ヨシモトオノ

  • 文藝春秋 (2025年5月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784163919843

作品紹介・あらすじ

ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」!

日常にふと口をあける世界の裂け目。
生と死の境界がゆらぐとき——心に小さな光を灯す物語たち。

 天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。
 木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より)

民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。
これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

日常の中に潜む少し不思議なエピソードを通じて、心に小さな光を灯す物語が展開されます。吉本ばななによる短編集は、現代版の「遠野物語」として、思わず共感を呼ぶような不思議な体験を描いています。登場人物たち...

感想・レビュー・書評

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  • 吉本ばななさん、久しぶり (・ω・)ノ*。.・°*

    本書なんか、みょーに気になったんです。
    (内容は全く知らずに)

    なので、図書館ですぐに予約しました。
    で、ようやく順番がまわって来たので、本日ピックアップをして読了。

    なるほど。
    このタイトル、意味がわからなかったんですが、そういうことか☆

    本家「遠野物語」の作者である柳田国男、生家があるのは私の故郷の隣町です。

    なので、なんとなく懐かしさも加わって読み終えました。

    (´ρ`*)コホン
    では、本書の内容を含めた感想を。

    吉本ばななの『ヨシモトオノ』を読んで感じたのは、死者や霊といった存在が、決して異界のものではなく、私たちの日常のすぐ隣に静かに佇んでいるということだった。
    13編の短編には、怪談という形式を借りながらも、恐怖や不気味さよりも、むしろ懐かしさや優しさが滲んでいる。
    ばななさんの作品らしく、死や喪失を通して人がどう生きていくか、どう記憶と共に歩むかが、静かに語られている。

    たとえば、亡くなった人が夢の中で語りかけてくる話や、山中で出会った「きつね」と名乗る少年に導かれる話など、どれも現実と幻想の境界が曖昧で、読者はその曖昧さの中に身を委ねることになる。
    そこには「怖いから遠ざける」のではなく、「怖いけれど、そこに何か大切なものがあるかもしれない」という感覚がある。
    ばななさんは、死者との再会や霊的な存在との接触を、癒しや再生の契機として描いているように思える。

    特に印象的だったのは、登場人物たちが霊的な体験を通して、自分自身の過去や家族との関係を見つめ直す場面だ。
    それは単なる怪異譚ではなく、記憶と向き合う物語であり、喪失を抱えながらも前に進もうとする人々の姿が、静かに胸を打つ。
    ばななさんの筆致は、どこまでも柔らかく、読者の心にそっと触れるようだ。

    『遠野物語』を意識したタイトルも興味深い。
    柳田国男が記録した民間伝承のように、ばななさんもまた、現代の都市や人々の暮らしの中に潜む「語り継がれるべき物語」を拾い上げている。
    それは、誰かの記憶の中にだけ存在する風景や、ふとした瞬間に感じる気配のようなもので、読む者に「自分にもこんな体験があったかもしれない」と思わせる力がある。

    この作品を読んで、死や霊というテーマが、決して異質なものではなく、むしろ人間の営みの一部であることを改めて感じた。
    ばななさんの描く怪談は、怖さよりも温もりを伝える。
    それは、死者との距離を測るのではなく、彼らの存在を受け入れ、共に生きることへの静かな肯定なのだと思う。
    『ヨシモトオノ』は、そんな優しい怪談集であり、読むたびに心の奥に灯がともるような一冊だった。

    さて、気分転換も終わったし、これからまた沖縄戦に戻ります( ̄^ ̄ゞ

    <あらすじ>
    吉本ばななの『ヨシモトオノ』(文藝春秋)は、日常のすぐ隣にある「すこしふしぎ」な世界を描いた13編の怪談短編集です。タイトルは柳田国男の『遠野物語』をもじったもので、ばなな流の現代版“遠野”として、目に見えないものとの出会いや、生と死の境界に揺れる心を繊細に綴っています。

    物語は、山で迷った主人公が「きつね」を名乗る少年に導かれる「だまされすくわれ」から始まり、携帯に届いた謎の英語メッセージ、家族旅行先で遭遇する小さなおじさん、亡くなった人からの夢の中のメッセージなど、誰の身にも起こりうるような不思議な出来事が静かに語られます。それらは決して恐怖を煽るものではなく、むしろ死者との再会や、過去との対話を通じて、読者に「生きているってそんなに悪くない」と感じさせるような温かさを持っています。

    ばななは、ホラー映画や怪談に魅了されてきた自身の感性を活かしつつ、従来の作風を保ったまま怪談という形式に挑戦。死にまつわる感情のグラデーションや、見えないものを受け取る力への気づきが、作品全体に深みを与えています。実話をもとにした話も多く、リアリティと幻想が交錯する世界は、読む者の心に静かな余韻を残します。

    『ヨシモトオノ』は、怖さよりも懐かしさや優しさが滲む怪談集。ばななの文学が、死や別れを経た先にある希望を、そっと手渡してくれるような一冊です。

    本の概要
    ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」!

    日常にふと口をあける世界の裂け目。
    生と死の境界がゆらぐとき――心に小さな光を灯す物語たち。

    天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。
    木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より)

    民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。
    これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」!

    著書について
    吉本ばなな(本名:吉本真秀子)は、1987年の『キッチン』で鮮烈なデビューを飾った小説家。以来、「生と死」「再生」「日常の中の神秘」といったテーマを繊細かつ深く描き続けています。彼女の作品は、静かな痛みと優しさが共存する世界観で、多くの読者の心を捉えてきました。

    最近では、怪談集『ヨシモトオノ』を発表し、「生きてるってそんなに悪くないって伝えたい」と語っています。この作品では、日常のすぐ隣にある不思議や死との距離感を、独自の文体で描いています。

    • 本ぶらさん
      怪談なんてもんが大好きなアホバカのせいか、ついコメントが熱くなっちゃって失礼しました(^^ゞ
      怪談なんてもんが大好きなアホバカのせいか、ついコメントが熱くなっちゃって失礼しました(^^ゞ
      2025/08/27
    • ゆっきーさん
      わたしも、なんか気になっちゃいました(o^^o)
      わたしも、なんか気になっちゃいました(o^^o)
      2025/08/29
    • ヒボさん
      ゆっきーさん、私は吉本ばななさんの作品だからって訳ではなく、このタイトルと矢澤利弘のイラストに惹かれた1人です(笑)
      ゆっきーさん、私は吉本ばななさんの作品だからって訳ではなく、このタイトルと矢澤利弘のイラストに惹かれた1人です(笑)
      2025/08/29
  • ヨシモトオノ=吉本版遠野物語という意味らしいが、ばななさんによると、現代版遠野物語というような大層なものではなくて、藤子・F・不二雄の「SF・すこしふしぎ」みたいなものらしい。

    山中で道案内してくれた男の子、友だちの空間移転引き出し、亡くなった従姉妹のノート、死んだはずの海外の元カノからのメール、ホントは死んでいるボク、自死した知り合いの女子のこと、水子からの警告、失踪した彼のお下がりベッドの夢見、夢見で許された話、現代のわらし童子、母親の死産だった兄を庭に埋めたという話、安下宿に出てくる優しい幽霊、旅の宿の天井に浮かぶ顔の思い出‥‥。

    まぁ、そうだよね。
    少し不思議な譚(はなし)なら
    多分ぼくだって持っている。
    妹はもう50代オッサンの私に
    法事のときに初めてぼくに言った
    小さい頃発達障害的な所あって
    よくふらりと居なくなった、て
    そう言えば詳しい事は忘れたけど
    そう言えば庭とか近所の道とか
    たくさん面白いものがあった
    ような気がする。

    わらし童子と仲良くしていた男も
    今回出てきたけれども
    私も右手と左手で
    ありんとこりんという異能者の
    長い長い戦いを毎晩紡いでた
    時には火星まで行き
    時には何億年も時を跨いだ
    昔のベッドの暗がりの中で

    空間移転引き出しのこと。
    ⸺その後、中学生くらいのとき、別の学校に行ったたつみちゃんにばったり会った。
    「まだ、私あのどんぐり大事に持ってるよ」
    と私は言った。彼女は悲しそうに言った。
    「ある朝、引き出しを開けたら、真っ黒い紙が入ってた。海苔みたいな。それで、おじいちゃん死んだんだな、と思ったの。そのあと親に知らせがきた。もうあのシステムがどういう仕組みだったのか一生わからない」
    いや、いずれにしても一生わからないでしょ、そのシステム。
    と思ったけれど、言わなかった。(24p)

    まぁ、そんなこと、時々あるよね。

  • 『ヨシモトオノ』とは吉本ばなな版遠野物語。
    少し不思議なお話が13編。そのうち一つは実話ということ。
    この実話が私にはズドンと残りました。
    “人が人にできることがあるとしたら、ただなんとなく明るい感じでいる、それだけ。身も蓋もないがそう思う”
    私もそうなのだけれど、吉本ばななさんも全てを説明したいタイプのようで、いつかこの世を去る時までにはそんな人に近づけたらいいなと思っているそう。私もそうありたいな、と思いました。
    全体を通して、怖いというよりはノスタルジックな雰囲気が漂っていて、いつまでも読み続けていたい、本を閉じたくないという気持ちになる。
    それは多分、物語のほとんどが仲の良い家族が背景にあるからかな、と思われます。その出来事だけをピックアップするとゾッとするようなことも、「そんなこともあるんじゃない?」と家族が普通に受け入れてくれる、そしてそれが家族の大事な思い出に繋がっていく‥‥
    そんな、なんとなく優しい気持ちになる一冊でした。

  • 『宇宙の計らいは人間の小さな頭では全く予想がつかない。予想してはいけないほど巨大なものだ。だから目に見えないものに心をちゃんと開きながら、生きていく。』

    吉本ばななのそんな宇宙観を感じられる、幽霊との不思議な短編集

    "The workings of the universe are completely beyond the grasp of our small human minds. They are so vast that we shouldn't even try to predict them. That's why we must live our lives with our hearts truly open to the unseen."

    A mysterious collection of short stories about encounters with ghosts, through which you can feel Banana Yoshimoto's perspective on the universe.

  • 世界は広い。世界はひとつだけではない。それを本書でいう「裂け目」というのだろう。感受性が強い人はきっと日常の中で普通に経験しているのだと思う。

    私は霊が視えたり、ここは前世で来たなとわかったり、そういうタイプではないけれど、どきどき言葉にできない「あっ……」となる瞬間を感じることがある。その瞬間を振り返ると、人生の分岐点になっていたり、何かから救われていたりすることがある。
    本当に受け取りが強い人は、そんな穏やかな経験だけで済むわけではないのかもしれない。それでもきっと意味があることなのだろう。

    どきどきこの本を読んで、自分がみえている世界だけが全てではないことを思い出したい。

  • 不思議が沁み入る一冊。

    ばななさんによる現代版「遠野物語」ということで興味津々。

    怖さというよりも不思議な出来事と優しさが入り混じった世界観は忘れがたい言葉と共にまるで水のように自然に身体に沁み入ってきた。
    そして最後にそっと背中に手を当てられるような温かさもきちんとあって、後半は特にそれを強く感じたかな。

    "花を見にきてる"という言葉がいい。
    ストンと心の定位置に収まってなんだか泣けてきた。
    花を咲かせたい。自分も見たい。

    彼岸と此岸のたゆたい、決して遠くはないお互いの想いの距離に心を慰められる感覚もとても良かった。

  • すっっごい良かった。
    「吉本ばなな」名義なんだ?
    元々よしもとばななさんが大好きで、その生き方や考え方にも共感してしています。
    …が、まさかの“遠野物語”
    と、思ったらすごく内容も良い!

    ただし、怖かった。よしもとさんだから、救いや人の繋がり、生きる事や、目に見えない大切な事が根本のテーマなんだけど…深い恐怖も読後に強く残り、夜1人で読んで怖くて寝られんくなった。

  • どの話も読んだ直後からすっと消えてしまうというか印象に残らなかった。本家の遠野物語はもちろん読んだことがあるけど、共通点がいまいち分からず。著者がちょっと不思議な話とあとがきに書いていたけど、まさにそれ。タイトルが合ってないのかもしれない。

  • 「すこしふしぎ」な死や霊を題材にした短編集。ばなな氏の手にかかると、怖さより優しく寄り添う気持ちになる。どの作品もどこか夢に出てきたりとかの懐かしさを感じる。狐にスカウトされた子供の話しとかわらしの話しとかクスッとさせるものが楽しかったが「唐揚げ」と「花」が切なかった。

  • 実は遠野物語を知らないのだが(;^_^A
    霊的な不思議な出来事についての短いお話を集めた短編集
    ホラーではない笑
    どちらかというと、不思議だけど心温まるお話が多いので、生と死を考えながら、生きるも死ぬも悪くないかもって思える
    優しい語り口がとても良かった(*´ω`)

  • 題名「ヨシモトオノ」は「吉本ばなな版遠野物語」ということらしい。
    しかし、「遠野物語」と絡めない方がよかったのではないか。なぜなら、この小説がつまらないと「『遠野物語』もこんな感じなのかな」と「遠野物語」を読む気をなくしてしまう可能性があるから。
    そして、この小説、見事につまらなかった。短編集だが、心に残る作品がひとつもなかった。
    昔から吉本ばななとは合わないので、厳しい評価になってしまったのかも知れないが……。
    まあ、個人的には読まなくてもよかった作品。(文章が読みやすかったので☆は2つ)

  • 気付くと私は泣いていた
    泣くわけはないと高をくくっていた
    それなのにポロポロと涙がこぼれていた

    現代版『遠野物語』と書かれた帯。
    もしかしたら、こういうことがこの世にはあるのかもしれないという
    ほんの少しだけ不思議なお話。
    13篇からなるショートストーリーは、吉本ばななさんという一人の作家、一人の人間の内から溢れる叫びなのか、信念なのか。
    決して明るいストーリーではない。
    しかし重苦しくもない。
    吉本ばななさんの紡ぐ言葉の軽やかさやユーモア、そして小さい子どもが時おり顔をのぞかせるような可愛らしさ。
    隠したかったり、気付かないふりをしていたかったり、立ち直ったふりをしていたりする私の心を、ばななさんは現実に直視させる。
    きちんと自分の心で受け止めるよう言葉を尽くしてくる。
    そのまま放置してしまって、もう捨てたいなと思っていた過去の自分や傲慢さに、もう一度目を向けてもいいんじゃないかと語りかけてくれる。

    『光』からの『みだしなみ』は、なんともいえない余韻に包まれる、まさに泣いた2作だ。
    ここに紡がれている言葉は、過去も現実も全てをありのまま受け止めてきた人の言葉だ。
    ありのままを受け止め、そして決してわかったつもりになることのない人の言葉だった。
    主人公のつらさに共感するのでも、感動するのともまた違う、まさに「震わされた」と言うのがしっくりくる、そんな涙だった。
    琴線に触れるというのはこういうことなのかと、驚きと感心とが入り混じるような感情を抱え、次々にページをめくっていく。
    生と死。世界の裂け目。
    自分の見ているものが揺らぐ時。
    誰もが意識しないうちに感じているかもしれないこれらの気配に、小さな光を見つけ出すことのできる、そんな物語。

    • もっちさん
      むぎみゆさん、こんにちは!
      ばななさんの本って、気づくと涙があふれてしまうことがあります。今回の作品も、早く読みたくてウズウズしています。む...
      むぎみゆさん、こんにちは!
      ばななさんの本って、気づくと涙があふれてしまうことがあります。今回の作品も、早く読みたくてウズウズしています。むぎみゆさんの感想を読んで、ますます楽しみになりました!ありがとうございます!
      2025/06/14
  • 最後のばななさんのあとがきでふっと笑うところまですべてが大好きです。

    世の中は不公平だらけで安心できないけどばななさんがいてくれるだけでちょっと立ち止まって考えたり出来るようなそんな本だと思います。

    最初の頃からばななさんの書くことは少しだけ不思議で哀しくてでも光だったなぁと思い出したりするようなそんなおはなしでした。

    あ、確かに怖くなかったです。

    実話怪談にどっぷりはまっているワタシにはぜーんぜん怖くなかったですけど、でもそれでも不思議さってちょっとズレたりすると怖さに通じるなって考えたりしてました。

    ここまで書いたら急にバックスペースが勝手に動いて書いてたことがずぉーって消えた!

    これはもしや怪異??

    好きだったのはいちばん最後のはなしです、って書こうとしてた。

    これはちょっとヤバいはなしなのかもしれません。

    小さいおじさんのはなしはホンモノなのかも。

    少し不思議、そして少し怪異なものがたり。

  • 吉本ばなな版遠野物語。
    霊とか、妖怪が出てくるお話でした。
    怖くはなく、むしろ物悲しいお話が多かったです。
    生きている人と死んだ人双方への優しさに溢れた話だったと思います。

  • 怖い話が苦手だが、たまたま遠野物語を少し読むことがあり、えっ❗️ばななさんの遠野物語それは読みたいと思った 遠いむかしに人が当たり前のように見えていたものが、段々見えなく感じなくなってきているだけで 科学では証明できない事があるんだと思う 

  • カテゴリーはホラーにしたが、決めつけるのはもったいない。

    どこにでも身近にある気がつかない様な不思議なおはなし短編集。『遠野物語』

    「あらゆるところに僕たち家族がしみこんでいるあの家の魂よ。」「ふとんが友だちじゃない夜」
    吉本ばななさんのこう言う表現が好きだ。

  • 吉本ばなな『ヨシモトオノ』
    2025年 文藝春秋

    吉本ばななによる現代版「遠野物語」。
    日常にふと口をあける世界の裂け目。生と死の境界がゆらぐとき-心に小さな光を灯す物語たち。
    とても吉本ばななさんらしい空気と世界だったな。
    自分も小さいときに夜ベッドで寝ていて、たまに悪魔の声が聞こえたことを覚えています。全然怖い悪魔じゃなかったけど。今思えば不思議だけど、「ここで逆立ちをしなさい」とか「息を1分止めなさい」とかそんな声が聞こえて(聞こえた気がして)。当時はそれが怖くてドキドキして眠られなかったけど。それもいつもなにか聞こえなくなっちゃったな。
    本作を読みながら、そんな忘れかけていた遠い日の思い出がよみがえってきました。
    これもまたその当時の世界に誘ってくれた不思議な体験なのかもしれないですね。

    #吉本ばなな
    #ヨシモトオノ
    #文藝春秋
    #読了

  • ちょっぴり感想が難しいのだけど…
    自分なりの見解は、要はあの時奇妙だった出来事はもしかしたら化け物の仕業かもしれないし、そうじゃないかもしれない。
    人生において、不思議だったこと、怖かったこと、奇妙だったことって1人3回はない?いやもっとか。

    その出来事を掘り返してる感じ、
    めちゃくちゃこわい!ってほどでもないけど
    これってなんか奇妙で不気味だよねーみたいな
    ストーリーがたくさん詰まってる感じ。

    でも、ぎりぎり吉本ばななさんの文才なのか
    やわらかく、こわくない。
    不思議どまりの本って感じです。

  • 自分にもこんなこと起きるかもといった、ちょっと不思議なお話。
    見えないものも存在してそうだなぁ。

  • ●読前#ヨシモトオノ
    吉本ばななさん、もちろん名前は知っているし何冊か読んだはず。しかし、新作は絶対読みたい作家さんにはなっていないので相性はあまりよくはないのであろう。『遠野物語』読んだ覚えはないが、絡んでいるとなると岩手生まれの僕なので読んでみたくなる
    https://amzn.to/4jlljHY

    ●読後#ヨシモトオノ
    基本的に現実感乏しい小説は好みでない。中には不思議な話であっても、相性のよい筆致だったりすると楽しめる。本作は、不思議な話、やっぱり筆致は相性よいとは思えない、ということで、引き込まれることもなく楽しめなかった
    https://mnkt.jp/blogm/b250523a/

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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