NATO: 21世紀からの世界戦略 (文春新書 56)

著者 : 佐瀬昌盛

• 文藝春秋 (1999年8月1日発売)

感想・レビュー・書評

[nekoskyさんの感想 · 2012年4月6日]

NATO誕生から、その設立の意義、活動、加盟国、周辺国の思惑などが字系列でわかりやすく解説されている良書だとおもいます。
冷戦を終え、不要になった化のような印象をうけるNATOですが、ボスニア紛争をはじめ、周辺事態への対応から、同盟国間の軍事衝突の抑制など、まだまだ存在意義はあります。
とかく誤解されがちなNATOをよく知るために、客観的なシテンデ記された本書は役立つたとおもいます。

[Jodieさんの感想 · 2011年7月7日]

ＮＡＴＯと聞くと「一人歩きをする軍事同盟組織」、今まで僕は反射的にそう感じてしまっていた。だがその歴史を紐解けば、この組織が、地域的に戦争を起こさずして安全を確保する有効な手立てとして機能していたという事実が解る（西ドイツが戦後孤立し「暴走」することもなかったし、壁崩壊後の(ほとんどの)旧東欧諸国の民主化・独立もソフト・ランディングに成功した）。
確かに「敵」をなくした後のニューＮＡＴＯは、その存在意義を、常に問いなおさざるを得ない。だがこの地域安全保障の在り方を学ぶことは、日本の今後のためにも重要であると確信している。