夜明けのすべて

著者 :
  • 水鈴社
4.12
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感想 : 1077
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784164010013

作品紹介・あらすじ

知ってる?
夜明けの直前が、一番暗いって。

「今の自分にできることなど何もないと思っていたけど、可能なことが一つある」
職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。
山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。
互いに友情も恋も感じていないけれど、おせっかいな者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになるーー。

人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。
生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。
本屋大賞受賞後第一作。水鈴社創立初の単行本、渾身の書き下ろし。


『夜明けのすべて』刊行にあたって

いつもは楽しい楽しいと小説を書いていた私が、立ち止まってはゆっくり書きました。
 そのぶんいつまでも登場人物を見守っていたくなるかわいい作品になりました。
 人生は想像より厳しくて、暗闇はそこら中に転がっていて、するりと舞い込んできたりします。でも、夜明けの向こうにある光を引っ張ってきてくれるものも、そこら中にきっとあるはずだと思いたいです。
 いつも本が完成して思うことは、「楽しく読んでもらえることが一番だ」です。その思いは今回も変わりませんが、『夜明けのすべて』を読んでくださった方が、ほっとできる一瞬を味わってくださるのなら、明日を待ち遠しいと思っていただけるなら、幸いです。

瀬尾まいこ

【著者プロフィール】
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。他の作品に『図書館の神様』『強運の持ち主』『優しい音楽』『あと少し、もう少し』『傑作はまだ』など多数。

感想・レビュー・書評

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  • 中心人物である藤沢美沙と山添孝俊の背景とやりとりに引き込まれながら読み進めていった。作者、瀬尾まいこさんの丁寧な人物描写によって、読者でありながら藤沢と山添のことを心配し、その場にいたらどうするだろうかと考えるまでになっていた。そのような中、2人とその周りにいる人とのユーモアのある温かい会話や関わりを微笑ましく感じていた。タイトルへと繋がる、読後の爽快感を味わえる作品であった。

    舞台は、2人の職場である少人数の会社、栗田金属。そこに藤沢と山添は、わけあって転職して勤めている。2人とも前の会社をやむをえず退職していた。その原因となったのは、2人が抱えているそれぞれの心身が抱える症状だった。藤沢はPMSで、山添はパニック障害。私の身近にはない心身の症状だったため、想像が難しいと感じたが、そこは瀬尾さんの繊細な描写で細かく伝わってきた。どちらの症状とも突然に発作が起こる苦しさがあった。それは、症状自体の苦しさはもちろんのこと、周囲の人に理解してもらえない苦しさが大きなものとなっていると感じた。そもそも、なかなか馴染みのない症状なのではないだろうか。だからこそ、当事者にとっては苦しいだろう。そんな症状を抱えてしまったら、その苦しさを想像する。だからと言って、その症状を周囲の人に説明することに躊躇うことも想像できる。それが、前の会社を辞した理由になっていた。

    こういった馴染みのない症状は、なかなか理解することは難しいだろうな。PMSやパニック障害と聞いてもピンとこなければ、どんな状況になるか想定できないし、よってどう対応したらよいかわからないだろう。

    そのような症状を抱えながら、栗田金属での仕事や日常生活を楽しむことで、藤沢と山添は次第にたくましくなっていったし、明るく前向きな姿になっていった。仕事では新たな企画を提案し、実行に移していくまでに至った。それは、2人が互いの症状を理解し、そのことを踏まえて、互いに互いのためにできることを実行して向き合ったからなのだろう。また、栗田金属の社長をはじめとするメンバーの理解と関わりが、ここで仕事をしていいのだという安心感を育んでいったのだろう。

    まだまだ私の知らない心身の症状はあり、それを抱えて生活している人もいるだろう。その症状を理解し、その上で互いに心地よい関係がつくれたらいいな、簡単ではないだろうけれど。そんな思いが膨らむ温かい作品であった。

    瀬尾まいこさんの作品では、3冊目の作品を読了した。作品全体を包み込む温かさと柔らかさを感じながら、また次の瀬尾さんの作品が楽しみとなった。

  • ◇◆━━━━━━━━━━━━
    1.感想 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    途中で大爆笑してしまうところがあって、電車の中でなくて良かったです。結構、笑いを溜め込んでるので、ツボが浅い人は要注意です(^^)
    そうですね、みなさんの感想にあるようにあったかいですね、私はこういう作品好きです。
    ちょっとカーブのキュンも入ってますね。

    なんだろう… ここ最近読む本が生活にリンクする流れがきている気がします。
    今作品では主人公藤沢さんはPMSを患っていて、いろいろ問題が出ているところから始まります。そのあと、同じ会社の山添もパニック障害であることがわかりますが、私も今の会社のメンバーに悩んでいて、全員何かしらの障害を抱えていると思えるぐらい、普通のコミュニケーションがとれないんですよね。長期休みになってしまって人もいて、私自身、責任を感じているところでした。
    まぁ、いろいろと相手の立場にたって寄り添っていたんですが、そこまで部下に寄り添っていかないといけないなかと、、、いい加減ばからしくなっていたところでした。

    が、しかし、やはり、いろいろな視点をもって、そういう人たちと向き合っていかないといけないと、教えてくれる作品でした。
    自身の中にある常識にとらわれずに、相手を見ていかなければいけないと。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    2.あらすじ 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    同じ職場で働く藤沢と山添が交互にメインとなってお話が展開していきます。
    それぞれが障害を抱えている2人が、微妙な距離感を保ったまま、お互いに目を向けて、相手のことを考えるようになっていきます。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    3.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    藤沢美紗 28歳、事務、PMS
    山添孝俊 中途入社したばかり、25歳、パニック障害

    (栗田金属) 社員6名
    栗田 社長、68歳
    住川 事務、女性
    平西
    鈴木 黙々と作業

    (その他)
    千尋 山添元彼女
    亜美 美紗友達、ヨガ友
    真奈美 美紗友達、前のバイト先


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    4.備忘録
    ━━━━━━━━━━━━◆
    ■月経前症候群 
    PMS(Premenstrual syndrome)
    ・月経前、3〜10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの

    ■パニック障害
    ・突然前触れもなく、動悸、息苦しさ、めまいなどの症状が出現するパニック発作を繰り返し、そのため「またあの発作が起きたらどうしよう」と過度に心配になって、外出などが制限される。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    5.心に響いた言葉
    ━━━━━━━━━━━━◆
    自分のできることをほんの少しでも、何かの役にたててみたい。自分の中にある考えを、何らかの形で表に出してみたい。そういう思いを、仕事は満たしてくれる。


    • Manideさん
      かなさん、こんばんは〜

      かなさんのように反応していただけると嬉しいですね(^^)

      なおなおさん、私も誕生日お祝いアイコンつくりますね。「...
      かなさん、こんばんは〜

      かなさんのように反応していただけると嬉しいですね(^^)

      なおなおさん、私も誕生日お祝いアイコンつくりますね。「初恋の日」でもあるらしいですよ。
      2023/10/04
    • なおなおさん
      こんばんは。
      かなさんの反応が嬉しいですね。
      「恋の日」?(♡ˊ艸ˋ)ムフフ♡
      早くも753の“変身”に悩んでおります。アイテムが見つからな...
      こんばんは。
      かなさんの反応が嬉しいですね。
      「恋の日」?(♡ˊ艸ˋ)ムフフ♡
      早くも753の“変身”に悩んでおります。アイテムが見つからないです…。
      2023/10/04
    • aoi-soraさん
      こんばんは♪
      同じく753の変身アイテム難しいですね~www

      初恋の日?
      こそばゆい(⁠灬⁠º⁠‿⁠º⁠灬⁠)⁠♡
      こんばんは♪
      同じく753の変身アイテム難しいですね~www

      初恋の日?
      こそばゆい(⁠灬⁠º⁠‿⁠º⁠灬⁠)⁠♡
      2023/10/04
  • この本好きだなあ

    って読後に思って感想を書こうとしたら。
    同じことを思った、
    『そして、バトンは渡された』
    と同じ作者さんだった。

    本屋大賞受賞後第一作。

    月経前症候群の女性と、パニック障害の男性のやり取りの物語

    どちらかというと、空気を読んだり人に気を遣いすぎたり、な2人なんだと思うけど。
    その割に、女性の方はその男性をどちらかというと雑な親切さとおせっかいとで扱う。
    男性も、他の人にはしないだろう雑な言動。

    そこが可笑しくて好き

    お年頃の異性の2人だけど、恋人にも友達にもならない。
    でも、お互い、好きにはなれる相手

    楽に呼吸できる、思いのままに振る舞える

    そんな関係性っていいね

    自分の為には頑張れなくても、大切な人の為なら頑張れたりする

    この2人の関係をみていると、お母さんと息子みたい、って思った

    合わなくて、合って
    優しくて雑で

    迫る夕日に焦るんじゃなくて、明日は何をしようかな、って

    生きてると色々辛いこととかもあると思うけど、自分の子どもたちがそんな風に思ってくれると良いな

    眠るのが怖いって泣いてた赤ちゃんが、笑いながら眠ってくれるみたいに

    そして圧倒的に表紙がすき、可愛い
    (図書本)

  • 読みやすい文章で、悩みの先に小さな希望が見出せるような作品でした。
    藤沢と山添の絶妙なやりとりが面白くて、思わず笑ってしまいました。
    2人は「PMS」と「パニック障害」を患いながらもお互いを理解しようとし、労わっている姿が良かったです。
    「仕事があることで、生活にリズムができる」という考えは共感できました。

  • 瀬尾まいこさんの作品は
    あったかくて優しい登場人達が多いですし
    いつも読んでいてホッとできます。
    この作品もそうでした!

    内容的には
    精神的な病を抱える二人の物語でしたので
    この本を読んだことで
    その辛さやしんどさについては
    大変なんだな…と
    はじめて、わかるようなこともありました。
    同じ病気であっても、個人差もあるでしょうし、
    本人の辛さは本人以外には
    わかりにくくてそれも辛いと思うのですが
    この作品を読んで、少しだけでしょうけれど
    そのようなことを、知ることができました。

    PMS(月経前症候群)で自分の感情がコントロールできずにイライラが爆発してしまう女性主人公と
    突如としてパニック障害を患ってしまっていた
    男性主人公の二人。
    この二人がそれぞれ転職した先の栗田金属という会社で出会い、仕事などの交流を重ねていく中で
    二人共に快方に向かっていく様な明るいストーリー。
    栗田金属の会社の人達も良い人ばかりなのと、
    何より二人の関係性がとても微笑ましく素敵でした。

    私自身としては…
    いろいろ悩みがちなタイプなので
    胃腸にきたり頭痛がしてきたり…
    するようなタイプなのですが、
    でもそれくらいで、なんとか
    これまで過ごしてこれて良かったですね…

    今現在は、
    私自身ではなくて身近に…、
    身体の不調に悩まされている人がいるのです。
    (まだ軽い症状かなと思うのですが心配です…)

    話をしてきたときに、私は悩みごとを聞いてあげる
    ことくらいしか、できないです…。
    ただ聞くことだけでも、なんとか少しでも
    気持ちが軽くなれたら良いかなと、
    これ以上悪くならなければいいなと、そして
    はやくなんとか良くなってほしいな…と
    すごく願っています…。


    この作品は、読んでみたら
    思ったより明るい気持ちになれる本でした…。
    表紙も、読み終わって眺めてみても
    砂時計のイラストがとっても可愛らしくて
    ホッコリできました。
    良かった!

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさ〜ん、こんばんは!

      そうですよね、かなさんにも、そう言っていただけて…ありがたいです。

      この作品、瀬尾まいこさんの優しい眼差しが感...
      かなさ〜ん、こんばんは!

      そうですよね、かなさんにも、そう言っていただけて…ありがたいです。

      この作品、瀬尾まいこさんの優しい眼差しが感じられて凄く良かったんですよ!
      かなさんにも、いつでもいいので…
      お薦めしたいですね…♡
      2024/02/14
    • Manideさん
      チーニャさん、こんばんは〜

      いろいろ悩みを聞いていると、引っ張られてしまいますから、距離感大切だと思います。
      当然、話を聞いてあげて、良い...
      チーニャさん、こんばんは〜

      いろいろ悩みを聞いていると、引っ張られてしまいますから、距離感大切だと思います。
      当然、話を聞いてあげて、良い方向に導くのは素晴らしいと思いますが、ほんと、気をつけてくださいね。

      みんな、楽しく生きていければいいんですけどね、なかなか厳しいですよね。
      チーニャさんまで、体調崩すことのないようにしてくださいね。
      2024/02/15
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      Manideさん、おはようございます!

      そうなんですよね。
      彼女の気持ちを聞けば聞くほど
      、元気になってもらいたいと思えば思うほど…なんで...
      Manideさん、おはようございます!

      そうなんですよね。
      彼女の気持ちを聞けば聞くほど
      、元気になってもらいたいと思えば思うほど…なんですよね。

      …辛い気持ちを少し吐き出せてそれで楽になったとも言ってもらってますから…。
      わかりました(*^^*)
      ありがとうございます m(_ _)m
      2024/02/16
  • 瀬尾作品2作目。
    映画化されると言うことで、平積みになっていたので、読んでみた。
    身体的な悩みで、社会に適合出来ずに生きづらさを感じている男女2人の物語。
    PMSが酷く、整理直前になるとイライラが抑えられない藤沢とパニック障害で電車に乗ることもままならない山添が、栗田金属と言う小さな会社で出会い、最初は険悪な雰囲気ながらも、徐々に距離を縮め、お互いが一番の理解者になっていく様子が丁寧に描かれている。
    特に恋愛小説と言う訳でもなく、ただただ自分でさえ受け入れ難い自分を受け入れてくれる人が近くにいると言う小さな幸せが伝わってくる作品だった。
    最初に読んだ「そしてバトンは渡された」では号泣したが、この作品は読み終わった後にあったかい何かを残してくれる。

  • PMSの藤沢さんとパニック障害の山添くんがお互いを思いやりながら前に進んでいく話。
    自分も同じ症状が出たらどんなに苦しいだろうと思いながら、二人には何とか諦めずに生きて欲しいと思いながら読みました。

    藤沢さんが盲腸で入院した時、山添くんがお見舞いに駆けつけたい一心で思わず苦手な電車に飛び乗ってしまった。

    案の定、パニックを起こして一駅で降りることになったのだが、ここから「さあ、どうやって病院に行こうか」と少し愉快な気持ちになって検討し始めた。

    少しづついい方向に転がっていく山添くんを思わず応援して嬉しくなった。

  • 瀬尾まいこさんが書く物語は、嫌な人が出て来ないから安心して読める。こんなにも嫌な人っていないものなのだろうか。不思議だ。

    一人はPMS、一人はパニック障害を抱え、社会生活がうまくいかない二人の話。
    こんなにも他人にお節介を焼かれたら、「放っといてくれ!」とキレそうだけれど、この二人はお互い悩みを抱えている当事者同士だからだろうか…素直に聞き入れる様子がいじらしい。
    大丈夫だろうかと心配するのと見守りたい気持ちで溢れた。
    また上司の言葉が温かくて良い。「(病気を)公表して楽になる人もいれば、誰にも気づかれずにいる方が楽な人もいる」。黙って察する思いやりを感じた。

    この二人とは状況や症状は違うが、私自身も色々と経験があり、二人に共感できた。読後は爽やかで良かったと思う反面、過去のことを色々と思い出して考えてしまった。
    特にはっと思い出し、改めて共感できたことは、「忘れていたことを思い出した」というところ。
    (病気になる前の)これまでの自分は、こんなことが好きだった、得意だった、夢中になっていたなーと思い出せるのは良い兆しだと思う。
    私の場合、好きだった食べ物・音楽・番組・タレント・本・漫画・服、趣味、よく出かけた場所、電話やメールをよくしていた相手など…
    曇り空に少しずつ光が射し晴れていく感じ、暗いトンネルを抜ける感じというのかな…そういう明るく開けて行く感じがキタ!
    ("夜明け"って分かる気がする)

    今日はこれができた、こんなことをやった、とかは考えない方が良い。明日できないかもしれないから。本当に一進一退。人それぞれ。
    益田ミリ著"すーちゃん"の言葉「新しいあたしを増やしていく」が好きで思い出す。病気になったことも含め、自分を更新していけばいいのかな。そしたら強くもなれる。

    完全に治らないかもしれない。時間がかかるかもしれない。この二人を見守りたい気持ちでいっぱいだ。

  • 先日読んだ『すみれ荘ファミリア』もPMSの女性が出てきました。『キネマトグラフィカ』は主人公が更年期障害でした。
    私は彼女達と同じ女性ですが、PMSの辛さは全く分からずに過ごしてきました。しかし!更年期の辛さは分かる!あーこれかー、これが噂に聞いていた更年期かー、と。私はおそらく、ものすごく辛い人ではないのだとは思います。それでもこんなに毎日がドヨーンとしてしまうのに、症状の重い人はさぞかし辛いだろうと。そして、更年期はいずれは終わるだろうけどPMSは何年間苦しめばいいのか?想像しただけでも気が遠くなります。パニック障害も同じですよね。更年期のように、時が経てば自然に終わると分かっていれば今だけの我慢、と頑張れるけれど、いつまで続くか分からないものに付き合って生きていくのはしんどいと思います。
    それに、更年期の方は同じお年頃の友だちと会えば包み隠さず面白おかしく話し合えて“あー良かった。私だけじゃないんだ“って思えるんですよね。
    でも、PMSもパニック障害もなかなか人には言えないですよね。それがとてもしんどいですよね。
    “私だけじゃない“って思えるだけでどれどけ気が楽になるか。
    『すみれ荘ファミリア』のPMSの症状を読んでこんなに苦しんでいる女性がいるのか、と初めて知り『夜明けのすべて』も読んでみました。
    こちらは瀬尾マジックで明るく笑えるお話になっていたけれど、PMSの美紗やパニック障害の山添君のように周りに理解されずにただただ怒りっぽい人だとか、やる気のなさそうな人と決めつけられて苦しんでいる人がいるんだろうな、と勉強になりました。

    なんだか、今回は自分のことを赤裸々に語ってしまいましたが、同じお年頃の女性の皆さん!頑張ってやっていきましょう!

    • アールグレイさん
      こっとんさん、こんにちは♪

      更年期、いったい何でと思ってしまいます。
      ドヨーンとした感じは敵デスね。
      読書に頼っていることが良くあります。...
      こっとんさん、こんにちは♪

      更年期、いったい何でと思ってしまいます。
      ドヨーンとした感じは敵デスね。
      読書に頼っていることが良くあります。
      今、少しずつ良くなっているかと・・・・
      (´_ゝ`)
      2022/01/15
    • こっとんさん
      ゆうママさん、こんにちは。
      お!
      お仲間発見!
      勝手に仲間意識を持って嬉しくなってしまう私です 笑
      私も読書に頼ってますよ〜
      それにドヨーン...
      ゆうママさん、こんにちは。
      お!
      お仲間発見!
      勝手に仲間意識を持って嬉しくなってしまう私です 笑
      私も読書に頼ってますよ〜
      それにドヨーンに打ち勝つために楽しいことを見つけるのがうまくなったような気もしています。
      お互い頑張りましょう!
      2022/01/15
  • PMSとパニック障害を抱える二人。
    藤沢さんと山添君が、病と向き合う姿に惹かれていったのは、共感する部分が大きかったからかもしれない。おそらく誰も自分だけしかわからない身体の不調はあるのではないだろうか。
    恋人でも友達でもない、栗田金属という会社の同僚。この距離感が自分を楽にさせてくれた。相手のために一生懸命になれるって勇気がいるし素敵だと思う。
    人からは理解されにくい持病の辛さを知っている二人だから引き寄せあう。髪を切る場面の、ありがたいお節介にほっこりする。やはり笑顔は良いですね。
    この障害が無ければ違う道が開けたかもしれない、と、タラレバを言っても仕方がないのだ。でも時には、心にあることは何でも話したほうがいいと思うのです。
    出来ることに意識を傾け、折り合いをつけていくしかない。自分の身体なのだから。
    自分だけが抱える不調、治るのだろうかと、先が見えなくて不安で闇の中にいるような、その辺りの心理描写に読み入りました。ストーリー的なヤマというより、優しい文章の中からも、救いはそこら中にあるという著者の思いが溢れていると思いました。
    何も起こらないような毎日を繰り返していても、いつだって時は進んでいる。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

瀬尾まいこの作品

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