はじめての

  • 水鈴社 (2022年2月16日発売)
3.64
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784164010044

作品紹介・あらすじ

「はじめて」は、いつも痛くて、少し優しい。
日本エンターテインメントの最前線&最高峰!

日本を代表する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にするユニット”YOASOBIが奇跡のコラボレーション!

小説のテーマは、「はじめて〇〇したときに読む物語」。
これらの小説を原作としたYOASOBIの楽曲が、2022年中に順次配信リリースされます。

「『私だけの所有者』ーーはじめて人を好きになったときに読む物語」(島本理生)
「『ユーレイ』ーーはじめて家出したときに読む物語」(辻村深月) 
「『色違いのトランプ』ーーはじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき)
「『ヒカリノタネ』ーーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都)

※文字をやや大きくし、漢字にはルビを多めにふっています。
それぞれの作家のファンはもちろん、全ての世代の方々に楽しんで頂ける、「はじめての」読書にもお勧めしたい小説集になりました。

■YOASOBIからのメッセージ

4作品全て本当に面白くて、読み終えた時、全作品、計4回「めちゃくちゃ面白かった!」と声に出し、原稿の前で拍手をしました。「はじめての」という一つのテーマから生まれた4つの色とりどりな物語が、それぞれ違うゴールへと向かう様に心が震えました。
(YOASOBI composer Ayase)

はじめて読んだ物語なのに、私の奥底に眠っている記憶が呼び起こされるような体験でした。 4つの物語、4つの世界と出会って生まれたこの感動を、まっすぐに歌に乗せられたらと思います。
(YOASOBI vocal ikura)

■作家からのメッセージ

初めての挑戦をたくさん詰め込んだら、むしろ自分の原点とも言うべき、好きな人との物語になりました。恋よりも強い絆で結ばれた「私だけの所有者」にこの短編で出会ってください。
(島本理生)

人は誰でも、その出会いの前と後で人生が変わってしまうような一生モノの出会いの経験があると思います。その一夜を通じて、前の自分にはもう戻れなくなるような、そんなはじめての家出を書きました。この小説もまた、読む前と読んだ後で誰かの何かが変わると信じて、送り出します。
(辻村深月)

いつも物語をつくる時は、そのイメージに合った音楽を探すようにしています。ぴったりな音楽が見つかれば、その音楽が私を正しい方向に導いてくれるからです。今回はまず物語が先にあり、そこから音楽が誕生するという企画で、私にはまったく新しい経験に、胸が高鳴っています。
(宮部みゆき)

「はじめての」というお題をいただき、私もはじめての設定にトライしてみました。時空を超える片思い――この物語が、読者の皆さんの過去に灯る大事な瞬間とつながってくれますように。
(森 絵都)

感想・レビュー・書評

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  • たった4人の、でも当代随一の人気女流作家のアンソロジー。文字は大きく行間もあるので、「はじめて」アンソロジーを読む人にもとっつきやすいと思う。

    はじめて人を好きになったときに読む物語
    島本理生「私だけの所有者」
    はじめて家出したときに読む物語
    辻村深月「ユーレイ」
    はじめて容疑者になったときに読む物語
    宮部みゆき「色違いのトランプ」
    はじめて告白したときに読む物語
    森絵都「ヒカリノタネ」

    おそらく4篇とも新作、つまり「はじめての」お披露目。
    島本理生さんと森絵都さんは初めて読む作家さん。だけでなく、
    みんなやさしい内容で、且つ
    やさしい気持ちになれる物語ばかりでした。

    「私だけの所有者」
    行間を読むことでホントのテーマがわかります。

    「ユーレイ」は、岡山県でいま家出中の中学生のことを思って、少し泣いた。

    「色違いのトランプ」
    まさかの近未来、まさかの容疑者像、さすがの世界観。

    「ヒカリノタネ」
    16歳の女子高生にとって、タイムトラベルも都市伝説も現実なんです。羨ましい。
    ※他のレビュー読み、みんなこれをSF・ファンタジーととらえている事にビックリ!

    おじさんは、タネアカシなんて野暮はやめて『はじめての』経験をしに、小さな旅をしたいと思います。

  • 娘が大好きだというYOASOBI。
    そのYOASOBIが4人の作家とコラボしているという。
    それも、島本理生さん、辻村深月さん、宮部みゆきさん、そして森絵都さん。この中で、初めての作家さんは島本理生さん。最初は読みにくさを感じていたけど、ずんずん面白くなった。
    島本理生『私だけの所有者』→『ミスター』
    辻村深月『ユーレイ』→『海のまにまに』
    宮部みゆき『色違いのトランプ』→『セブンティーン』
    森絵都『ヒカリノタネ』→『好きだ』
    アンソロジーを読んだ後、YOASOBIの歌を聴いてみた。歌詞が透き通って入ってくる。YOASOBI、なかなかいいじゃないか!どの曲も見事!
    アンソロジーは森絵都さんが一番好みかな。

    このコラボ企画は、昔若者の私も虜にした。

  • 少女が経験する「はじめての」物語4編にYOASOBIが主題歌?を作るという企画本。

    島本理生さんと辻村深月さんは名前はよく耳にするが未読の作家さんだ。
    宮部みゆきさんの大ファンなのに、最近は2年以上も読んでいない。
    森絵都さんは5年前に「みかづき」を読んでからご無沙汰している。
    なのでそろそろ何か読みたい。

    といった感じなので、このような企画でまとめて読めるのはとても都合がよい。

    どの物語も面白かったし読みやすかった。
    アンドロイド、心霊現象、パラレルワールド、タイムトラベル、と非現実の要素も好みなので良かった。

    ・島本理生『私だけの所有者』:はじめて人を好きになったときに読む物語:曲「ミスター」

    「私」ではなく「僕」として暮らす「アンドロイド」、所有者である「人」を好きになる。
    なるほど、曲名は「ミスター」ね。

    ・辻村深月『ユーレイ』:はじめて家出したときに読む物語:曲「海のまにまに」

    実は「100万回死んだねこ」のように、辻村深月さん、柚月裕子さん、柚木麻子さんの識別ができていない。
    今までこのご三方の小説は一つも読んでいない。
    辻村深月さん、読み易いという印象を持った。

    ・宮部みゆき『色違いのトランプ』:はじめて容疑者になったときに読む物語:曲「セブンティーン」

    宮部みゆきさんならではの設定、パラレルワールド。緊張感溢れるストーリー展開はさすがです。

    ・森絵都『ヒカリノタネ』:はじめて告白したときに読む物語:曲「好きだ」

    森絵都さんも宮下奈都さんと時々混同します。
    森絵都さんは、こんな青春ど真ん中の作品が得意なんですね。

    『私だけの所有者』と『色違いのトランプ』は、親と子の双方の気持ちを、
    『ユーレイ』と『ヒカリノタネ』は、思春期の繊細な気持ちを描いたものだ。
    全部読み終えて、宮部みゆきさんの現実離れした作品が一番印象的だった。

    • Kazuさん
      YOASOBI セブンティーン 本日リリースされました。
      これで4作品の全ての曲が揃いましたね♪
      YOASOBI セブンティーン 本日リリースされました。
      これで4作品の全ての曲が揃いましたね♪
      2023/03/27
  • 友達が読んでいたのを思いだして、私も読んでみました。特にない森絵都さんのお話が好きです!はじめてをテーマにした4つの作品。好きな作家さんの話、最高でした!

  • 読友さんが感想をUPしたのを読み、大御所作家さん、早々に図書館でGET!①人間とアンドロイドの切ない話、②自殺願望を持つ中学女子の話、③核爆発で世界が同時に2つになった話、④4回目の告白は成功するかという話。さすが大御所、全てパーフェクト!特に森絵都さんの④は爆笑とともに胸キュンキュン♡。このように一途な恋をしてきた中学女子の主人公・坂下にとても好感が持てた~。過去の告白、タイムトリップして変えようとしたけど、坂下の一途さを考えると、確かにそうなっちゃうね~、さらにオチもそうなるね~。島⑤辻⑤宮⑤森⑤↑↑

  • どの作品も個性的で面白かった。島本理生さん、森絵都さんの作品は初めて読んだが、森絵都さんの作品は、主人公のキャラがなかなか笑えた。そして最後はポジティブに心が傾くような、ホッコリしたお話しだった。どの作品も短編だけど内容が濃くて深く味わえた作品だった。

  • 企画も装丁もお洒落な本。
    小説を元ネタに曲を作るYOASOBIと、4人の直木賞作家のコラボ小説。
    テーマは「はじめての」のアンソロジー。

    島本理生さん『私だけの所有者』はアンドロイドが語るお話。
    カズオ・イシグロの『クララとお日さま』がふと頭をよぎります。
    辻村深月さん『ユーレイ』は、家出した少女の話。
    宮部みゆきさん『色違いのトランプ』は不思議な並行世界の話。
    そして、森絵都さん『ヒカリノタネ』では、主人公がタイムトラベルします。
    どの作品も、若者の瑞々しさに溢れていて 爽やか。

    今年の2月には、書籍の発売日と同時に『私だけの所有者』が原作の
    YOASOBI「ミスター」がリリースされました。
    ミュージックビデオの世界観も素敵です。
    5月には『ヒカリノタネ』原作の「好きだ」もリリースされました。
    いずれもYOASOBIらしい透明感のある素敵な楽曲。

    ところで、この出版社、水鈴社は2020年に設立されたばかり。
    音楽と文芸のクロスカルチャーに取り組む出版社なのだとか。
    新しい取り組みにわくわくします。
    あと二曲、どんなふうに仕上がるのか、楽しみだなあ。

  • 好きな作家さん4人とYOASOBIさんとの豪華なコラボ。もちろんどのお話も面白い!
    「私だけの所有者」と「ヒカリノタネ」が特に良かった。
    ヒカリノタネのヒロイン由舞ちゃんのキャラと友人ヒグチとのやり取りが好き。

    物語を読んだ後にYOASOBIさんがそれぞれのお話に合わせて作った曲を聴くとより楽しめます!
    「私だけの所有者」→「ミスター」
    「ユーレイ」→「海のまにまに」
    「色違いのトランプ」→「セブンティーン」
    「ヒカリノタネ」→「好きだ」

    控えめに言って…最高です!!

    おとなになるとはじめての○○という経験がめっきりと減る。
    はじめて何かをする時の不安と期待が入り交じったドキドキする感覚……
    また何か新しいことをはじめてみたいなぁ~

    • うたえながさん
      私もこの本読みました!この本を読んだあとにYOASOBIを聞いたら面白かったです。
      私もこの本読みました!この本を読んだあとにYOASOBIを聞いたら面白かったです。
      2024/11/17
    • さくらさん
      うたえながさんこんにちは~♪
      コメントありがとうございます!
      この本良いですよね~
      YOASOBIさんの曲も話の世界観に合っていてより楽しめ...
      うたえながさんこんにちは~♪
      コメントありがとうございます!
      この本良いですよね~
      YOASOBIさんの曲も話の世界観に合っていてより楽しめました。
      2024/11/17
  • 4人の直木賞作家とYOASOBI、小説と音楽で紡ぐ奇跡のコラボレーション企画始動|株式会社水鈴社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000084197.html

    NOVEL INTO MUSIC | YOASOBI「はじめての」プロモーションサイト
    https://www.yoasobi-music.jp/hajimeteno/

    はじめての|水鈴社
    https://www.suirinsha.co.jp/books/detail5.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      YOASOBI、島本理生書き下ろし小説を原作にした「ミスター」ティザー映像公開 | Rolling Stone Japan(ローリングストー...
      YOASOBI、島本理生書き下ろし小説を原作にした「ミスター」ティザー映像公開 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
      https://rollingstonejapan.com/articles/detail/37151
      2022/02/08
    • yyさん
      猫丸さん

      こんにちは。
      猫丸さんはこのレビューを2021年12月に書いてらっしゃる。
      情報が早くてびっくり!!
      私は3月に図書館...
      猫丸さん

      こんにちは。
      猫丸さんはこのレビューを2021年12月に書いてらっしゃる。
      情報が早くてびっくり!!
      私は3月に図書館で予約して、4か月待ってやっと読むことができました。

      本を読んでから「ミスター」のミュージックビデオをみると
      楽曲とビデオの 精度の高さと美しさ に感動します。
      こういうコラボ、素敵です。
      2022/08/13
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      yyさん
      読んで観られたんですね!良いなぁ〜
      しかし猫は未定のまま、、、はぁ

      猫は
      面白そうだと思ったら、コレ?どう!
      と言わずにおれない...
      yyさん
      読んで観られたんですね!良いなぁ〜
      しかし猫は未定のまま、、、はぁ

      猫は
      面白そうだと思ったら、コレ?どう!
      と言わずにおれない厄介な性格なんです、、、
      2022/08/13
  • 4人の直木賞作家と小説を音楽にするユニット"YOASOBI"の奇跡のコラボレーション♬

    「はじめて」をモチーフに描かれた4つの物語。

    ◇島本理生
      『私だけの所有者』〜はじめて人を好きになった時に読む物語。

    アンドロイドの「僕」と所有者のMr.ナルセのお話。
    2人の関係は??

    これ島本さんが書いたの?とちょっと意表を突く作品だった。
    この話、なんか凄く好きだったな〜
    人はそれを愛と呼ぶんです♡

    ◇辻村深月
      『ユーレイ』〜はじめて家出したときに読む物語。

    自殺しようと家出をした少女が降りたったのは海辺の駅。
    花束が手向けられた海辺で、不思議な女の子に声をかけられる。

    あ〜辻村さんだな〜って感じ。優しいお話だった。
    それにしても思春期の子は悩み多いんだろうけど、こんな事で死のうとか思っちゃうの??
    人生これから!もったいないからやめましょう。

    ◇宮部みゆき
      『色違いのトランプ』〜はじめて容疑者になった時に読む物語。

    並行世界で起きたテロへの関与を疑われた愛娘の夏穂。
    父が娘を助けに、もう一つの境界へと向かう。

    SFなお話。
    自分と同じ顔を持つ人間が並行世界にいるって不思議。
    お父さんお母さんはほんとにこれで良かったの??
    それにしても、はじめて容疑者になったときって!笑笑

    この話が1番表現難しそう。
    どんな曲になるのかとても興味深いな〜

    ◇森絵都
      『ヒカリノタネ』〜はじめて告白したときに読む物語。

    幼馴染みの椎太が好きでたまらない由舞は、4回目の告白を確かなものにするため、過去の告白を消し去ろうとする。

    可愛いお話だった〜
    ほっこり笑顔になってしまう。そしてちょっとキュンです♡

    4つ、どれも良かった
    1番好きだったのは島本さんのお話。

    島本さんのお話を読んでからYOASOBIの"ミスター"を聴きました
    Ayaseさん天才か!
    素敵だった〜!作品の世界を感じつつ聴き入りました
    そしてテーマをもらって、それぞれこんなに世界を広げて物語を作る作家さん達もほんとスゴいな〜

    残り3曲の配信がめっちゃ楽しみだ〜♡

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