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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784166603008
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歴史的な背景を持つ一人の女性の運命を描いた本書は、ハワイ王朝最後の女王リリウオカラニの物語を通じて、国家のアイデンティティや併合の悲劇を浮き彫りにしています。著者はアメリカ歴史学の研究者であり、歴史の...
感想・レビュー・書評
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ハワイ王朝最後の女王
猿谷要 文芸春秋 文春新書
以前、ハワイがアメリカに併合されたのは、実はわたしの祖母が生まれたころだと知り、勝手に思っていた時期よりも「最近」なのだと驚いて、ハワイの併合に興味がわいたことを思い出します。
著者は大学のアメリカ歴史学の研究者で、アメリカの黒人の歴史についての著作を以前に読んでいたので、本書も歴史の教養書のつもりで読み始めたのですが、実は映画を見ているようなストーリー仕立ての著作でした。
主人公リリウォカラニ女王(愛称リリュー)への敬愛に満ちた印象深いあとがきに、「ハワイ王朝滅亡史のような概説を描くつもりはありませんでした。(中略)あくまでも一人の女性が、歴史の大きな流れの中でめぐり会った運命を描こうと思ったのです。」と書いてあります(最後に気づきました)。
リリューの感情の動きを細かく描写していて、軽いエンターテインメントとしてもおもしろく読むことができます。南北戦争の記憶がまだ残るアメリカ本土の状況、日本の皇室へのアプローチ、日本人の多数の移民など、関連する同時代の周辺の状況との関係も興味深く読みました。
とはいえ、真のエンターテインメントではないので、ドラマチックな展開という点では、史実への忠実さを保っていることもあって、想像を超えるようなドキドキした展開は感じませんでした。
また、主人公リリュー以外の登場人物については、意思や感情の記述は少なく、著者なりの主観が極めて抑えられていることも、少し残念な気がします。登場場面が少ないものの、名前が出てくる人数が多かったと感じます。時には戻って名前を確認しました。
本書の意図とは少し離れると思いますが、ハワイの独立、併合運動、アメリカ政府の思惑などの政治的・歴史的な視点からの考察も(教養として)知りたいと思いました。あとがきには、「ハワイ日系人の物語や1980年以降に高まったハワイ人の復権運動については、他の本に譲りたい」と書かれています。巻末の参考引用文献リストには、多数の文献が紹介されています。英文が多く、あたかも論文のようです。ついでに言えば、写真・図も結構掲載されていて、印象深いですが、人の多く写った集合写真のサイズはもう少し大きくしてほしかったです。
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2013/8/27
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■ ハワイ王朝最後の女王
あっという間に起きてしまった王制~共和制~合併という流れに翻弄された女王リリウオカラーニの生涯。
有名なカメハメハ大王はもちろん、かつてハワイに王朝や宮殿があったことは知っていたが、それがアメリカの50番目の州になった経緯は殆ど知らなかった。ネットにも本屋にも、数多のハワイ情報が氾濫しているが、本書のようなハワイ史に関する情報は少ないということを再確認。日本との関係や、ハワイ人・白人・アジア人の間に横たわった人種問題など、今日のワイキキビーチの華やぎからはかけ離れた過去は、目から鱗だった。
本書を読めば、ホノルルのストリートやホテルに名残る王族の名前や名曲『アロハ・オエ』のメロディに、これまでと違った感慨を持つこと間違いなし。 -
読みやすいけど、もう少し学術的な方がよい。
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ハワイの歌としてとても有名な『アローハ・オエ』の作詞・作曲者リリウオカラーニは、ハワイ王朝の最期の女王でもあった。
今は「アメリカの一部」となっているハワイ。そこに王朝が日本でいう明治時代までは存在していた。諸島を統一した王朝が治める地をアメリカが併合するまでの経緯を、リリウオカラーニの視点を通して描く。
新書版の中に時代背景、政治情勢、事件の経緯などが盛り沢山なため、一人の女性の生涯として読むには色々と脇道が多いが。著者の女王に対する親愛、崇敬の念はたっぷり感じられる一冊。
ホノルルの街中には現在でもホテルの名前や通りの名前として、当時の関係者たちの名前が残っているので、ハワイ旅行前に読むと一層親近感を覚えることだろう。 -
ハワイ王朝の最後を最後の女王の運命と共に追う。
今度ハワイに行くときには、ハワイの見方が変わりそうだ。 -
ハワイがアメリカになったのは、併合に近いものだったことに驚き(まったく知識なかったので)。これしか読んでいないので分かりませんが。
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