日本の司法文化 (文春新書 89)

著者 :
  • 文藝春秋
3.37
  • (1)
  • (5)
  • (13)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 63
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166600892

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  元検察官で国会議員になった人が書いた刑事司法の本。
     刑事司法だけなのに「司法文化」とは…と思うが、刑事司法の問題点を「元検察官」の視点から書き、それを他国と比較している点はなかなか興味深い。

     弁護士から刑事司法の問題点について書いた本もかなりあるので、併せて読むと立体的な問題点の把握になって良いかも知れない。

     この本に対する一言を書くとすれば…

     検察のことほめすぎです。検察、そんなにすごい組織じゃないですから!
     検察が頑張っているのは認めます。しかし、問題点があることはおそらく自らが所属した組織なのだから分かっていたはず。そのあたりをきっちり書いておくべきだったと思いますよ。

  • [ 内容 ]
    死刑制度を存置しているのに、世界にもまれな量刑の軽さときめの細かさ。
    事件の真相解明に費やされる膨大なエネルギー。
    検察官にのみ与えられた起訴権限、起訴猶予権限。
    そして、試みられるもついに根付かなかった陪審制度。
    ―日本の「超精密司法」は、国際的にはすこぶるユニークなものなのだ。
    なぜこのような刑事司法制度が機能しているのか。
    世界の法曹界の人人との交流をふり返るなかで、日本人の「正義」観の特性、国民性を浮き彫りにする。

    [ 目次 ]
    第1章 超精密司法の国
    第2章 ラフ・ジャスティス
    第3章 国民が「事案の真相究明」を求める
    第4章 日本の強大な検察
    第5章 陪審制は機能するか
    第6章 厳父と慈母の精神

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「真実を追究する」超精密司法の国日本と「依頼者の公益を第1とする」慣例法的な海外(アメリカやイギリス)の司法のあり方を比較し、その司法精神や、そこからくる制度の違いを通し、今後の日本の司法のあり方を問う一冊。
    少々難しめ。しかし世界には「正義=真実」が必ずしも成り立たないところがあるのだという事が新鮮な感じでおもしろい。
    文芸春秋刊。

著者プロフィール

和歌山県生まれ。翻訳家、ライター。『つながりを取りもどす時代へ』(大月出版)の翻訳チームに参加。共訳書に『カーボンフリーエネルギー事典』(ガイアブックス)がある。

「2013年 『先端 ゼロエネルギー建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐々木知子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×