三国志名臣列伝 呉篇

  • 文藝春秋 (2025年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163919799

作品紹介・あらすじ

勇敢な父の孫堅と兄の孫策を継ぎ、長江流域に広大な王朝を築いた孫権。
大国「魏」と対峙し、赤壁の戦いに勝利した。
周瑜、魯粛、張昭をはじめ、この「呉」の国を支えた人物に、新しい光をあてる。

1800年の時を越え、初めて見出された真実とは?
著者の長年のライフワークともいえる「三国志名臣列伝」シリーズ、堂々の完結!

みんなの感想まとめ

歴史的な戦乱の中で名を馳せた「呉」の国の名臣たちに焦点を当てた本書は、赤壁の戦いをはじめとする重要な戦闘を通じて、彼らの戦略や人間性を深く掘り下げています。特に、孫権の指導の下で活躍した周瑜や魯粛、内...

感想・レビュー・書評

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  • ほぼ全ての登場人物のエピソードに、「赤壁の戦い」「樊城の戦い」「夷陵の戦い」が出てくるのは呉の物語としては仕方がないと感じる一方、赤壁の戦いの成功体験が呉の戦争の謀略の多さに繋がったのかと思った。呉の戦略や老境の孫権、呉の最後など呉の物語は湿度がある。
    本書で語る7人の名臣の内、質実剛健(逆に言えば柔軟さのない)張昭と呉の後半を支えた陸抗の物語が面白かった。蜀編でも同じ事を思ったが、サイドストーリーに有名な周瑜や魯粛を出さざるを得ない当たりは、多士済々の魏と対照的。魏〜晋が三国時代を終わらせるのは必然だった。

  • 三国志名臣列伝シリーズ最終巻。地味な印象の呉だが正史ベースで見ると切れ目なくリレーの様に名臣が続いている事が分かる。周瑜、魯粛、呂蒙、陸遜がその系譜だろうが張昭のような内政の大物や甘寧の様な猛将もリスト入りしている。そして締めが陸抗というところが最終巻に相応しい。
    孫権の評価は周瑜や呂蒙に劣る様だが個人的には魯粛を高く評価したい。三国演義ではピエロの様なお人好しだがあの時代にして大局観のある大政治家。関羽相手に全く怯まない胆力も凄い。この人の構想通りになっていれば三国志の歴史は変わっていたと思う。

  • 三国志の呉における名臣の列伝短編集。

    「周瑜」
    「魯粛」
    「張昭」
    「甘寧」
    「陸遜」
    「朱然」
    「陸抗」
    の6編収録。
    ついに三国志名臣列伝も最後の巻になりました。
    本編の「三国志」と被る点はあるものの、そろそろ記憶も薄れてきていたのでありがたいです。
    まだまだ描き切れていない名臣も多いとも思いますが、著者らしく計画的に著述していたようで「陸抗」で終わることを決めていたというのも納得です。

  • 呉の名臣列伝。対象は当然周瑜がトップで、次に魯粛。そして、張昭、甘寧、陸遜、朱然、陸坑。全部で7人。長さがまちまちなのがいい。ただ当然周瑜が最長かと思えば40ページで、陸遜が42ページで、こちらの方が長い。若くして死んだからであろうか。それにしても周瑜が長生きしていれば三国志はどのように進んだのか、残念。

  • 三国のうちでも、呉は平和そうだと思っていましたが、そんなことはないと改めて知りました。私の劉備への評価が、まんま周瑜の劉備感と一致していて、それだけでも読んでよかった。

  • 呉篇。
    周瑜・魯粛・張昭・甘寧・陸遜・朱然・陸抗
    目次にある名前を眺めるだけでワクワクしてくる。
    懐かしい感を得られるところは三国志に夢中になった人の特権だろう。

    「魯粛の死は、歴史にとっても痛恨事であった。」

    魯粛が生きていたら、関羽はあんな命の落とし方をしなかったのだろうか。
    はるかに遠い昔の話に、イフを考えてしまうのも、この本の魅力だ。
    そんな読書でした。

  • 周瑜、魯粛のくだりは三国志演義のあらすじをなぞるところがあり、楽しめる。

    演義では周瑜と諸葛亮の間で苦慮しているが印象が強いが、著者は魯粛の才をかなり高く評価している。確かに一理ある。

    張昭が孫策と出会う前からその晩年のことは知らないことが多かった。孫権との晩年のやりとりはなんとも喜劇である。
    また、陸遜と孫権の晩年は呉の悲劇である。

    孫権の晩年が残念過ぎる、、、

  • 呉の名臣、周瑜、魯粛、張昭、甘寧、陸遜、朱然、陸抗の話。

    相変わらず面白い。

    著者は、戦術家としては周瑜や陸遜を評価しつつも、劉備の呉にとっての利用価値を理解できなかったという点で、戦略家・宰相としては評価していない。

    逆にそれを理解できた魯粛のことは戦略家・宰相としては評価している。

    私は、魯粛よりも周瑜や陸遜の方が好きだが、評価としては著者が正しいと思う。

    あと、個人的に張昭って結局何をやった人なのという関心を持って読んだが、読んでも結局理解できなかった(笑)。

    孫権に家燃やされそうとしたエピソードや、古い考えで周瑜や魯粛を否定したというシーンはあるが、具体的にどういった観点で呉に貢献したのかよく理解できなかった。

    孫権に諫言したという点のみが張昭の貢献なのか。
    何か特定の法律や制度を作り上げ、政治的に貢献したというような話があることを期待したのだが。

  • それぞれの項目として独立して読めるけれど、人物同士がつながっているので順番に読むのが良いかもしれない。
    周瑜の遺骸を龐統が呉へ届けたのか。
    確かに周瑜があと2〜3年生きていれば、歴史は大きく変化していたはず。
    魯粛の死は呉だけでなく、蜀にとっても痛恨事。
    呂蒙の関羽攻めは、陸遜の助言と支えがあってのものだったのか。実行は孫権と呂蒙だが、裏の連携を知るとより興味深い。
    陸遜の項目を読むだけで、彼の誠実さとそれに応じる孫権の器量がよくわかる。だからこそ、孫権の晩年の老いと、陸遜を責め抜いた執拗さの異常ぶりがなんとも残念。
    全琮を夫とした孫権の娘(魯班)の振る舞いも苛烈だけど、それにも増して晩年の孫権の行動には首を傾げざるを得ない。二宮の争いに嫌気がさして孫和を強制移住させ、孫覇を自殺に追い込み、関わった臣下も処罰する。そもそも自分がことの発端なのに、これで呉の国力が大幅にダウンしてしまった。孫権は後に陸抗に謝ってはいるけれど、取り返しのつかないことをしたなぁ。
    その後の孫峻や孫綝の時代も厳しいものがある。
    もうこの頃は名君のもとに仕える勇将や智将ではなく、暗愚に仕えざるを得ない悲哀を感じてしまう。
    孫皓の代に至っては、さらに暗澹たる状況。
    そんな中、陸抗が中央から物理的な距離を置いていたのは不幸中の幸いだった。
    陸抗は、それまでの名将を含めても五指に入るとはこのことか。
    羊祜との一戦と、その後の両者の認め合いが素晴らしい。
    徳を競うことこそ、人として最上の争いである。
    中央から離れていた陸抗の運の良さもあるけど、自分が雑兵なら陸抗に仕えたいなと感じた。

  • 三国志の一つ「呉」国の名臣列伝。
    周瑜、魯粛、張昭、甘寧、陸遜、朱然、陸抗の七名。

    呉の歴史を振り返ると、どうしても老醜を晒す孫権から逃れられないので、陰鬱になってしまう。それもあるからでしょうか、陸抗の清廉というか人格の見事さが際立ちます。呉の中でも名臣でありますが、三国志全体通しても稀に見る人物だと思います。好敵手とされる羊祜とともに、人徳が高い二人が並び立ったのは奇跡でしかないように思います。

    魯粛評が高いのが意外でした。戦略家として周瑜や呂蒙よりも優れている、という。
    中間管理職の印象が強いのが魯粛です。呉と蜀の間で右往左往している外交官という印象は、横山三国志からくるものかな。強烈なリーダーシップを発揮して、政治や戦場で活躍するということの印象が薄いからかもしれない。

    魯粛と陸抗。この二人の列伝が好ましかったです。

  • 呉は馴染みが薄いなぁ~周瑜・魯粛・張昭・甘寧・陸遜・朱然・陸抗~三国志演義も諸葛孔明の死でピークを越えちゃうからね

  • 若い時読んだ三国志が小生の人生に多大な影響を与えてくれた。そして著者の宮城谷昌光氏の作品はずっと読み続けてきた。この作品の呉篇で完結したことになるのかな。先に述べたが人の人生に多大な影響を与えるのはその時に関わった人物によると言う事そして自分の人生の成功失敗は自分自身の技量によると言う事が本書を読んでいてもよく分かる。本書は人に良き教訓を与える一冊である。ちょっと言い過ぎかな?

  • 蜀篇での呉に厳しい筆致からどうなるかと思ってたが杞憂だった。中でも陸抗が印象的。

  • 【こんなにも、すがすがしい人物たち】魯粛はなぜ劉備に親切であったか。孫権に父親をいじめ殺された陸抗は、なぜ徳をもって敵将と競ったか。三国志名臣列伝、ついに完結!

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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