或いは彦根家族近くのお店を営んでいた女性。或いはお好み焼き屋の駒子(ファーストサマーウイカ)かと踏んでいた。
結果は、駒子しか当たらなかった。しかも、映画でヤキモキした駒子の恋が実るかどうかという話ではなくて、駒子の幼馴染で、あまりにもお人好しの瑠美ちゃんが主人公。最後、悲しいけど、ちょっと不思議なことが起きる。不思議なことは、起きなくても話は完結するけど、想いは、起きたからこそ心に響くものになった。翻れば、映画も似ている。
映画は兄妹二人っきりのフミ子が遂に結婚する。その前に、彼女が長いこと持っていたある秘密が明らかになるという作品だった。別にネタバレしてもいいかなと思うけど、一応秘密の内容は秘密にしておく。流石にこの秘密がなければ、話は展開しないけど、登場人物たちの「人の良さ」は秘密がなくても、ストレートに伝わってくる。そして、それこそが作品の命だった。綺麗な花が、物語に花を添えていた。
他3篇も、不思議なことは、実は殆ど起きないけど、「人当たりのいい」関西弁が紡ぎだす「人の良さ」だけは全面に出ていた。それが、本書の命だろう。
…結局、映画の紹介になってる?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『花まんま』の映画が公開中だけどまだ観ておらず、いつか観に行けるだろか?どうだろうか?予定立たず…というわけで先にこの本を手にする。
この物語は、映画から生まれた4つのサイドストーリーということで、ちょっと昭和を色濃く感じてしまう内容。
東大阪や生駒を身近に接する者としては、妙に親近感が湧いてくる。
じんわりとした感じは、なんだろう。
懐かしさも覚えるのは何故だろう。
短編4話はどれもいい。
○花のたましい〜駒子と智美のはかなくも美しい友情の行く末。
○百舌鳥乃宮十六夜詣〜摩訶不思議な体験は、ノスタルジック・ホラー。
○アネキ台風〜家族をパワー全開で再生しようとする肝っ玉アネキの奮闘記。
○初恋忌〜人生の終わりを予感した男の身に起こる小さな奇跡。
なかでもいちばん短い話だけど「初恋忌」が痺れた。
「花まんま」は、記憶がうっすらなので再読したいと思う。
-
「花まんま」のスピンオフ作品ということで久々に読んだ朱川さんの作品。
4編収録されているが、どれも良かった。
肝心の「花まんま」の方はずいぶん前に読んだので、内容は記憶が薄れているが、それでも十分に楽しめた。
「花のたましい」
偶然出会った小学生時代の級友・智美から、彼女が勤めている病院に入院している少女にコスプレメイクをして欲しいと頼まれた駒子。
智美は本当に優しい人だった。苦しく切なく、格好良い。駒子が親孝行しようと思うのもよく分かる。
「百舌鳥宮十六夜詣」
『絶対に子どもだけで来てはいけない』と言われている場所に踏み入ってしまった陣太郎は、不思議な少女と老婆に出会う。
これが一番苦い話かも知れない。結局二人は何だったのか。合理的な説明をされるよりは、モズの物語の方が良いのか。彼女はついに羽ばたいて行ったのだと。
「アネキ台風」
死の物語が続く中で、唯一、前向きな話。
といっても、複雑な家庭で育った主人公には悲しい過去がある。
だがそれを吹き飛ばすほどの猛烈なパワー、「アネキ台風」で大事な弟を助けようと奔走どころか、爆走する。
二人のアネキ、どちらも格好良かった。
「初恋忌」
余命わずかな男が訪れたのは、今は亡き初恋相手と出会った、少年時代を過ごした彦根。
何となく記憶にある名前が出てきたと思ったら、「花まんま」のその後の話だった。だがスピンオフなので、話の主人公は男性の方。こういう物語があったのだと改めてじんわり。
「花まんま」をもう一度読みたくなった。図書館に予約を入れてみよう。 -
図書館本です。
何となく手に取った朱川さん(初めまして)
映画化している『花まんま』のスピンオフ本だそうです。(帯がないのでわからなかった)
四つの短編集です。
「花のたましい」 「初恋忌」
可能性はゼロとは言えない不思議な話。ホロリときます。
「百舌鳥乃宮十六夜詣」
昭和が舞台のうっすらホラーな悲しいお話。
私はこれが一番好き。
「アネキ台風」
家族再生物語。そっちか、アネキ…!
関西人の私でも、コテコテや!と思う関西弁。
登場人物が少し被るのもあります。
静と動。今と昔。
作品によって色が違うので、お気に入りが見つかるのでは。
-
映画「花まんま」から派生した短編集ということで。
どれもちょっと不思議でちょっとせつない良いお話でした。
「花のたましい」
せつなかった 小学生の頃から智美は誰かを欲していたんだろうなぁ
「百舌鳥乃宮十六夜詣」
不思議な話でよくわからなかったけど、よくわからなさがいいんだろうなと思う
「アネキ台風」
病気が家族を近付ける いろいろな事情があって離れているけど何かあると助けられる安心感が家族というものなのかもしれない
「初恋忌」
人生の終いを感じて、初恋の君の墓前を訪れたら…「花まんま」の世界に繋がる話 -
<海>
朱川湊人。一番最近に読んだ本は,とブクログで調べる。どうやら『場羽の夢 知らぬ火文庫』であった(「文庫」という副題が付く。文庫本であったかどうかは覚えていないが,新刊であったことは多分間違いない)。2022年6月刊行である。なんと3年も前!その間 新しい本の上梓は無かったのだろうか。
とさりげなく前置きを書いて…さて『百舌鳥之宮十六夜詣(ウズラノミヤイザヨイモウデ)』という題名の作品がこの本の2番目に収されている。凄く面白い。この物語を読んだ心ある人の半数くらい(本当は年齢制限の中で 半数だとうけど とは思うが,まあいいかw)は 必ずこう想う筈である。「よし,明日はマルシンハンバーグを六個買って来て 家で焼いて食べよう!」と。
でもしかし実はウチはこの本とは関係なく 常からこのマルシンハンバーグを食べているのだ。たまに相方といっしょにスーパー・バロー(美濃/尾張地方の超有名スーパー)に食材の買い出しに行くと相方は必ずこのマルシンハンバーグを数個買う。色々の方法で調理してくれるが,一番旨いのが朝飯用のお手製ハンバーガーにトマトやレタスといっしょに挟んでくれるやつ。もうこれ絶品ですわ -
先に出版された『花まんま』の、ちょっと変則的スピンオフ作品といえる。
映画『花まんま』の撮影現場を訪れた朱川湊人氏は、後に新たな世界を思い浮かべて『花のたましい』を執筆されたとのことだ。
もし『花のたましい』を先に読んでも、何ら問題はない内容だと思う。
『花まんま』で綴られた雰囲気はそのまま引き継がれ、4篇の短編集は朱川氏独特の世界が綴られている。
相変わらず朱川作品は、不思議な世界の中に切なさと優しさが同居していた。
切なく寂しい思いもあるのだが、同時にほのぼのとした温かさも伝わってくる。
特に「初恋忌」では、逢いたくとも会えない切なさ、相反してほのぼのとした気分も伝わってくる。
何故に朱川氏は涙を誘う切なさと、ほっこりとした優しさをシンクロさせながら描き上げることができるのか、摩訶不思議な作家さんである。 -
「花まんま」の続編。関連する不思議な4編の物語。読了後、かもしれない不思議な気持ちと人の心の温かみを感じられて満足でした。
-
映画の余韻が、読書の扉を開いた
去年、映画『花まんま』を観た。エンドロールが流れているのに、すぐには立ち上がれなかった。胸の奥に残ったのは、涙というより、じんわりとした温度だった。最近は実用書やノンフィクションを手に取ることが多く、小説からは少し距離ができていたのに、その夜はなぜか「原作を読んでみたい」と思った。理由をうまく言葉にできないまま、けれど確かに、余韻が静かに背中を押していた。
朱川湊人さんの『花のたましい』は、4つの短編からなるオムニバス。扱っているのは、友情、家族、死、そして魂や言霊――決して軽くない題材だ。けれど不思議と、読み終えると心の血が少し温まっている。悲しみを増やすのではなく、抱え方をそっと整えてくれる本だった。短編だからこそ、一つ一つの“余韻”が濃く、読んでいる最中よりも、読み終えたあとにじわじわ効いてくる。
4つの短編がくれた「温かさ」の形
一編目の「花のたましい」は、少女ふたりの関わりが軸になる。置かれた環境の違い、言葉にしきれない不安、それでも相手を思う健気さ。読み進めるほど、これは小説というより“ドラマ”だと感じた。偶然が重なり、誰かの優しさが別の誰かへ手渡されていく。世の中は冷たいだけじゃない、と静かに思い出させてくれる。派手な奇跡ではなく、「たまたま、そこに居合わせた」だけの出来事が、人を救ってしまうのがいい。
二編目の「百舌鳥宮十六夜詣」は、神話めいた設定が面白い。現実ではありえないことが起きるのに、心のどこかが「わかる」と頷いてしまう。百舌鳥(モズ)という鳥が、人の姿に重なったり、戦争の影が差したりする中で、私は“言霊”という言葉に引っ張られた。目に見えないのに、人の心の奥をそっと動かすもの。もう一つの世界があるというより、私たちの内側に、現実と同じくらい強い“もう一層”があるのかもしれない。そんな感覚が、読みながら静かに残った。
三編目の「アネキ台風」は、姉妹の絆が胸に迫る。私にも姉がいる。姉という存在は、母親とどこか似た温度で、絶対的に守ってくれる場所のように感じることがある。作られた細胞が同じ両親から生まれたという事実だけで、説明できない安心が生まれるのだろうか。この物語には白血病が出てくる。去年、兄を白血病で亡くした私には、どうしても重なるところがあった。細胞の不具合が命の輪郭を変えてしまう現実。それでも、残された側の中で「意識」や「思い」は生き続け、次へ渡っていく。読みながら押し寄せた感情は、悲しみだけではなく、“つながり”への確信に近かった。人は消えても、関係は消えない。そう言われた気がした。
そして四編目の「初恋忌」。映画『花まんま』の核になる短い物語だ。初恋の人とどこかでつながっている――その不思議さが、怖さではなく、救いとして手元に残る。人の記憶は、花の香りみたいに突然よみがえって、今の自分をそっと支えてくれるのだと思った。
読後に残ったもの:本は心を温める
読み終えて思ったのは、本は「答え」をくれるのではなく、私たちの中の温度を整えてくれる道具だということだ。重いテーマに触れながら、読後が温かいのは、物語の中に“人のやさしさ”が最後まで消えずに残っているからだろう。花が散っても、香りが残るように。人が去っても、思いは残るように。久しぶりに小説に触れて、私はまた、本というものに助けられた。血液を温めてくれるような一冊だった。
もし、忙しさや日々の情報で心が乾いている人がいたら、この短編集はちょうどいい。1話ずつでも読めるのに、読み終えるたびに「人って捨てたもんじゃないな」と思える。魂という言葉を、特別なものではなく、日々の小さなやさしさの中に見つけ直せる本だった。私は読み終えて、「また小説も読もう」と思った。理屈で整理できない悲しみや祈りは、物語の形を借りた方が、むしろ素直に受け取れる時がある。ページを閉じたあと、部屋の空気が少しだけ柔らかくなる――そんな読書体験だった。 -
-
映画のサイドストーリー。
楽しめました。 -
少し不思議で心温まる短編集。「初恋忌」は「花まんま」のスピンオフと言えますが、「花まんま」を読んでいなくても問題はないかも。もちろん、読んでいるならさらに楽しめます。
どの物語もほっこりした味わいながら、どこかしら悲しさ寂しさを感じさせられるのが印象的です。お気に入りは「アネキ台風」。すぱっと気持ちの良い、痛快なパワーあふれる物語に思えますが、しかしなんともいえない切なさがありました。死別の悲しみは当然だけれど、こういうわだかまりの残った状態の別れの苦しさがやりきれません。それでも辛うじて繋がっていることにはほっとさせられました。
「花のたましい」はとても優しい、だけれどその優しさがあまりに悲しすぎました。不幸せではないのだけれど……幸せとも言い切れない。「百舌鳥乃宮十六夜詣」は不思議な物語。真相がいったいどちらだったのか、は考えても意味のないこと。あり得ないようなことでも、絶対に起こらないとは限らないのかも。-
はじめまして
ao-nekoさんのご感想が読書メーターに無断転載されていますが、のぶさんと同一人物ではないですよね?
https://boo...はじめまして
ao-nekoさんのご感想が読書メーターに無断転載されていますが、のぶさんと同一人物ではないですよね?
https://bookmeter.com/reviews/1281664872025/11/17 -
2025/11/19
-
-
『花まんま』のスピンオフ。4つの短篇集。どの作品も関西弁。其故に活気に満ちているが、読後に襲う切なさが半端じゃない。登場人物が皆、優しくて魅力的。不思議な世界を美しく活写する筆致が秀逸。暫し余韻に浸る。
-
映画『花まんま』からのサイドストーリー。
映画オリジナルの登場人物たちの、映画では語られなかったストーリー。
カッコウのカンコの話が、なんとも切なくも美しい。
不思議すぎるお話だけど、『花まんま』の世界でなら、こういうこともあるのかもしれない、と。
『花のたましい』も、思いがけない明るくて元気な展開かと思って油断した、、、まさか、、、
最後の『初恋忌』、喜代美にもそういう思い出があって本当によかった。 -
綺麗なつつじの表紙。似つかわしくない怖い作品も含めた4編。看護助手だった智美、こんなに率直に人に尽くせる人がいるだろうか?百舌鳥乃宮十六夜詣は、鳥と入れ替わる怖い話し。どれも面白く読んだ。
-
小説、映画を見て、やっと本書を読めた。
小説や映画単体も良く、小説から映画への繋がりも綺麗で好きな作品群です。
本書のお話は、加藤兄妹の周りの人を描く事で映画の記憶に、より深みを加えてくれていると思う。
もう一度映画が見たくなった。 -
『花まんま』の続編なのかな。
友情や初恋、家族の絆といった誰もが感じたことのある感情がそこにはあった。悲しい別れも当事者にとってみれば大事な思い出なんだなということ。読みやすかったです。 -
おもすろかったょ
-
花まんまの続編らしいが、肝心な花まんまの内容を覚えてない。
でも充分楽しめた。どの話もどんよりと悲しい。
著者プロフィール
朱川湊人の作品
本棚登録 :
感想 :
