本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166604883
みんなの感想まとめ
風水の思想とその歴史を深く探求する本書は、16世紀の中国で刊行された風水書『地理人子須知』を基に、風水の基本概念や仕組みを解説しています。著者は、風水が中国の伝統社会において「術」として位置づけられ、...
感想・レビュー・書評
-
方違えから風水と、怪しげなものを続けて読む(笑)。
本書は、16世紀の中国で刊行された風水書、『地理人子須知』の内容紹介をしつつ、風水の思想を解説する本。
筆者は徐善継、徐善述の双子の兄弟。
正直に言うと、その紹介部分(もちろん分量的にも大半を占める)は、読むのがつらかった。
むしろその前後の、筆者の概説の方が興味を感じられた。
まあ、私にこの本を読むだけの準備がないというか、価値がわからないということだろう。
それはさておき、初めて知ったことをいくつかメモ。
風水は中国の伝統社会でも、学問の体系の外にある「術」という位置づけにあること。
風水は「気」を囲い込み、逃さないようにすることが肝要と考えるが、その「気」とは、大気であり、中国人の「元素説」では、精神と物質の二つを抱合するものだという。
では「風水」と「気」は同じかということだが、筆者は同じと考えている。
抽象的概念である「気」を、目に見えるものである(!)風と水に言い換えたものではないか、ということだった。
で、その風水と陰陽説の関係も、よくわからない。
もともとは違うところから発生したものが、気論に取り込まれたと筆者は言う。
気論の上に、陰陽五行説、八卦説がのっかっているということらしい。
本書の最後の方は、風水都市の話。
ソウルなどもあったが、日本の古代都市はどうなのか、という話は興味深かった。
黄永融は平安京は風水思想に則って作られた都市と論じたが、これに対して井上満郎という人は、風水思想が日本に入り、ある程度の影響力があったのを否定はしないが、文献的に平安京が風水思想によったものであるという証拠がない、と反論しているという。
マスメディアでは風水都市と確定的に論じているものが多いが、そういう論争があったのか。
それから二十年ほど経っているが、現在は決着はついたのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中国学専門著者による風水の歴史に関する書。
新書であるが中国の歴史に詳しくないと素人には難しい。
もちろん、現在の日本でいう「風水」とはほど遠い内容。
日本への伝達に関しては元々興味があったが、シーサーと狛犬の相関なども知りたかった。別の書を読めということだろう。 -
形勢派(羅針盤などを使わず周囲の地形の観察を主とする)・陰宅(墓地)風水の書物、明末徐善継・徐善述兄弟(王龍谿に師事)著『地理人子須知』を使い、中国の風水の理論を解説している。郭樸『葬書』などから説き起こし、天文学や医学との関係も視野にいれつつ概説を行ったあと、龍法・穴法・砂法・水法の風水四科を解説する。この部分はさすがに難解で、現代人の目で見れば、理論の呈を為していないものもあるが、とにかく執拗な観察と分類には驚嘆する。最後の章では、朝鮮や沖縄の風水を紹介していて、該地では風水が文化的に重要な要素であることを知ることができる。墓地の奪いあいなどが発生することから、「風水はエゴイスティクなもの」とする著者の論定は、エコロジーと安易に結びつける発想に警鐘をならすものである。
-
風水師の御託宣にしたがって、家を建てるのは、風水の「術」でしかない。
誰にでもわかるように、説き尽くす、風水という「知」の体系。
土地やお墓の吉凶を鑑定する「風水占いブーム」が日本に起こって早十数年。
遂には家相やインテリアにまで風水の神秘を探すにいたっている。
このブーム、日本だけでなく、中国大陸、台湾、韓国でも起きた。
しかし、それらの国々では、風水は科学的要素も備えた、伝統に根ざした「術」の体系なのだった。
風水研究の第一人者であり、中国学の大家である著者が、その蘊奥を、一般向けに、かゆい所に手が届くように伝授するのがこの本。東アジアの「知」の神秘の世界へ、どうぞ。
著者プロフィール
三浦國雄の作品
本棚登録 :
感想 :
