アメリカ人の中国観 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2000年4月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784166600977

感想・レビュー・書評

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  • 2000年刊。
     
     途中から斜め読み。戦後以降の米国の政治・社会思想からみた中国分析結果だけを集積しただけの書。
     つまり中華人民共和国の内実に迫る書ではなく、米国の分析書でしかない。これはこちらの期待とは全く違う。

     勿論、時代から逃れられない認識枠組みが、中国に限らず他国分析に関する米国知識人の眼すら曇らせることは、本書指摘の通りである。

     が、現代日本の読者相手に、米国人による中国の分析結果を並べるだけで十分なわけがない。
     即ち、米国の分析者がいかなる事実を取捨選択し、どのような思考過程を経て、かような結論に至ったのかという解読を、時代毎に分けて行う必要がある。

     すなわち、米国の戦後思想の変遷と、それが外交に及ぼした影響を歴史的文脈で分析したと言うには、米国の分析者が掴まえていたファクトが何か、それは公開情報か?など、結論に至る思考過程への分析と言及が要るのだ。
     しかしながら、本書はかような視点は皆無。
     なるほど時代毎に分けてはいるが、米国知識人の中国の分析を結論だけを纏めた書など、ザッピングで十分。

     まして、著者の掴まえた事実すら提示しないまま、米国分析諸氏への論評(酷評が多い)など不要である。
     著者は東京外国語大学教授。

     本書のような書で学ぶべきは。①分析には結論に至る理由と、理由の基礎となる事実、証拠の有無を厳しく問うこと。②善悪といった単純な二項対立で切り分けているなら、善悪の対象を逆転させるといった思考転換が必要という反面教師。

  • 2000年に執筆された本。したがって、クリントン政権2期目の途中までの、米国の対中政策が描かれている。その後、ブッシュ政権下で911同時多発テロが起こって世界情勢は一変し、今となっては中国は米国に比肩しうる軍事大国・経済大国となっているから、今読んでも余り参考にならない本だったかも。
    様々な書籍や論文からの引用が多すぎて、学術的には価値が高いのだろうけれど、一般人にとってはちょっと読みにかった。
    ただ、米国が中国に対して強い思い入れを持っており、期待・共感を持つ一方でと失望・し侮蔑する、「親和と摩擦」ないし「愛と憎」のサイクルを10年周期で繰り返している、との分析自体は面白かった。

  • 21世紀は、中国の世紀になるのか?
    それとも20世紀と同じように、
    アメリカの世紀になるのか?
    世界の人口が4分の1を占める中国を、
    アメリカはどう見ているのか?

    そこには、深く歴史観が投影される。
    「歴史は、究極的にはある
    人間の過去についてのイメージであって、
    そのイメージはそれを形成する人間の
    心理と経験によって規制される。」
    エドワード・ギボン

    1,アメリカ人の中国観が、
    「親和と摩擦」「愛と憎」の振幅のサイクル
     を繰り返しながら形成されている。

    2,「中国という鏡」をとおして
    自らのアメリカを同時代的に語り、
    その「ミラー・イメージ(鏡の中の自己像)」にあるときは
    「自己陶酔」し、または「自虐的」になって一喜一憂する。

    3,センチメンタルな「心情主義」ないしは「情念」

    中国は、「万華鏡」であり、「カメレオン」であり、
    「盲人の撫でる象」であるとされている。

    Ⅰ、1970年代前半 思い入れと共感の時代
    アメリカの知識人が、毛沢東率いる中国に
    まばゆいほどの共感を覚えた。
    それは、知識人自身が、ベトナム戦争などで
    屈折していたかもしれない。

    Ⅱ、1976年9月 毛沢東の死去と「4人組」の逮捕
    毛沢東とは一体なにをしてきたヒトなのか?
    そして、死に至ることによって、
    どのような成果と災いを残したのか?
     
    Ⅲ、1980年代 中頃 鄧小平への期待
    鄧小平は、アメリカに訪問して、「
    改革と開放」を押し進めていくのをアメリカは支援する。
    そして、中国の「独立自主外交」がはじまる。

    Ⅳ、1989年 天安門事件 民主主義の弾圧
    天安門事件は、なぜ起こったのか?
    そして、そのおこった原因が、はっきりして、解決されるのか?
    その中で、キッシンジャーが動いて、中国に手をさしのべる。

    Ⅴ、経済成長著しい中国 
    なぜ、経済成長をする背景があったのか?

    Ⅵ、中国は、どこへ行くのか?
    アメリカの台湾政策そして、中国の見方。

    こうやって、まとめてみると中国は、
    意外と節目のある国である。
     

  • 一言、難しすぎる。オレの頭ではついていけない。というか、論文だろ、これ。出典をしっかり表記されているのは有難い。これらを読んで勉強しろという事だろう。バークレー出身という事でバークレーの教授の引用が多いような。という事はやはりPHDの時の論文から・・・なんて想像もしてしまった。話は偏ってるが、中国とアメリカの関係を勉強するには丁度いいのかもしれない。自分はもっと勉強してから読み直そうと思う。

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著者プロフィール

*2013年3月現在 東京外国語大学総合国際学研究院教授

「2013年 『激流に立つ台湾政治外交史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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