物語 韓国人 (文春新書 188)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166601882

作品紹介・あらすじ

古代には、中国と日本の間で、時に戦い、時に和し、したたかな対応をしていた半島の人々だったが、しだいに文を尚び武を軽視するようになる。ことに十六世紀に入り、朱子学を尊信する文化人の支配が始まると、華夷思想により、中華帝国の藩屏の地位に安住し、国内には観念的な道学的政治論とすさまじい権力闘争(党争)が横行する…。「日韓新時代」といわれながら、依然、日本人には見えにくい隣国の歴史の真相を透視する。

感想・レビュー・書評

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  • 2018/01/19 23:31:56

  • 武を重んじた古代韓国人と、儒教(朱子学)を偏重し抽象的議論ばかりするようになった李朝以降の韓国人。

  •  李朝時代は、政治論議ばかりしていた、とは聞いていましたが、ここまでとは思いませんでした。今の日本の政界のようでした。
     この本を面白いと思う反面、ダメな朝鮮を知って面白がっているのでは?という葛藤が自分の中にありました。

  • [ 内容 ]
    古代には、中国と日本の間で、時に戦い、時に和し、したたかな対応をしていた半島の人々だったが、しだいに文を尚び武を軽視するようになる。
    ことに十六世紀に入り、朱子学を尊信する文化人の支配が始まると、華夷思想により、中華帝国の藩屏の地位に安住し、国内には観念的な道学的政治論とすさまじい権力闘争(党争)が横行する…。
    「日韓新時代」といわれながら、依然、日本人には見えにくい隣国の歴史の真相を透視する。

    [ 目次 ]
    第1章 身近な古代韓国人
    第2章 大陸との距離
    第3章 消え行く「勇者の時代」
    第4章 リアリズムの喪失
    第5章 党争と儒教知識人
    第6章 華夷思想という麻薬
    第7章 心に残る文章

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    [ 参考となる書評 ]

  • 「韓国人は頭がいい人が多いのに、なぜ国の運営がうまくいかないのか」という著者の実感がこの本の発端となっている。そういう感想自体の色眼鏡性を不問にしているところは引っかかるけれど、わりと面白かった。「うまくいっていない」ことは、まず南北問題であり、また歴代の大統領が前任者を否定した上に自分の正統性を確立しようとするものの高官による不正が後を立たない不安定な政治にあるという(2001年の著)。その原因は、古代には尚武の精神にあふれていた朝鮮人が高麗期ぐらいから武蔑視の風潮に転換し、後に朱子学を信奉する文化人が支配するようになると小華の国でリアリズムを失った観念的な道学的政治論とおぞましい権力闘争にあけくれてきたためだとしている。そういう傾向はあると思う。しかし、そういう性格が原因で「うまくいっていない」んだという結論には、特に現代史になるとそうでもないだろうというところもある。例えば「あのとき(モスクワ外相会議・45年)南が信託統治を受け入れていたら、ソ連も外相会議の当事者であった以上、分断を促進するような挙には出られなかったはずである。だが、南朝鮮における猛烈な反託運動を見て、信託統治は実現不可能と踏んだソ連は、1946年段階で北朝鮮に土地改革、労働法の制定、産業国営化などを次々実施し(略)」。無かったことと比べること自体現実的ではないけれど、信託統治されたとしてソ連は「分断」を促進するような挙には出なかったかもしれないが代わりに統一した共産国家をつくる挙に出ていたか、一国家内における本当の内戦としての朝鮮戦争がゲリラ戦のようなグズグズの形で時期をはやめて始まっていたかもしれない。また朴正煕を軍人だからということで当時の文化人が民衆の評価というリアリズムから離れて批判していたという話も、批判すること自体が悪いわけがなく、また批判してどういう不利益があったのか具体的ではなく、うっかりすると「なるほどー」とか読み飛ばしそうだけど変な話。あるいは徴兵逃れ(宗教は除)は武蔑視の風潮、というのもむしろリアリズムに欠ける観察で、主な理由は2年以上もほぼ無賃で何の役に立つのか分からないことを強いられたり、苛められるのが阿呆らしいからだと思うのだが。でも、近代以前についてはなかなか面白く、武蔑視の起源はどこにあるのか、という問いや、三国時代とそれ以降の韓国人、律令時代前後の日本人はそれぞれどう変わって、関係はどのように変わっていき、それが後の時代にどのような影響をあたえたのか、ということはやはり面白いテーマだなと思った。

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著者プロフィール

1948年生まれ。日本で最初のバイアグラ研究家を名乗る50歳の男性ビジネスマン。

「1998年 『バイアグラ完全ガイドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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