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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166402502
作品紹介・あらすじ
女性作家の名随筆アンソロジー第五巻。この巻では川上弘美氏が敬愛する書き手・武田百合子の日記、随筆から厳選。作家・武田泰淳との富士山麓別荘での十年余にわたる生活を綴り、泰淳の死後発表されその研ぎ澄まされた言語感覚に世間が驚愕した『富士日記』からの抜粋と、掌編小説のような逸品が並ぶ『ことばの食卓』から数篇、娘・武田花と遊ぶ日々が綴られた『遊覧日記』『日日雑記』からも数章。夫亡きあとの文章からは「哀しみ」が行間から漂い、自然に泣けてくる名文が続きます。選者による巻頭エッセイと、研究者による解説、略年譜付き。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
日常のささやかな出来事を、愛情深く、かつユーモアを交えて描く随筆が魅力を放っています。特に「富士日記」では、著者の武田百合子が夫との穏やかな生活や会話を淡々と綴りながらも、彼女の視点からは一つ一つの出...
感想・レビュー・書評
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日記文学は好き。
それも、淡々と日常が描かれたものが面白い。
へたに夢を叶えるとか希望ある未来とか、大きな野望への挑戦とか、そんなエネルギッシュな日記じゃないほうがいい。逆に、自己を見つめる奥へ奥へと潜ってくような深いものでもないほうがいい。そういう日記は、書いてる本人の胸のうちにしまっておくほうがいいと思う。
百合子が記した日記「富士日記」
彼女と夫である泰淳が所有した富士山麓の山荘での生活が記されている。毎日の献立や、どうってことのない日常。会話。なのに、百合子が記せば、ちょっとした出来事がたちまち面白おかしく、登場する人物はチャーミングになってしまう。「富士日記」には、否応なしに惹かれてしまう魅力が溢れている。
そこには、怖かったり、悲しかったり、泰淳に迫る死の影をも、何ら飾りをつけることなく記されている。飾り気のない文章だからこそ浮き上がってくる百合子の泰淳への愛情。
読み手のわたしは勝手に泣きそうになったのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
百合子さんの本は全部持ってるし、何度も読んでるし、未収録2編は刊行時に立ち読みしたし、特にいらないなあ…と思っていたのに欲しくなった。武田百合子の名を冠するものは何でも欲しい。川上弘美のセレクトは自分の印象深い場面と一緒で嬉しかった。みんなそう思うのかもしれない。私には「平たくなる」という言葉を使いたがる口癖がある、元々は百合子さんを真似して使い始めたことを思い出した。百合子さんになりたい。なれないのは承知、でも死ぬまでに少しでも百合子さんに近づきたい。そう思わせてくれるだけで老いゆく残りの人生が嬉しくなる。
どうしてこんなにいいんだろう。(これは川上さんのマネ)
追記。
富士日記を読むたびに思うこと。武田家の献立は不思議な取り合わせが多い。コンビーフが好物のようで(それは私もそうなんだけれど)、鍋にもコンビーフを入れてそれが美味しいと絶賛する。一度試してみようと思いつつ未だしていない。今冬こそぜひ挑戦しようと思った。 -
川上弘美セレクトということで、以前から読んでみたかった武田百合子を借りる。
これはいいね。さっそく「富士日記」を買いに行きますよ。 -
編者川上弘美が「驚くような心はずみ」と帯に寄せている。
「心はずみ」という言葉がぴったりだと思う。富士日記は珠玉。 -
富士日記はいつどこから読んでもいい。
泰淳亡き後の作品はどこかに寂しさが漂っている。
枇杷はなかなか書ける文章ではないと思う。
やっぱり武田百合子はすごい。 -
出会ってよかった。
ずっと読みたいと思いながら、まず図書館で借りてからとけちな考えを起こし、いつも貸し出しなのか棚に見つからず、やっと一部抜粋の選集を手に取ることができた。
川上弘美さんの前書きでぐんと期待値があがる。
富士日記の1ページ目から、読みたかったのはこれだったのだとうれしくなる。 -
富士日記が秀逸でした。自分がこどもの頃、家族とすごした日々をなつかしく思い出しました。夏のカルピス、なつかしい。
なにより、いさぎよい文を書く女性なんだ、と思いました。
著者プロフィール
武田百合子の作品
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