明治人の教養 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2002年12月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784166602933

みんなの感想まとめ

近代日本における教養の多様性と個性を探求する本で、個性的な学者たちのエピソードが豊かに描かれています。狩野亨吉と西田幾多郎の対比を通じて、「読書人」と「思索者」としての彼らの人生が、学問のあり方の両極...

感想・レビュー・書評

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  • 近代日本の教養のありかたを身をもって示した、個性的な学者たちのエピソードを紹介している本です。

    中国文学の研究者である狩野亨吉と哲学者の西田幾多郎の二人は、ともに京都大学に勤め、友人どうしでしたが、それぞれ「読書人」と「思索者」として対比されて、そのひととなりが紹介されています。この二人の人生そのものが、近代日本の「学問」のありかたの両極を象徴しているといえるかもしれません。

    これに対して、経済学者の河上肇や生態学者の今西錦司をあつかった章では、「学問」という枠組みよりもさらにひろい「教養」という概念に対する読者の態度におうじて、その評価が分かれるかもしれません。前者はマルクス経済学の理解においてはけっしてじゅうぶんではなく、後者は晩年に自然科学者を廃業して「自然学」の立場を標榜するにいたります。しかし、彼らのような型破りの学者をも包摂することが可能だった「知」のありかたこそが、近代日本の「教養」という枠組みだったのではないでしょうか。

    このほか、ともにカントの研究者としての肩書をもち、文部大臣を務めることになった安倍能成と天野貞祐や、それぞれフランス文学と英文学の研究者でエッセイの名手であった辰野隆と福原麟太郎などもとりあげられています。

  • 最終章は興味を引くが、現代の大学入試の規模から見れば、著者のノスタルジーは絵空事でしかない。つまり、著者の言うのは大衆教育社会の否定でしかないのだ。また、現行制度でも、著者の主張する方向性で入試制度を採用している大学も一部には存在するのであり、制度としてはそれで十分で、あとは個々の大学の入学者像に委ねるべきであろう。また、この手の著作に多いのだが、どうにもこうにも数学の軽視なきにしもあらず(はっきりした記憶はないが、旧制中学の数学入試問題は中受基礎、旧制高校は現行中学基礎レベル程度だったような…)。

  • [ 内容 ]
    近代日本は、勤勉な頭脳と卓抜な観察力、旺盛な読書力によって、新旧・和洋・東西を融合し、新しい日本文化の基礎を築くことに成功したが、その知的営みの精髄ともいうべき「教養」は、いまや消滅したかのように見える。
    では日本的「教養」とは、いかなるものであったか。
    近代日本の教養形成の担い手となった知識人たち―森外三郎、狩野亨吉、西田幾多郎、河上肇、安倍能成、九鬼周造らの人格形成の過程を、日記・書簡・随筆などを通してたどる。

    [ 目次 ]
    小島政二郎と「明治の人間」
    柳田国男の「明治的統一」
    『チャタレイ夫人の恋人』を読む西田幾多郎
    君山と寸心―「読書人」vs「思索者」
    河上肇と「味噌汁の身」
    森外三郎の京都一中
    リーダー・今西錦司の原点
    「二代目」桑原武夫の客気
    キーパーソン・狩野亨吉
    ケーベルと漱石の間
    「アンバイヨクナル」安倍能成
    「長身・美貌・etc」vs「正反対」の九鬼・天野
    辰野隆と福原麟太郎―「過去」と「現在」の微妙な関係
    「教養」は時代を超えるか

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  • 1266夜

  • 読みました。一瞬で。
    あとがきに突然「知」と「農」が国家の根本のごとくに語られて登場するのがどうなんだろーなー。
    エピソード中心という本で、教養というより人物伝という感じ。
    明治人、というもの自体は好きなので、教養を考えるより生き方の本として読んだら面白いのかもしれない。

  • 「昔に還れ」なんてありきたりな文句ですけど、嫌いじゃないです。ただし、「明治人の教養」と題しつつ紹介されているのは「明治の教養人」。似ているようで全然違うと思うんですけど、このふたつは。

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