精選女性随筆集 第九巻 須賀敦子

  • 文藝春秋 (2012年10月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166403004

作品紹介・あらすじ

女性作家名随筆のアンソロジー、第九巻は、選者・川上弘美さんが以前から愛読していた須賀敦子さんの作品です。代表的随筆集である『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『遠い朝の本たち』『時のかけらたち』から数篇ずつと、単行本未収録エッセイ、夫ペッピーノへの愛と茶目っ気があふれる書簡(原文イタリア語)で構成します。。「理解したい。理解するにはどうしたらいいのか」――異質なもの、容易には近づき得ないものへの好奇心と信頼を生涯失わない姿勢に、衰えぬ須賀人気の秘密がある気がします。

みんなの感想まとめ

静かな情感が漂う随筆集は、著者の深い思索と豊かな経験が織り成す作品です。選者の川上弘美が愛する須賀敦子のエッセイは、喪失感や異文化への好奇心を静かに描写し、読者の心にじわじわと響きます。特に、家族や友...

感想・レビュー・書評

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  • 須賀敦子さんを知ったのは『須賀敦子の手紙』を読んだ6年前。そこから他の作品も気になりつつ、なんだか難しそうなイメージがあり、なかなか手が伸びなかった。でも、川上さんが選んだ作品を読んでみたくなり、図書館で手に取った。

    私が難しそうと思っていたのは、文章の静けさから来ていたのかもしれない。今回、それが良さだなと思えたのだけど。夫や父、友人を亡くした喪失感も静かに書かれていて、直接的な感情表現は少ないように感じた。それがかえって、こちらの胸にじわじわと寂しさや悲しさが沁みてくる。

    読み進めていく中で文章に慣れてきたので、著者が過ごしたヨーロッパや神戸の風景が浮かんできた。

    特に『オリエント・エクスプレス』が印象的。父がかつて見た世界を著者があとから触れていく。最後は切ないのだけど、同時に温かみも感じられた。

  • 須賀敦子さんのことを知ったのは2008年か2009年、ちょうど没後10年頃のこと。仕事先で伺った読書家のMさんに「貴女もきっと好きだと思うわよ」と言われたのがきっかけ。読んでみたらやっぱり好きだったし、一度そうなると誰かほかの人が須賀敦子さんについて書いたものまで好きになるから不思議。本書も選者である川上弘美さんやあとがきの岡本太郎さんの文章まで、さまざまなシチュエーションや情景を想像しながら堪能させていただきました。

  • 川上さんが選んだのはこれか…。すごいなぁ。
    私の須賀敦子は「あこがれの人」から「手の届かないあこがれの人」
    になった。私の中の須賀敦子、ことばにならないほど、ため息をつくような、
    そんなあこがれの女性である。
    須賀敦子の残したものをまた読みなおすことにしよう。年を重ねるごとにかみしめるような読み応えを感じられるように、私も生きていきたいと感じる今日この頃である。

  •  須賀敦子さんの作品は、10年以上前に「ヴェネツィアの宿」を読んだことがあるのですが、それ以来になります。
     ずっと気になっていた作家さんですが、今般「精選女性随筆集」の中に見つけたので手に取ってみました。
     どの作品も上品で繊細な感性が漂いながらも、しっかりと須賀さんの思索の流路が綴られていますね。

  • この作者の文章を読むといつも姿勢を正したくなる。関心を持ったことをどこまでも深く考察し、自らの骨肉になるまで考え続ける誠実さ。哲学やイタリアの文学についてはさっぱり分からないけど、彼女が出会う人々の描写もその姿勢が貫かれてる。定期的に読み返したくなる。

  • とても好きな文体なのに読むのになぜか時間がかかって途中で返却せねばならなかった・・・・。

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著者プロフィール

1929年兵庫県生まれ。著書に『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『須賀敦子全集(全8巻・別巻1)』など。1998年没。

「2010年 『須賀敦子全集【文庫版 全8巻】セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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