父親のすすめ (文春新書 529)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166605293

作品紹介・あらすじ

「小遣いの与え方」「いつまで一緒に風呂に入るか」「大学へは行かせた方がいいか」「子どもを自立させるには」…。三人の子をもつ著者による実践的かつ画期的子育て論。

感想・レビュー・書評

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  • p.53
    周囲を見渡してみると、ファミレスや牛丼屋でも駅構内の蕎麦コーナーでも、ときどき「ごちそうさまでした」と言っている大人を見かけます。ビジネス上のおつきあいをするなら、こういう人たちと組みたいと思いませんか。まだ少数派だからこそ、気持ちの良さがより強く相手に伝わる、という事情もあります。
    客「ごちそうさまでした!」
    店員「ありがとうございました!」
    という挨拶は、日本の最も良き伝統の一つです。
    → これ、できてないなぁ。
    ファシリ「ご参加頂き、ありがとうございました!」
    客「また来ます、ありがとうございました!!」
    こんな気持ちのいい別れの挨拶が自然と交わされる読書会。理想郷です♪

  • 親の役割は子供を自立させることである。そのために、どうするか。しつけ、小遣い、教育、旅、親子関係など、著者の経験を踏まえて具体的に提言されている。ちょっと頑固おやじさんな印象はあるものの、農業高校から農業関連の大学に入り、まさに自立して生きていらっしゃるお子さんたちのエピソードをみると、なるほどこういうことなんだな、と思う。

  • 著者の子育て論に共感。子育てとは自活への力をつけること。その為の挑戦、失敗の場を家庭に持つことが大事である。15歳までに一人で海外旅行させるという目標は素晴らしいと思う。また著者のお子さんの文章が一部載っていたが、レベルが高いと感じた。
    (食事の時はTVはoff。)

  • 「アドバイス」という大上段に構えた話ではなく
    「自分はこうした、こうしている」という話なので、
    それをどう捉えるかは自分次第。

    お小遣いの渡し方などの非常に具体的な話もあるし、
    良い担任につけてもらう方法など、
    著者ならでは?と思える方法もある。

    相変わらず、切り口の鋭い文体ではあるが、
    その裏に、世の中の親に対する優しさを感じた。
    応援歌と言ってもいいかもしれない。

    結局、親はいつかはいなくなるもの。
    それは自分の親もそうだし、親としての自分もそう。

    親にできることって、何だろう。
    父親だけでなく、母親にも読んで欲しい本である。

    [more]
    (目次)
    はじめに――親にできること
      親と子は違う
      夢のバックアップを
     「親を必要としなくなる」日をめざす
      究極は「この親をクリアできたらどこでも通用する」

    第1章 基本
    1、しつけとは
      自己肯定感の強い人々
      選択の余地なく教えるべきこと
      舐められない
      親「にも」責任がある
      最悪の事態を想定しておく
      羞恥心を教える
      異世代の人と会話ができるように

    2、食事中のテレビについての考察
      子どもが生まれたら食事中はテレビを消す!
     「正しい指摘に適応できない大人」の問題
     「働いて帰ってきて自由にテレビも見れんのか!」考
     「ごちそうさま」を!

    3、教養と判断力
      自分を相対化するための教養
      学生に活字を読ませる方法
      バランスが狂っている
      敢えてブログを書かせる
      人生は判断の連続である
      判断力をつけさせるには

    第2章 問題解決
    1、学校で
      少数派の効果
     「先生運」が悪い
      間違ったルールへの対症法
      問題解決の方法

    2、親子関係
      子どもと街を歩けなくなる日?
      子どもと旅ができる関係を築くには
      いつまで一緒に風呂に入るか
      子どもに対する性的妄想について

    3、敢えて言う
      いわゆる「一人っ子」問題
      理不尽な優先順位
      熱を出したときこそ父親が
      対策は二種類しかない
      銀行振り込みへの抵抗
      教師に対する批評の是非

    第3章 進学
    1、高等教育へ
      大学へは行かせたほうが良いか
      小学2年生で自信を失わせないために
      なぜ試験と表現力が肝要なのか
      高等教育に送り出す者の義務

    2、子どもの進む道
      発想の転換
      一七歳の作文「農業高校で考えたこと」
      全体状況と個別状況は別!
      口先だけの大人にしない

    3、小論文突破法
      エンドレスゲームの罠
      小論文の要諦は技術ではなく体験
      中学で「国語二」の子が小論文で大学入試を突破するには
      高三の小論文「農業の未来は暗くない」
      個性をどう表現するか
      高三の小論文「補助金ではなく生産者を支える仕組みを」

    第4章 自立
    1、準備
      子どもに成功体験を
      一五歳になったら海外へ独りで
      たくさん失敗しないと問題解決能力は育たない
      自分で前に踏み出さないと何も始まらない

    2、相対化を
      他人の飯を食え
      潰さず、暴走させず
      それぞれの流儀で

    おわりに――子育ての卒業
      過剰な不安はいらない
      ダメな親でいい!
      執筆後記

  • 著者の子育て体験論。子育て目標は「子が親を必要としなくなる日を目指す」。
    この手の本は、基本参考になる部分のみ受け入れるスタンス。

    書籍代と新聞代を別会計で与える。15歳になったら一人で海外旅行へ。などは取り入れてみても良いかと感じる。

  • 参考になる部分も多かったけれどちょっと著者とは性格が合わないかも
    と思いました。

    「子育てとは子供を最終的に自立させることが目的である」
    というブレていない信念は良いのですが
    学校に対する考え方が合わないと感じました。
    自分の子供の担任が良い教師になるように学校にプレッシャーをかけるとか
    教師の悪口は言っても良いとか違和感を感じるところもありました。

    しかし、塾に高額のお金を払うくらいであれば子供を留学させた方が良い
    ですとか既存の学歴至上主義に一石を投じるような話も盛り込まれていて
    とても興味深いところもあり、自分の中でもこの本の評価は分かれています。

    よく見たら10年くらい前の本で今著者の子供たちはどのように
    羽ばたいているのだろうと気になりました。

  • おおむねは納得できる内容。ただ、根本的に先生は信用していない、ってスタンスは自分とは相容れない。そうはいいながら、気に入らないところがあると、直接出向いてヤクザまがいの恐喝を(論理の飛躍かもしらんけど、端的にいうとそういうことでしょ)、っていう発想もイマイチ。とりあえずチグハグな感じがしました。自身が父親の役割を果たしたぽいし、そういう意味では成功者から学べる部分もあったとは思うけど。

  • 素直に面白かった。子どもに対しての教育方法については漠然としたイメージを持ってはいた,それに当てはまるようなことがいろいろ書かれていた。
    自分たち夫婦なりの育て方でいい,ダメな親でいいというのは,すべての親に勇気を与えるものだと思う。この本に書いてあることも参考に,自分たちらしく育てて行ければいいな。

  • 23歳で子どもを持ち、
    現在3児の父親である日垣氏の子育て論。

    「子育ての最終目標は自立」
    「この家庭を乗り越えれば、どこでも通用するようにする」

    などの哲学に基づく教育論ですが、
    そこは日垣氏、やっぱりキレキレです。

    ・書籍代は無制限で与える
    ・学費や小遣いは必ず手渡し
    ・取り返しのつかないことには過度に怒る
    ・15歳になったら必ず海外一人旅をさせる

    etc..模倣してみたい持論が満載。
    早く父親になりたくなります。

    『尊敬される親父になる』
    これ、人生の究極目標だと思うんだけど、いかがか。

  • さらりと読める。
    世の大勢の問題と個別の問題の解決方法はむしろ反対になる。なるほど。

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著者プロフィール

1958年、長野県に生まれる。東北大学法学部卒業後、販売、配送、書籍の編集、コピーライターを経て87年より作家・ジャーナリスト。著書には、『そして殺人者は野に放たれる』(新潮文庫、新潮ドキュメント賞受賞)、『世間のウソ』(新潮新書)、『ラクをしないと成果は出ない』(だいわ文庫)、『情報への作法』(講談社+α文庫)など多数。

「2011年 『つながる読書術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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