Jポップの心象風景 (文春新書 432)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166604326

作品紹介・あらすじ

CDが売れなくなったといわれて久しいが、いまも若者は最新のヒット曲を携帯電話の着メロにし、ライブを行えばスタジアムを満員にするアーティストも多い。なぜJポップは、これほどまでに日本人の心をとらえてやまないのか-Jポップを代表する八組のアーティストをとりあげ、その人気のありかたや歌詞に通底する文化的原型を、心理学、民俗学、神話学などの手法で分析、彼らに魅せられてしまう日本人の集合的無意識をも明らかにする画期的評論。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の歌はなぜ海外では売れないのか?
    その理由がわかりました。何気なく聴いていた歌詞にも日本特有の背景があることがわかり、興味深く読めました。

    個人的に、ブルーハーツは、パンク(と思っていた)なのに、なぜ、こんなに幅広く支持され、曲が歌われているのだろう・・と思っていたが、この本で納得した。

  • <目次>
    第1章  日本的共同体とアメリカ~桑田佳祐(サザンオ-ルスターズ)
    第2章  現代日本のシャーマン~松任谷由実
    第3章  成長なき時代の成長物語~GLAY
    第4章  ロックによる救済~ザ・ブルーハーツ
    第5章  死を見つめて~草野マサムネ(スピッツ)
    第6章  「文明」と闘う済ボーク女戦士~浜崎あゆみ
    第7章  娘による母親殺し~椎名林檎
    第8章  日本的「模倣文化」の象徴~B'Z

    <内容>
    JPOPの代表的な歌手(グループ)を基に、日本文化を考える本。と言っても、桑田佳祐やユーミン、草野マサムネや椎名林檎は歌詞に踏み込み、B'ZやGLAYには一切出てこない。GLAYはとりあえず生き方の話であり、B'Zは彼らに関わる話は皆無に等しい(「模倣」の日本文化、いや文化そのものの話)。ザ・ブルーハーツは宗教的な(それも仏教)話である。これを諾するか否とするかは、読者にゆだねられるであろう。

  • この本のタイトルを見て、「音楽の話かな?」と思って手に取ってみたが、実際はJポップを通して日本人の内的世界を語る、という内容だった。
    この本は8章からなり、8つのアーティストそれぞれが異なるテーマで語られている。そのテーマというのも、心理学や民俗学、神話学からなるものである。
    正直Jポップというよりも、日本人の心象風景の方が中心に書かれていると思う。
    そして普通の人なら考え付かないであろう作者の独特で面白い考え方にも触れることが出来る。音楽が好きな人でも十分に楽しめると思う。実際にこの本を読んでみて、ああ、確かにそうかもしれないな、と日本人特有の考え方を再認識したりした。
    ちょっとそう考えるのは無理があるな、という所もあったりもしたが…笑
    作者が書いている事が絶対に正しいという訳では無いが、こういう考え方もあるんだな、と一人の日本人の意見として読んでみると面白いと思う。

  • 「Jポップとは何か」について、8組のアーティストを取り上げて、著者の視点から主に作詞と現象面から分析した一冊。

    音楽論ではなく文化論なので、音楽性の話は期待できない。
    ただし、Jポップに対する新たな価値観の定義付にはなったかと。

  • 2011.4.26

  • [ 内容 ]
    CDが売れなくなったといわれて久しいが、いまも若者は最新のヒット曲を携帯電話の着メロにし、ライブを行えばスタジアムを満員にするアーティストも多い。
    なぜJポップは、これほどまでに日本人の心をとらえてやまないのか―Jポップを代表する八組のアーティストをとりあげ、その人気のありかたや歌詞に通底する文化的原型を、心理学、民俗学、神話学などの手法で分析、彼らに魅せられてしまう日本人の集合的無意識をも明らかにする画期的評論。

    [ 目次 ]
    日本的共同体とアメリカ―桑田佳祐(サザンオールスターズ)
    現代日本のシャーマン―松任谷由実
    成長なき時代の成長物語―GLAY
    ロックによる救済―ザ・ブルーハーツ
    死を見つめて―草野マサムネ(スピッツ)
    「文明」と闘うサイボーグ女戦士―浜崎あゆみ
    娘による母親殺し―椎名林檎
    日本的「模倣文化」の象徴―B’z

    [ POP ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 桑田、松任谷、GLAYなどのアーティストを、日本人の感性を引き合いにして論評したもの。なぜこうしたアーティストが人気を博するのか、ユニークな論ながらも、大いに共感。

  • 8組のアーティスト(桑田佳祐、松任谷由実、GLAY、ザ・ブルーハーツ、草野マサムネ、浜崎あゆみ、椎名林檎、B’z)を社会学的視点から分析した本。
    その試みは非常に面白いものであり、また元新聞記者の著者が書いただけあって援用する資料の範囲がとても幅広く、本人のでき得る限りの知識を総動員させているような意気込みが伝わってきた。
    インタビューも取り入れてみたりと、「どういう評論が好ましいか」について様々な手法をこらして取り組んだ努力の跡も見られる。
    しかしあくまで社会学的視点での評論のため、音楽を愛する人に好んで読まれる本かと言われればそうでもないと思うし、またそういう視点は本来とは異なる分野のものであるため、言ってしまえば本流から外れている感は否めない。
    かなりの知識レベルを兼ね備えたアマチュアによる、かなり高いレベルでの評論と言った感じがする。
    この分野における評論がもっと盛んになっていけばそう感じることもないと思うんだけどね。
    でも読んでて面白かったです、僕はこういうの好きだから。
    (2006年10月19日)

  • 章によってまちまち。好みの問題かしら。
    松任谷由実、甲本ヒロト、浜崎あゆみ、椎名林檎の章は気に入った。
    最終的にどの議論も宗教学的解釈に収束していってる印象。

  • £3

    J-popを代表する8組のアーティストを取り上げ、その人気のあり方や歌詞に通底する文化的原型を心理学、民俗学などの手法で分析する論書。日本人の集合的無意識など興味深い。
    アーティスト:桑田佳祐、松任谷由実、GLAY、ブルーハーツ、草野マサムネ、浜崎あゆみ、椎名林檎、B'z

    状態は良好。書き込みもありません。

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著者プロフィール

1963年1月京都市生まれ。
1986年、京都大学経済学部を卒業し朝日新聞社に入社。名古屋本社社会部などを経て1991年からニュース週刊誌「アエラ」編集部員。
1992~94年に米国コロンビア大学国際公共政策大学院に自費留学し、軍事・安全保障論で修士号を取得。
1998~99年にアエラ記者としてニューヨークに駐在。
2003年に早期退職。
以後フリーランスの報道記者・写真家として活動している。
主な著書に『ヒロシマからフクシマヘ 原発をめぐる不思議な旅』(ビジネス社 2013)、『フェイクニュースの見分け方』(新潮社 2017)、『福島第1原発事故10年の現実』(悠人書院 2022年)、『ウクライナ戦争 フェイクニュースを突破する』(ビジネス社 2023)などがある。

「2023年 『ALPS水・海洋排水の12のウソ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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