- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163919539
作品紹介・あらすじ
勤め人となり2年半。やっぱりマリコは忙しい。三が日は大手町へゆき、沿道から駅伝の応援だ。4年ぶりの出場となった日大へ向け学生たちと校歌を歌ううち、アンカーが目の前に。声を揃えてその名を叫べば、思わず目頭が熱くなる。ああ、若いというのはこういうことなんだ。
かくいうマリコ、今年古希を迎えるのである。還暦の時はよかった。まだイケるじゃん、内心そう思っていた。だが、70なのである。あくせく働くのはやめようか、年金をもらってなんとか暮らしていくか。誕生日を前に、マリコの心は千々に乱れる。
がーー。編集者たちとの会で思わぬサプライズが。お手製”マリコ・フラッグ”振り振り、某ミュージシャンの演奏にあわせたバースデーソングの合唱に、マリコ、思わずまたホロリ。勤め人となってから、まったく小説を書けていなかった。それでも期待してくれる人がいる。もうひと頑張り、書かなきゃ。理事長仕事の傍ら、長い休みには原稿用紙に向かう。長年の習性とは不思議なもので、ブランクもなんのその、すらすら書ける! 嬉しかったなあ。
そんなこんなでマリコ、まだまだ頑張ります。「週刊文春」の人気ご長寿連載エッセイ、堂々の36巻!
感想・レビュー・書評
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毎年この時期に出版される林真理子さんの週刊文春連載エッセイ。
2024年の出来事をこのエッセイとともに思い出した。忙しくて小説を書く時間が取れないとあったが、日大理事長を精力的に務める傍ら、この週刊誌とananへの連載を継続しているだけでもすごいと思う。本作を読み、日大は日本や世界各地に支部のある想像以上に巨大な組織だと思った。毎週1本のエッセイのネタが全く尽きず、多岐に亘る面白い話が万歳だった。これだけ随所へ出かけていて本当にお忙しいと思う。
お忙しいながらも読書は欠かさず、自分も読んだ藤田真央さんの『指先から旅をする』や水村美苗さんの『大使とその妻』、有吉佐和子さんの小説が取り上げられていたのが嬉しかった。
ハロウィンのコスプレで槍投げの北口榛花選手になったエピソードがとても可笑しかった。30年秘書を務めたハタケヤマさんが辞め、コロナ禍から新しい秘書のハタさんという方になったと以前のエッセイから読んでいたが、本作でも複数回登場し、なかなかやり手の方と感じた。このハタさんの「エビのシャーロット」の話も笑ってしまった。
早いもので林さんも昨年古希を迎えられたとのこと。これからもまだまだ活躍していただきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
林さん文春連載エッセイの最新刊。いつもの海外旅行、エンタメ、ワイドショー的話題のほか、日大のお話もほどほどに書かれてあって相変わらず楽しい。ついつい最新刊が出ると手に取ってしまう。林さんももう70歳とか…!体に気をつけて、これからも楽しいエッセイ書いて下さい。
著者プロフィール
林真理子の作品





