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Amazon.co.jp ・本 (220ページ) / ISBN・EAN: 9784163919645
作品紹介・あらすじ
〈さびしい、苦しい〉老い方にさようなら!
世界的な霊長類学者が教える、人生後半戦が「希望」となる考え方とは?
・人間はなぜ“人生後半戦”が長いのか?
・“老いるほど美しくなる”ゴリラに学ぶべきこと
・身体が弱くても大丈夫――河合雅雄さんの創造性
・「離婚なんて怖くない」理由を知っていますか?
・狩猟採集民的な「学びのモデル」を復権する
・過去との出会い直しは、老年期の最大の特権……etc.
じつは、人間だけが、長い時間をかけて老いと向き合います。
動物は、基本的に繁殖能力がなくなったら死ぬので、長い老年期というものがありません。人生後半戦をどう生きるかというのは、人間だけがもつ問いです。
いつからか人は、何歳まで生きるか? という寿命が大きな目標になりました。しかも、〝長寿を前提に〟人生を設計するようになりました。
本書では、人生の老年期をどう捉え直したらいいのか、老いをめぐる新しい思考法を提示したいと思います。
――「はじめに」より
ここから新しいライフステージがはじまる感動の書!
みんなの感想まとめ
老いを新たな視点で捉えることで、人生の後半をより豊かに過ごすためのヒントが得られる一冊です。著者は、霊長類学の知見を通じて、老いが持つ本来の価値や可能性を明らかにします。特に、ゴリラや猿との比較を通じ...
感想・レビュー・書評
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仕事用読書。
京大総長も務めた著者が、世界的霊長類学者としての知見を踏まえ、老いについて多角的に考察する一冊。語り口調で書かれていて読みやすい。
平明だが、中身は濃い。随所に卓見がある。
霊長類の研究を極めた人だからこそ、人間についての洞察も深いのだ。
とかくネガティヴに捉えられがちな「老い」が、実は豊かな価値を孕んでいることがよくわかる内容だ。
その意味では、私も含め、老いの入り口にさしかかっている人こそ読むべき本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者のゴリラの本が面白かったのでこちらも拝読。うーん、期待したほど文章が頭に入ってこず、ところどころ飛ばして読む。
老いたゴリラの美しさなど、ゴリラに関するお話がやはり面白い。 -
ゴリラや猿と比較した人間の老いについて語る。甥はネガティブに語られがちであるが、仲裁力、ハブになる力等、老いてからでないと引き出せない魅力がある。ゴリラは老いると、食べられなくなり、緩やかに死ぬ。老いに怯えるのは人間だけなのかもしれない。
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★★☆☆☆帯を見て買いましたが、思っていた内容と違っていて残念感が残りました。内容的に老いといいよりゴリラから学べることが書かれていました。
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ゴリラ研究から日本人の老いについて書かれていて、人間と異なる点は相手に共感し、相手のことを想像して、行動するコンパッションにあるといいます。
また、良い老いの3条件に、松下電気創業者の松下幸之助氏のリーダーの3条件を上げていました(愛嬌があること、運が良さそうに見えること、背中で語ること)。
その内の運が良さそうに見えることとは、皆んなに惜しみなく分け与える振る舞いこそが、運の良さそうな人に現れる資質であり、自分が持っているものにこだわらないという境地こそひとつの老いの力という言葉に、余裕があるのは様々な経験を積んで生まれた境地なのかなと思いました。 -
「ゴリラ学」で有名な山極寿一氏の一冊。老いについてもゴリラやチンパンジーから発想を得て考えていることに興味が湧く。
この一冊は、ゴリラの生態というよりも、自身が所謂老齢に入ってきたから学問上での師匠筋の話や、最後の方に色濃く出てきているが、文明が進歩してきて歪みが生じてきていることに関して警鐘を鳴らしているような、生き物としての人間や自然の捉え方を思い返そうという書きぶりである。
勿論肯首できて、納得できるものであるが、やはり一番面白いのは実体験に基づいたゴリラの話しではなかろか。
人間はゴリラのように、年を経たら尊敬される存在に復権出来るのであろうか。 -
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。
本書は、山極さんが “老年期の生き方” についてあれこれと語ったものですが、私も会社勤めから完全リタイアしたタイミングなので、どんな示唆が得られるか期待して読んでみました。
予想どおり有益なコメントが数多く紹介されていました。 -
加齢で体力は落ちても、それを他のもので補いつつ、役割を持って生き続けることができるし、それが社会にとっても大事なことがわかる本です。
人は誰でも年齢を重ねますが、いくら鍛えていても、いつかは体力的に衰えますし、できなくなることが増えるとネガティブな感情を持ちがちです。
考え方ひとつで、老いは新しい価値をもって私たちのなかに立ち上がってくると著者は言います。
老いることで経験を積み重ねて得られるもの、それをどう生かすか、どういった役割を果たせばよいかといったことを教えてくれています。
若い頃のように働けないことにネガティブな感情を持つ方などが読んでみると、これからを前向きに考えるきっかけとできそうな1冊です。
【特に「学びになった」と感じた内容の覚え書き】
(老いの力)
「共感力を働かせて仲間を助ける行動がもっとも得意なのは高齢者。人より長く生きた分、若い世代が経験していない知識を多く持っていて、若者が知らないことにいち早く気づいて危険を回避でき、それはまだ自立できていないこどもを安全に育てる上で、社会的に大きな力になってきた。」
(老いとライフスタイル)
「さまざまな世代が出会う場では、自然に気づきが生まれ、創造的な言葉が出てくる。体力的にあちこち動けないシニアも、その地にやって来る人々、特に子どもを受け入れることに貢献できる。視野が広く、別のコミュニティでうまくいったアイデアの提案や、人と人とのマッチングもできる。」
(老いの気構え)
「松下幸之助氏が挙げていたリーダーになる条件『愛嬌がある』『運が良さそうに見える』『背中で語る』の3つは、そのまま良い老い方の条件になる。包容力、共に分かち合う(ひらかれた大きな気構え)、見返りを求めない(自信)、の3要素が、人間の成熟度の指標ではないか。」
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・考え方ひとつで、老いは新しい価値をもって私たちのなかに立ち上がってくる。年をとることを「さびしい」「苦しい」と感じる方も多いが、それは”老い方”が間違っている。
・老いは気候変動に似ていて、生物圏に共通なグローバルな現象だが、現れ方は生物の種類によって異なる。特に人間では生物としての特徴だけでなく、生きてきた文化の違いが色濃く現れる。自然の存在である人間と歴史的な構築物である文化の調和が成り立つかに目を向ける必要がある。
・医療技術の発達や情報通信革命といった変化で、譲り、伝え、寄り添うことが魅力だった老境の心構えが、壮年期の競い、獲得し、自己主張するままに続いていくようになった。これでは平和な世代交代が起きず、生物圏の原則に反して世代間の葛藤が増え、社会が不安定になってしまう。
・これまで科学技術は個人の能力を拡大し、その積としての文明の力を増大してきたが、それでは地球が壊れてしまう。技術でなく知恵を使いながら、地球や生物圏に優しい人間の暮らしをデザインする必要があるが、それは利他の精神と遊び心に満ちた高齢者の役割。
(老いの力)
・いまはインターネットの普及で、新しいことは若者たちのほうがよほどよく知っている。そんな時代には情報(知識)ではなく、マナーやエチケット、心の持ち方といった身体知である「知恵」こそが、高齢者から次の世代への贈り物となる。
・見返りを求めずに奉仕し合う家族と、ギブアンドテイクが原則の共同体は編成原理がまったく異なり、本来はぶつかり合う。人間は共感力が高まり、相手の側に立って考えられるようになって両立できたが、功利性から一歩引いて全体を俯瞰し、調整力、仲介力のある高齢者の存在が大きい。
(老いとライフスタイル)
・異なる世代間をつなぐのは「自然」。日々変化する複雑なものを媒介にしないと、子どもの知的好奇心の発露としての学びの場は発動することはないし、互いの協働作業も生まれない。「直感力」や「想像力」を鍛えるには、経験値を豊富に持ち、時間もある高齢者が一緒に考える役割は大きい。
・動物の社会では性交渉はオスとメスを結びつけないので、男女を結びつけておくファクターとして、性はとても弱い。むしろ互いを思う共感力が、人間の家族と共同体を成立させてきたことを忘れてはいけない。
(忘れがたきもの)
・老年期の大きな楽しみの1つは、身体に眠っていた過去の記憶との再会ではないか。人生のなかでの幸福な出会いだったり、大切な原風景だったりが、ふとしたきっかけで新たな意味をおびて立ち現れてくるのが、老年期だけに許された”過去との出会い直し”では。
(老いの気構え)
・生命にとって、老いは治すものではなく、共存するもの。老人には、世の中を祝福したり、楽しさや笑いをもたらす存在として、子どもたちに生きる力を与える存在としての美しさがある。老いを忌避することなく、人生後半戦において、いかに美しく老いるかを考えないといけない。
・限られた時間軸の中で死をとらえるからこそ、人は生きる意味を考える。無限にやり直せるなら、いつまでに何を達成しないといけないという必要は何もなく、時間軸の中で、ゴールに向かって流れとして意味のある物語を作る必要がない。
・人は老いとともに、身体が自然に合わせるようになる。自然の時間にゆっくりと身を委ね、効率とは無縁の生命の根源的な喜びに立ち返ることが老年期の大きな特権。そこには、刻一刻と変化する自然の予兆に心躍る豊かさもあり、美しい時間が未来から流れ込んでくる。 -
これは……残念ながら平均寿命が70歳くらいの時代でないと受け入れられないかなと思いました。今は「人生百年時代」だなどともてはやされていますが。正直お孫さんが祖父母にかまってくれるのは中学生くらいまででしょう。
お孫さんにたよらず、自分の生きる道を社会のなかでどう見つけていけるかが、大切なのではないでしょうか。
山極先生の恩師である今西錦司先生とかの生きざまも紹介されています。それはそれですばらしいのですが。
レベルはちがうんですが、私の祖母もふたりとも元気で、八十代で死ぬまでぴんしゃんしていましたので、ああいうのが普通だと思っていました。田舎にきて、六十代くらいからボケたことを言っている年寄りをみて「しっかりしろよ」と思っておりましたが。正直言って、自分の祖母は普通じゃなかった、みんながああいうふうに生きられるとは限らない、と今は思っております。
むしろ、自分もボケないようにしっかりしなければ(笑)。 -
老いるとは衰えることだろうか。京都大学前総長の霊長類学者・山極寿一はそうは見ない。ゴリラの群れを観察し年長の雄が力よりも知恵や経験で仲間を導く姿を記してきた。人もまた老いを重ねることで見えてくる世界がある。若さが速さや成果を誇るなら老いは待つこと、譲ることを学ばせる。時代は変わり世代の価値観は交わらぬように見える。だが老いの思考法は断絶を埋め人と人を結ぶ回路となる。弱さに意味を見いだせるか――社会の成熟はそこにかかっている。
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これからの生き方は、複数の拠点を持つことという提案は目から鱗だった。ただ拠点を複数持つだけではたぶんダメで、そこにほんの小さなものでも人間との関係性が必要だということも理解。2拠点、あわよくば3拠点生活とか近い将来できないものかと遠くを見ながら考えてしまったのでありました。
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人間と近しい生き物である類人猿の行動を観察、把握し、それを人間の行動に当てはめて考えてみよう、という学問を基礎に書かれた本。多くの生物は生殖を行えなくなると死ぬが、人間だけそうなった後も長く生きる。それは老人が子供の育成などに一役買って来たからだ、というような内容が書かれている。
確かに人間は猿の一種ではあるので、なるほどそうなるのかと思うことが多かった。
共同体と家族のどちらかには属しておくべき、という話は私の老後の指針になりそう。
ただ、世代間のギャップを感じる内容も多く、この本で批判されている最近の人間の挙動は、私が老年期に入るころにはそれが当たり前の世界になっているはずなので、そうあるべきではないと言われてもどうにもならんのではないかなァという印象を受けた。まぁまだ少し読むには早かったのかもしれない。
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