流言とデマの社会学 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2001年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784166601899

みんなの感想まとめ

流言の本質やその伝播メカニズムを深く掘り下げた内容が魅力の一冊です。情報が人から人へと連鎖的に伝わり、時には事実が歪められる様子が描かれています。特に、流言の量は問題の重要性と状況のあいまいさに比例す...

感想・レビュー・書評

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  • ◆五味文彦(ALL REVIEWS 2024.11.8) https://allreviews.jp/review/7068

  • ・流言の本質的特徴
    ①人から人へと伝えられる情報。「連鎖的コミュニケーション」
    ②秘密裡に囁かれる口コミの情報
    ③事実の確証なしに語られる情報
    ④伝播するうちに情報内容が次第に歪められ、もとの内容と全く異なってしまう場合が多い
    ・「流言の量は問題の重要性と状況のあいまいさの積に比例する。Rumor=importance×ambiguity
    ・刑法233条「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」に関して、悪意でなくむしろ善意で発信されたが結果的に流言、虚偽であった場合。悪意なき持論の表明がデマ拡散を恐れるばかりあまりに統制されると、表現の自由に関わってくる?

  • 社会

  • 150円購入2014-02-22

  • 2011 8/16読了。Amazonマーケット・プレイスで購入。
    前々から読みたいと考えていた本。内容のまとめは他の方のレビュー参照。
    マーケットプレイスで送料の分、定価よりも高い値段がついていたが購入。
    だって気になるんだもの。

    中身は、後半の具体的な事例部分よりも前半の流言に関する研究のまとめ部分、抽象度の高い話の方が面白いという稀有な本だった。
    主に災害時の流言に焦点があたっているので現在の日本の状況では参考になる部分もあるだろうが、インターネット以前の話がメインなのでそこはかなり状況が変わってもいる?(前半、抽象度の高い部分はかなり通じそう)

  • [ 内容 ]
    電話がコレラ菌を運ぶ、「血税」とは文字通り血をしぼり取られることなどの明治時代の風聞から関東大震災を経て、口裂け女や外国人労働者暴行説など最近の噂に至るまで、噴火や地震等の災害をめぐる流言を中心に、社会学、心理学、言語学の視点から、噂がいかに生まれ、形を作って広まってゆくか、そのメカニズムを分析。
    最近の雲仙普賢岳噴火や所沢ダイオキシン報道、東海村臨界事故などをめぐる風評被害(流言のもたらす経済的被害)の実態も紹介する。

    [ 目次 ]
    はじめに 最近の流言(外国人労働者暴行流言 阪神・淡路大震災後の「地震再来流言」)
    第1章 流言とは何か(流言とは何か 流言、デマ、うわさ 流言の心理学 流言の社会学 竜華の言語学)
    第2章 流言の構造と内容(流言は処罰される 二種類の流言 噴出流言 浸透流言 潜水流言)
    第3章 風評被害(風評被害とは何か 雲仙普賢岳噴火と風評被害 所沢ダイオキシン報道と風評被害 JCO臨界事故と風評被害)

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 本書は、流言の発生から伝播に至るメカニズムを分析したものである。
    記述されているものとは違う構成で、主旨をまとめてみた。


    1.流言の定義

    著者によると、流言とデマは違うらしい。

    どちらも「人から人へと伝えられる根拠のない社会的な情報」であるが
    デマは政治的な誹謗中傷で「作為的」なのに対して、流言は「自然発生的」なのだそうだ。
    ちなみに、噂は「個人的な情報」である。

    この定義からすると、本書は流言しか取り上げていない。
    世間では「流言≒デマ」と見なされているから、このようなタイトルにしたのだろうか。


    2.流言の原因

    ◎流言の量=問題の重要性×状況の曖昧さ (『デマの心理学』より)

    ・問題の重要性:生命や財産が脅かされている状態
    ・状況の曖昧さ:情報が不足している状態

    この公式を解釈すると・・・

    ①人々に不安や不満がある状況で、情報不足が生じる。
    ②感情的緊張を緩和し、情報の曖昧性を解消しようとして、流言が発生する。
    ③人々に伝達していく過程で、内容が形作られていく。

    ということの様だ。


    3.流言の種類

    (1)噴出流言(著者の造語らしい)

    社会規範が消滅している状況で発生し、社会的混乱を引き起こす。
    猛烈なスピードで広がり、消えるのも速い。
    大規模災害時に発生する流言である。

    これは、群集心理(匿名性・伝染性・非暗示性)と深く関わっていて
    荒唐無稽な話でも真実と信じ込んでしまうため危険である。

    (2)浸透流言(著者の造語らしい)

    社会規範が残っている状況で発生し、社会的影響も小さい。
    広がるスピードは遅いが、長期間持続する。
    都市伝説等、ほとんどの流言は、こちらに属している。


    4.流言の対策

    報道や行政等、情報を発信する側についてのみ記述されている。

    ・過度に不安や恐怖を煽る報道は、自制する必要がある。
    ・情報を閉ざすと人々の疑心暗鬼を招き、事態を悪化させる。
    ・緊急な対応を必要とする情報は、人々にまず一報を伝え、その後具体的な内容を続報として伝える。

    特に地震予知に関して

    ・地震情報は、権威ある委員会が危険と判断してから公表する、というルールが必要である。

     ※現在の科学技術では、発生日まで指定して地震を予知することは不可能。

    では、個人が流言(その時点では判断できないが)を聞いたら、どのように対応すべきなのだろうか。
    本書の内容を元に推測してみた。

    ・気持ちを静める→むやみに惑わされない
    ・事実を確認する→情報のソースを見つけ出す
    ・情報を検討する→災害等の正しい知識を得ておく


    ◆全体の感想

    流言の発生と伝播だけでなく、予防と対応についても詳しく記述して欲しかった。
    我々一般人は、そちらの方が重要である。

    また、下記の様に書き方の問題で、著者の主張が分かりづらかった。

    ・他の研究者からの引用が多く、それがまとめられていない。
    ・文章が冗長で最適化されていない。

    それでも、流言を理解するには中々の一冊である。

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