薫香のカナピウム

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 213
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163942063

感想・レビュー・書評

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  • 先の作品では妖怪ものという新境地に挑んでいたが、やはり
    作者は近未来もののハードSFでありながら人を描く作部うに安定感がある。魚舟の一連の作品ほどの重みと深みはないし、若干、使い古されたテーマではあるし、巨人というとどうしてもガメニアンを想像してしまうし、その巨人も巨人とう名を冠するほど超越していないのが残念だが、融化子という概念は魚舟にも通じるものがある。

  • オーシャンクロニクルをぎゅっと圧縮した感じ、ですがあちらより読みやすい。途中からの展開が物足りない気もしますが…。
    姫路在住ということで応援したい作家さんです。

  • 近未来の地球。
    熱帯雨林の樹上、林冠と呼ばれる樹木の生い茂った場所で、果実を採り、スコールのシャワーを浴びて生きている定住者である少女たちと、そこへやってくる「巡りの者」と呼ばれる仮面をつけた人物たち。
    不思議で魅惑的な世界を舞台に物語は広がり、やがてその生活の裏側に隠された秘密が明らかになってくる。
    明かされる謎はそれほど新鮮味に満ちたものではなかったけれど、描かれる森や人物の描写が美しく、上質のSFファンタジーを読んだ気持ちになった。

  • 至高のSFファンタジー★

  • 一貫しているテーマ。
    わたしたちは、この世界は、どこへ行きつくのだろう。

  • 最初、ファンタジーっぽいとこきたなーと思っていたら、がっつりバイオSFでした。
    うん、ものごっつ上田さんだった。
    命の可変性とか、自然との共存とか、そういう。

    気になるのは、この世界の『少女』って、私が使う「少女」と同じなんだろうか。
    なんか、意図的にすり替えられてたりしそう。

  • 樹上で生活する人類。
    自分たちの住む世界の外側にも世界があって。

    壮大なプロジェクトの中の一部だった自分たちの将来を掴み取るために進む主人公たち。

    後半は、誰が正しくて、誰が真実を隠しているのか、二転三転させられました。

  • ネタ的にはありがちなのかもしれないけれど、世界の捉え方、特に前半の何気ない描写にSFの香りが漂っているところが好き。

  • 【日本SF大賞受賞の実力派が紡ぐ、至高のファンタジー】生命の坩堝たる熱帯雨林、その林冠部で少女たちは生きる。海洋SF『華竜の宮』で脚光を浴びた著者が、未来を見つめて描く森の物語。

  • 2015/7/24
    融化子ってなんだ?
    あるいみ獣舟のなれの先?
    天守の妖怪たち?
    なんの説明もなく突き放されている感じ。
    続くのかな?

    2015/2/11
    この道があるから、私は歩いているのか。
    それとも私が歩くから、ここが道になるのか。
    わからないけど、私が今歩いていることだけは真実。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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