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Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784163919584
作品紹介・あらすじ
破滅まで46時間。
人類絶滅を阻止したければ
殺人の謎を解け。
フィナンシャルタイムズ、サンデータイムズ、ガーディアン、オブザーヴァーなどイギリス高級紙がこぞって絶賛。
「ヤバいくらい独創的」――M・W・クレイヴン(『ストーンサークルの殺人』ほか)
突如発生した霧により、世界は滅亡した。最後に残ったのは「世界の終わりの島」、そこには100名を超える住民と、彼らを率いる3人の科学者が平穏に暮らしていた。沖には霧の侵入を防ぐバリアが布かれ、住民たちはインプラントされた装置により〈エービイ〉と名づけられたAIに管理されていた。
だがある日、平穏は破られた。科学者のひとり、ニエマが殺害されたのだ。しかも住民たちは事件当夜の記憶を抹消されており、ニエマの死が起動したシステムによってバリアが解除されていた。霧が島に到達するまで46時間。バリア再起動の条件は殺人者を見つけること――。
果たして「世界の終わりの島」に隠された秘密とは? そして真犯人は誰なのか?
人格転移タイムループ館ミステリ『イヴリン嬢は七回殺される』、海洋冒険ホラー歴史ミステリ『名探偵と海の悪魔』に続く鬼才スチュアート・タートンの第3作。特殊設定メガ盛りで読者に挑戦するポストアポカリプス犯人捜しミステリ!
みんなの感想まとめ
この物語は、ミステリーとSFが交錯する独特な世界観を持ち、読者に二つの「謎解き」を提供します。一つは、殺人事件の真相、もう一つはこの世界を形作る法則や存在の謎です。人類滅亡の危機に直面し、限られた時間...
感想・レビュー・書評
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鬼★5 終末ミステリーの決定版! 地球と仲間たちを大切にできてますか? #世界の終わりの最後の殺人
■あらすじ
90年前、巨大な陥没穴が大陸に現れ、大都市を飲み込んだ。その後、穴から黒い霧が流れ出して世界中を包み込んでしまう。世界は滅亡の危機に瀕していた。
最後に残された孤島では、100名ほどの住人と3人の科学者が住んでいる。その科学者たちの研究機関によって、霧を押し戻せるバリアをつくりあげていたのだ。
しかしある日、主任研究者であるニエマが殺害されてしまう。彼女の死によってバリアが解除されてしまい霧が徐々に孤島に迫ってくることに… バリアを再起動させるには犯人を見つけなければならない。
■きっと読みたくなるレビュー
鬼★5 終末ミステリーの決定版すね、今年を代表する翻訳ミステリーの一冊ですね。
世界の終わりを描くSFやミステリーって、他の作品でもちょこちょこあるんです。しかし本作には、他の作品にはない圧倒的な強みがいくつもあるんですよ! ぜひそれらをご紹介したいっ
○スケールの大きさ
時代背景としては、現代よりもある程度科学が発達した近未来。世界の終わりが来てもギリギリ孤島で生き残っていた住民たち。しかし本当の終わりが近づいてきた時、そこにいる住民たち、長老と言われる科学者たちはどんな生き様を魅せるのか。
物語が後半に近づくほど危機も差し迫ってくるのですが、追い詰められたにこそ人間性が現れる。昨今、世界的にSDGsが叫ばれています。我々は本当に、このひとつだけの地球で暮らし続けられるよう真剣に考えているのでしょうか。彼らの姿をみていると、きっと自身の思慮の浅さに愕然としてしまうでしょう。
○「わたし」という視点の存在
物語は三人称視点で綴られているのですが、「エービイ」という一人称視点(わたし視点)も存在します。この「エービイ」は登場人物の頭の中におり、登場人物にも読者にも語り掛けてくるんです。
なお住民も長老(科学者)たちの頭に中にも存在し、語り掛け、指示するし、時には嘘もつくんです。この「エービイ」が何なのか良くわからんし、どう物語に絡んでくるのかっつーのが読みどころだし、引き込まれちゃうポイントなんですよね。特に終盤、ラストはもう必見ですよ、見逃せません。
○綿密なストーリーと謎解き
序盤はこの不可解な世界観に巻き込まれながら読み進めることになる。ニエマの殺害事件が起き、住民も読者も困惑の一途をたどるのですが… とある情報がだされてからは一気に物語が動き出して、謎解きミステリーが爆進するんですよ。これがすげー気持ちいいの。
また謎解きとしても中途半端じゃないんです。探偵役のエモリーが現場検証、聞き取りなど行い、犯人、動機、方法を解き明かしていく。単発でなく二重三重にもパワフルに謎解きを展開させていくのは流石でしたね。
さらに後半に入ってくると、数ページにひとつは魂に響くような重い文章がでてくる。読み込むほどに味わい深く突き刺さってくるんです。
○住民たちが鬼熱すぎて泣いちゃう
島の住民たちの絆がめっちゃ熱いんですよ。もうまもなく災厄が近づいているというのに、自分のためでなく、みんなのために行動できる人々。
特に本作の主役は探偵役のエモリーにきゅんきゅんしちゃう。彼女は好奇心旺盛で父親にはいつも諭されたりしているんですが、誰よりも家族想い、仲間想いのいい奴なんです。
またエモリーの父親セトも渋くて好き。偉ぶることをせず謙虚、真面目で一生懸命、家族のことを誇りに思っている。この二人の関係性を感じられるだけで胸が熱くなってくるんすよね。
○それで、この世界って何なの?
独創的な世界なんすよね…。幻想的なんだけど、SFっぽい冷たさも感じる。研究者たちは悪意が見え隠れするし、常に圧迫感があるんですよ。住人たちは奇妙な点も多いし、長老と呼ばれる科学者たちも各々で価値観が違って不思議さ満点。
この世界は何なのか、さらに彼らの行動の意味が理解できたとき… きっとあなたは生命というものを感じることができるでしょう。
■ぜっさん推しポイント
いま私は生きている。
私には価値があるし、みんなにも価値がある。頭脳明晰な人、力がある人、絵が描ける人、音楽を奏でる人、料理ができる人、ひとりひとりに個性がある。
それぞれの価値を持っている個が集まることで、より元気で力強い集団になっていき、より大きな課題も解決していくことができるのです。――ふと日々を振り返ると、自分のことばかり優先してたような気がして反省させられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかったです!いろいろな要素が混然一体となった物語に感じました。なにしろ、作者のタートンさんは3年かけて書き上げられたそうですから。わたしは事件を追うミステリーを主に楽しみました。
だから「あらすじ」は、翻訳者の三角和代(みすみ・かずよ)さんの「訳者あとがき」のはじめの所がよいと思いました。一部抜粋です。
「・・・閉ざされた島を舞台にしたクローズドサークル・ミステリー・・・未来×タイムリミットものだ。探偵に課された使命は―――人類を救いたければ、四十六時間で殺人事件を解決せよ。」(「人類」から「せよ」まで傍点強調)(P419)
SF的特殊設定の小説ですが、テクノロジー世界が滅んだあとの終末なので、古風でなつかしい感じです。だいたい「探偵」のエモリ―さんは、シャーロックホームズファンという設定ですし。
そんなSF的特殊設定は、凝りつつも、サラっと書かれています。そのなかでも「AI」の使い方がおもしろかったです。
この物語の中でAIが担っている役割は、AIなんかなかったころの小説にも、あったんじゃなかろうかと感じました。
こんな風に思わせるところがすごいところですね。
作品紹介には「特殊設定SF犯人捜しミステリー」なんて書いてありますけど、他の視点からみても楽しかったです。
ひとつは「寓話的」なことです。終末世界ですし、教訓・風刺があるようです。
「神話の世界」も伝わってきます。舞台はギリシャの島で、登場人物には「ヘファイストス」という名前の人がいて、いかにもギリシャ神話っぽいかな?
そして「聖書」のアダムとイブも連想してしまいます。
「神と人」をイメージさせる、いかにも欧米人が好きそうな感じです。
わたしは「島の住民を三人の科学者が率いる」ところに興味をもって読んだのですが、この三人はどうなんですかね?
それに比べて、島の住民たちはいいですね。わたしも混ぜてほしいです。こんな老人介護島があったら行きたいです。
デストピア小説っぽいですが、島の住民について知れば知るほど、わたしも含め、ぼんやり日本人を連想してしまいました。なんだか、わたしは「特殊設定?」、とだんだんおもえてきてヘンな感じです。
そうなると「特殊設定」と「普通設定」の境目がぼやけて「霧」がかかったみたいです。未来なのに昔にもどりまた未来にいる、グルグル回っているような不思議さがありました。 -
autumn522akiさんの本棚から
この物語は読者に二つの「謎解き」を課してくる
ひとつはもちろん殺人事件の謎解きだ
犯人は誰か、なぜその人は死なねばならなかったのか、そして殺人はどのように行われたのか
誰が?なぜ?どのようにして?
いわゆるミステリーの謎解き
もうひとつはこの世界を形作っているものの謎解きだ
この世界をこの世界足らしめている法則とななんなのか
長老たちと村人たちとはどんな存在なのか
そして読者に語りかけてくるエービィとは一体何者でどんな目的を持っているのか
つまりSF世界の謎解き
そうなのだこの物語はミステリーの謎解きとSFの謎解きを融合させた面白さを提供してくれる物語なのだ!
ってぜんぜん違うわ!大馬鹿者!( ゚д゚ )クワッ!!
これは「人間」とは何か?を考える物語なのだ!
人の持つ弱さとは何か、人の持つ強さとは何か、奉仕とは、犠牲とは、仲間とは、家族とは、平和とは、そして愛とは
そんなことを、ちょっと気恥ずかしさを隠して、特殊設定という皿の上に乗せて考えてみる
そんな物語だったのだと思うのです
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めろんちゃん
読んでいただき、あざますmm
>これは「人間」とは何か?を考える物語なのだ!
人間とは何なのか
そうね、余裕でわか...めろんちゃん
読んでいただき、あざますmm
>これは「人間」とは何か?を考える物語なのだ!
人間とは何なのか
そうね、余裕でわかりませんでした2026/03/02 -
2026/03/03
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2026/03/03
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えっ、SF作家が書いたミステリだと受け取ってました!
ひまめろさん言うとおり、たぶんそこじゃないんでしょうけどね。
三角さんというとジャッ...えっ、SF作家が書いたミステリだと受け取ってました!
ひまめろさん言うとおり、たぶんそこじゃないんでしょうけどね。
三角さんというとジャック・カーリーとか?2026/05/17 -
そう!でもジャック・カーリー邦訳止まっちゃってるんですよね
あとカーの新訳もやっていて、こちらはなかなか良い感じです
SF設定は向いてない気...そう!でもジャック・カーリー邦訳止まっちゃってるんですよね
あとカーの新訳もやっていて、こちらはなかなか良い感じです
SF設定は向いてない気がします
2026/05/17 -
あー確かに。
SF翻訳って技要りそう。
本格ミステリとかバディものとかとはまた違うんだろうな。あー確かに。
SF翻訳って技要りそう。
本格ミステリとかバディものとかとはまた違うんだろうな。2026/05/17
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初めて読んだ作家さん。特殊設定のミステリーを書く方なんだ。知らなかった。
初ということもあって、設定が新鮮で面白く、一気に読んだ。
クローズドでタイムリミットあり。SFかファンタジーのような世界。
登場人物たちの心の様子がしっかりと書かれていたし、風景は目に浮かぶよう。
読んでいる間ずっと幸せだった。 -
特殊設定ミステリー。
文明が黒い霧によって滅んだ後の世界。孤島で生き残った人たち。その中で殺人が起き、霧から島を守るバリアも停止してしまい、それを再稼働するためには犯人を突き止める必要がある…とのこと。
特殊すぎて設定を飲み込むのに時間がかかるんですが、犯人探しとバリア復活って別に関係なくないですか??と首捻りながら読み進めるので、物語の世界に入り込むのに時間かかりました。
文明世界を知らず閉ざされた世界で平和に生まれ育った島民たちが探偵役なので、なんというか危機感が薄い。もうすぐ霧が迫ってくるのに寝ちゃったの!?(眠らされるケースもありますが)みたいなそれも特殊設定なのでしょうが、イライラハラハラしながら読み進めました。
他の方も書かれてましたが設定が特殊すぎて犯人推理は激ムズなのでドキドキハラハラを楽しんだ方が良い気がします。最初は文明社会の生き残りの3人の科学者(技術を持ってるので長老と呼ばれている)がどうにも傲慢で好きになれなかったのですが最後まで読んでいくうちに彼らにも事情があったのかと思えるようになりました。皆んなが幸せハッピーエンドではなかったけど救いのない結末ではなくてほっとしました。 -
すっきりと完全に頭の中でストーリーを追いきれたかというと、ちょっと自信がない。しかし、完全な平等の世界のためにこの結末を迎えたというのはなんともすぐに気持ちを言い表す言葉が浮かんでこない。世界の終わりの最後の殺人とはなんとも残酷で、なんとも完璧な計画だった?んー、そう思えるけど、でもそうか、まだ未来に続いているからそれはそれで良いのか。ただ、その選択があるかどうかは確証はない…。
こう書いたところで、何を言っているのかさっぱりな内容だろうけれど、読み終えるとなんか頭の中で考えたり想像したりしてしまうと思う。たぶん。
読み始めたころは特に何も思ってなかったのだが、読み終えてから改めて黒い霧に覆われた島の村の環境を想像してみると、おかしく思える。おかしくない世界でありたいと願っている(と思いたい)はずなのに、本当におかしくない世界であるためにはこのような結末になった、と考えるとやり切れない気持ちになりそうだ。
読み違えてるかな?でも、そうならその方が良いとも思える。 -
触れると死に至る正体不明の黒い霧が世界を覆い、人類の大半が死に絶えた。残されたのはバリアで守られた島にたどり着いた100名足らずのみ。しかし、AIが管理するこの島で、島民を率いる3名の科学者のうちの1人が殺されてしまう。事件をきっかけに島のバリアも解除され、人類は滅亡の危機に。黒い霧が迫る中、バリア再設定の鍵は殺人犯を見つけること。残された時間はあとわずか…。
いわゆる特殊設定のミステリである。SFを基調としたこの世界観はおもしろい。徐々に謎が判明していき、解像度が上がっていくのもまた楽しめる。ただ、私にはどうも読みにくかった。他の方も書いておられるように、人称がわかりにくいのかもしれない。 -
近未来の世界を描いたミステリー。私にはSFと言うよりファンタジーの世界を感じた。
世界の終わりの島を舞台にしたクローズドサークルミステリー。壮大な構成に相応しく内容も今までにないスケール。ここで各人の脳にプログラミングされたエービイが狂言回しの役をするのも今までにない取り組み、何度も読み返したい作品だった。 -
来たぞーー!スチュアート・タートンの特殊設定ましまし祭だーー!!
前2作にもりもり特殊設定ミステリも面白かったので期待して待っていたら、まさかの終末もの。
ほとんどの人類が死に、わずかに生き残った者たちの島で起きた殺人。
時間内に解決しないと人類は滅亡する。
その上、島の住人は皆、事件当時の記憶を消されている!
犯人自身すら自分の犯行だとわからない!
なんてこった!
いやどうするの?!とわっくわくで読んだ、楽しかったー!
単に設定の面白さだけでなく、家族の痛みと愛や人類の傲慢さなども織り込まれ、結末は考えさせられるところもあり、満腹満足で読了。
次回作も今から楽しみ。
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がっつりSFでびっくりした。これはすごい。
触れる人を殺す霧から逃れ、小さな島で暮らす百人余りの村人と、彼らを導く三人の科学者。平和な暮らしの中で、突然起こった殺人事件。四十六時間以内に犯人を見つけて処刑しないと、島は霧に侵されてしまう。
語り手が村人の頭の中にいるAI「エービイ」なのが面白い。殺人が起こった夜の記憶がエービイによって消されているので、最初はとても混乱した。
だが、物語中盤から徐々に色々見えてきて、まずSFの設定のタネが明かされ、一気に引き込まれた。
最後は壮大な映画を見終わった気分。新しい世界に踏み出す彼らに、エールを送りたい。 -
導入はかなり良くて、ずっとイマイチ分からないまま進んで、それがまた良くて…
真実を知ったら、「そんなもんかい!」ってやつ。
私利私欲を追い求める人間がいけないんだろうねぇ。
でも、それが人間だとも思うし…。 -
イギリス各紙が絶賛したという「特殊設定」ミステリ。
突如発生した謎の霧により、世界は滅亡。ギリシャのある孤島にのみ、霧の侵入を防ぐバリアが張られ、「世界の終わりの島」となった。ここに、100名を超える住民と、彼らを率いる3人の科学者が暮らしていた。だがある時、科学者の1人、ニエマが殺され、バリアが破られた。霧が島に侵入するまでの時間はわずか。バリアの破壊はニエマの死によって発動されていたらしい。ならば、ニエマを殺した犯人を見つければ、バリアを再起動できるのか・・・?
島民の1人のエモリーが探偵として謎に迫っていく。
冒頭には登場人物が挙げられていて、これらの人々がある「計画」に重要な役割を果たしているという。読者としては行きつ戻りつしてリストを確かめながら先に読み進めていくのだが、ほどなく、あることに気づく。リストには記されていない、語り手の「わたし」がいるのだ。これが何かというと、村人の脳内に直接働きかけることができる「エービイ」という存在で、AIのようなもの。村人はインプラントによりエービイに管理されている。強圧的というよりは相談相手のような感じだが、就寝時間になると寝かされたり、60歳までと定められた寿命が来ると死に至らしめられたり、となかなかの管理ぶりである。
実は、ニエマが殺された夜、島民すべての記憶がエービイによって消されていた。
さて、この異常な状況の中で、エモリーは真相にたどり着けるのか。
トリッキーな条件が重なるクローズドサークルもの、といえばよいのか。
読み方は人それぞれなのだろうが、個人的にはミステリとして読むのは比較的早い段階であきらめた。この特殊設定では「何でもあり」だろう。この世界ではこうなんだ、ふーん、そうなるのか、と物語の流れに身をゆだねるしかない。
「世界の終わり」というのは、孤島の名前と、実際に世界が滅びそうであるという時間的状況とを掛けている印象である。
終末世界を描くSF部分の設定はどうかといえば、終盤に近付くにつれて、「村人」についてのある秘密が明らかにされていく。
「長老」と呼ばれる科学者たちと村人との間には、明らかな差異があり、村人を支配しているエービイも、実は、科学者たちは完全に支配しているわけではないことが見えてくる。そこに人種差別の暗喩を見ることも可能だし、人類への風刺のように見ることも可能だろう。殺人事件の真相も含め、どこか『風の谷のナウシカ』を思い出させる設定である。
個人的にはSFが苦手なのもあって、いまひとつの読後感。
ただ、物語世界の構築はすごいと思うし、そもそもこのストーリーをどのように考え出したのかには若干興味がある。
ハマる人にはハマる作品なのではないか。 -
世界は黒い霧に覆われて滅亡した。その霧を防ぐバリアを張り巡らした島で三人の長老は100人以上の島民と暮らしているが……
度肝抜かれる特殊設定ストーリー!→
たまらなく好きすぎる!設定が!設定がたまらんのだよ!
正直「ミステリー」だと思って読むと消化不良が残るかもしれないが(関係者がほぼ全員記憶を無くしているので、事件も謎解きも全体的にふわふわしている)世界観を楽しんで読むなら最高に面白いと思う。
私はタートンのこの特殊設定詰め込み→
まくりの物語が大好物なので、今作も大満足。
過去二作が好きな人にはハマるのではないかと。
そして、読んですぐはハピエンだと思っていたんだけど、思い返すとハピエンではないよな、と真顔になったり(笑)思わず翻訳者さんのあとがきを読み直して笑ってしまった。ほんま、スチュ大丈夫?(笑) -
作品紹介には、「鬼才スチュアート・タートン」が「特殊設定メガ盛り」で読者に挑戦する犯人探しミステリ‥とある。なるほど!「特殊設定」を理解してからは、“本格”推理小説好きならハラハラしたり(それはいくらなんでも!)とツッコミをいれながら楽しく読める‥はず。
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謎の「霧」によって滅亡した世界、3人の科学者とAIに管理された100人超の村民が暮らす「霧」を止めるバリアに囲まれた孤島、科学者の一人が殺されバリアが解除される異常事態、人類滅亡を阻止するために46時間以内に真犯人を見つけなければならない極限状況での謎解きという重厚なディストピアSF×特殊設定ミステリーに仕上がっていて最後まで没頭しっ放しだった。
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触れると命を落とす謎の霧が地球を覆い、世界は滅亡した。最後に残った人々は、霧を防ぐバリアに守られた世界の終わりの島で平穏に暮らしていた。そこには3人の科学者と100名余りの住民がおり、エービイというAIシステムに管理されていた。ある日、科学者のニエマが殺された。しかもシステムによってバリアは解除され住民たちの記憶は消されていた。霧が到達する48時間以内にバリアを再起動させるには犯人を見つけなくてはならない。とんでもない設定のタイムリミットSFミステリ!
まず状況設定の説明に150ページくらい費やす。これが正直分かりにくいので理解に時間がかかる。エモリーという住民が探偵なのだが、一人称で書かれてるが〈わたし〉って誰?と思うや、AIのエービイだったりする。そしてようやくその後事件が起きる。
そこからのストーリーがまたややこしい。誰が犯人なのかって、殺した本人も記憶がないわけで。さらには科学者の3人以外は人間ではないことがさらりと明かされる。最後までどんでん返しで真相がわからない。ラストのあり方には賛否ありましょうが、ミステリやSFというより人間性とは何かという話なのか。そう感じる読後感でした。なかなか読み応えありました。もはや事件の真相なんてどうでも良いくらいですね。
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同じような設定の作品をこれまで多数読んだ(観た)。そのたびに、人類滅亡の危機になんで人を殺さなくちゃならないのかと疑問を持ちながらも、その考え抜かれたストーリーに脱帽した。本作品はその中でも突出していると感じた。
謎に満ちた“霧”によってすべての生物が死に絶えた世界で、わずか122人の住民が平和に暮らす島が舞台だ。彼らが“長老”として崇める3人のうち、1人が殺害される。死をもたらす霧が迫る中、人類を救うためには2日以内に犯人を見つけなければならない。
本格推理の皮を被ったSFだ(逆ではない)。おもしろかった。 -
死の霧により人類が滅びた世界。
最後に残された人々が暮らすユートピアで、
起こってはならない殺人事件。
犯人を見つけられなければ、
今度こそ「本当の終わり」がやってくる。
『世界の終わりの最後の殺人』スチュアート・タートン
いや、もう……この設定が強すぎる。
「黒い霧」によって世界は滅亡し、
生き残ったわずかな人々は〈世界の終わりの島〉で暮らす。
彼らを導くのは、旧世界を生き延びた3人の科学者「長老」達。
島では争いも私欲もなく、
人々は互いを尊重しつつ「奉仕」をしながら
自給自足の穏やかな生活を送っている。
一見すると、理想郷そのもの。
けれどある日、殺人事件が起きてしまう。
それをきっかけに、
死の霧から島を守っていたバリアが解除される。
霧が島に到達するまで、残された時間はおよそ二日。
それまでに真犯人を突き止めなければならない。
✧
ディストピアとユートピアが背中合わせになった世界観。
「起きてはいけない殺人」が起こるという特殊設定。
こういうミステリ、好きな人にはたまらないはず…!
さらに面白いのは、
村人たちの体に〈エービイ〉と呼ばれる
AIが埋め込まれている点。
彼らは日々、都合の悪い記憶を消されて生きている。
だから事件が起きても、前日の記憶は誰にもない。
それなのに身体には傷があり、服には誰かの血が付いている…
この違和感が、とにかく不気味で引きが強い。
「長老」を絶対視する従順な村人たち。
60歳になると必ず死ななければならないという掟。
小さな歪みが少しずつ輪郭を持ち始めたところで、
衝撃の事実が姿を現す。
✧
探偵役となるエモリーの存在が良い。
他人を決して疑うことを知らない村人たちの中で、
ただ一人、この体制に疑問を抱く女性。
外からやって来る探偵ではなく、
内側から世界を崩していく構図がとても好みだった!
そして語り手が、まさかのAI〈エービイ〉。
記憶を消す存在を一人称に据えるなんて……
この語りは本当に信じていいのか?
と、最後まで疑いながら読むことになる。
特殊設定×ミステリが好きな人には、
ぜひ手に取ってほしい一冊です。 -
特殊設定ミステリーって万能ですね。設定を明確に開示すれば、どんな不可解な状況下でもミステリーは成立する。
「人を殺す謎の霧」が突然現れて世界滅亡、科学者がそれを防ぐバリアを開発、最後の人類がバリアの下で細々生きている(すごい設定)。
科学者は不死化し、村人から崇められている。その一人が殺され、犯人を特定しなければバリアが解除され人類が滅亡する。(なんで?)
しかも、登場人物が都合よく(この場合悪く?)記憶喪失になる。
これだけ、荒唐無稽でご都合主義な設定を盛り込んでもミステリーとしてきちんと機能する。どんなに設定が複雑でも、読者である人間に理解可能な真実が提示されればそれで充分ミステリーなんだろう。
とはいえ、設定を活かした意地悪なギミックが随所に仕掛けられている。語り手となる三人称はいったい誰なのか?それを理解することで「穏やかな村」の真実が徐々に開示されていく。
世界設定に対し人物関係は案外、簡単。科学者は3人だし、主要人物のほとんどが家族、読みやすいし心情に理解は優しい。
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