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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784166600090
みんなの感想まとめ
作品は、無名の猫を通して描かれる日本文学の名作を深く掘り下げ、その裏に隠された情報や当時の社会背景を探る内容です。著者は、猫の視点から見た物語の魅力を解き明かし、漱石の人物像や彼の作品を楽しむための手...
感想・レビュー・書評
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何が面白いのか、いったい誰に向けて書いてるのか、何が言いたいのかも掴めず、いよいよ放棄しそうになった時に見つけ、これこそまさに藁をも掴む思いで開いた本。
ねこにこめられた莫大な情報。一見、どうでもいいようなそのどれもにも、全て意味合いがあり、殆ど、実際に起きたことを、そのまま書いてることを知る。
おまけに当時の挿し絵が挿し絵として載ってたのだけど、これがまた味わい深くて、ねこ読みに色を刺し、大きく助けになった。
本著はねこと漱石愛に溢れた、微笑ましい漱石論。
ねこ読みの参考書としていい仕事する。
改めて、ねこは、とんでもない小説やったのだけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本文学史において、無名にして最も著名な猫の目を通して描かれる小説の考察本…というよりは、作品の舞台裏を楽しむための楽屋風エッセイと言って良い。
物語世界に秘められた、雑多にして膨大な情報を紐解くことで、当時の世相と、そこに生きた人々の息遣いが甦る。
また、それらによって、漱石の人物像が投影される。
おそらく、作品の背景や描写の土壌は、同時代の読者こそが、より深く理解しつつ楽しめたのだろうなと思いつつ、猫小説を読み返してみたくなる。 -
夏目漱石を紹介してないなあ、でもずいぶん読んでないから、そろそろ読み返そうかしら…?
でも、けっこうハードルが高くて。
ウォーミングアップに。
著者は1962年生まれ。歯学博士。
大衆小説や科学小説、思想史についての著作多数。
96年「偽史冒険世界」で大衆文学研究賞を受賞。
「吾が猫」
確か読みやすそうでこれが意外に読みにくいんですよ。
当時の雰囲気が良く出ているんですが、その意味がつかみ取れてるのか取れてないのか自分じゃわからなくて。
この本は、当時の現実と、漱石が作り上げた部分が指摘されているので、ああでもないこうでもないと楽しめます。
漱石や知人、家族の人柄、モデル探しなども面白いです。
寒月先生は寺田寅彦で、本人は東京生まれだがもとは長州の家柄。袴の紐にもその由来が出ているとか。
苦沙弥先生は胃弱の健康オタク。
これは漱石のままのよう。餅が好きで汁粉が大好き。学生時代に汁粉や芋を食い過ぎたのが病気の原因などと言っているが、あくまで食べ物が原因で自分の大食らいのせいとは全く思っていないのがすごい所だとか。
苦沙弥先生の机がスゴク大きいのだが、漱石は実際にはそんな机は使っていなかった。だが義父から一枚板の机を譲って貰えそうな話が出たことがあり、買い取る金がなくて手に入らなかったその机ではないか、など。
漱石は謡曲が好きだったが、上手いとは言えなかった。
奥さんにユーモラスな作品のような手紙を書いて、わざわざ許可を求めている。
「坊ちゃん」は漱石自身にはあまり似ていなくて、むしろ悪役の赤シャツに似ているとか。
漱石は神経衰弱で、被害妄想の気味もあり、近所の家にスパイがいると大声で怒鳴ったりしていた。
同居の家族にとっては、たまらなかっただろうと思いやる。
そして、その隣家の二階に住むスパイとは、漱石のファンだった学生で、憧れの作家の書斎を何かとつい見下ろしていたのではないか。
漱石からすれば妙に感じられたのも無理はないと、意外な事実を指摘。
悪妻と言われがちな鏡子夫人が子供の目には良い母親で、あまり子供の面倒は見ない夫の悪口を言うでもなく、そう仲が悪いわけでもなかったらしい。
漱石の弟子達は漱石を尊敬するあまり、鏡子夫人が悪者に見えたのではないかという指摘。
大らかで芯が強い鏡子夫人でないと、神経を病む漱石の妻はつとまらなかったかもね。 -
漱石自身のエピソードや他作品との関連を添えて、さらに細かく「猫」を分析。
著者プロフィール
長山靖生の作品
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