白虎隊 (文春新書 172)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166601721

感想・レビュー・書評

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  • 戊辰戦争でのヒーローについてはあちこちに史跡が残っていて日本史の授業で薄っぺらく学んだ以上に日本人の中に染み付いているもののよう。
    中でもこの白虎隊に関しては、様々な形を取って武勇伝として語られてきたので不動の知名度No. 1といったところかしら。
    しかし本書では白虎隊のメンバー(戦士と言うべきか)は皆が必ずしも飯盛山で美しく(なのか?)自害を遂げたというわけではなく、様々な事情のもとに生き残ったり、死に急いだものたちもいた、ということを史料を詳らかに調べ上げた上で記されているのですが、著者がジャーナリスト出身だということを鑑みた上でもその尽力には頭が下がります、いやほんと。
    ただやはり、「殿に忠を尽くして死ぬことこそ武士の本懐である」という教育が石高にかかわらず平等に行われてきたということを美談のように捉えていることには「あーやっぱりねぇ」という限界を感じた。
    著者は戦後生まれではあるけれど、いわゆる『団塊の世代』つまり同様に「忠君愛国」の精神をGDPの伸びに託して生きてきた人たちなわけですね。
    そして今、日本はもはやそんな状況ではない…のに相変わらず同じ志向の人たちが社会の上を塞いでいる。若い世代が窒息しかかっているのも気づかずにね。
    白虎隊にはもうご退場願いたい。あちらでゆっくりお休みください、とつくづく思ったことでした。

  • 2007お正月にスペシャルドラマで「白虎隊」をやったので、ひさしぶりに白虎隊の本なぞ読んでみました。史実は、新しい事実が発見される度に書き換えられていくので、かつて知っていた史実より微妙に上書きされてた気がする。また勉強しなおさないと駄目だなあ。

  • 本当に良く調べてあると思いました。
    世間一般の百虎隊として抱いていた認識以上の出来事を知りました。

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著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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