司馬遼太郎という人 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2004年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166604098

みんなの感想まとめ

国民作家の魅力が詰まった一冊で、著者の言葉を通じて司馬遼太郎の人となりや仕事への情熱が伝わってきます。編集者としての視点から語られるエピソードは、彼の独特な文体や思考を深く理解する手助けとなり、作品の...

感想・レビュー・書評

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  • 2004年刊。
    著者・和田宏(1940-2013)は文藝春秋の編集者。30歳の時から司馬遼太郎の書籍を担当――すなわち、司馬の全集の編集や、連載などを見ながら書籍化を考える役回り。
    司馬が和田に言った言葉(さしずめ「編集者向け司馬語録」か)を足掛かりに、さまざまなエピソードを紹介している。プライベートな箇所は少ないが、代わりに仕事人としての司馬の魅力を余すところなく伝えている。
    文藝春秋の半藤一利(こちらは雑誌の編集担当)も司馬のことを書いているが(『清張さんと司馬さん』)、距離の置き方がかなり違っている。読み比べてみるのもおもしろい。
    (p.s. 気に入ったフレーズを2つ:「ジョルジュ・シムノンは何回読んだかわからん」「江川問題が許されるなら、売れない作家の問題はどうなる」)

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    1 司馬さんのかたち/2 創作の現場近くで/3 書くことと話すこと/4 作品の周辺/5 司馬さんの小景/6 出版について/7 病気、そして死

  • 【いちぶん】
    司馬さんは蚕が桑を食べるように本を読み、糸を吐き出すように書いた。
    (p.96)

  • 司馬遼太郎という国民作家の人となりがよく伺える一冊。司馬さんの言葉を柱にして、さまざまなエピソードが詰め込まれている。作品は、意図して標準語であるため(その話もこの中に出てくる)、柱になっている言葉が当然(少し考えればわかることではあるのだが)大阪ことばであることに、意外なあたたかみを覚える。そして、そのエピソードの一つ一つが作品にもよく表れているなあと思わずにはいられない。

    「ライターが壊れてしもた。買いたいから付きおうてくれんか」という全集一期のお礼にライターをくれた話が大層気に入った。スマートな贈り物だなぁ。
    エピソードから、愛嬌のある司馬遼太郎という人物がたちのぼってくるよう。

    こうしてみると、まだまだ司馬作品で読んでいないものもあるし、また読み返したいものもたくさんあるなと思ったところ。黄泉路に旅立たれてから早20年以上が経つ。残念ながら、司馬作品に魅了されるのは、小四の関ヶ原以降なので、既に鬼籍に入られた後のことになる。
    来年は、司馬さんを読み直す年にしようかなあとぼんやり思う、中秋の明け方なのでありました。

  • 平成16年10月20日、初、並、帯無

  • 司馬遼太郎のザックバランな性格が30年間付き合いのあった編集者によって描かれています。正にそれは本名・福田定一氏の姿です。酒、食事、遊びなどに縁がなく、小説一筋の司馬遼の姿が生き生きと描かれています。名前の由来が司馬遷遥か(遼か)なり、ということから出ているとの事。また山本七平との対談がすれ違いで対話にならなかった逸話など、楽しいものがあります。40代の10年間を明治維新からの35年間の「坂の上の雲」に費やした司馬遼が次は日露戦争から35年間の坂を下る「ノモンハン事件」の執筆を考えていたとの事。相手が同じロシア、そして舞台が満州ということも対照的ですね。どのような内容になったのか、読むことが出来ないことは残念です。

  •  すごい人なんだな、とは思ってましたが、ホントにすごい人でした。話すときの関西弁がいい感じでした。

  • 司馬さんはみごとな人であったとしかいいようがない。たぐいまれな天稟に恵まれていたが、それ以上に私が感動するのは、常日ごろの自己を律する姿勢の厳しさである。努力の人でもあった。
    ゆえに私はこの人を人生の師としている。この人に出会わなかったら、編集者の仕事をむなしく感じたことはまちがいない。

    本書は、文藝春秋出版部で長く司馬氏の担当編集者を務めた著者による司馬遼太郎の記録である。ブックオフで購入し積読であったが、一連の司馬本を読むのに併せて読むこととした。
    本書は、伴走者の視点から描かれているが、なかなかの良作で面白い。
    以下、気になったところを備忘録として記す。

    p33「司馬史観なんていうのは、やめてくれんかな」
    p78「司馬さんの史料の読み方は半端ではない。それをもとに推理し論理を積み上げ、最後は、直観によって事実に肉薄する。(中略)読者の頭の中のスクリーンに真実を浮かび上がらせるために、じつに大胆に巷説や風聞、伝説といったものを使う。」・・・これはむしろ事実から離れる行為でありながら、巧みに使うことによって真実の姿を表現しようとする試みで
    p131「おりょうが竜馬のために菊の枕を作ったなんて、ぼくの作り話だぞ」・・・司馬さんは歴史的事実はきっちりと揺るがせにしていないが、それ以外のところではかなり奔放に創作をほどこしている。

    とある作家が竜馬の芝居を書き、菊の枕の話を使ったという事に司馬が怒ったというエピソードが描かれている。著者によると、こういうことを無神経に繰り返していると、いつのまにかそれが史実として扱われるようになるのを恐れたのだという。著者は「またぼくの話を使ってるよ」と苦笑する場面をたびたび見ており、司馬の創作を史実と間違えた人が大勢いるに違いないと推測している。
    これは、受け手側のゆゆしき問題である。小説を小説として読む分には害はないが、自らが創作する立場に立つのであれば、史実と混同してはいけまい。それなりに権威のある人が、司馬が言っていることだからと無批判に垂れ流してしまえば、歴史を歪める事に通じると思う。新聞やテレビの放送を鵜呑みにしてしまうこの国の気質も含めて考えさせられる話である。

    本書には著者が司馬を悼む気持が表れており、なんとも言えない読後感がある。お勧めの1冊である。

  • [ 内容 ]
    「自分を面積も質量もない、点のような存在にしないと物が見えてこない」。
    生前、司馬遼太郎氏は繰り返しこう語ったという。
    大変なユーモリストだったこと、権力風を吹かす人が大嫌いだったことなど、担当編集者として30年、その間耳にした“日常のひと言”をたよりに、人間・司馬遼太郎に迫る。

    [ 目次 ]
    1 司馬さんのかたち
    2 創作の現場近くで
    3 書くことと話すこと
    4 作品の周辺
    5 司馬さんの小景
    6 出版について
    7 病気、そして死

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    [ 参考となる書評 ]

  • (欲しい!)/新書

  • 国民作家といわれて「よしてくれ」、「碩学」と書かれたのを見て「勘違いしとりぁせんか」とナルシシズムなどとは程遠い人だったと担当編集者の和田さんは書かれている。偉ぶる人間が嫌いだったそうだ。

    上から目線で歴史を描く傲慢作家などという評価をネット上で目にしたことがある。本人が「『司馬史観』なんていうのは、やめてくれんかな」と嫌がっていたように、この本を読むと決してそんな人ではないと思えるだろう。

  • 情報科教員MTのBlog(『司馬遼太郎という人』を読了!!)
    https://willpwr.blog.jp/archives/50870982.html

  • 350+税

  • 本当、すばらしい人

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