対論 昭和天皇 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2004年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784166604036

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プレミアム

みんなの感想まとめ

日本の歴史的な視点から昭和天皇の存在を深く掘り下げる本作は、彼の記憶や詩、声、祈りを通じて、天皇の役割や影響を多角的に探求しています。各章では、昭和天皇の家族関係や軍部との関わり、さらには彼の思想が平...

感想・レビュー・書評

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  • 三種の神器

  • 日本政治思想史の学者と多くの昭和史を専門とし皇室関係者にインタビュー経験を持つジャーナリストの対談です。それぞれ「大正天皇」、「秩父宮」などの本を読んだことがあり、基本的には同じ主張が繰り返されていますが、二人の考えの違いが興味深く感じます。最も興味があったことは昭和天皇の音声がラジオで流れたのが、あの8・15の玉音放送が初めてであったとのこと。金正日の音声が北朝鮮で聞けないのと全く同じ理屈ですね。当時の人々が玉音放送に感動した背景にはそのような事情があったようです。そして天皇の猫背と低い身長が「神」にふさわしくないものであったが故の悩みなど。戦前の時刻を合わせた遥拝が時間支配を狙ったものであったこと、大嘗祭(大正祭、昭和祭)が即位する天皇が神になるという演出効果を狙っていたものであったことなどが興味深く2人によって語られています。戦争中の昭和天皇の発言、伊勢神宮参拝などを細かく分析することによっても、昭和天皇が伊勢神宮で何を祈り、戦争遂行にどう関わったかの責任に迫る鋭い本でもあります。一方、貞明皇后、美智子皇后に比べて、香淳皇后の存在感のなさ、古い皇室体質を引きずり、開かれた皇室への抵抗など、彼女への冷たい視線が印象的でした。昭和天皇が宮中某重大事件(色盲問題)をものともせず、それほど香淳皇后へぞっこんだったという説明にはニヤリです。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)139
    戦争・歴史・天皇

  • [ 内容 ]
    在位六十四年、日本の現代史を体現する存在である昭和天皇。
    日中戦争にはじまる戦中期を経て、占領期、そして戦後の独立回復以降、天皇の“記憶”“御製”“祈り”の実態を論じるとともに、戦前の“時間”と“空間”の支配の本質を鋭く見抜く。
    そこには昭和天皇の“声”と“身体”という重大事が潜んでいた…!
    現代史ブームの火付け役となった『大正天皇』と『昭和史七つの謎』の著者が本格的に語りあった、異色の昭和天皇論。

    [ 目次 ]
    第1章 “記憶”をめぐって
    第2章 “御製”を読む
    第3章 “声”の支配、“時間”の支配
    第4章 天皇と“祈り”
    第5章 昭和天皇の“父”と“弟”
    第6章 “軍部”と“身体”
    第7章 平成に受け継がれる昭和とは

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    [ 参考となる書評 ]

  • 昭和天皇は非常に記憶力がよかった。
    京都は別だが、関西、とくに大阪は極端に尊王精神というのが希薄だった。
    鉄道の開通式に天皇が幾ということには大きな意味があった。まさに文明開花を推進していくというシンボルとして天皇の役割を果たした。
    昭和天皇は朝鮮にはいかなかった。
    昭和天皇は水戸学的。国体を護持するためにはどうすべきかを考えるという点で、天皇の発想は水戸学者に通じるものがある。水戸学の場合は、いわゆる天孫降臨以前の神代を正史とはみなしませんから、国学や復古神道のように古事記や日本書紀を神代の具体的な注釈は一切しない。
    そのかわりに、キリスト教を奉じる西洋列強の脅威に対抗して日本のアイデンティティをどうやって守ったらいいのかという話になる。そこで国体という言葉が出てくる。

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著者プロフィール

1962年生まれ。早稻田大学政治経済学部卒業,東京大学大学院博士課程中退。放送大学教授,明治学院大学名誉教授。専攻は日本政治思想史。98年『「民都」大阪対「帝都」東京──思想としての関西私鉄』(講談社選書メチエ)でサントリー学芸賞、2001年『大正天皇』(朝日選書)で毎日出版文化賞、08年『滝山コミューン一九七四』(講談社)で講談社ノンフィクション賞、『昭和天皇』(岩波新書)で司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『皇后考』(講談社学術文庫)、『平成の終焉』(岩波新書)などがある。

「2023年 『地形の思想史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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