非米同盟 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
3.36
  • (1)
  • (3)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 32
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166603954

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 嫌米でも、反米でもない諸国のゆるやかな関係がユーラシア大陸で起こってきている。

    9・11以降特におかしくなった米国の奇行、ネオコンが失敗すると理解しているのではないかと思わざるを得ない奇行が続く。

    国防総省と国務省の権力争い、そしてネオコンの参入。

    しかしながら、エピローグで書かれているのだが、国際協調派の砦、ビルダーバーグ会議に毎年のように招かれるネオコンの重要人物。

    筆者の解釈では、国際協調派とネオコンとは実はタッグをくみ、アメリカを疲弊させることにより生じるであろう、全世界的な経済の安定こそ、国際資本が利益をますことにつながるとの考えに基づく新たな戦略であると仮説を立てた。

    奥の深い世界戦略の話でありました。

  • 単独覇権主義は国力を消費するのでもうやめたいアメリカは自滅戦略によって自ら衰退の道を歩み始めた。変わって台頭してきたのが中国・ロシア。彼らを中心に米国を抜きにした「非米同盟」とも言うべき大連合ができつつある。大胆な仮説を元に今日の世界情勢を読み解く。

  • 好きです、こういう本。こういう観点もあってもいいと思う。田中宇さんの分析には圧巻させられる。圧倒的なデータを元に自分なりに国際情勢をぶったぎる。アメリカは駄目だ。ネオコンが誰を操っている。あまりにも一辺倒な考えだと、たまに感じるが、言ってる事が納得せざるを得ない事もいっぱいある。こういう本を読むと、もっと世界情勢を勉強したいと思わされる。世界がアメリカを抜きにして動こうとしている。それを基本線にして、アメリカ国内、サウジアラビア、イスラエル、中国、ベネズエラなどなど今ホットな国の状況を分かりやすく解説。さすがっす、宇さん。

  • 独自にソースを集め国際情勢を解説しているという点で肩に力をいれずに読むと楽しい内容である。実際、ネオコンが実は国際協調派であるとか、アメリカ国内に自滅派がいるというのは読む分には興味深いがこの本の性質上都合の良いデータを寄せ集めて説明している感が否めない気もする。よりロジカルに分析してまとめると面白い気がする内容である。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

国際情勢解説者。1961 年東京生まれ。東北大学経済学部卒。東レ勤務を経て共同通信社に入社。新聞、テレビ、ネットニュースでは読めない情報と見解を発信するメールマガジン「田中宇の国際ニュース解説」を主宰。
著書に『タリバン』(光文社)、『非米同盟』(文藝春秋)、『世界がドルを捨てた日』(光文社)、『日本が「対米従属」を脱する日』(風雲舎)、『金融世界大戦』(朝日新聞出版)、『トランプ革命の始動──覇権の再編』、『感染爆発・新型コロナ危機──パンデミックから世界恐慌へ』(ともに花伝社)ほか多数。

「2020年 『コロナ時代の世界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中宇の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×