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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784163919553
作品紹介・あらすじ
第16回山田風太郎賞受賞作!!
痛みも後悔も乗り越えて、いつかきっと笑える。
『銀花の蔵』で直木賞候補、
いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”!
売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生……
大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。
◎松虫通のファミリア
「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。
◎ミナミの春、万国の春
元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。
(他、計6篇)
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
人の「あたたかさ」を描いた群像劇で、大阪・ミナミを舞台にした家族小説が展開されます。1995年から2025年までの連作短編集は、売れない芸人の娘や隠し子疑惑を抱えた妻、血のつながらない孫など、多様なキ...
感想・レビュー・書評
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大阪のお笑いの世界を中心にした連作短編集。
時代は1995年から現代まで。
大阪のお笑い界の頂点に立っている「カサブランカ チョーコ ハナコ」のチョーコを中心に色々な家族が登場します。
私はお笑いとか家族のものはあまり得意ではないので、星を少し減らしました。
チョーコとは一体、何者なのか…?
と思って読みました。
以下、各短編の、ネタバレしない程度のあらすじです。
「松虫通りのファミリア」
1995年。
漫才師の「カサブランカ チョーコ ハナコ」のチョーコに憧れて、親の反対を振り切ってピアノの世界からお笑い界に飛び込み、不倫の子を生んで阪神淡路大震災で亡くなった春美。
残された漫才コンビの相方のヒデヨシのところに孫の彩を連れに行った春美の父、吾郎。
娘を自分より早く亡くした親は辛いでしょうね。
「道具屋筋の旅立ち」
優実25歳と大学生の誠のカップルのお話。
優実の家の食事シーンの描写がなんか凄いな~と思ったら。作者が遠田さんでした。
「アモーレ逢い相合橋」
昭和の大阪の音楽業界のお話。
「チョーコ ハナコ」のハナコと結婚した歌手の柿原登と作曲家だった杉原昭彦とその想い人ちづる。
昭和レトロ感がとっても漂っていました。
「道頓ーズ、エンジェル」
2018年10月26日から27日にかけてのお話。
男運のない橋本喜佐58歳と田島都38歳が大阪ミナミの劇場で「カサブランカ チョーコ」の演じる『細雪』の雪子を観に行って偶然出会い、さらにもう一人男運の悪い西木サエ18歳とも出会い意気投合します。
チョーコは56歳になっています・。
「黒門市場のタコ」
二歳の時に実父を亡くし、介護士の母の再婚で耳鼻科医の父をもった翼。
しかし母も亡くしてしまい、血のつながらない父娘になった二人。
そして家政婦の多恵子の母は昔チョーコの家で働いていたといいます。果たしてチョーコとは何者なのか…?
徐々にチョーコに近づいていきます。
「ミナミの春 万国の春」
春美の娘である彩の母は、阪神淡路大震災で亡くなりましたが、彩は祖父の吾郎に育てられ、成長して結婚することになりました。
春美は「チョーコ」に憧れてお笑いの道に進みました。
一緒にコンビを組んでいた「はんだごて」のヒデヨシは彩のためにチョーコにとあるお願いをしにいきます。
最後はとうとうチョーコが出てきてどう締めるのか…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大阪・ミナミを舞台に人の「あたたかさ」を描いた家族小説。
1995年から2025年の春までの連作短編集である。
要所に『カサブランカ』のチョーコ・ハナコの姉妹漫才師が出てくる。
○松虫通のファミリア〜ひとり娘のハルミが、漫才師になると出て行ってから、阪神淡路大震災でその娘が亡くなり、五歳の孫の存在を知らずにいた吾郎はそのことを元相方から知らされる。
○道具屋筋の旅立ち〜優美の母親が家族のために作り続けた大量の食事の悲惨な結末に感じたことは。
○アモーレ愛合橋〜杉本が歌手・柿原登に作曲家として作った「アモーレ愛合橋」はヒットしたが、その後転落の人生で43歳で亡くなった柿原。
唯一最後に愛する人に作った「千羽鶴に乗って」も柿原に譲ることになったのだったが…。
○道頓堀ーズ・エンジェル〜夫の隠し子疑惑が発覚した58歳、結婚詐欺に遭い一千万を騙し取られた38歳、失恋した18歳が、戎橋の前で泣く。
○黒門市場のタコ〜母が亡くなり父と2人の生活になった翼だったが、不自由さはないはずだが自由ではないと感じている。お互いに無理してる、遠慮があると…。
○ミナミの春、万国の春〜元相方の娘の結婚式に彼女のためにヒデヨシが見せたものは、憧れのカサブランカとの漫才だった。
大阪感が満載で、ミナミの町が思い浮かぶようだった。どこにいても漫才師が近くにいるような感じがするのは大阪だからだろうか。
道頓堀ーズ・エンジェルがとても濃い〜と感じた。
「温かいもんと甘いもんはいつでも女の味方や」というのがわかる。
どん底かという思いをしても誰かが泣いていたらほっとけるわけがない。
自分だって相当な思いでいるだろうに、励まして声かけている。
それも見知らぬ人やのにな…。
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ミナミの春
コッテコテの大阪の物語やねん!
今までの遠田潤子とちゃいまっせ!!
エセ大阪弁はちょっとムリです_(┐「ε:)_
遠田先生が大阪の方だったとは(꒪⌓︎꒪)
こんなにたくさん読んでるのに笑
この作品は題名にあるようにミナミの連作集
短編に共通するのは伝説?カリスマ?の漫才師「カサブランカ」チョーコとハナコ
群像劇と言うのかな〜
あまりの驚きに上手くレビューできない笑
泣いて笑って、人情ありの遠田潤子作品
今までと真逆すぎて衝撃でした(。>ω<)ノ
追記〜
このセリフはグッときた!
「親は愛情で子供を壊せる。自分を助けられるのは自分だけや。」
まったくです!!-
2025/10/25
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2025/10/25
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2025/10/25
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大阪の地名、軽妙な会話、大阪弁。
コテコテの大阪 満載。
大阪人なら楽しさ倍増に違いない!
憧れの漫才師になったヒデヨシ。
全く売れないまま時が経つ。
震災で命を落とした 相方のハルミ。
父親が分からないハルミの娘、彩。
ヒデヨシの姉、奈津子。
彩の祖父、吾郎。
他にも様々な人が登場するけれど
お互いに何かしらの繋がりがある。
下町で繰り広げられる温かい交流に
ドキドキしたり、ほっこりしたり。
鍵となるのは、
漫才界のスター、美人のチョーコ。
ヒデヨシとハルミの憧れの漫才師。
一章から五章まで、チラチラ登場。
最後の六章で、チョーコ炸裂。
チョーコの人柄がくっきり際立つ。
そして、一気に涙を誘う展開に。
ええ話やん!
心に残った言葉をひとつ。
「一笑すれば仙山青し」
苦しい時はとりあえず笑ってみる。
すると目の前が開けて
遠くの山が綺麗に見える とのこと。
私もお笑いは好き。
色々あっても、とりあえず笑顔! -
作者の名前読み間違えてる?と思うほど明るい表紙で思わず手に取ってしまいました。私の中のハズレない作者のうちの1人なので、今回も読み応えは◎
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大阪を舞台にした人情物語、連作短篇集。
途中、登場人物に迷いそうになりながらでしたが、時代の流れを感じ、ラストはあたたかい気持ちになれました。
装画がとても綺麗 -
山田風太郎賞
星3.5
本を選ぶ基準の一つに、賞をとったということも置いているので、山田風太郎賞を受賞した本作を読んでみる。
初読みの作家さん。他の方のレビューでは、本作は、今までの作風とがらっと変わったらしい。
本作では、ビジネス街のキタではなく、ミナミの雰囲気が漂っているが、今までの作品はどうだったのだろうか。
連作短編集であり、時代も1970年の大阪万博、1995年の阪神淡路大震災あたりから、2025年の大阪万博あたりまで。(1970年の万博開催中、天六の地下鉄建設現場で79人もが亡くなる大事故が起きていたとは!)
当然、登場する人物も歳を重ねているが、一貫して関係するのは、『カサブランカ』という女性漫才コンビ。
最後の一作は書き下ろしということだが、あらかじめ構想してあったのか、話がうまくまとまっている。ちょっとうまく行き過ぎの感もあるが。(追記: 山田風太郎賞のスピーチを読むと、最後の章は当初書いたものが編集者からダメ出しされたため、書き直ししたそうだ。そのため受賞できたと思うとのこと)
印象に残ったのは、東京アクセントで話す男の人が複数出てきたところ。このことで、その人の性格や生い立ちなどを現しているのだなあと感じた。(奈良の十津川村が標準語アクセントとは初めて知った。)
全編が共感できるわけではなく、ちょっと極端な家族の話もあったが、文章も読みやすく、大阪の空気感を感じさせる本作のような小説をまた読みたい。 -
大阪を舞台にしと人情味のある短編集。ところどころに禅の言葉が出てきて考えさせられる。“閑古錐“、いけないなと思いつつも心の錐はなかなか丸くならない。
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優しく届く一冊。
大阪のミナミを舞台に人の温かさ、心の春の訪れを描いた6篇。
いつもの狂おしい世界、情念は封印。
人生の光と影を描いた誰もの心にじんわり優しく届く、こんな遠田作品もいい。
女性漫才コンビ「カサブランカ」の灯りが照らし出す、さまざまな人生劇場は一話目からじんわり沁みてきた。
誰かの存在が光や支えとなって、人と人とを結びつけて、心を通じ合わせて…一話目から最終話まで、それらが時の流れと共に涙ながらに沁みた。
苦しい時ほど温かい場所と言葉が必要不可欠。
そして笑いの種を蒔けば、きっといつか笑顔の花が咲き誇る。 -
遠田潤子作品ははじめて。芸人コンビのカサブランカがつなぐ6編の物語は、映画のようなテイストで読み応えあり。ジワジワくるのが心地よいです。
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良かったんだけど、うーん。
思ってたのと違ったなぁ。
ちょっとずうつながってる短編集。
「道具屋筋の旅立ち」は軽くホラーだった。
「道頓堀ーズ・エンジェル」がいちばん良かった。
どの話にも出てくるカサブランカの話をもっと掘り下げても良かった気がするなぁ
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私にとって普段馴染みのない「大阪」描ききった物凄い作品でした。お笑い芸人を通して人生の浮き沈みや葛藤を描いた素晴らしい作品でした。各章ごとに関連性のある人物が出てきて泣かせてくれます。ラストは涙なくしては読めなく感動しっぱなしでした。あなたもぜひ読んで感動して下さい。涙して下さい。
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大阪が舞台の姉妹漫才師を軸に展開………………
1995年(神戸淡路大地震など)〜2025年
ザ大阪を存分に感じられる小説かと^_^
松竹新喜劇ばりの人情劇で( ; ; )
(ステップファミリー)ていう言葉知りませんでした。
(ファラーフォーセット)って懐かし過ぎる(笑)
(ジャンジャージャーン)って死語?
⭐︎一笑すれば千山青し⭐︎ -
正に私の生きてきた時代。懐かしい場所と大阪弁が心地良かった。
この昭和~平成~令和を生きる人に共感する風景が頭の中に浮かんでくる。
ストーリーの中で起きる出来事は、理不尽なことが多くて悲しくなりながらも、関西人らしく切り開いていく大らかさに、人生の希望を見出すことができた。 -
遠田潤子による大阪・ミナミを舞台にした傑作家族小説で、売れない芸人、隠し子疑惑を抱える妻など、様々な問題を抱える人々が、失われたものや後悔を乗り越え、人生の「あたたかさ」を見つけていく連作短編集です。阪神・淡路大震災の1995年から2025年までを舞台に、人生の偶然の繋がりや、人と人との温もりを描き、第16回山田風太郎賞を受賞しています。
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大阪ならではの話。お笑いと人情コテコテ。ちょいちょい出てくる禅の言葉が馴染みがなくて違和感があった。
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山田風太郎賞ということで、著者初読み。
大阪を舞台に、バブル期から現代までを短編連作として描かれている。大阪の変遷はわからないけれど、同年代の作者の描写がよくわかる。
しかし、カサブランカのチョーコを軸とした展開、いささかこじつけ感もあるけど・・・と思いつつも、禅の言葉が心に刻まれた。忘れないでインプットしとこっと。 -
1995年から2025年までのミナミ(南大阪)を舞台にして、姉妹コンビの漫才師・カサブランカを軸に描いた連作短篇集。6篇の短篇で構成された群像劇だ。
これまでの遠田さんの著作のイメージと漫才が噛み合わなくて最初は戸惑ったが、読み進めていくうちに違和感は消えた。一筋縄ではいかないしがらみ、様々な形の家族、愛が次々に現れる。登場人物の1人が言う“一笑すれば千山青し”という禅語が象徴していた。
「黒門市場のタコ」と「ミナミの春、万国の春」が特によかった。 -
カサブランカという伝説の姉妹漫才師を軸に1970年の万博から2025年の万博まで物語が展開していく。
ザ・大阪の人情ものなんだけど、なんというか、滑稽さが足りない気がして物足りなさを感じた。織田作之助や田辺聖子に比べるとなんか余韻がない、というか。
最後のハナコ姐さんの挨拶は予期せず感動したが漫才やお笑いを小説にするのは難しいものだなぁ、と思った。(漫才の台本を挟まれて、伝説の舞台と言われても面白さが伝わらないから冷めるというか…) -
遠田潤子さんの小説すでに3冊読みました。
好きな作家さんです。
大阪ミナミを舞台にした連作短編集。
万博に合わせたのでしょうか?
共通する登場人物がお笑いのコンビなんですが
遠田潤子さんが描くと暗い哀しい作品になりますね。
でも綺麗な絵画になる気がします。
一番好きなのは『アモーレ相合橋』です。
ちょっと苦しかったけど。
大阪に行ってみたいです。
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遠田潤子の作品
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