リサーチ・リテラシーのすすめ 「社会調査」のウソ (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 198
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166601103

作品紹介・あらすじ

世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである。始末の悪いことに、このゴミは参考にされたり引用されることで、新たなゴミを生み出している。では、なぜこのようなゴミが作られるのか。それは、この国では社会調査についてのきちんとした方法論が認識されていないからだ。いい加減なデータが大手を振ってまかり通る日本-デタラメ社会を脱却するために、我々は今こそゴミを見分ける目を養い、ゴミを作らないための方法論を学ぶ必要がある。

感想・レビュー・書評

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  •  母集団がはっきりしない調査,抽出した集団に偏りがあるデータ,質問事項が有る方向に答えを誘導しているような調査,そもそも選択肢が変な調査など,この世の中にはびこる世論調査というものに鋭くメスを入れ,それにだまされない方法を素人にもわかりやすく書いてあります。と言っても,「やはりだまされるだろうなあ」という気もします。自信がないのだ…トホホホホ。
     「右」のデーターも「左」の調査も,変なものは変と言っているところは,小気味よい。
     この本の最終・第5章で,著者は「リサーチ・リテラシーのすすめ」と題して,「その社会調査が本物かどうかを見分ける力を身につけてほしい」と書いています。本書の目的も,「そこにある」と言うことです。
     今回の小泉内閣の支持率にしても,新聞紙上で「8割から9割の支持率」とテレビで報じていましたが,「なんで新聞の調査によって1割も差があるのかなあ」と思いました。「選択肢や調査対象がちがうのかな」「朝日新聞が一番低かったのには,何かあるのか」なんて,ちょっとだけ気になったのです(ただ,今回の場合は,そんな違いより,前の森内閣との違いの方が大きいので,たいして問題にはならないけどね)。
     これから,ますます「改憲に賛成する人・しない人」とか,「自衛隊に賛成する人・しない人」などという世論調査がたくさん出てきそうです。だまされないようにしないと,未来の方向を誤ってしまいます。くわばらくわばら。

  • 世の中で出回っているダメ調査の例を示しながら、こういう恥ずかしいことをしないためにはどのような点に気をつければよいかを読者に考えさせる本。真っ当な調査手法が並べられているだけの教科書よりもイメージが湧きやすい。筆者の言うとおり、人を対象とする研究は必ず倫理委員会を通さないといけないように、社会調査についても専門の委員会を通すべきなのであろうが、実際に実現することはできるのだろうか?自分が取ったデータを隠すのは、単純に個人を特定しうる情報を除いたデータの公開を科研費交付の条件にすればよいだけの話の気がする。

  • 少々言葉は悪いが、データを診る目を養う良書である。この本が執筆された当時よりも、今はインターネットが普及し、玉石混合の「○○調査」の結果概要が手に入る。だからこそ、私たちは本質を見誤ってはいけないし、自分自身が「ゴミ」量産側に回ってはいけないと強く感じた。

  • 世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである・・・と一刀両断。
    マスコミによるものから、学者によるものまでさまざまなな「社会調査」について、行き過ぎた解釈や広報などの丁寧に暴いていく。

    専門的な知識は必要なくても読めるて、非常におもしろい本だった。
    副題にあるとおり、リサーチリテラシーを身につけるためにはもってこいだと思う。

    幾つも実例(公表された調査)を挙げて、どのように批判的に読み取ればいいかが解説してあって、かなり勉強になった。
    最後には、例題(と解説)まで用意されていて、自分のリサーチリテラシーについてテストされるわけだけども、本を読んだ上でも、なかなか・・・。

    きっぱりと物言いする著者と、論理的な解説に気持ちがよくなる。
    (ただの、イチャモン本ではない)

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    【内容(「BOOK」データベースより)】
    世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである。始末の悪いことに、このゴミは参考にされたり引用されることで、新たなゴミを生み出している。では、なぜこのようなゴミが作られるのか。それは、この国では社会調査についてのきちんとした方法論が認識されていないからだ。いい加減なデータが大手を振ってまかり通る日本―デタラメ社会を脱却するために、我々は今こそゴミを見分ける目を養い、ゴミを作らないための方法論を学ぶ必要がある。
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    【著者略歴 (amazonより)】
    谷岡一郎(Ichiro Tanioka)
    1956年大阪生まれ。
    大阪商業大学学長、学校法人谷岡学園理事長。慶應義塾大学法学部を卒業後、南カリフォルニア大学行政管理学修士課程を経て、社会学部博士課程を修了(Ph.D.)。『ツキの法則』(PHP新書)、『「社会調査」のウソ』(文春新書)、『40歳からの知的生産術』(ちくま新書)など著書多数。
    ————————
    【目次】
    序章 豊かさ指標はなぜ失敗したか
    第1章 「社会調査」はゴミがいっぱい
    第2章 調査とマスコミ―ずさんなデータが記事になる理由
    第3章 研究者と調査
    第4章 さまざまな「バイアス(偏向)」
    第5章 リサーチ・リテラシーのすすめ
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  • 辛口だった。普通、辛口の論評は通常よりも面白く感じるはずなのだが、なぜか不愉快な気持ちになったし、それほど面白く感じなかった。それが自分自身に因する問題なのか、それとも筆者が問題なのか判断がつかない。

  • ・統計やアンケートを使った新聞記事がいかに間違っているかわかる本
    ・本書にのってる間違いパターンを把握しときべき

  • 官公庁による調査やメディア各社の行うクソみたいなアンケートなどを、具体的かつ根源的にバッサバッサと切り捨てまくる快作。
    トピック毎に実際に新聞記事を引用し、それがどのような間違いを犯しているのか・どんな誇張テクを使っているのか備に解説してくれるので、本書を読み終わる頃には自分でも怪しい統計に対して適切なツッコミが出来るようになる。
    一方で、悪い使い方もそれなりに出来そうな本でもある。本書を参考に、都合の良いアンケート結果を出したり、資料をあざとく強調したり…というのは、卒論までなら許されると個人的には思う。

    なんとなく怪しいと感じられる段階と、何がダメなのか具体的に指摘できる段階とは、差があるということがよく分かった。正直言って、本書を読んで(以前の自分と比べると)結構賢くなったと思う。そして、大概の日本人は本書を読めば結構賢くなれると思う。


    725円。

  • これはいい!!面白い!
    これぞ、クリティカル・リーディングというやつでしょう。
    各種有名新聞社の実際の記事を取り上げて、それぞれの記事にきちんとした論理的・統計的根拠がないまま報道されているということを、同じ記事の中から明らかにしている。一つ一つに記事についてとても丁寧に批判していて、批判のプロセスみたいなのが垣間見えてとても面白い。しかも、批判対象が有名新聞というのも大胆だ。
    筆者は心理の専門家ではないようだが、社会調査一般の方法論について詳しいようで、これは心理の特にアンケート調査などを行う際には、肝に銘じておくべきことが沢山書いている。
    久々に当たりの本を読んだ気がする。

  • データリテラシーを学べる新書の定番ですね。

  • 学者の変な調査が横行するのは、それをちやほやする受けて(マスコミ、民衆、役所)がいるから。
    shじゃ回科学では、同じ手順で行われた調査であっても、必ずしも同じ結果が出るとは限らない。社会というのは常に地理的、時間的に動いているから。

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著者プロフィール

1956年大阪生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、南カリフォルニア大学行政管理学部大学院修士課程修了。同大学社会学部大学院博士課程修了(Ph.D)。専門は犯罪学、ギャンブル社会学、社会調査方法論。現在大阪商業大学教授、学長。著書に『「社会調査」のウソ』(文春新書)、『データはウソをつく』(ちくまプリマー新書)、『確率・統計であばくギャンブルのからくり』(講談社ブルーバックス)、『こうすれば犯罪は防げる』(新潮選書)などがある。他に海外でも数多くの論文を発表している。

「2019年 『ランキングのカラクリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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