二十世紀をどう見るか (文春新書)

  • 文藝春秋 (1998年10月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784166600076

みんなの感想まとめ

20世紀の歴史を多面的に捉え、国民国家の変遷とその揺らぎを探る内容が魅力的な一冊です。著者は、ウィルソン大統領の民族自決の原則を背景に、国民国家が世界秩序の基盤となってきた経緯を解説し、グローバル化や...

感想・レビュー・書評

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  • 20世紀とは”人”を頂点とする中世的絶対主義国家が滅んで、”法”を頂点とする近代民主主義国家の時代になった、という程度のうすーい理解でしたが、実態はそれまでの歴史や宗教が絡まった複雑で立体的なものだったのでした。20世紀末に出た本なので、筆者の21世紀展望がどの程度当たっていたのかという見方もできます。この著者の歴史解釈とても面白いので、もう何冊か読んでみようかな。

  • 20世紀は、アメリカのウィルソン大統領が強く主張した民族自決の原則に基づいて、国民国家が世界秩序の基本単位の役割を担ってきました。本書は、その歴史的経緯を解説するとともに、20世紀の終わりになってそれが揺るがされていることについて考察を展開しています。

    国民国家を揺るがす第一の要因は、グローバル化です。その一方で、国民国家の下位単位にすぎないと考えられていたエスニシティの流動化がめだつようになってきました。こうして著者は、現在このニつの要因によって国民国家を基本単位とする世界秩序が揺るがされていると論じています。そして、ハンティントンらが主張する「文明」の重要性がより大きくなってきていると語られ、その具体的な事実として、ロシアの帝国志向、ドイツの「中欧帝国」の考え、そして「中華帝国」とそれに対して日本のとるべき道が、比較的くわしく検討されています。

    いわゆる「文明論」的な議論に対しては、実証的な歴史学と比較してあまりにも議論の枠組みが大きすぎることもあって、あまりなじめなかったのですが、「国民国家」を基本単位とする世界秩序が歴史的なものにすぎず、現在そうした秩序が有効性をうしないつつあるという著者の主張は納得のいくものでした。

  • 歴史は繰り返すというが、だからといって現代の民主主義、自由主義が帝国主義に逆回転するってのはいささか飛躍しすぎでは?でも昨今のボーダレス効果を鑑みると、あながち大げさでもなさそう。なにかにつけて最近「日本は世界にもアジアにも遅れ始めてる」と言われるが、それをどう挽回するか、より、どう向き合うかを考えたほうがいいのかも。

  • [ 内容 ]
    人類の思想の巨大な実験場といわれた二十世紀―ファシズムが敗れ、共産主義が倒れた後、誰もが信じ、期待したのは、国連本部にはためく万国旗さながら、政治の旗印に民主主義を掲げた近代国民国家群によるバラ色の二十一世紀ではなかったか。
    だが、二十世紀最後の十年間に、私たちの楽観的な歴史観は根底から覆されてしまった。
    いま、ボーダレス社会という新しい衣装をまとって、あの旧い「帝国」の影が忍び寄る…。
    ボーダレス社会の装い新たに忍び寄る旧い「帝国」の影。
    百年の回顧が千年の歴史を照らす。

    [ 目次 ]
    第1章 アメリカの世紀?
    第2章 国民国家の危機
    第3章 エスニーの台頭
    第4章 文明と帝国の復活
    第5章 帝国への志向―ロシアの場合
    第6章 「中欧帝国」の浮上
    第7章 中華帝国と日本

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ありうる日本の将来像の話。
    10年以上前だがアジアの代表は確かに中国へとうつっている。

  • わかりやすい本。
    世界の「しくみ」がわかる本。
    ドイツが特におもしろい。

    • rudolf2006さん
      野田先生の炯眼に今さらながら脱帽です
      野田先生の炯眼に今さらながら脱帽です
      2013/07/22
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著者プロフィール

著者略歴
野田宜雄(のだ・のぶお)一九三三年岡山生まれ。京都大学大学院博士課程退学(ドイツ近現代史専攻)。
京都大学教養部教授、同法学部教授、南山大学教授などを歴任。京都大学名誉教授。真宗大谷派•本誓寺(滋賀県)の住職でもあった。二〇二〇年―二月逝去。
主著に「教養市民層からナチズムヘ」(名古屋大学出賑会)、「歴史の危機」(文藝春秋)、「二十世紀をどう見るか」(文春新書)、
「ヒトラーの時代」(文春学藝ライプラリー)、「二十世紀の政治指導」(中公叢書)、「歴史をいかに学ぶか」「二十一世紀をどう生きるか」(PHP新書)などがある。

「2021年 『「歴史の黄昏」の彼方へ 危機の文明史観』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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