勝つための論文の書き方 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 400
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602957

作品紹介・あらすじ

二十五年間にわたり、文章と考え方の指導をしてきた教授による徹底指南。論文も仕事も、勝利をつかむための極意は問いを立てることにありとして、「カフェと喫茶店の違い」「牛丼と宅急便の関係」「司馬遼太郎と山田風太郎」など奇想天外な例証を次々に挙げつつ思考のレッスンを展開する。点のとれる論文、会議に通る企画書、銀行をウンと言わせるプレゼンテーション案を書きたい諸氏は必読。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルほどの軽い印象は無い。内容は表面的では無く、より本質的で評価できる。問いの建て方、資料の集め方、コーパスの設定など、著者はフランス文学専門だが、文学系論文意外にも応用が利くと思う。時々読み返してもいいのではないか、と感じ

  • 【芝蘭友のトップストーリーニュース】vol.26で紹介。http://www.shirayu.com/letter/2009/000071.html

  • 2007年刊行。◆仏文学専門の著者が、主として大学生の卒論作成に際しての注意事項と方法論を解説する。叙述内容は取り立てて特異な点はなく、オーソドックス。はっきり言って、いかなる問いを立てるかで相当程度決まってしまうことがよくわかる。ただし、検討する題材が歴史研究や文学研究に沿った(著者の専門)ため、経済学や法学にて、本書のようなスタイル・問題設定で良いかは不明瞭。法経なら、実務的要素(例えば、法学では判例・紛争の実態・現代の諸外国の制度・将来の展望やあるべき理想)の加味がいくらでも可能だからだ。

  • ①比較を行って問題を立てる
      ↓
    ②立てた問題を調べるため、資料を集める
      ↓
    ③集めた資料から、論文を組み立てる


    ・問いは比較からしか生まれない
    どんな分野であれ、ベテランは一つ見ただけでその独創性や陳腐さが分かる:頭のなかにすでに比較するべき対象の蓄積があるから
    ・類似性と差異性の把握
    指導の順番として、まず同じジャンルの中の類似性を把握できるようにさせてやり、その後差異を見つけさせる。それができたら、ジャンルを超えたところにある類似性と差異性を理解するように視点を広げてやる
    ・問を見つける
    比較のフィールドを広げてやり、問を見つけてやる。方法は①歴史を遡ってみる(縦の移動)②横軸にずらす
    ・見つけた差異と類似を分析する
    見つけた差異と類似が、本質的・構造的なものであるか検討。同時代のライバルを比較するときには、視点を未来にとって、そこから両者を望遠鏡的に鳥瞰してみること。
    ・仮説による問題の検討
    テーマや切り口を思いついたら、まずサンプル抽出での検討を行い、自分の問いが本当に本質に届くものであるかどうかを検証していく。また、このときに先人の残した研究成果を調べることは有効である。問を立てるに当たっては大胆に、検証するに際しては慎重に行う。
    ・未知の問をどうやって発想するか
    勘が発想するときのポイントになるが、勘は経験の量によって左右される。自分がこれまで多少とも経験を積んだことのある分野における思考法なり、方法論なりの応用が効かないか考えてみる。その思考法とは、構造的なものを把握する能力のことである。

    ある物の本質を抽出しようというときに、必ず例外というものが存在する。その例外を無視せず、その例外がどういう形で例外なのかということを説明しておかないといけない
                            ↓

    ・一次資料と二次資料
    二次資料はいくらでもあっても、一次資料は一番欲しいところがないというのが実情。資料探索や資料吟味に時間のかかるようなテーマを選んでしまってはいけない。
    ・資料の分類について
    特別な資料を買わなくても、図書館で資料を写すだけでも、自分なりのくくり方さえできれば、研究はどのようにも発展させていくことができる。
    ・仮説に反する資料の処理
    仮設に合わない資料やグループの存在をどのような理屈をつけて処理するかが問題。
    ・コーパスとオリジナリティ
    論文のオリジナリティーというのは、コーパスをどう切り取るかの工夫による側面も大きい。すでに理論を打ち立てた人が居る場合、その人がコーパスとして使用している範囲を調べ、範囲が妥当なものか検証する。
    ・図形化、公式化
    具体例から出発して、抽象化・図式化の作業に切り替える、そこから、他の範例にも適用できそうな一般的な公式や法則性を導き出そうと努力していく。
                            ↓

    ・序論の書き方:読者を驚かす
    序論で最も必要なレトリックは、読者を驚かせること。読者が広く共有している常識を真っ向から否定するとか。
    ・序論の書き方:問を正当化する
    自分の問いを正当化するということは、その問が的を外した頓珍漢なものではなくて、本質的な・核心に迫る問である。
    ・本論の書き方:クエスチョンを分割する
    大クエスチョンに答えを出すためには、大クエスチョンを小クエスチョンに分割して答えをそれぞれ出す。そして最後にそれを統合するという作業が必要。
    ・結論の書き方:結論を急ぐな
    ある程度の結論が出そうになっても、そこで終わりにしないで、もう一度見直してみる。これが議論をより深い部分へ導くコツである。

  • 著名なフランス文学研究者による論文の書き方マニュアル。
    社会人になってからも使える論理的な頭の働かせ方を鍛えるために、論文を書くという位置づけで説明されるユニークな論文の書き方本。
    論文を書く上で大変なテーマの決め方・絞り方を丁寧にわかりやすく解説し、論文構成に関してもポイントを押さえてしっかり説明してくれる一冊。

    ▼名古屋大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://nagoya-m-opac.nul.nagoya-u.ac.jp/webopac/WB01467384

    ※「2016年 卒論30分講座」にて使用

  • * 読みやすかった。
    * 人文よりの論文の書き方について学べる。
    * 「第三回講義 資料の集め方」がおもしろかった。とくにコーパス(資料体)について捉え方・考え方が参考になった。

  • 論文を書く際の視点や日々の生活の心構えについて紹介。問いを立てること、検証方法、証明方法について添削例を踏まえて説明しているため分かりやすい。

  • フランス文学の論文指導に当たってきた著者が、論文の書き方について解説した本です。

    どのようにして問題を発見するのかということから説き起こし、問題をあらゆる視点から検討し、調査をおこない、論文の構成に至るまでのプロセスを、分かりやすく説明しています。具体的には、「日本人は、明治維新までの服装で、なぜアクセサリーをしなかったか」というテーマについての論文の指導をおこなうという形で、説明が進められていきます。

  • 2013年11月~ 企画コーナーにて展示中

    越谷OPAC : http://kopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1000377353

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著者プロフィール

1949年生まれ。東京大学仏文学科卒。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。フランス文学者。1991年『馬車が買いたい!』(白水社)でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』(青土社)で講談社エッセイ賞、2000年本書『職業別 パリ風俗』(白水社)で読売文学賞評論・伝記賞受賞。著作は他に『「レ・ミゼラブル」百六景』(文藝春秋)、『パサージュ論 熟読玩味』(青土社)、『情念戦争』(集英社)、『渋沢栄一』(文藝春秋)、『失われたパリの復元 バルザックの時代の街を歩く』(新潮社)など多数。書評アーカイブWEBサイトALL REVIEWS主宰。

「2020年 『職業別 パリ風俗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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