薫香のカナピウム

著者 :
  • 文藝春秋
3.44
  • (6)
  • (31)
  • (33)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 213
感想 : 34
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163942063

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 超SF!
    序盤、丁寧に読み込みすぎて堪能していたけれどあまりにも壮大過ぎて追いつくのが大変。
    香るような森の中の超然とした生物、人類たちが実は『巨人』の掌で踊らされていた…

    遠い将来、地球規模でそういった大変動が起こるのでしょうか。

  • 主人公・愛瑠の成長を描いた青春小説。
    ある程度遠い未来。舞台は地球の森。
    序盤はファンタジー。中盤からSF。
    特に難しい要素もなく、ストーリーも分かりやすい。
    とにかく世界観が好きなので、とても楽しめました。

  • 南国で暮らすことへの憧れは常にあるんだけど、やっぱ虫が!蚊とか!なんか得体のしれない痒くなったり痛くなったりするあいつらときたら!あれがなければあんなに楽し気なとこはないのになぁ。
    そんな虫どもの脅威を全て取り払った素晴らしい世界を作ってくれたら、と思うのに、いざ作ってもらったら、こんな世界は偽りの世界だ!とか生きている気がしないんだとか、まぁ言っちゃうんだよね、これが。ホント、この人間の面倒くさい感が、また。そんな展開にはやや飽き飽きなものの、なんか展開されている暮らしが妙に良いなー、と、想像してて楽し気だった。
    てか蚊はホント絶滅したって良いじゃんよ。

  • 未来の地球を舞台に、森の中で樹上生活している人類が主人公のSF。メカ的なものはほとんど登場しない。ちょっとナウシカっぽい印象。「香路」とか「巡りを合わせる」みたいな、知っているようで知らない言葉の使い方が上手いなあといつも思います。設定が複雑すぎず読みやすかった。

  • 森に生きる少女たちのお話。
    分からないことがたくさんあって知りたくて、一気読みしました。
    森に生きる人々、宇宙に生きる人々、その他の地球に生きていく人々。
    自分だったらどれを選択するんだろう?
    色々知りたくて読んだけど、最終的には知らない方が良かったのかもしれない。そんな風に思える本には初めて出会いました。

  • 今までとはちょっと毛色の変わった、未来の地球が舞台の少女成長物語。適度に残された謎からも、続きがありそうな予感。

  • 3.7。面白いが、もっと盛り上がりが欲しかったかな〜。掘り下げでもいい。折角の魅力溢れる設定なのに、筋自体も悪くないのに、物足りない。あとエロシーンではない交尾の説明が欲しかった。そのようになった理由もいまひとつよく分からないから。

  • 2015/7 匂いがする小説。アバターと新世界よりを足したような本。華竜の宮のライト版という感じでしょうか。こういう小説好き。

  • 「華竜の宮」の上田早夕里が、舞台を海から森に変えて描くSFファンタジー、少女成長の物語。

    密度の濃い森の描写、部族間のかけひき、文明を象徴する巨人との関わり、生殖と恋愛…、そんな世界を背景に、主人公の成長する姿が健気で可愛らしくてよい。もっとじっくり読みたかっただけに、森の危機以降の後半が駆け足なのは勿体ない。(☆一つマイナス)

    文明社会において、清潔であることはとても大切な事の一つだと分かっている。自分や環境を身ぎれいにしておくことは、健康面としては勿論、精神的にも健全であるためには大切な事。

    ただ、清潔と潔癖は別物なんじゃないかなと思う。人が握ったおにぎりが食えないとか、裏箸は手が握る側だからかえって不潔とか、電車内の食べ物の匂いが迷惑とか…

    主人公が「匂いのない人工林」にストレスを感じ、森に帰ってその濃密な匂いに囲まれて癒されるワンシーンがある。苔に覆われ、カタツムリや蛾や毒虫がたくさん住みついた旧居を掃除し、虫よけの香を炊きしめるその場面で主人公は清流の水を呑んだような安心感を味わう。

    その部分凄く分かる。最近の潔癖至上主義の社会風潮が「匂いのない人工林」と思えて仕方なかった。濃密な自然の香り、そりゃまぁ臭い時もあるけど、無味無臭に疲れる時だってあるもんやねんって

  • 商品説明には「日本SF大賞受賞の実力派が未来を優しく見つめ描いた至高のファンタジー。 」とあるけれど、SFファンタジーだと思う。なにをSFとするのかによるけれども。

    オーシャンクロニクルシリーズは海が舞台で、今回は森が舞台。直接つながりはないけれど、同じ雰囲気が漂っている感じ。本書は、自由とは何か、人とは何か、人はどこへ行くのかとかそちらが重点なのかな?

    こちらも続刊がでてシリーズ化するといいんですけどどうかな。

著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上田早夕里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
上田 早夕里
高野 和明
米澤 穂信
上田 早夕里
辻村 深月
湊 かなえ
万城目 学
三浦 しをん
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×