互換性の王子

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  • 水鈴社 (2023年12月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (440ページ) / ISBN・EAN: 9784164010075

作品紹介・あらすじ

「お前にしかできないことなんて、ない」――兄・実行

「あきらめたら、俺という存在はどうなるんだ」――弟・成功

順風満帆な御曹司の前に突如現れ、入れ替わろうとした異母兄。
お前は俺から、仕事も恋も奪おうというのかーー。
『犯人に告ぐ』『望み』『検察側の罪人』の著者が描く、スリリングなサバイバルレース!


入れ替わった「王子」の戦いの行方はーー。


【あらすじ】
準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)が何者かによって別荘に監禁された。
彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。
半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。
そして実行は早恵里にも近付こうとしている。
「奪われたものは、奪い返さなければ」
成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走するがーー。
異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らす、一気読み必至のエンターテインメント! 


【著者プロフィール】
雫井脩介(しずくい・しゅうすけ)
1968年生まれ。愛知県出身。専修大学文学部卒業。2000年、第四回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で作家デビュー。2004年に『犯人に告ぐ』がベストセラーに。同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位となり、第七回大藪春彦賞も受賞した。『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『検察側の罪人』『仮面同窓会』『望み』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』など映像化された作品多数。近著に『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『霧をはらう』など。2023年、『クロコダイルティアーズ』で直木賞候補となった。

みんなの感想まとめ

物語は、御曹司の成功が監禁され、解放後に異母兄の実行にポジションを奪われるところから始まります。異母兄弟が同じ会社でビジネスと恋愛を巡る火花を散らし、緊迫感とサバイバル感が漂う中、各キャラクターの個性...

感想・レビュー・書評

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  • 準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功が何者かにより別荘に監禁されたところから物語は始まる。
    この監禁に何を意味するのか予想もつかずにどうなるんだろうと読み始めたのだが、食料の限界が感じられた半年後にふっと解放され、会社に行くと彼のポストに異母兄の実行が就いていた。

    異母兄弟がビジネスと恋愛で火花を散らす。
    もう夢中になるほどのめり込み一気読み。
    それぞれのキャラも際立っていて楽しめる。
    これはドラマや映画になるだろうと思わせるほどの満足感だった。


    飲料メーカー同士の競争劇だけではなく、身内同士のポスト争いや恋愛も気になるところだったが、収まるべきところに落ち着き、とても気持ちの良い終わりかただった。






  • 今まで読んだ雫井さんの本にはなかったタイプのストーリー。
    成功が監禁される序盤は、どういう展開になるのか読めなかったけど、予想外にガッツリお仕事小説だった。飲料メーカーの商品開発の部分などがかなり細かに描かれているので、自分も飲み比べしたくなってしまった。
    父秀雄のイメージが初めと終わりで、かなり変化していった。社長業は大変だ。
    それにしても…皆さん書いているように、装画はなぜコアラ?

  • 周りにお膳立てされ、順調に出世してきた、〈シガビオ〉の御曹司・成功。
    ある事件がきっかけで、異母兄・実行にポジションを奪われ、一社員からやりなおす羽目になり……。

    別々に生きてきた異母兄弟が、ひとつの会社の中で、仕事と恋のバトルを繰り広げる。
    安定の展開で、楽しい。

    はじめは対立したり、ぎくしゃくしていた相手や、仕事そのものと向き合い、新しいプロジェクトを成功させようと奮闘する。
    痛快で、おもしろいエンターテインメント小説。

  • 久しぶりにビジネス系の小説読んだ
    自分の仕事だとどうするかなと
    思いながら読んだりするので、
    いつもより読むのに時間がかかるけど
    楽しめました
    恋愛要素などあって最後まで飽きなかった

  • 久しぶりの雫井脩介作品。相変わらず緻密なストーリープロットとテンポのいい展開が心地よい。ドラマ化を前提にしているような作品。成功より実行、早恵理よりも星奈の方が魅力的なところもいい。

  • 最初はサスペンス系の話になるのかと思いましたが、仕事の話に変わっていきました。それはそれで、働く業種が違うとこんなに違うんだなと、新鮮な気持ちで読むことができ、勉強になりました。

    最初の設定は、なんかドラマで見たような‥という既視感がありましたが、楽しく読めました。

  • 成功(なりとし)と実行(さねゆき)につられて達成を(たつなり)と読んでしまった自分…。序盤に半年も監禁されるのは理解し難い展開ではあったが、会社に戻ってからの奮闘がおもしろく成功が好きになった。異母兄弟の競り合いも興味深く、恋愛やライバル社との対立など様々な展開があって終始楽しめた。星4.5

  • 飲料会社〔シガビオ〕の御曹司、志賀成功(なりとし)の奮闘記とも言えるだろうか。最初は「企業での壮絶な跡目争い」という先入観があった。しかし成功が監禁されても、異母兄実行(さねゆき)が突如入社しても、緊迫感は全くない。恋愛も距離を詰めるところまでいかず、全体的にゆる~い空気感だ。

    誰が、何のために成功を監禁したのか。
    ビオビー発売の内情を漏らしたのは誰か。
    様々な憶測が疑心暗鬼の空気を漂わせる。しかしそうした設定もサスペンスとまではいかない。

    先入観とは全く違ったが、企業が一つの商品を企画してから商品化するまでの過程が社員の言動からよく理解できて、お仕事小説として楽しく読めた。最近読んだ中では珍しくスリリングさも、ひねりも、どんでん返しもなかったが、穏やかな読後感はいいものだ。

  • 自分が周りに支えられる意味を深掘りできる小説。

    ミステリー小説だと思っていたが、いい意味で期待を裏切る人間味溢れる小説でした。

    二人の主役の個性差もこの作品の魅力だと思います。
    ただし、成功(まさとし)、実行(さねゆき)と読みにくいのとよく使われる言葉で混乱はしました。

    成功が自分の立場を取り戻すために周りに助けられ、そして、新製品の開発に至るまでの歓喜や問題を乗り越える姿にグッときました。

    ページを捲るのが止まらないほどに、この世界にハマってしまいました。
    読み終わるのが惜しかったほどです。

    ひと言言えるのは、読む価値のある小説でした。

  • 私は終始成功派だったが、実行も作品紹介にあるような悪い人物には思えなかった。
    それよりも勢司のほうがよっぽど嫌なやつだった。
    御曹司として周囲から持ち上げられていた成功が監禁をきっかけに一社員に成り下がり、そこから奮起して上り詰めていく様子は痛快だった。
    兄弟で会社を盛り上げていくのかと思いきや、最後で実行は上層部から外される。
    実行が可哀想と思ったが、ラストには思わぬ展開が待っていてホッとした。
    兄弟で同じ女性を好きになり、そちらもどちらが選ばれるのだろうかとドキドキした。
    相容れないと思っていた異母兄弟の最後の会話が印象的だった。

  • 最初は反目し合う兄弟がビジネスに全力投球するうちに、、というストーリーも美しいがチョイと入る三角関係だったり、裏の裏をかく黒幕だったりサイドストーリーもたのしめた。

  • いろんなものがてんこ盛りのエンターテインメント!なかなか面白くグイグイ読みました。
    雫井脩介さんは、ミステリーも企業小説も面白いのよねえ~!
    序盤でいきなり監禁?と驚き、ミステリーとなるのかと思いきや、展開はちょっと違い、その後からの企業小説としての戦いのほうがメインです。

    それにしても、登場人物の名前!
    社長である父が英雄(ヒデオ)、息子が成功(ナリトシ)と実行(サネユキ)という、すんばらしい強気のネーミング!
    英雄はともかく、あとの二人は、私の頭の中では、セイコウとジッコウとしか変換できず、ずっとその名前で読み続けていました(笑)

    御曹司、なんて言うと、お気楽なイメージがあるけれど、組織の中での立場や人間関係、上下関係、非情かとも思える社長の本音の情の部分とか、サラサラと読みながらも、いろいろと興味深かった。
    ラストの方は、ちょっとウルッとしちゃいました。雫井さん、上手いなあ~と思う。
    そもそも、私自身は、皆が協力して何かを成し遂げる、というお話が基本的に大好きなので、ハラハラと心配しつつも、楽しく読みました。

    印象に残ったところ少し。
    ーーーーー
    自分の境遇を人のせいにしているようでは上がり目がないぞ。

    心から謝ってる人は許してあげなさい。それを許さないなら、あなた自身、一生引きずっていく覚悟が必要なのよ。

    まあ、人の目というのはつくづく当てにならんよ。

    「元気でやりなさい」
    「とにかく、元気でやるんだ」
    ーーーーー
    ネット検索したら、この作品についての、雫井さんのインタビューの中で、
    『時代や場所を外部に取らず、今の社会を映し出すようなものを書き続けている人って、意外と少ないのかもしれないなと思ったんです。僕はそれがやりたいんですよね。リアルな手触りがある、今を生きている人たちの実感が込められているようなものを、これからも書き続けていきたいんです。』

    とありました。基本的に私は現代物の作品が好きなので、おお!いいじゃーん!と嬉しく思いました。
    雫井作品、図書館でも本屋さんでも、もうすでに読んだものばかりで、この作品は「やっと新しいの見つけた!」とすぐに手に取ったのでした〜(^^)


  • こんなにユニークな表紙ですが、
    しっかりがっつりヒューマンドラマ。

    羨望、嫉妬、怒り、喜び、傲慢、憐憫、
    思慕、絶望、憧れ、失望、不安、希望など、
    いろいろな感情を絡めながら、心の温かさや
    奥深さをたっぷり盛り込んだ物語でした。

    小説の中で開発される乳酸菌飲料は、
    きっとこんなふうに優しく豊かな味わいで、
    スッキリと爽やかな後味を残してくれるの
    だろうなと、読後感と『ビオビー』の印象を
    重ねて想像してしまいました。

  • お仕事小説娯楽大作。なかなか面白いけど、アラがありそうで勢いをつけて読むことが大事。

  • Amazonの紹介より
    準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)が何者かによって別荘に監禁された。
    彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。
    半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。
    そして実行は早恵里にも近付こうとしている。
    「奪われたものは、奪い返さなければ」
    成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走するがーー。
    異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らす、一気読み必至のエンターテインメント!



    本の帯で「ヒューマンドラマ」と紹介されていたので、読んでみると、序盤からいきなり監禁という何ともミステリアスな展開に、色んな「?」が頭の中で駆け巡りました。

    その後は解放されて、周りからは失踪扱い。空白の時間を取り戻すため、また一から奮闘するという今度は「半沢直樹」のような逆転劇⁉︎になったり、恋愛もあったりと色んなジャンルの詰まった作品でした。

    総合的にみれば、企業エンタメのような面白さがあって、楽しめました。とにかく予想もつかない展開だったので、グイグイ世界観に引き込まれて、面白かったです。

    なぜ監禁されたのか?といったミステリーの要素はあるのですが、基本的にはヒューマンドラマになっています。
    監禁の謎はさらっとしているので、ちょっとツッコミを入れたくなるのですが、それよりもいかにして地位を取り戻していくのかが重要視されていて、その辺りは勢いのある展開になっているので、引き込まれました。
    逆転劇の部分では、お仕事小説として、色々なことが参考になりました。

    どのようにして、部下とコミュニケーションととっていくのか?社長の息子だからといって、甘えているのではなく、一社員として、奮闘している姿がカッコよく見え、この人なら上司になって欲しいなと思う部分もありました。

    主人公の変化だけでなく、親の会社をどのようにして発展していくのかも見どころでした。新商品をいかにして生み出していくのか?ライバル者との戦いがあったりと物語の変化があるので、飽きさせない構成が良かったです。

    ちなみに本の表紙が、みんなコアラということがちょっと謎だったのが気になりました。

  • 主人公の成功が会社内の役員への昇進を目の前に半年間監禁されます。その後、異母兄弟である実行が成功の立場になり、成功は会社を辞めた扱いを受けます。

    私の仕事や生活上の立場というのは互換性があるものなのか考えさせられる作品でした。

    今まで組織の中で様々な立場、役割を経験してきたわけですが、互換性があるということ、特別な存在にこだわらないことも大切な考えなのではないかと作品を読みながら考えました。

    私たち自身が担う立場の多くのものが前任や後任がおり、いわば互換性がある立場であると言えます。決して特別ではない今の立場を受け入れつつも自分の強みや特徴を磨いていくということ、自分とは強みや特徴が異なる人間であっても公認がしっかりその立場をこなしていくこと、簡単なように見えてとても難しいと思います。

    話が脱線しましたが、物語を通して成功が誰かにとって替えのきかない存在に成長していく姿もこの物語のポイントです。

  • 最初の部分に無理があったけど後は普通の企業小説でした。
    反目しながら最後は心を通じ合う。
    よくある話ですね。
    だけど自分は好きです。

  • 非常に良かった。
    誰かに突然監禁されるというミステリー要素だけではなく、職場のライバル、敵対会社との闘い、恋愛要素もあり、一気に読み終えた。
    久しぶりに目頭が熱くなる人におすすめしたい物語でした。

  • 後半にぐいぐい評価が上がった一冊。

    中堅飲料メーカーの御曹司『成功』の不可解な別荘でも監禁事件から始まるストーリー。成功不在の半年の間、異母兄の『実行』にポストを奪われており…。

    新製品開発が進むと同時に、ライバルの大手『東京ラクト』との市場争い、2人の恋愛の行方が進展していきますが、それにともなって監禁事件を含む一連の流れの真実が明らかになって行きます。

    当初、浮気により『ラクト』を追われた存在だったと思われていた2人の父でありシガビオの社長『英雄』は、その実『ラクト』の社長の座を狙う『忠徳』の浅ましい陰謀により嵌められた二中だということが明らかになります。

    『英雄』は最終的に『成功』を自分の後継に選びますが、きっと自分と似たところのある『実行』のことを誰よりも気にかけており、何なら追い出される羽目になった『ラクト』の今後のことも考えていたように思われます。

    冷徹と思われようと、その実誰よりも熱く、深く、会社や息子たちのことを考えていたのでしょうね。

    対極的に描かれている『実行』と『成功』の2人が、反発し合いながらも新製品のために協力し、いつの間にか信頼できるビジネスパートナーとなっていく過程もとてもおもしろかったです。
    2人を取りまく社員たちが成長していく様も見ていて気持ちよかったです。(^^)

  • ミステリーだと思いながら読み始めたらヒューマン系だった。企業ものの成功しそうになったら邪魔が入り…というのの繰り返しが見ていて飽きてしまうので微妙な感じなら読むのをやめようと思ったが、一つ一つ困難を乗り越えていく様に私もチームの一員になったような気になり最後は達成感すら覚えた。体の健康を考え最近乳酸菌飲料を積極的に摂るようになったから尚更身近に感じたのかも。
    恋愛要素に関してはそこがメインではないのだからこんなにこじれさせなくても…と思う。
    そして登場人物の名前がすんなり頭に入ってこず、そこに躓くことがストレスだった。実行が欲しいものは全部成功の手にある終わり方は爽やかに表現されているもののあんまりいいなと思えなかった。
    客観的に見て実行と成功を比べここだ!という物が見つからないと思った。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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