閨閥の日本史 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2003年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784166603015

みんなの感想まとめ

歴史の転換点において、閨閥が果たした重要な役割を探る内容が展開されています。日本の名家や家系の系譜を通じて、豊臣家や島津家、松平家などの歴史的な背景や興味深いエピソードが紹介され、閨閥がどのようにして...

感想・レビュー・書評

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  • メモ
    日本史をひるがえってみると、その節目節目で閨閥が歴史の転換に大きな役目を果たした。日本史を閨閥の観点から見直し、多くの話題を提供した家々について系譜を検証した。

    〇豊臣家、秀吉、閨閥に破れたり。秀頼が生まれたために。
    〇岩崎家・後藤家 元祖は海援隊、三菱の誕生 
    〇江藤家 反乱児・江藤新平の異色の末裔~曾孫は鐘紡名誉会長・伊藤淳二(母方)
    〇陸奥家・古河家 友情と約束がつくった閨閥~陸奥宗光の二男潤吉が古河市兵衛の養子に。
    〇土方家・加藤家・西園寺家 「赤い伯爵」と大名家~伯爵土方与志はプロレタリア劇作家となり爵位剥奪されたが戦後演劇界で活躍。母は伊予大州藩加藤家の出。妻は三島通庸の孫。
    〇越前松平家 乱行(殺人をみると初めて笑った愛妾のために殺人を犯したとのうわさ)で元和9年(1623)大分へ配流。その孫娘昭子が後西天皇の女御に。
    〇肥後細川家 平成に花開いた細川54万石。元首相細川護煕。
    〇大谷家 蓮如、そして真宗王国の系譜
    〇島津家 先祖を源頼朝とする南国の王者~昭和天皇の皇后・良子の生母は島津家最後の藩主忠義の七女・俔子で久邇宮家に嫁いだ。また俔子の妹正子は徳川宗家第17代家正の妻
    〇加賀前田家 加賀百万石、かくて三百年~13代斉泰に11代将軍家斉の21女溶姫が嫁ぐ。このため三位以上の大名に嫁いだ時作る御守殿門が本郷の江戸上屋敷に作られた。これが現在の東大赤門。 
    〇近衛家 昭和史の主役、名門首相逝く~近衛文麿・戦時中3度首相に、戦犯の出頭の朝、服毒自殺。文麿の母は加賀前田家より、夫人は豊後佐伯の毛利家より。子の文隆はシベリアで抑留中死亡。養子として肥後細川家より護貞を養子にとる。護貞の夫人は三笠宮宗仁親王の長女。
    〇徳川家 天下を制した家康の女系。生母於大。正妻築山殿-信康。お万の方-結城秀康 実の娘や養女を諸大名に嫁がせる。
    〇松下家 


    中嶋繁雄氏
    「日本の名門100家 その栄光と没落」立風書房1979
    「日本の大名家はいま」学習研究社1995
    「閨閥の日本史」文芸春秋2003 と続く。


    2003.2.20第1刷 図書館

  •  本書は、日本の12の著名な家および財閥3家の閨閥をあらわしたものであるが、日本の歴史上の権力機構がいかに狭いインナーサークルで構成されているのかを、改めて確認できた思いがした。
     本書によると、「閨閥の頂点に立つのは天皇家」である。閨閥の価値は天皇家との距離によるとの本書の指摘と、その閨閥システムが日本の古代史から現在まで続いていることをみると、このシステムは日本の民族的遺伝子のように、過去から現在まで連綿と続いていることをあらわしているように思えた。
     本書の対象は、戦国期の「豊臣秀吉」から昭和期の「松下幸之助」まで多岐にいたるが、「近衛文麿」の臣下として最高の家柄の閨閥をみると、近衛文麿が昭和史で重要な位置を占めた理由がわかる気がした。まさに天皇のすぐ下のポジションだったのだろう。当時の多くの国家指導者や庶民の希望の星だった理由がわかった気がした。庶民は、当時も今も「貴種」が好きなのだ。しかし、昭和史における国家指導者・近衛文麿は、戦争への道を防げず、政権を無責任に投げ出している。昭和天皇独白録での昭和天皇の近衛文麿への評価も低いものであった。やはり、閨閥による国家指導者の選任システムでは、歴史を背負うには荷が重いのだろうかとも考えた。
     本願寺教団の「真宗王国の系譜」も、興味深かった。本願寺教団始祖の親鸞以来、幕末期から明治期以降、門主大谷家は皇族や公家五摂家と華麗なる閨閥を繰り返し結んでいる。宗教教団のトップ家系の閨閥が、なぜこのような関係をつくる必要があるのか疑問も感じたが、考えてみれば、ヨーロッパにおけるキリスト教も、中東におけるイスラム教も権力と不可分の関係を結んでいるし、現在のアメリカ大統領選挙もキリスト教原理主義者の支持が大きな影響力を持っていることを見ると、日本においても宗教団体が権力に接近することは、何の不思議もないのかもしれないと思った。
     驚いたのは、松下電器産業の松下幸之助の閨閥である。松下幸之助は、和歌山市の農家の3男に生まれ、極貧のなかから一代で総合電機メーカーを作り上げた立志伝中の人物だが、長女の婿養子として伯爵平田東助の孫、正治を迎えた。平田東助の妻は公爵山県有朋の姉である。山県家も平田家も当時の権力機構のインナーサークルの一員である。極貧から実力ひとつでのし上がった松下幸之助も、名誉という誘惑には勝てなかったのであろうか、それとも閨閥作りはこの地位の人間達にとっては当たり前のことなのか、ちょっと考えてしまった。
     本書は、テーマと切り口がおもしろい本だと思った。

  • 閨閥でつながった権力者についての本ですね。

    豊臣家や徳川家、細川家や島津家など戦国から明治中心。
    関係のある本を読むときなどにちらちら読んでいるので結局全部通しては読んでいません。

    興味のないところは読めないので…

  • 平成21年4月9日読了。

  • 20070703
    歴史上の名家が閨閥作りによって生き残りに成功・失敗したって話。
    軽い読み物かな

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著者プロフィール

1929年生まれ。歴史ノンフィクション作家。主な著書に『諸藩騒動記』『大名の日本地図』『決定版日本の剣豪』など。

「2019年 『江戸の牢屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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