美男の立身、ブ男の逆襲 (文春新書 (440))

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166604401

作品紹介・あらすじ

美男とブ男はどちらがトクか?男の出世に容貌は関係あるのか?女にとって男の美醜とは?これらの謎を解くべく、日本の古典に登場する男たちを並べると、一本の道筋が見えてくる…。女装して敵を討ったヤマトタケル、「美男で歌がうまいが無学」な在原業平、絶世の美男の凋落をさらす光源氏、出っ歯の小男だった源義経、老化を乗り越えた世阿弥、小男パワーで全国制覇した豊臣秀吉など、日本史のヒーローたちの華麗なる闘いをご堪能あれ。

感想・レビュー・書評

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  • (「BOOK」データベースより)
    美男とブ男はどちらがトクか?男の出世に容貌は関係あるのか?女にとって男の美醜とは?これらの謎を解くべく、日本の古典に登場する男たちを並べると、一本の道筋が見えてくる…。女装して敵を討ったヤマトタケル、「美男で歌がうまいが無学」な在原業平、絶世の美男の凋落をさらす光源氏、出っ歯の小男だった源義経、老化を乗り越えた世阿弥、小男パワーで全国制覇した豊臣秀吉など、日本史のヒーローたちの華麗なる闘いをご堪能あれ。

  • すごいタイトルの本ですが、既読の『乙女の日本史』でこの本が紹介されていたため、読んでみました。
    まず「ブ男」という言葉が強烈です。まさに日本史を男性の見た目でひもといていくような本。
    全編にわたり、「美男」と「ブ男」が対比されて述べられています。

    会話にもまず上らない、ブ男という言葉にはかなり抵抗を感じますが、「ブス論」を書いているという著者、その著書の話も頻繁に登場します。
    そういった観点から見た日本史なので、かなり見方がニッチ。

    ヒーローをヒーローたらしめる付随的特徴として、衆目美麗さが備わっていると考えている私には、(うがった見方だなあ)と、これまたうがった読み方をしていたように思いますが、見目麗しさというよりは、一人のスター的要素を持った人物がどこまで社会を動かせるかという可能性と限界が、時代を経て変わっているように思うという自論は、すべて読み通しても、やはり変わりませんでした。

    確かに男性は女性よりも美しさを問われることはないため、そこを着眼点としたのは新しい切り口だと思います。
    でも、その点を判断基準とするには、論破根拠が弱いようにも思います。
    著者は学者ではないため、諧謔を交えて書かれたものなのか、一切笑いなしのまじめなものなのか、著者の立ち位置が読みとれず、こちらもどう構えて読むべきか、考えあぐねたところもありました。
    片方かと思うと、もう片方の要素も出てきたりします。

    まあ、着眼点にしろ、タイトルにしろ、大真面目ということもないとは思いますが、それにしては語り口から笑いや楽しさが伝わってきません。
    性愛的表現をすべて「まぐわひ」と表している点も、やけに気になりました。
    もう少し、お堅いものか、崩したものか、作者の立ち位置を明確にしてもらえれば、こちらも受け止め方を決められたのですが。

    それでもかなりの文献を読み説いてあるため、多少独特な見方ではあるものの、文献紹介としてためになります。
    承久の乱が、後鳥羽上皇が亀菊という遊女に所領をやるやらないで幕府と揉めて起きた事件だったなんて、知りませんでした。

    『源氏物語』で、とにかく稀代の美男とあがめられ続けている源氏ですが、年を重ねるとその記述は減っていくことに言及し、「美男は醜男よりも老醜が悲惨だ」と述べています。
    一概に、諸手を挙げての美男礼讃本というわけではありません。

    また、平安時代には女性風のたおやかで優美な美男がもてはやされたものの、戦国時代になると、美しさは問われなくなり、色黒で髭もじゃの男らしい男性がヒーローとなったなど、ヒーロー像の時代的変遷もまとめられています。
    文学的には、貧しさ、愚かさに加えて、外見的醜さは、その人物を貶める絶好の特徴とされますが、美しければいいというものでもなく、美しいからこそ悲劇に巻き込まれたり、醜女に追われたりするという事例も挙げていました。
    女性ほどではないにせよ、男性も変わりがないということでしょう。

    江戸時代になると、歌舞伎に「色悪」というキャラがとりこまれ、美男ながらも悪い男という設定が、従来の美しい人=善人のイメージを覆したと紹介されていました。
    そうした流れが、見た目と直接リンクしない複雑な性格設定の人物像を促し、現在に至るというわけです。
    弁慶と義経の関係など、うがった見方からさらに妄想が発展していく箇所もあり、内容の全てに納得したわけではありませんが、こういうまとめ方もありなんだなあと思いました。

  • 文学に見る、美男とブ男の話でした。

    学術的に、どうかと思う点もありましたが、新しい視点がいろいろあって、読み物としては、楽しかったです。

  • 文学の視点から見ていて面白い。もう少し逆襲部分(てゆーかサクセスストーリー的な例文)も読みたかったけど。

  • 面白かった。<br>源氏物語論とかでおなじみ大塚さんの男の美醜論。古代から江戸時代までの男の容貌にまつわる文学やら世間の見方やらを論じた本。<br>大塚さんなんで、とても平易で読みやすい。体を売ることを生業にしてた稚児についてとかも詳しいっす。あと男の容貌についてなんで、男色の歴史にも結構踏み込んでいる。ええと面白かったっす。(感想になってねえ)

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著者プロフィール

1961年横浜市生まれ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻。個人全訳『源氏物語』全六巻、『源氏の男はみんなサイテー』『カラダで感じる源氏物語』『ブス論』『愛とまぐはひの古事記』『女嫌いの平家物語』(以上、ちくま文庫)、『快楽でよみとく古典文学』(小学館)、『ひかりナビで読む竹取物語』(文春文庫)、『本当はひどかった昔の日本』(新潮社)など著書多数。

「2016年 『文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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