不登校の解法―家族のシステムとは何か (文春新書)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166600854

感想・レビュー・書評

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  • みんなは学校に行くのがイヤだと思ったことはありますか。それはどんな理由でそう思ったのですか。私自身の経験で言うと、小3のとき、転校した初日だけは学校に行くのがイヤでした。でも、幸いなことにそれ以外では一度も行くのがイヤになったことはありません。学校を休みがちになる、全く行けなくなるというのは、その本人にとって、1つの理由だけでそうなってしまったのではないと思います。きっかけはほんのちょっとしたことかも知れない。でも、それまでのいろんなこととからみ合って、学校へ行けなくなる。原因が分かればそれを取り除けばいいのですが、そう簡単にはいきません。どちらかというと、原因探しばかりしていてもあまりよい方向には進まないのではないでしょうか。著者は、長年、児童相談所でカウンセラーの仕事をされてきた方です。たくさんのケースを受け持つ中で、1つの方法と出会います。それが、家族全員との面接というものです。普通、カウンセリングは1対1で行うものですが、それでは見えてこないものがあります。家族の中から原因を探し出すというのではなく、家族の関係を見ながら、今後どうすればよいのかをみんなで話し合っていきます。家族というのは、子どもが始めて出会う社会です。そこでの人間関係がどのようなものであるかということは、その子にとって非常に重要であるのは言うまでもありません。本書では、不登校をはじめとして、子どもたちのかかえるいろんな問題について、具体的なケースを中心に話が進められます。本書を読めば解決方法が見つかるというようなマニュアル本ではありません。でも、いろんな家族がいるんだということを知るだけでも、少しは心の支えになるかも知れません。

  • タイトルからは分かりにくいが、家族療法の実践例を多く紹介する中で、いくつもの普遍的なメッセージが発信されている。

    不登校だけではなく、様々な子どもの問題が取り上げられ、そこから家族のあり方、成長を描いており、全編を通じて、人間への希望と信頼が裏打ちされていることを感じる。

    本書の「犯人捜しをしないアプローチ」は、対象としてクライエントとセラピスト、そして、一般読者にも通じる内容だ。

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